『フランクリン自伝』を原書で読む(第2回)

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The Autobiography.

autobiography(名)自叙伝、自伝

PART ONE

part(名)(書物・戯曲・詩などの)部、編、巻
one(名)(基数の1)(通例無冠詞)1

TWYFORD, at the Bishop of St. Asaph's, 1771.

bishop(名)(しばしばBishop)監督、主教(英国国教会ではEnglandとWalesを約40に区分し各区分を1人のbishopが統轄する)・the bishop of London ロンドン主教(St. Paul'sに主教座をもつ)

DEAR SON: I have ever had pleasure in obtaining any little anecdotes of my ancestors.

ever(副)いつも、常に、始終
have(他)(感情・考えなどを)(心に)抱いている
pleasure(名)楽しみ、愉快、喜び
in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して(doing)
obtain(他)(人が)(ものを)得る、手に入れる
any(形)(肯定文で強調的に)(可算の名詞の複数形または不可算の名詞につけて)いくらでも、いくつでも
little(形)(可算の名詞、peopleなどの集合名詞を修飾して)ささいな、大したことのない
anecdote(名)逸話、逸事
my(代)私の
ancestor(名)先祖、祖先(=forbear)

You may remember the inquiries I made among the remains of my relations when you were with me in England, and the journey I undertook for that purpose.

may(助動)(不確実な推量を表わして)~かもしれない、おそらく~であろう
remember(他)(~を)覚えている、記憶している
inquiry(名)調査、取り調べ ・make an inquiry 調査を行なう
make(他)(目的語に動作名詞を伴って、動詞と同じ意味をなして)(~を)する、行なう(同じ意味の動詞より、この表現のほうが1回だけの行為であることが強調される)
among(前)~の間で
remain(名)(複数形で)残り、残り物(of)
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
relation(名)親類(の人)(=relative)
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in London ロンドンで(に)
England(名)イングランド(Great Britain島のScotlandとWalesを除いた部分)
journey(名)(通例陸上の比較的長い)旅行
undertake(他)(仕事・実験などに)着手する、取りかかる
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの(⇔this)
purpose(名)目的、意図 ・for ~ purpose ~の目的上、~のために

Imagining it may be equally agreeable to you to know the circumstances of my life, many of which you are yet unacquainted with, and expecting the enjoyment of a week's uninterrupted leisure in my present country retirement, I sit down to write them for you.

image(他)(~を)心に描く、想像する
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
equally(副)同様に
agreeable(形)快い、感じ(愛想)のよい(=nice/⇔disagreeable)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~にとっては、~には
circumstance(名)(事の)次第、(話・事柄の)詳細
life(名)生涯、一生、寿命
many(代)(複数扱い)多数(の人、もの)(of)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格目的格の場合)そしてそれは(を)
unacquainted(形)(~に)不案内で(with)
with(前)(処置・関係の対象を導いて)~に対して、~について、~に
expect(他)(~を)(当然のこととして)期待する、予期する、待つ
enjoyment(名)楽しみ、愉快、喜び
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
uninterrupted(形)途切れない、連続した、不断の
leisure(名)余暇、自由な時間、暇(な時間)(仕事から解放されて休息・レクリエーションに使う時間/日本語の「レジャー」には余暇を利用して楽しむことの意味があるが、leisureにはその意味はない)
present(形)(the ~、one's ~)現在の、現~、今の、今日の
country(形)いなか(風)の、いなか育ちの
retirement(名)引退、隠居
down(副)座って ・sit down

To which I have besides some other inducements.

to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
besides(副)そのうえ、なお(また)
inducement(名)誘引(誘導)するもの、誘因 ・an inducement to ~に対する動機

Having emerged from the poverty and obscurity in which I was born and bred, to a state of affluence and some degree of reputation in the world, and having gone so far through life with a considerable share of felicity, the conducing means I made use of, which with the blessing of God so well succeeded, my posterity may like to know, as they may find some of them suitable to their own situations, and therefore fit to be imitated.

emerge(自)(水中・暗やみなどから)出てくる、現われる(from)
from(前)(出所・起源・由来を表わして)~から(来た、取ったなど)
poverty(名)貧乏、貧困
obscurity(名)世に知られぬこと、無名
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
born(形)(人などが)生まれて(in)
bred(動)breedの過去形・過去分詞
breed(他)(人を)(~に)仕込む、育てる ・be bred to ~に育てられる
to(前)(到達点を表わして)~まで、~に至るまで ・from A to B AからBまで
state(名)(通例単数形で)状態、ありさま、様子
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の
affluence(名)裕福
degree(名)程度、度合い
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
reputation(名)好評、名声、令名、名望
world(名)(the ~/単数扱い)(渡る)世間、世の中
go far 成功する
so(副)(程度を表わして)(強意的に)とても、非常に、大変
through(前)(始めから終わりまでを表わして)(時間・期間)じゅう
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
considerable(形)(量・数が)かなりの、相当な、少なからぬ(=substantial)
share(名)(単数形で)(一人の人が持つ)分け前、取り分
felicity(名)非常な幸福、至福
conduce(自)(ある結果に)導く、結びつく、貢献する
means(名)方法、手段
make use of ~ ~を使用(利用)する
with(前)(原因を表わして)~のせいで、~のゆえに、~のために
blessing(名)(神からの)恩恵、天恵
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい
well(副)満足に、よく、申し分なく(⇔ill、badly)
posterity(名)(通例one's ~)(古)子孫
like(他)(~を)好む、(~が)好きである(+to do)
as(接)(原因・理由を表わして)~だから、~ゆえに
find(他)(~が)(~であると)知る、感じる、わかる(+目+補)
some(代)(可算の名詞を表わす時には複数扱い、不可算の名詞を表わす時には単数扱い)多少、いくぶん(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
suitable(形)適当な、ふさわしい(to)(⇔unsuitable)
their(代)彼ら(彼女ら)の
situation(名)(人が置かれた)立場、境遇
therefore(副)それゆえに、従って、それ(これ)によって(=consequently)
fit(形)適当な、ふさわしい(⇔unfit)(+to do)
imitate(他)(人の態度・言葉などを)まねる、模倣する

That felicity, when I reflected on it, has induced me sometimes to say, that were it offered to my choice, I should have no objection to a repetition of the same life from its beginning, only asking the advantages authors have in a second edition to correct some faults of the first.

reflect(自)(~を)よく考える、思案(熟考)する(on)
on(前)(関係を表わして)~について、~に関する
induce(他)(人を)勧誘して(~する)気にさせる、(人に)説いて(勧めて)(~)させる(+目+to do)
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
offer(他)(人に)(もの・援助などを)提供する、申し出る、差し出す(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
choice(名)(またa ~)選択力(権利、余地)・offer(a person)a choice 選択の機会(選択権)を提供する、好きなのを選んでよいという
should(助動)(仮定法で)(条件文の帰結節で、I shouldで現在または未来の事柄についての想像を表わして)~だろうに
objection(名)異存、不服 ・have objection to ~に文句がある
repetition(名)繰り返し、反復
from(前)(空間・時間などの起点を表わして)~から ・from the first 最初から
its(代)それの、あれの、その
only(副)ただ~だけ、~にすぎない
ask(他)(人に)(物事を)頼む、要請する、求める
advantage(名)有利な点、強み、長所
author(名)著者、作家、著述家(通例女性も含む)
have(他)(しばしば目的語に形容詞用法のto不定詞を伴って)((~すべき(できる))用事・時間などを)もっている、与えられている
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で ・in the second chapter 第2章に
second(形)(序数の第2番)(通例the ~)第2(番目)の
edition(名)(本・雑誌・新聞などの)版 ・the first(second)edition 初(再)版
correct(他)(誤りを)訂正する、直す(=rectify)
fault(名)誤り
first(代)(序数の第1番)(通例the ~)(~する)最初の人(もの)

So I might, besides correcting the faults, change some sinister accidents and events of it for others more favorable.

so(接)(等位接続詞として)そこで、それで、~ので
might(助動)(仮定法仮定)(条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で)(現在の推量を表わして)~するかもしれない
besides(前)~のほかに(も)(=apart from、in addition to)(doing)
change(他)(ものを)換える、交換する(for)
sinister(形)不吉な、縁起の悪い
for(前)(代用)(交換・代償を表わして)~と引き替えに
other(代)(通例複数形で)ほかのもの、ほかの人たち、他人
more(副)もっと、いっそう
favorable(形)(事情・形勢など)有利な、好都合の、順調な

But though this were denied, I should still accept the offer.

though(接)たとえ~でも、よし~にせよ
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
deny(他)(人などに)(要求などを)拒む、(人などに)(与えるべきものを)与えない(=refuse)
should(助動)(可能性・期待を表わして)きっと~だろう、~のはずである
still(副)それでも(やはり)、なお(=nonetheless)
accept(他)(招待・任命などを)引き受ける、受諾する
offer(名)申し出、提供、提案 ・accept an offer 申し出を受ける

Since such a repetition is not to be expected, the next thing most like living one's life over again seems to be a recollection of that life, and to make that recollection as durable as possible by putting it down in writing.

since(接)(理由)~だから、~のゆえに
be(助動)(be+to doで)(可能を表わして)~することができる
next(形)(通例the ~)(順序・配列が)次の
thing(名)(無形の)こと、事(柄)、事件
most(副)(主に2音節以上の形容詞・副詞の最上級を作って)最も、いちばん(副詞の場合にはtheをつけないことも多い)
like(前)~のような、~に似た(doing)
live(他)(live a+形容詞+lifeで)(~の)生活をする
one's(代)費との、その人の
over(副)繰り返して ・over again もう一度繰り返して
seem(自)(~と)見える、思われる、(~)らしい(通例話し手の推量をこめた見方・判断を示す語で、文法上の主語と判断の主体は一致しないことが多く、時に判断の主体を示すのにto a personを従えることがある)/(+to be 補)
recollection(名)(またa ~)回想、回顧、想起
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
as ~ as possible できるだけ
durable(形)永続性のある、恒久性の
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
put down(~を)書く、記入(記帳)する
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った
writing(名)書面、文書 ・in writing 書いて、書面で

Hereby, too, I shall indulge the inclination so natural in old men, to be talking of themselves and their own past actions; and I shall indulge it without being tiresome to others, who, through respect to age, might conceive themselves obliged to give me a hearing, since this may be read or not as anyone pleases.

hereby(副)これによって、この結果(特に儀式・法律文書などに用いる)
too(副)(通例文頭または文中に用いて)(~も)また、そのうえ
indulge(他)(欲望・趣味などを)ほしいままにする
inclination(名)(~したい)気持ち、意向、思い(+to do)
so(副)(程度を表わして)(強意的に)とても、非常に、大変
natural(形)(~にとって)普通で、平常で
in(前)(人の能力・性格・才能を表わして)(人)の中に、~には
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
talk(自)(~のことを)話す、しゃべる(of)
themselves(代)(再帰的に用いて)彼ら(彼女ら、それら)自身を(に)/(前置詞の目的語に用いて)
action(名)(具体的な)行動、行為
without(前)(主に動名詞を伴って)~せずに
tiresome(形)あきあきする、うんざりする
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
through(前)(手段・媒体を表わして)~によって、~を通して
respect(名)(またa ~)敬意、尊敬(⇔disrespect)
age(名)老年、老齢
conceive(他)(~と)考える、思う、理解する(+目+as 補)
themselves(代)(再帰的に用いて)彼ら(彼女ら、それら)自身を(に)/(一般動詞の目的語に用いて)
obliged(形)(人が)(~)せざるをえなくて(+to do)
give(他)(~に)(注意・考慮などを)向ける、払う(+目+目)
hearing(名)聞いてやること、傾聴 ・give a person a hearing 人の言い分(主張)を聞いてやる
read(他)(書物・手紙・作品などを)読む
not(副)(否定の文・動詞・節などの省略代用語として)
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
please(自)(as、when、ifなどが導く従属節内で)好む、気に入る、したいと思う
【参考文献】
The Autobiography of Benjamin Franklin (Dover Thrift Editions)』Benjamin Franklin・著
フランクリン自伝 (中公クラシックス)』渡邊利雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)

『フランクリン自伝』を原書で読む(第1回)

日本の英語教育史における『フランクリン自伝』

戦前の英語教育では、『フランクリン自伝』の原文を読めることが旧制中学卒業レベルとされていました。
そのことは、『近代日本の英語科教育史』(東信堂)にあるように、明治期の小学校教員検定試験(専科正教員・英語)が中学校卒業レベルとされており、例えば、明治32(1899)年頃の東京府教育会附属小学校英語科教員伝習所の教材や、明治37(1904)年以降の三重県小学校教員検定試験参考用図書の中に「フランクリン自叙伝」が挙げられていることからも伺えるでしょう。
伊藤和夫先生の『ビジュアル英文解釈 PARTI』(駿台文庫)には、ベンジャミン・フランクリンについて述べた例題があり、その解説には次のようにあります。

ベンジャミン・フランクリンというのは、ひと昔前のアメリカ人を代表する偉い人でね。この文章は、彼の自叙伝がもとになっているんだけど、その本は日本でも、遠い明治の昔から戦前までは、英語の勉強をする人なら誰でも読んだ本なんだよ。君たちもこれで、その人たちの仲間入りとまではゆかないが、ま、同じにおいだけはかいだわけだ。

中公クラシックス版の『フランクリン自伝』の解説には、「中等学校の英語副読本にも『自伝』の抜粋が採用されており、当時の意欲的な学生たちは、正岡子規同様、英語力をつけるとともに、フランクリンにあやかって、自らの立身出世を夢みていたと思われる」とあります。
例えば、『英語教師 夏目漱石』(新潮新書)によると、明治27(1894)年頃に漱石がまとめた「GENERAL PLAN」という英語教育論がありました。
これは英語教授法に絞って書かれており、具体的な学年別の使用教科書も掲げた、実践的なものです。
その中で、中学校4年生(現・高校1年生)の使用教科書として、『フランクリン自伝』が挙げられています。
また、『修猷館の英語教育 明治編』(海鳥社)には、福岡県尋常中学修猷館(現・福岡県立修猷館高校)における明治30(1897)年度のカリキュラム一覧表が掲載されていますが、それによると、3年生の英語の読本は『フランクリン自叙伝』でした。
中学3年で原書講読とは早過ぎるような気もしますが、当時の修猷館は英語教育に非常に力を入れていたのです。
それから、『英語天才 斎藤秀三郎』(日外アソシエーツ)には、明治期の英学の巨人・斎藤秀三郎が行なっていた『正則英語学校講義録』という通信教育事業のカリキュラムが載っています(開始は大正元年)。
それによると、受験科(5年の一つ上ですから、現在の高校3年生相当でしょうか)の「正則高等英語読本」の中に、『フランクリン自伝』と思しきタイトルがあるのです。
中学以外でも、「早稲田大学百年史 別巻I」によると、明治33(1900)年の早稲田大学高等予科(現・早稲田大学高等学院)では、学科配当表に『フランクリン自叙伝』の名があります。
また、『近代日本の英語科教育史』によると、三重県四日市商業学校(現・三重県四日市商業高校)の明治38(1905)年度の本科3年(現在の高校2年に相当)の英語の読本として、「ベンジャミン、フランクリン自叙伝 抜粋」が挙げられていました。
これらの資料から、明治・大正期の英語教育においては、『フランクリン自伝』がかなり幅広く教材として使われていたことが伺えるでしょう。
戦後も、1970年代までは、英語教育では文学が重視されていました。
『英文標準問題精講』(旺文社)には、英文解釈の練習問題として、『フランクリン自伝』の一節が取り上げられています。
この本は、旺文社の営業力によって、現在でも書店の店頭に並んでいる大学受験用の参考書です。
初版が発行されたのは、何と1933年。
当時の旧制高校旧制専門学校の受験対策用だったのでしょう。
著者の原仙作が初版刊行時に書いた「はしがき」には、次のようにあります。

なお出典を明示して、入学試験問題の多くは日常誦読される英米文学の主要な典籍より選ばれることを知らしめんことに努めた。巻頭に問題出典表を掲げたのは、英米文学に多少の関心と知識とを持つことが、英語を真に理解する一助になると信じたからである。

このように、本書は英米文学のアンソロジーとなっています。
僕の手元にあるのは1991年発行の5訂版ですが、僕が大学を受験した1990年代初頭には、既に英語の入試問題で文学作品が使われるようなことはほとんどなくなっていました。
しかし、僕より上の世代では、本書を受験対策として普通に使っていたそうです。
上の「はしがき」にあるように、日常の英語教材も、入試問題も、文学作品が使われていました。
『フランクリン自伝』の原文も、戦後のある時期までは大学の原書講読などで読まれていたようです。
故・渡部昇一先生の『続 知的生活の方法』(講談社現代新書)には、「フランクリンの『自叙伝』のこの個所は、高校生のときに佐藤順太先生の英語のクラスの教科書で教えていただいたものであった」と書かれています。
渡部先生は昭和5(1930)年生まれで、山形県立鶴岡中学校(旧制)に入学。
在学中の昭和23(1948)年に学制改革が実施され、同校は新制の山形県立鶴岡第一高校(現・山形県立鶴岡南高校)になりました。
つまり、戦後すぐの新制高校では、未だ英語の教科書として『フランクリン自伝』が使われていたということですね。
それから、僕の手元に、アマゾンの中古で買った、研究社英米文學叢書の『フランクリン自叙伝』があります。
奥付けを見ると、「昭和58年3月25日 19版発行」で、91ページ辺りまで、授業で使用されたと思しき書き込みがあるのです。
ひるがえって現在は、「使える英語」というキャッチフレーズの下、文法は軽視(ないしは無視)され、教科書は会話体が中心になっています。
入試問題も、かつてのような複雑な構文の短い英文を正確に訳させる方式から、簡単な英文を大量に読ませ、大まかな内容が把握出来たかどうかを選択させるような方式に変わりました。
では、それによって、英語力は上がったのでしょうか。
多くの大学の先生が、学生の英文読解力の低下に悩んでいます。
かつては必修だった英文科の原書講読も、学生の英語力が低くて成立しないということが増えているようです。
『フランクリン自伝』についても、僕が調べた限りでは、講読が行なわれているのは神奈川大学(2017年度)しか見当たりませんでした。
つまり、「使える英語」を目指した結果、これまでの「読めるけど話せない」から、「読めないし話せない」に転落してしまったと言えます。
更に、今年から始まった大学入学共通テストの英語の問題を見ると、文法問題が消えて、読解問題のみになっています。
何と、スマホのやり取りまで問題文になっているではありませんか。
確かに、実用的なのかも知れません。
しかし、多くの受験生が、読解の基礎である英文法をきちんと理解しておらず、だからこそ文法問題が出題されていたのです。
それを、全部応用問題にして、どうするのでしょうか。
そもそも、大学で学問するために、スマホなど必要ありません。
こんな入試問題で選抜していては、ますます大学生の英語力は低下するでしょう。
『フランクリン自伝』は、昔の難しかった頃の大学入試英文のレベルです。
今は絶版になっている研究社新訳注双書の『フランクリン自叙伝』(昭和27年発行)の「はしがき」には、「高校上級生及び大学初年生向き」とあります。
それを体感するために、僕は『フランクリン自伝』を原書で読んでみることにしました。

ベンジャミン・フランクリンについて

それでは、『フランクリン自伝』の著者であるベンジャミン・フランクリンについて、その生涯の概略を、少し長くなりますが、よくまとまっている中公クラシックス版の解説から引用します。

彼は、一七〇六年、ボストンの名もない蠟燭・石鹼づくりの息子に生まれた。一七人きょうだいの一五番目。そして、十歳のときから家業を手伝い、教育らしい教育はほとんど受けなかったが、向学心の強い彼は、印刷屋の兄のもとで年季奉公をしながら、手あたりしだい本を読み、文学修業に励んだ。十六歳のときには早くもハーヴァード大学の教育を批判したり、女性の権利を擁護したりする文章を「サイレンス・ドゥーグッド」という未亡人名で兄の新聞に発表する早熟ぶりを発揮する。一七二三年には、兄と衝突して家をとびだし、フィラデルフィアで印刷工として自活することになったが、その後、渡英の機会を得て、約一年半ロンドンに滞在し、海外の新しい時代の空気に触れた。ある意味では、植民地の総督に騙されてイギリスに渡ったのであったが、将来、植民地アメリカの数少ない国際人に成長する彼にとっては願ってもない貴重な体験となった。帰国後の一七三〇年、かつてフィラデルフィアに出奔したとき下宿していたリード家の娘デボラと結婚する。
その後、独立して印刷屋をはじめた彼は、一七三二年、『貧しいリチャードの暦』と称する暦を発行し、その暦の余白にあしらった「早寝早起き、健康、財産、知恵のもと」「天は自ら助くる者を助く」といった実践的な道徳を簡潔かつ魅力的に説く諺や金言で評判になった。とりわけ一七五八年度の暦(暦はこの年で廃刊)につけた序文は、のちに『富にいたる道』と題され、彼の勤勉と倹約の思想のエッセンスとして、当時はもとより、後世にまで大きな影響をおよぼした。一七四八年、経済的に安定したことを確かめると、印刷業の第一線から退き、それ以前から活動をはじめていた地域社会の指導者、政治家としてフィラデルフィアの道路舗装や、消防組合、病院、学校設立など、数多くの公共事業に尽力した。また科学にも興味をいだき、一七五二年には、雷雨のなかで凧をあげる有名な実験で稲妻と電気の同一性を証明した。こうして、人生の半ばにして、政治家および科学者として、国の内外にその名が知られるようになった。
生涯の最後の三〇年あまりは、一七五七年に植民地の課税権をめぐる対英交渉のため植民地代表として渡英し(『自伝』はこの辺りの記述で終る)、それ以来、三たび大西洋を横断し、植民地と英本国との関係が悪化の一途をたどるなか、英仏との外国折衝にあたり、外交官として非凡な才能を示した。独立戦争中、フランスから経済援助を取りつけた彼は、建国の父と呼ばれる当時の植民地指導者のなかで、おそらく独立達成のために最大の貢献を果たした。ともかく、アメリカ合衆国の骨組みをつくった「独立宣言」「米仏同盟条約」「対英講和条約」「連邦憲法」の四つの文書のすべてに署名した唯一の人間となった。
一七八五年、外交面での大役を果たして帰国した彼は、七十九歳の高齢にもかかわらず、ペンシルヴェニア州知事に選ばれ、また連邦憲法制定会議にも出席し、独立したばかりの祖国発展のため最後の努力を惜しまなかった。一七九〇年、フィラデルフィアで八四年の波瀾に富んだ生涯をとじたが、その多方面にわかる活躍と、個性的な性格と、当時の思想状況を明快に表現した文章によって、彼は十八世紀アメリカを最も代表する人物となった。連邦下院は国葬を決議し、葬儀には二万人が参列した。フランスでは、彼の死を悼んで国会は三日喪に服した。

『フランクリン自伝』について

続いて、『フランクリン自伝』について、岩波文庫版の「解説」に簡潔にまとめられているので、下に引いておきます。

フランクリンは一七七一年ペンシルヴェニア州代表としてイギリスにあった時、自伝を書き始めた。当時彼は六十五歳で、自分の生涯ももう終焉に近づいていると考えたらしい。しかしやっと結婚の話まで書き綴った時に彼は筆を擱かなければならなくなった。彼の最大の事業――アメリ独立運動が彼を捕えて、その時間と精力とをすっかり奪ってしまったからである。彼が執筆をつづけることができるようになったのは、その後十三年、アメリカが独立国となり、彼がその全権公使としてフランスにあった時のことである。翌一七八五年彼は帰米して、フィラデルフィアの自宅で稿を継いだのであるが、この時には彼はすでに七十九歳の高齢で健康も衰えていたし、公務は相変わらず多忙であったため、筆の進行はきわめて遅々たるものであった。一七八九年彼は自伝の最後の部分を書いた。そしてその翌年の四月フィラデルフィアに歿した。初めフランクリンは自伝の稿を起すに当ってきわめて詳細な計画を立て、取扱うべき事件の項目を年代順に書き記しておいたが、それによると彼が書きえたのは計画の半分ぐらいに止まり、その活動のもっとも花々しかった晩年の三十年間には及ぶことができなかった。やむをえないことではあるが、文学史的にも、また歴史資料という点からも、これは大きな損失であった。

また、『新版 アメリカ文学史』(ミネルヴァ書房)には、次のようにあります。

こうした輝かしい人生をふり返って書かれたのが『自叙伝』(Autobiography, 1771―90執筆、1818出版)である。立身出世のバイブルとしての『自叙伝』は13の徳目――「節制」、「沈黙」、「整理整頓」など――を列挙している。これらを毎日表にして検討し、また一日の仕事を時間に配分して怠惰にならぬようにした。この『自叙伝』は、後のアメリカの成功物語の原型となり、文学的にもフィツジェラルド(1896―1940)の『偉大なるギャツビー』(The Great Gatsby, 1925)やドライサー(1871―1945)の作品に影響を及ぼしている。

『たのしく読めるアメリカ文学』(ミネルヴァ書房)にも言及があるので、見てみましょう。

フランクリンは、よくアメリカ人の原像をなす人物であると言われる。その理由を最もよく説明するのが、この『自伝』であろう。息子に語りかけるという形で書き起こされた本書で、フランクリンは、子孫たちが「自分の状況にも当てはまり、真似できる」ような生き方を示すのだと言っている。つまり、この本は、彼一個の人生の記録であると同時に、世間をよりよく生きようとする、すべての人々が真似できるような、生き方の手本を示すことを意図しているのである。そして、その方法とは、徳のある生活、努力と勤勉、真面目さの実践である。伝統も階級もないアメリカでは、自らの鍛錬とその実力だけが問題であり、努力を惜しまなければ、必ず報われるという考え方は、クレヴクールのアメリカの農夫の理想、またリンカーンの丸太小屋伝説にも通じ、アメリカの夢という神話の基調となっている。彼は、本書で、ささにその神話を「再び生きて」みせたのである。

具体的な内容については、『たのしく読めるアメリカ文学』(ミネルヴァ書房)の「あらすじ紹介」(自伝なので、「あらすじ」ではありませんが)がよくまとまっているので、次に載せます。

フランクリンは、ボストンの貧しいろうそく製造業者の家に、10人兄弟の末子として生まれた。正式な学校教育は2年受けただけで家業を手伝い、12歳になると兄の印刷業の助手となった。同時に読書好きで、寸暇を惜しんでは勉強している子供であった。仕事の合間の昼食時には、1人パンをかじりながら本を読み、日曜日の教会礼拝をさぼっては、また読書という具合である。詩を書いたり、『スペクテイター』(The Spectator)紙の文体を模倣しては、自分の文章を鍛え上げるのにも熱心であった。この頃すでに、兄と一緒に発刊した新聞に自ら書いたものを載せたりしていたのである。だが、その兄との間にもやがて溝ができてしまい、フランクリンはボストンの家族を離れることになる。17歳の時であった。
フィラデルフィアで、彼は失敗と成功を繰り返しながら、世間というものを学んでいくことになる。印刷業者として独立するのを助けるという郡知事の甘言にだまされたり、子供の頃からの親友との苦い訣別があったり、また新聞の発行で大もうけしたりした。イギリスに滞在して見聞を広めたのもこの頃である。同時に、自己教育は、たえまなく続けられた。節制や倹約など、有名な13の徳目を作って日々を律し、友人たちとジャントゥ(Junto)という秘密クラブを作って、議論したり、蔵書を共有しあったりしながら、互いを切磋するように努めた。だが、次第に自らを幸福に導いてくれた知恵を、他の人々にも広めて行くことを考えるようになる。子供の頃より、理神論に関心を持っていた彼は、正しく理性を用いることによって、徳や努力を、人々の幸福のために役立たせることができると考える、徹底したプラグマチストであった。
やがて人々の支持を得て、議会の書記や郵便長官代理などの要職につき、広く社会のために活動するようになる。大学や図書館、それに病院の設立に奔走し、次第に険悪になっていくイギリス本国とアメリカ植民地との関係を修復すべく、植民地代表として活躍した。貧しさの中から、自らを独立させることに専心してきた彼は、今、新しい国を作り上げるという事業に関わろうとしていたのであった。

テキストについて

Dover Thrift Editions版

初版は1996年。
イギリス文学には、ペンギン・クラシックスという便利なシリーズがありますが、アメリカ文学については、どこの版元から出ているどのシリーズがメジャーなのか、恥ずかしながらよく知りません。
そこで、アマゾンで岩波文庫版や中公クラシックス版を検索した時に、「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」の欄に表示される、この版を選びました。
ただし、現在では、アマゾンでは品切れになっているようで、アメリカの出品業者からの取り寄せになります。
僕が取り寄せた時には、3週間ほど掛かりました。
この版は、版型はペンギン・クラシックスより若干縦長な程度ですが、活字が非常に細かいため、文庫の日本語訳では300ページ以上の本文が、わずか136ページしかありません。
薄い紙を使っているので、本自体の厚さも薄いです。
しかし、奥付け(洋書では冒頭にありますが)には「unabridged text」とありますので、省略はされていないと思います。
上述の神奈川大学の原書講読でも、この版を教科書に使っていました。
なお、このテキストは、1868年に発行されたビグロー版(後述)を基にしています。
英文に使われている単語の大半は、かつての受験参考書のベストセラー『赤尾の豆単』(旺文社)や『試験にでる英単語』(青春出版社)に載っているので、確かに、昔の大学受験レベルと言えるかも知れません。
しかし、分詞構文や名詞構文が多用されているので、正確に意味を取るのは、なかなか難しいでしょう。
昔の英語教育が如何にハイレベルであったかが伺えます。

翻訳について

岩波文庫版の「解説」によると、『フランクリン自伝』は、「わが国では(中略)、明治の中期以後フランクリンはしきりに読まれたが、原文によって英語研究の目的で読まれる場合が多く、纏った翻訳はあまり出ていない」とあります。
現在、日本で入手可能な翻訳は、廉価な文庫や新書版に限ると、次の2点です。

岩波文庫

フランクリン自伝 (岩波文庫)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

初版は1957年。
翻訳は松本慎一氏と西川正身氏。
正確には、昭和12年に松本氏が翻訳したものを、西川氏が昭和31年に訂正補筆しました。
西川氏が、旧字や旧かなづかいを改め、訳文も柔らかい調子にしたとのことで、半世紀以上前のものにも関わらず、それなりに読み易い訳です。
ただ、やはり60年以上前の訳文なので、ところどころ、古めかしい調子の箇所もあります。
内容は、前半の貧乏から次第に頭角を現して行くところは面白いのですが、後半は説教臭く、自慢話しが多くてつまらないです。
まあ、本人も、自伝とはそういうものだと言っていますが。
フランクリンは少年時代から本を読むのが好きで、愛読書は、ジョン・バニヤンの『天路歴程』や、ダニエル・デフォーの作品群だったそうです。
夏目漱石の『文学評論(上)』(岩波文庫)によると、18世紀のイギリスでは、「書物は大小にかかわらず、題目を問わず、殆んど持っている家はなかった」「商人などの家にある書物といえば、聖書に賛美歌、それに時としては『ピルグリムス・プロッグレス』『ロビンソン・クルーソー』『パメラ』位である」とあります。
当時のアメリカには本屋などなく、本はイギリスから取り寄せるしかなかったので、必然的に、これらのベストセラーを読んだのでしょう。
一部、アメリカ先住民に対する人種差別的な描写があります。
巻末に、「フランクリン年表」「解説」「あとがき」「フランクリン著作年表」を収録。
注はありません。
非常に興味深いのが、「解説」「あとがき」に詳述されている、『フランクリン自伝』のオリジナル・テキストについてです。
シェイクスピアの作品ほどではありませんが、本作のオリジナルもかなり複雑な事情をはらんでいます。
フランクリンは、1771年に、現存する自伝のおよそ5分の2に当たる第1部を書き上げました。
その自筆の原稿は、後に加筆訂正され、現在はカリフォルニア州のハンティントン図書館に保存されているそうです。
1789年、おそらく死期が近いと考えたフランクリンは、それまでに書き上げた原稿を孫の一人に言い付けて清書させ、2通の写しを作らせました。
そして、1通を、自伝の執筆を勧めたベンジャミン・ヴォーンに、もう1通を、フランスの友人ル・ヴェイヤールのもとへ送ります。
フランクリン他界の翌1791年、ビュイソンというフランスの出版者によって、第1部のフランス語訳がパリで出版されました。
これは、ル・ヴェイヤールのところへ送られた写しによるものと推測されます。
次に、ル・ヴェイヤール自身がフランス語訳を出しました。
これは、原文に忠実なもののようです。
更に、2年後、ロビンソン版とパーソンズ版と呼ばれる、フランス語訳の英語訳がロンドンで出版されます。
これらは、原文の重訳ですので、テキストとしての権威はありません。
1817年、フランクリンの孫ウィリアム・テンプル・フランクリンが、原文による祖父の選集を編纂刊行します。
これが、信頼出来る最初の重要な英語版です。
ウィリアムは、フランクリンの遺言によって一切の原稿、書類等を譲られました。
ところが、不思議なことに、ウィリアムは祖父の自筆の原稿を所持していたのに、それをル・ヴェイヤールの手元にある写しと交換して、この自伝を編集出版したそうです。
その後、1836~40年に、ハーヴァード大学の史学教授で、後に総長となった有名な伝記学者スパークスが、ウィリアム版を補修してフランクリン全集全10巻を出版します。
この中に収められている自伝が、いわゆるスパークス版で、最も権威のあるものとされ、以後、日本を始め、単行本として刊行された自伝はほとんどがこの版によっているとのことです。
しかしながら、1868年にビグローが新たに自伝を出版します。
これは、スパークス版に基づいたものではなく、ビグロー自身がフランスで発見したフランクリンの原稿によるものです。
で、これがまた謎なのですが、ビグローが発見したフランクリンの原稿と、前述のウィリアム版を対照してみると、おびただしい相違がありました。
同じフランクリンの原稿を基にしているはずなのに、何故なのでしょうか。
この岩波文庫版では、松本氏はスパークス版を底本としています。
それから、西川氏の訂正補筆は、スマイズ版によるとのことです。
スマイズが1905~7年に編集出版した、全10巻から成る『フランクリン著作集』は、岩波文庫の「あとがき」執筆時点(昭和31年)では、最も完備した著作集とされており、自伝はその第1巻に収められています。
ただし、スマイズは直接フランクリンの原稿に当たって編集した訳ではなく、自伝についてはビグロー版をそのまま使って済ませているそうです。
岩波文庫の「あとがき」執筆時点では、ル・ヴェイヤールとヴォーンのもとへ送った2通の写しは、共に失われていました。
今度は、マックス・ファランドが、(1)ビュイソンの出したフランス訳、(2)ル・ヴェイヤールのフランス訳、(3)ウィリアム版、(4)フランクリン自筆の原稿の4種類を比較検討し、彼の死後、ハンティントン図書館の関係者が後を継いで、完全なテキストを1949年に上梓します。
これがファランド版です。
それから、重要なのが、カール・ヴァン・ドーレンによる『Benjamin Franklin』(1938)と『Benjamin Franklin's Autobiographical Writings』(1945)の二つの資料とのこと。
岩波文庫版の「あとがき」には、ここまでしか書かれていません。
その後のテキスト研究については、中公クラシックス版では何も触れられていませんが(「紙数の関係で、割愛せざるをえない」とあります)、上述の内容だけでも、相当複雑な背景があるということが伺えます。
なお、『アメリ古典文庫1 ベンジャミン・フランクリン』(研究社)によると、初版発行の1975年時点では、イェール大学が、3万点にものぼるフランクリンの文章やフランクリン宛ての書簡までも採録する、全40巻の最も包括的な全集の刊行が進んでいるとありました。
しかしながら、板倉聖宣氏の『フランクリン』(仮説社)によると、1996年の時点で未だ31巻までしか出ていないとのことです。

中公クラシックス

フランクリン自伝 (中公クラシックス)

フランクリン自伝 (中公クラシックス)

初版は2004年。
翻訳は渡邊利雄氏。
1980年発行の『世界の名著40』(中央公論社)所収の訳文に大幅な修正を加えたもの。
古典ですが、新しい翻訳なので、まるで現代文のように非常に読み易いです。
「凡例」によると、本訳は、途中の省略のない完訳版とのことですので、原書を読む際に参照するには、こちらが良いと思われます。
なお、底本は、上述のカール・ヴァン・ドーレンの『Benjamin Franklin's Autobiographical Writings』(1945)とのことです。
これは、岩波文庫版の「あとがき」には、「資料」とあったのですが、自伝の原文も含まれているということでしょう。
上述の『アメリ古典文庫1』によると、これは「『自叙伝』そのほか自伝的文章を編年体に収録し」ているそうです。
『自叙伝』の原文には章及び小見出しはありませんが、読者の便を考えて、訳者の責任で新たに作ったとのこと。
また、改行も原文にとらわれず、適宜行なったとのことですので、原文を読む際に参照するのには注意が必要です。
巻頭に、「典型的なアメリカ人の自伝」(解説)を収録。
岩波文庫版と違い、各章末にまとめられた注が充実しています。
巻末には、「年譜」を収録。

注釈書について

『フランクリン自伝』の注釈書で現在、日本で新刊として流通しているものはないようです。
数年前には、研究社小英文叢書が普通に大型書店で入手出来ましたが、現在では、アマゾンでも品切れになっています。
やはり、最近はあまり読まれなくなっているのでしょうか。

それでは、次回以降は、例によって、僕の単語ノートを公開します。

【参考文献】
近代日本の英語科教育史―職業系諸学校による英語教育の大衆化過程』江利川春雄・著(東信堂
ビジュアル英文解釈 (Part1) (駿台レクチャーシリーズ)伊藤和夫・著(駿台文庫)
英語教師 夏目漱石 (新潮選書)川島幸希・著
修猷館の英語教育 明治編』安部規子・著(海鳥社
英語天才 斎藤秀三郎: 英語教育再生のために、今あらためて業績を辿る竹下和男・著(日外アソシエーツ
別巻Ⅰ/第一編 第三章
英文標準問題精講原仙作・著(旺文社)
知的生活の方法 続 (講談社現代新書 538)渡部昇一・著
『フランクリン自叙伝(研究社英米文学叢書)』西川正身・註釈(研究社)
神奈川大学シラバス
フランクリン自叙伝 (1949年) (研究社英文訳註叢書)』北沢孝一・訳注(研究社)
フランクリン自叙伝 研究社小英文叢書 (85) [英文書]西川正身・解説注釈(研究社)
新版アメリカ文学史―コロニアルからポストコロニアルまで別府恵子、渡辺和子・編著(ミネルヴァ書房
たのしく読めるアメリカ文学―作品ガイド150 (シリーズ・文学ガイド)』高田賢一、野田研一、笹田直人・編著(ミネルヴァ書房
英語基本単語集』赤尾好夫・編(旺文社)
試験にでる英単語―実証データで重大箇所ズバリ公開 (青春新書)森一郎・著(青春出版社
文学評論〈上〉 (岩波文庫)夏目漱石・著
ベンジャミン・フランクリン (アメリカ古典文庫 1)池田孝一・訳、亀井俊介・解説(研究社)
フランクリン (やまねこ文庫)板倉聖宣・著(仮説社)

『ロビンソン・クルーソー』を原書で読む(第195回)

(テキスト197ページ、1行目〜)

By my observation it appear'd plainly to be an English ship, and the boat appear'd to be an English long-boat.

by(前)(判断の尺度・標準を表わして)~によって、~に従って
my(代)私の
observation(名)観察、注目
appear'd→appeared
appear(自)(~(のよう)に)見える、(~と)思われる(+to be 補)
plainly(副)明白に、はっきりと(=clearly)
English(形)イングランド
longboat(名)(昔、帆船に積載した)大型ボート

I cannot express the confusion I was in, tho' the joy of seeing a ship, and one who I had reason to believe was mann'd by my own country-men, and consequently friends, was such as I cannot describe; but yet I had some secret doubts hung about me, I cannot tell from whence they came, bidding me keep upon my guard.

express(他)(思想などを)(言葉で)表現する、言い表わす
confusion(名)困惑、ろうばい ・in confusion 当惑(ろうばい)して
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
tho'(接)=though
joy(名)喜び、うれしさ
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
one(代)(基数の1)(既出の可算名詞の反復を避けて)(その)一つ、それ
who(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(人)(通例「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主格の場合)
have(他)(しばしば目的語に形容詞用法のto不定詞を伴って)((~すべき(できる))用事・時間などを)もっている、与えられている
reason(名)理由、わけ ・have reason to do ~するだけの理由がある
believe(他)(~と)思う、信じる(+that)
mann'd→manned
man(他)(船・宇宙船などに)人を乗り組ませる
countryman(名)(通例one's ~)同国人、同郷の人(=compatriot)
consequently(副)その結果(として)、従って
friend(名)味方
such(形)(種類・範囲を表わして)(such asで)~のような
as(代)(関係代名詞)(such、the sameまたはasを先行詞に含んで、制限的に用いて)~のような
describe(他)(~を)言葉で述べる、記述する、描写する
yet(副)(andまたはbutに伴って)それにもかかわらず、それなのに、しかもなお
have(他)(感情・考えなどを)(心に)抱いている
hang about ~ ~をうろつく、ぶらぶらする
tell(他)(can、couldなどを伴って)(~を)知る、わかる(+wh.)
whence(副)(関係副詞)どこから ・No one knew whence he had come. 彼がどこからやってきたのか、だれも知らなかった。
bid(他)(人に)(~するよう)命じる、勧める(+目+原形)
keep(自)ずっと(~の状態で)ある(+補)
on one's guard 見張って、警戒して

In the first place, it occurr'd to me to consider what business an English ship could have in that part of the world, since it was not the way to or from any part of the world where the English had any traffick; and I knew there had been no storms to drive them in there, in distress; and that if they were English really, it was most probable that they were here upon no good design; and that I had better continue as I was, than fall into the hands of thieves and murtherers.

in the first place(理由・論点などを列挙する時に)第一に、まず(=firstly)
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
occur(自)(しばしばIt occurs ~ to do、It occurs ~ that ~の形で)(人(の心)に)浮かぶ、思い出される
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
consider(他)(~を)よく考える、熟考する、考察する(+wh.)
what(形)(疑問形容詞)(間接疑問の節を導いて)何の、どんな
business(名)用務、用事、用件
could(助動)(過去形の主節の時制の一致により従属節中のcanが過去形に用いられて)~できる、~してよい
that(形)(指示形容詞)(遠方の時・所をさして)あの、あちらの、その(⇔this)
part(名)地方、地域
since(接)(理由)~だから、~のゆえに
way(名)(通例単数形で)(the ~、one's(a person's)~)通り道、行く手
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
any(形)(否定文で名詞の前に用いて)(可算の名詞の単数形につけて)何か一つの(~もない)、だれか一人の(~もない)
where(副)(関係副詞)(制限的用法で)~する、~した(場所、場合など)(「場所」「場合」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
English(名)(the ~/複数扱い)イングランド
have(他)(通例動作・行為などを表わす不定冠詞付きの名詞を目的語として)(~)する、(~を)行なう
any(形)(否定文で名詞の前に用いて)(可算の名詞の複数形または不可算の名詞につけて)少しも(~ない)、何も(~ない)、だれも(~ない)
traffick→traffic(名)(~との)交渉、関係 ・have traffic 行き来がある
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+that)
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
storm(名)あらし、暴風(雨)、大しけ
drive(他)(副詞句を伴って)(風が)(~を)(~に)吹きやる、(水が)(~を)(~に)押し流す
in(接)(運動・方向を表わして)中に(へ)、内に(へ)(⇔out)
as(接)(原因・理由を表わして)~だから、~ゆえに
distress(名)(船舶・航空機の)遭難 ・in distress 遭難(難破)して
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)/(主語節を導いて)/(形容詞・自動詞などに続く節を導いて)(文法的に副詞節とも考えられるが、意味上他動詞相当句と考えて名詞節に入れる)
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(現在・過去・未来の実現の可能性のある事柄について推量する場合)(この場合には未来(未来完了)のことでもif節には現在(現在完了)時制を用いる)
English(形)イングランド人の
most(副)(通例theを用いないで)はなはだ、非常に(この意味のmostが修飾する形容詞・副詞は話者の主観的感情・判断を表わす)
probable(形)(確実ではないが)ありそうな、起こりそうな、まず確実な、たぶん~だろう(⇔improbable、unlikely)・It's probable that ~. たぶん~だろう。
on(前)(基礎・原因・理由・条件などを表わして)~に基づいて、~による
good(形)(道徳的に)良い、善良な、有徳の(⇔evil)
design(名)計画、目的、意図
had better do ~すべきだ、~するのがよい、~したほうがよい
continue(自)引き続き~である(+補)
as(接)(様態・状態を表わして)~のままで ・as it is 現在の(ありのままの)
than(接)(rather、soonerなどを伴って)~するより(むしろ)、するくらいなら(いっそ)
fall into a person's hand 人の手に入る(落ちる)
thieves(名)thiefの複数形
thief(名)泥棒(人)
murtherers→murderers
murderer(名)殺人者

Let no man despise the secret hints and notices of danger which sometimes are given him, when he may think there is no possibility of its being real.

let(他)(容認・許可を表わして)(命令形で)(人・ものなどに)(~)させてください
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
despise(他)(~を)軽蔑する、見くびる
hint(名)ほのめかし、暗示、ヒント
notice(名)通知、通報(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞をつくる)/(主格の場合)
give(他)(しるし・兆候を)示す、見せる(+目+目)
when(接)~なのに、~とはいえ
may(助動)(不確実な推量を表わして)~かもしれない、おそらく~であろう
think(他)(~と)思う、考える(+that)
possibility(名)(またa ~)あり(起こり)うること、可能性(⇔impossibility)(of)・There is no possibility of doing. ~する見込みはない。
its(代)それの、あれの、その
real(形)(想像・空想ではなく)現実の、実際の

That such hints and notices are given us, I believe few that have made any observations of things can deny; that they are certain discoveries of an invisible world, and a converse of spirits, we cannot doubt, and if the tendency of them seems to be to warn us of danger, why should we not suppose they are from some friendly agent, whether supreme, or inferior and subordinate, is not the question; and that they are given for our good?

few(代)(複数扱い)(aをつけない否定的用法で)(数が)少数(しか~ない)
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
make(他)(目的語に動作名詞を伴って、動詞と同じ意味をなして)(~を)する、行なう(同じ意味の動詞より、この表現のほうが1回だけの行為であることが強調される)
observation(名)観察、注目
deny(他)(~を)否定する、否認する(+that)
certain(形)(事が)確実な、確かな、信頼できる
discovery(名)発見
invisible(形)目に見えない
converse(名)(古)談話、会話
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
spirit(名)(人体と離れた)霊魂
doubt(他)(~を)疑う、(~に)疑念をもつ、(~かどうかを)疑わしいと思う(+that)
tendency(名)傾向
seem(自)(~と)見える、思われる、(~)らしい(通例話し手の推量をこめた見方・判断を示す語で、文法上の主語と判断の主体は一致しないことが多く、時に判断の主体を示すのにto a personを従えることがある)(+to do)
be(助動)(be+to doで)(予定を表わして)~することになっている、~する予定だ
warn(他)(人に)(~を)警告する、注意を与える(of)
should(助動)(仮定法で)(why、howなどとともに用いて、当然の意を強調して)~しなければならない、~して悪いはずがない
suppose(他)(知っていることから)推測する、思う、考える(+that)
from(前)(送り主・発信人などを表わして)~から(の)
friendly(形)友好的な、好意的な
agent(名)発動者、行為者
whether(接)(or ~と相関的に譲歩の副詞節を導いて)~であろうとなかろうと(いずれにせよ)
supreme(形)(地位・権力など)最高位の、最高権威の
inferior(形)(位置・階級が)下位の
subordinate(形)下(位)の、次位の、劣った
question(名)問題
our(代)我々の、私たちの
good(名)利益、ため(=benefit)

The present question abundantly confirms me in the justice of this reasoning; for had I not been made cautious by this secret admonition, come it from whence it will, I had been undone inevitably, and in a far worse condition than before, as you will see presently.

present(形)(the ~、one's ~)現在の、現、今の、今日の
abundantly(副)十分に、非常に
confirm(他)(決心・意見などを)強める、固める(in)
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
justice(名)正当、妥当、当否(=legitimacy)(of)
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
reasoning(名)推理、推論
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
cautious(形)用心深い、慎重な、周到な
admonition(名)警告
come(自)(~から)生じる、起こる(from)
from(前)(出所・起源・由来を表わして)~から(来た、取ったなど)
whence(副)(疑問副詞)どこから
undone(形)(人が)おしまいで、だめで、破滅して
inevitably(副)必然的に、必ず
far(副)(程度に関して)はるかに、大いに、ずっと
worse(形)(badの比較級で)(~より)いっそう悪い、なお悪い(⇔better)
condition(名)(古)身分、地位、境遇
before(副)(時を表わして)以前に、かつて、すでに
as(代)(関係代名詞)(前後の主節全体を先行詞として、非制限的に用いて)それは~だが
see(他)(~が)わかる、(~に)気づく(+that)
presently(副)まもなく、やがて

I had not kept myself long in this posture, but I saw the boat draw near the shore, as if they look'd for a creek to thrust in at for the convenience of landing; however, as they did not come quite far enough, they did not see the little inlet where I formerly landed my rafts; but ran their boat on shore upon the beach, at about half a mile from me, which was very happy for me; for otherwise, they would have landed just as I may say at my door, and would soon have beaten me out of my castle, and perhaps have plunder'd me of all I had.

keep(他)(~を)ずっと(~の状態に)しておく(+目+補)
myself(代)(再帰的に用いて)(一般動詞の目的語に用いて)私自身を(に)
long(副)長く、長い間、久しく
in(前)(方法・形式を表わして)~で、~をもって
posture(名)(体の)姿勢、ポーズ
see(他)(~を)見る、(~が)見える(+目+原形)
draw(自)(副詞句を伴って)(引き寄せられるように)近づく、やってくる(いく)
near(前)(場所・時間などを表わして)~の近くに、~に近く
shore(名)(海・湖・川の)岸
as if まるで~であるかのように(as if節の中では仮定法を用いる)
look'd→looked
look for ~ ~を探す
creek(名)(海・川・湖の)(小さな)入り江、~浦(=inlet)
thrust(自)(副詞句を伴って)突進する、押し分けて進む
in(副)(運動・方向を表わして)中に(へ)、内に(へ)(⇔out)
for(前)(獲得・追求・期待の対象を表わして)~を得るために(の)、~を(求めて)
convenience(名)好都合(なこと)、便利(of doing)
landing(名)上陸
quite(副)(程度を表わす形容詞・動詞などを修飾して)(思ったより)かなり、なかなか
enough(副)(形容詞・副詞の後に置いて)十分に
inlet(名)入り江
formerly(副)以前(は)、昔(は)(=previously)
land(他)(飛行機・宇宙船を)着陸させる、着水させる
raft(名)いかだ、いかだ船
run(他)(人・馬などを)走らせる
their(代)彼ら(彼女ら)の
on shore 陸に、上陸して
on the beach(船員が)上陸して
at(前)(数量・代価・費用を表わして)~で
about(副)(数詞を伴って)およそ、約~
half(形)(冠詞またはone'sのついた名詞の前に置いて)~の半分の(一般的にはhalf a mile、half an hourの語順をとるか、またa half mile、a half hourともなる)
mile(名)マイル(距離の単位/1760 yards、約1.6 km)
from(前)(隔たり・不在を表わして)~から(離れて)
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
happy(形)幸運な
otherwise(副)(命令文などの後で接続詞的に)さもなければ(or(else))
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(would have+過分で/過去の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~しただろう
land(自)(通例副詞句を伴って)上陸する
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+that)
at a person's door(家の)すぐ近くに、近所に、間近に
beat(他)(相手・敵を)負かす(=defeat)
out of(前)~の中から外へ、~から外へ(⇔into)
castle(名)城、城郭
plunder'd→plundered
plunder(他)(ものを)(人・場所から)強奪する(of)(=pillage)
of(前)(分離・剥奪を表わして)(動詞とともに用いて)(~から)~を(~する)
all(代)(単数扱い)(関係詞節を従えて)(~の)すべてのこと(関係代名詞は通例省かれる)

When they were on shore, I was fully satisfy'd that they were English men; at least, most of them; one or two I thought were Dutch; but it did not prove so:

when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
fully(副)十分に、完全に
satisfy'd→satisfied(形)納得して、確信して(=convinced)(+that)
Englishman(名)イングランド人、(俗に)イギリス(本国)人、英国人
at least(前言を正確に言い直して)少なくとも
most(代)(通例無冠詞/most of ~)(~の)大部分(ofの次の名詞の数によって単数複数扱いが決まる)
of(前)(部分を表わして)~の中の
one(代)(単数形で)(特定の人(もの)の中の)一つ、1個、一人
two(代)(複数扱い)二つ、2個(人)
Dutch(形)オランダ(人、語)の(オランダは昔、イギリスと海外発展を競う強国だったので、Dutchには軽蔑的な意味が含まれている)
prove(自)(~であることが)(あとになって)わかる、(~と)判明する、(結果)(~に)なる(=turn out)(+補)
so(副)(状態を表わして)(前出または文脈上自明の事柄を受けて)そのとおりで、本当で

There were in all eleven men, whereof three of them I found were unarm'd, and, as I thought, bound; and when the first four or five of them were jump'd on shore, they took those three out of the boat as prisoners:

in all 全部で、合計で(=altogether)
eleven(形)(基数の11)11の、11個の、11人の
whereof(副)(関係副詞)それの、それについて、そのうちの
three(代)(基数の3)3つ、3個(人)
find(他)(~が)(~であると)知る、感じる、わかる(+that)
unarm'd→unarmed(形)武器を帯びない、武装しない
bound(形)縛られた
four(代)(基数の4)(複数扱い)4つ、4個(人)
five(代)(基数の5)(複数扱い)5つ、5個(人)
jump'd→jumped
take(他)(副詞句を伴って)(ある場所から他へ)持っていく、連れていく
as(前)~として
prisoner(名)(戦争などの)捕虜(=captive)
【参考文献】
Robinson Crusoe (Penguin Classics)』Daniel Defoe・著
ロビンソン・クルーソー (河出文庫)』武田将明・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)

『キッド』(1921)

この週末は、ブルーレイで『キッド』を見た。

キッド The Kid [Blu-ray]

キッド The Kid [Blu-ray]

  • 発売日: 2016/12/22
  • メディア: Blu-ray
1921年アメリカ映画。
製作・監督・脚本・主演は、喜劇王チャーリー・チャップリン
1971年のサウンド版では、音楽もチャップリン自身が担当している。
なお、ブルーレイに収録されているのはサウンド版。
僕が子供の頃、祝日の午前中に、NHK教育テレビで白黒映画時代の名作を放映していた。
チャップリンの代表作も、大抵はその時に見たと思う。
あと淀川長治さんの『日曜洋画劇場』でも見たような記憶が。
ただ、『キッド』を見たかどうかは記憶にない。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
哀愁漂う音楽が流れる。
本作は、映画史上初めて、喜劇と悲劇を融合させた作品だという。
チャップリンの作品の、ドタバタ喜劇の中に、人生の哀愁を感じさせるような作風は、本作で既に完成している。
画質は、100年前の映画とは思えないほどいい。
映画史に残る喜劇王の作品だから、威信にかけて修復したのだろう。
慈善病院を出たある婦人(エドナ・パーヴァイアンス)は、車の中に自分が産んだ赤ん坊を置き去りにする。
ギャング達が車を盗むが、後ろの座席に赤ん坊がいるのに気付いて、赤ん坊を捨てる。
2階の窓からゴミを投げ捨てるような環境で、ゴミだらけの街角に、ギャングは赤ん坊を捨てる。
それを、浮浪者(チャーリー・チャップリン)が見付ける。
余談だが、この時代の人達は、靴底でマッチをする。
今の日本で売っているマッチとは、素材が違うんだな。
チャップリンの作品はみんなそうだが、セリフがなくても、役者の動きだけで物語が理解出来る。
これは、サイレント時代に培われたのだろう。
説明のための字幕は、かなり少ない。
昨年、「日本の喜劇王」とも言える志村けんが亡くなった時、彼のコントは身体の動きだけで笑わせるから、海外でもウケると、追悼番組で言っていた。
ドリフの笑いは、かなりチャップリンの影響を受けているからな。
赤ん坊を置き去りにしたチャップリンは、警官(トム・ウィルソン)に見付かり、仕方なく、この子を連れて帰るハメに。
とんでもないスラムの屋根裏部屋にチャップリンは住んでいる。
本当に貧乏なんだな。
とにかく貧しい様が伝わって来る。
だからこそ、後半が活きて来るのだが。
赤ん坊の洋服には母親からの手紙が挟まれており、それを読んだチャップリンは、この子を育てる決心をする。
母親がやはり後悔して、赤ん坊を置いた車を探しに来るが、既に手遅れであった。
チャップリンは、一人暮らしだったが、シーツや椅子を使って、自分でオムツやおまるを作る。
5年後、5歳になったキッド(ジャッキー・クーガン)。
この時代のガスは、各家庭に設置されているメーターに、25セント硬貨を入れると使えるようになるらしい。
風呂がないので、チャップリンはシーツを切って、キッドの垢をこする。
二人はグルになって「仕事」をしている。
キッドが家の窓ガラスに石を投げて割り、チャップリンがその家にガラスを売って修理する。
しかし、キッドが石を投げようとしているところを警官に見付かる。
更に、チャップリンも怪しまれ、ついに二人がグルだとバレる。
二人の「仕事」は上々だったが。
ある時、チャップリンがガラスを修理し、その家の夫人と談笑していると、何と、そこは例の警官の家だった。
一方、キッドの母親は、今や大スターになっていた。
楽屋に花束を運んで来た黒人の子供にチップを弾む母親。
彼女は不幸な人達に優しい手を差し伸べた。
ある時、他の母親の連れている赤ん坊を見て、我が子のことを思い出す。
その頃、キッドはチャップリンの部屋でパンケーキを焼いていた。
チャップリンはベッドの上でタバコを吸っている。
そして、穴の開いたフトンに首を通すと、そのまま服になる。
ボロボロの革靴。
キッドは、ナイフにはちみつを塗って舐める。
チャップリンは、大きなバターの塊を載せて、パンケーキを食べる。
それから、キッドは、あるおばさん(実は母親)からもらった犬のぬいぐるみをガキ大将に取り上げられ、大ゲンカになる。
チャップリンはキッドを応援する。
自分よりもかなり身体の大きなガキ大将に勝ったキッド。
見た目ほどでもない。
今度は、ガキ大将のいかつい兄貴がやって来て、チャップリンに言いがかりをつける。
チャップリンは、無理矢理キッドが負けたことにするが、兄貴の怒りは収まらない。
今度は、チャップリンと兄貴のケンカになる。
チャップリンは持ち前の軽い身のこなしで、いかつい兄貴に勝利したが…。
キッドが病気になってしまった。
さあ、これからどうなる?
チャップリンの映画は、今見てもやはり面白い。
スタンリー・キューブリックは、「チャップリンは、内容はあるが形式がない。エイゼンシュテインは、形式はあるが内容がない。どちらを取るかと言われれば、私はチャップリンを取る」と言っていた。
子役のジャッキー・クーガンの演技が素晴らしい。
それから、赤ん坊の演技も素晴らしい。
本作は、信じられない回数の撮り直しをしたらしいので、赤ん坊の動きも、膨大なフィルムを回して、ストーリーに合う部分だけを選んで編集したのだろう。
民生委員がキッドを連れて行き、チャップリンが必死で取り戻そうとするシーンは、『イントレランス』を思い出す。
血がつながっていなくても、一生懸命育てた子供は可愛いんだな。
当然のように、本作は世界中で大ヒットした。
今から、ちょうど100年前の映画である。
「ほほえましく、たぶんひと粒の涙をそそる映画」
「慈善病院」
「女―その罪は母たることであった。」
「身よりもなく…」
「男は―」
「朝の散歩」
『とんちき野郎!』
『失礼、落としものですよ。』
「この赤ん坊をよろしくお願いします。」
『あんたの子?』
『名前は?』
『ジョンです。』
「5年の歳月が流れた。」
『ガスのメーターに25セント玉をいれなさい。』
『今日、歩く道は分かっているね?』
「おかしいぞ。」
「仕事は上々。13軒」
「勤務が終わって。」
「あの彼女は、いまや大スターとなった。」
「昨夜の公演をお祝いして」
「興業主グイド」
『批評も読みたまえ―すばらしい!』
「彼女は不幸な人たちに優しい手を差しのべた。」
「兄貴がやってくる。」
『悪い子だ。』
『のしちまえ。』
『お前のガキが俺の弟をのしたら、俺がお前をのすぞ。』
『あなたは、この人を殴りはしないわね。』
『おぼえている? 人もし、汝の右の頬を打たば、左の頬を出せ。』
「みごとな退場」
『奴はここにはいないな。』
『この子は病気です。すぐ医者をお呼びなさい。』
以下、後半。

Charlie Chaplin - The Kid (Trailer)

『ロビンソン・クルーソー』を原書で読む(第194回)

(テキスト196ページ、1行目〜)

I gave each of them a musquet with a firelock on it, and about eight charges of powder and ball, charging them to be very good husbands of both, and not to use either of them but upon urgent occasion.

give(他)(人に)(ものを)与える、あげる(+目+目)
each(代)各自、おのおの
of(前)(部分を表わして)~の中の
musquet→musket(名)(昔の)マスケット銃(rifleの前身で銃腔に施条(しじょう)がない)
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
firelock(名)火打ち石式発火装置、火打ち石銃(=flintlock)
on(前)(動作の対象を表わして)~に対して、~に当てて
about(副)(数詞を伴って)およそ、約~
eight(形)(基数の8)8の
charge(名)装薬
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
powder(名)火薬(=gunpowder)
ball(名)(特に)銃弾(昔の先込め銃の弾は丸かった)
charge(他)(人に)(権威をもって)(~するように)命じる(+目+to do)
good(形)上手な、有能な、うまい、巧みな(⇔poor)
husband(名)(古)節約家
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
both(代)(複数扱い)両者、両方、双方
not(副)(不定詞・分詞・動名詞の前に置いてそれを否定して)(~し)ない
either(代)(否定文で)(二者の)どちらも
but(接)(従位接続詞)~のほかに(は)、~を除いて(は)
on(前)(日・時・機会を表わして)~に
urgent(形)切迫した、火急を要する、緊急の(=pressing)
occasion(名)(しばしばon ~ occasionの形で)(特定の事が起こった(起こる))時、場合、折

This was a cheerful work, being the first measures used by me in view of my deliverance for now 27 years and some days.

this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
cheerful(形)愉快な、楽しい
measure(名)(しばしば複数形で)手段、処置、方策
in view of ~ ~を考慮して、~の点から見て(=considering)
my(代)私の
deliverance(名)釈放、解放
for(前)(時間・距離を表わして)~の間(ずっと)
now(形)現在の、今の

I gave them provisions of bread, and of dry'd grapes, sufficient for themselves for many days, and sufficient for all their country-men for about eight days time; and wishing them a good voyage, I saw them go, agreeing with them about a signal they should hang out at their return, by which I should know them again, when they came back, at a distance, before they came on shore.

give(他)(~に)(便宜・労力・援助などを)提供する
provision(名)供給、支給、提供
dry'd→dried(形)(食物など)乾燥した(させた)・dried fruit ドライフルーツ(レーズンなど)
grape(名)ブドウ(一粒の実)
sufficient(形)十分な、足りる(⇔insufficient)(for)
themselves(代)(再帰的に用いて)(前置詞の目的語に用いて)
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
their(代)彼ら(彼女ら)の
countryman(名)(通例one's ~)同国人、同郷の人(=compatriot)
time(名)(またa ~)(ある一定の長さの)期間、間
wish(他)(人のために)(~を)祈る(+目+目)
good(形)具合の良い、好適な、望ましい
voyage(名)(船・飛行機・宇宙船による)旅、船旅、航海、航行、飛行
see(他)(~を)見る、(~が)見える(+目+原形)
go(自)(立ち)去る、出かける、出発する(=depart)
agree(自)意見が一致する、同感である(with)(about)
with(前)(一致・調和を表わして)~と
signal(名)信号、合図
hang out(看板・旗などを)外に出す、掲げる
at(前)(時の一点を表わして)~に
return(名)(単数形で)帰り、帰還、帰宅
by(前)(判断の尺度・標準を表わして)~によって、~に従って
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
know(他)(~を)見分ける、見て(~と)わかる(by)
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
come back 帰る、戻る
at a distance 遠くで
before(接)~より前に、(~する)に先だって、~しないうちに
come(自)(人・ものが)(ある場所に)到着する、やってくる
on shore 陸に、上陸して ・come on shore 上陸する

They went away with a fair gale on the day that the moon was at full by my account in the month of October:

go away 立ち去る
with(前)(同時・同程度・同方向などを表わして)~とともに、~と同時に ・The boat drifted with the current. その小舟は潮流のままにただよった。
fair(形)(風が)順調な、好都合な ・a fair wind 順風、追い風
gale(名)大風、疾風
that(代)(関係代名詞)(時・方法・理由などを表わす名詞を先行詞として関係副詞的に用いて)(~する、~である)ところの
moon(名)(通例the ~)月(月の一様相についていう時には不定冠詞も用いる/月の陰影はウサギではなく人間の姿と考えられている/昔は月光にあたると気が狂うと考えられた)
at(前)(状態・状況を表わして)~(の状態)で
full(名)(古)(季節・月などの)真っ盛り、絶頂
account(名)(金銭上の)計算、勘定、会計
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中

But as for an exact reckoning of days, after I had once lost it, I could never recover it again, nor had I kept even the number of years so punctually, as to be sure that I was right, tho', as it prov'd, when I afterwards examin'd my account, I found I had kept a true reckoning of years.

as for ~(通例文頭で)~に関するかぎりでは、~はどうかと言えば(=regarding)
exact(形)(時間・数量など)正確な、的確な
reckoning(名)計算
after(接)(~した)後に(で)、~してから
lose(他)(~を)見(聞き)そこなう、わからない
never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して~ない
recover(他)(失ったもの・取られたものを)取り戻す
again(副)元の所(状態)へ
nor(接)(否定の節・文の後に用いて)~もまた~ない(「nor+助動詞+主語」の倒置が起きる)
keep(他)(時間を)記録する
so ~ as to do ~するほどに(~だ)
punctually(副)きちょうめんに
sure(形)確信して(⇔unsure)(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(形容詞・自動詞などに続く節を導いて)(文法的に副詞節とも考えられるが、意味上他動詞相当句と考えて名詞節に入れる)
right(形)間違いのない、正しい
tho'(副)=though(副)(文尾・文中に置いて)でも、もっとも、やっぱり
as(代)(関係代名詞)(前後の主節全体を先行詞として、非制限的に用いて)それは~だが
prov'd→proved
prove(他)(~を)証明する、(~の)真実であることを示す(+that)
afterwards(副)(英)=afterward(副)のちに、あとで
examin'd→examined
examine(他)(~を)調査する、検査する、審査する
find(他)(~が)(~であると)知る、感じる、わかる(+that)
true(形)正確な、間違いのない、寸分たがわぬ

It was no less than eight days I had waited for them, when a strange and unforeseen accident interven'd, of which the like has not perhaps been heard of in history.

it(代)(it is(was)~ thatの構文で文の主語・(動詞または前置詞の)目的語・副詞語句を強調して)(このitの次にくるbeの時制は通例clause内の動詞の時制と一致し、clause内の動詞の人称は直前の名詞・代名詞に一致する)(しばしばthatなどの関係詞が略される)
no less than ~(数詞を伴って)~も(=as many as)
for(前)(目的)(獲得・追求・期待の対象を表わして)~を得るために(の)、~を(求めて)・wait for ~を待つ
strange(形)未知の、見(聞き)なれない、不慣れな
unforeseen(形)予期しない、不測の、思いがけない、意外な(=unexpected)
accident(名)思いがけぬ出来事、偶然のこと
interven'd→intervened
intervene(自)(年月・時間・出来事・場所などが)(~(の間)に)入る、はさまる
like(名)(the ~、one's ~/通例疑問・否定文で)同様な人(もの)(of)
hear of ~(しばしば完了形で)~の存在(事実)を聞いて知っている ・I've never heard of such a thing. そんなことは今までに聞いたためしがない。
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で

I was fast asleep in my hutch one morning, when my man Friday came running in to me, and call'd aloud, Master, Master, they are come, they are come.

fast(副)(眠りが)ぐっすりと ・fast asleep 熟睡して
asleep(形)眠って(⇔awake)・He's fast asleep. 彼はぐっすり眠っている。
hutch(名)小さな家
one(形)(基数の1)(時を表わす名詞の前に用いて)ある ・one night(過去か未来の)ある晩
morning(名)(副詞的に)朝に、午前中に
man(名)召し使い、下男
come(自)(come doingで)(~しながら)やってくる
run in 駆け込む
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
call'd→called
call(他)(~を)大声で叫ぶ(言う)、(~に)呼び掛ける(+引用)
aloud(副)大声で ・cry aloud 大声で叫ぶ
master(名)主人、雇い主

I jump'd up, and, regardless of danger, I went out as soon as I could get my clothes on, thro' my little grove, which (by the way) was by this time grown to be a very thick wood; I say, regardless of danger, I went without my arms, which was not my custom to do; but I was surpris'd, when turning my eyes to the sea, I presently saw a boat at about a league and half 's distance, standing in for the shore, with a shoulder of mutton sail, as they call it; and the wind blowing pretty fair to bring them in; also I observ'd presently, that they did not come from that side which the shore lay on, but from the southermost end of the island:

jump'd→jumped
up(副)(寝床から)起きて
regardless of ~ ~にかかわらず、~を考えないで
go out 外へ出る、(~へ)出ていく
as ~ as one can できるだけ
soon(副)早めに、早く ・as soon as one can できるだけ早く
get on(衣服を)身に着ける
clothes(名)(複)着(る)物、衣服、服
thro'(前)(古)=through
grove(名)(散策などに適した下生えのない)小さい森、小立
by the way(話の中途で関連した(しばしば重要な)話題に移る時に用いて)ついでながら、ところで
by(前)(時・期間を表わして)(期限を表わして)~までには
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(近くの時・所をさして)・by this time この時までには
time(名)(特定の)時、時期 ・by this time この時までに(は)、もうこの時(に)は
grown(形)茂って
thick(形)(木など)茂った ・a thick forest 茂った森
wood(名)森
I say(人の注意を引いて)おい、ちょっと、あのね
arms(名)(複)兵器、武器
custom(名)(個人の)習慣、習慣的行為(+to do)
surpris'd→surprised(形)驚いた、びっくりした(+that)
presently(副)まもなく、やがて
see(他)(~を)見る、(~が)見える(+目+doing)
at(前)(数量・代価・費用を表わして)~で
league(名)リーグ(昔の距離の単位/英米では約3マイル)
stand(自)(副詞句を伴って)(ものが)立てて(置いて)ある(in)
in(副)(運動・方向を表わして)中に(へ)、内に(へ)(⇔out)
for(前)(目的地・行き先を表わして)~へ向かって、~へ行くために(の)
shore(名)(海・湖・川の)岸
with(前)(所持・所有を表わして)~を持って(た)、~のある
shoulder(名)肩肉(食用獣の肩付き前足・前身部)・a shoulder of mutton 羊の肩肉
mutton(名)マトン、羊肉 ・a shoulder of mutton 羊の肩肉
sail(名)(船の)帆
call(他)(人を)(~と)呼ぶ、称する(+目+補)
wind(名)(またthe ~)(強い)風
blow(自)(しばしばitを主語とし、通例副詞句を伴って)(風が)吹く
pretty(副)(形容詞・他の副詞を修飾して)かなり、相当
fair(副)順調に、好都合に、有望に(=promissingly)
bring(他)(副詞句を伴って)(物事が)(人を)(ある場所に)来させる
also(接)そしてそのうえ
observ'd→observed
observe(他)(~することに)気づく(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
that(形)(指示形容詞)(関係詞節による限定をあらかじめ指示して)あの(⇔this)(日本語には訳さないほうがよい)
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
lie(自)(副詞句を伴って)(~に)位置する、ある
on(前)(近接を表わして)~に接して、~に面して ・on ~ side ~側に
but(接)(等位接続詞)(前の否定語・句・文と照応して)(~ではなく)て(not A but Bで「AではなくBである」の意を表わす表現)
south(形)南の(にある)
-most(接尾)(最上級に相当する形容詞をつくる)(形容詞・副詞の語尾につけて)「最も~」
end(名)(細長いものも)端、末端、先端

Upon this, I call'd Friday in, and bid him lie close, for these were not the people we look'd for, and that we might not know yet whether they were friends or enemies.

on(前)(基礎・原因・理由・条件などを表わして)~に基づいて、~による
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
call in(人を)呼び出す、呼びつける、呼び入れる
bid(他)(人に)(~するよう)命じる、勧める(+目+原形)
lie(自)(副詞句を伴って)(人・動物が)横たわる、横になる
close(副)ぴったりと
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
these(代)(指示代名詞)これら(のもの、人)(⇔those)
people(名)(複数扱い)(通例修飾語またはtheを伴って)(特定の場所・階級・団体・職業・民族などに属する)住民、人々
look'd→looked
look for ~ ~を探す
might(助動)(直説法過去)(主に間接話法の名詞節中で、時制の一致により)(不確実な推量を表わして)~かもしれない
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+wh.)
friend(名)味方

In the next place, I went in to fetch my perspective glass, to see what I could make of them; and having taken the ladder out, I climb'd up to the top of the hill, as I used to do when I was apprehensive of anything, and to take my view the plainer without being discover'd.

next(形)(通例the ~)(順序・配列が)次の
place(名)(通例単数形で/序数詞を伴って)順序 ・in the second place 第2に
go in(家などの)中に入る
fetch(他)(ものを)取って(取りに)くる、(人を)呼んで(呼びに)くる
perspective(形)遠近法によった
glass(名)望遠鏡(=telescope)、顕微鏡(=microscope)
see(他)(~を)確かめる、調べる、よく見る(+wh.)
what(代)(疑問代名詞)(不定数量の選択に関して用いて)何、どんなもの(こと)、何もの、何事/(間接疑問の節や+to doの形で)
could(助動)(直説法(叙実法)で用いて)(過去形の主節の時制の一致により従属節中のcanが過去形に用いられて)~できる、~してよい
make(他)(~を)(~と)思う、考える、理解する(of)・I don't know what to make of it. それをどう考えたらよいかわからない。
take out(~を)取り出す、持ち出す
ladder(名)はしご(はしごの下を通るのは不吉であるという迷信があるが、これは昔、はしごが絞首刑や火刑の道具の一つとして使われ、死を暗示したことによるといわれる)
climb'd→climbed
climb(自)(副詞句を伴って)(特に、手足を使って)登る、よじ登る(up)
top(名)(通例the ~)(ものの)頂上、てっぺん ・the top of a mountain 山頂
used(助動)(常にto doを伴って)(過去の習慣的行動を表わして)~するのが常であった、~する習わしだった
apprehensive(形)(~を)気づかって、懸念して(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(形容詞に伴って)~を
anything(代)(疑問文・条件節に用いて)何か
take(他)(注意・決心・見方・世話などを)する
view(名)(通例単数形で/修飾語を伴って)(特定な)見方、考え方
plain(副)はっきりと、明瞭に
without(前)(主に動名詞を伴って)~せずに
discover'd→discovered

I had scarce set my foot upon the hill, when my eye plainly discover'd a ship lying at anchor, at about two leagues and a half's distance from me south-south-east, but not above a league and an half from the shore.

scarce(副)=scarcely
scarcely ~ when ~するかしないうちに
set foot on ~ ~に足を踏み入れる、~を訪れる
plainly(副)明白に、はっきると(=clearly)
discover(他)(~が)わかる、(~を)知る、悟る、(~に)気づく
lie(自)(副詞句を伴って)(ものが)横たわっている、ある
at anchor 停泊して ・lie at anchor(船が)停泊している
two(形)(基数の2)2の、2個の、二人の
from(前)(隔たり・不在を表わして)~から(離れて)
south-southeast(副)南南東に
not(副)(述語動詞・文以外の語句を否定して)~でなく
above(前)(基準・数量などが)~を超える(て)
【参考文献】
Robinson Crusoe (Penguin Classics)』Daniel Defoe・著
ロビンソン・クルーソー (河出文庫)』武田将明・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『カンタベリー物語』を原文で読む(第25回)

(テキスト27ページ、16行目~)

(The Host)

host(名)(旅館などの)亭主

Greet cheere made oure Hoost us everichon,
And to the souper sette he us anon.

Greet→Great
great(形)すてきな、すばらしい
cheere→cheer(名)歓待、歓迎
make(他)(人に)(~を)する(+目+目)
oure→our(代)我々の、私たちの
Hoost→Host
everichon→everyone
to(前)(接触・結合・付着・付加を表わして)~に、~へ
souper→supper(名)夕食、サパー(普通は夕食がディナー(dinner)であるが、昼食をディナーとした場合の比較的軽い夕食/また夕食にディナーをとって観劇などから帰った後に食べる夜食もいう)
sette→set
anon(副)(古)ほどなく

He served us with vitaille at the beste;
Strong was the wyn, and wel to drynke us leste.

serve(他)(~に)(必要物を)供給する、配給する(with)
with(前)(材料・中身を表わして)~で
vitaille→victuals
beste→best
at the best 最善の状態で(は)
strong(形)(酒類が)強い
wyn→wine(名)ワイン、ぶどう酒
wel→well
drynke→drink(自)(飲み物を)飲む
leste→pleased(形)喜んで、満足して(=happy/⇔displeased)(+to do)

A semely man oure Hoost was withalle
For to been a marchal in an halle.

semely→seemly(形)(態度・ふるまいなど)(礼儀にかなって)ふさわしい、適当な(⇔unseemly)
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性
withalle→withal(古)(副)そのうえ、同時に
for(前)(用途・指定・適否を表わして)~に適した
been→be
marshal(名)儀式係、進行係、司会者
halle→hall(名)(昔の)荘園領主の邸宅

A large man he was with eyen stepe―
A fairer burgeys was ther noon in Chepe―
Boold of his speche, and wys, and wel ytaught,
And of manhode hym lakked right naught.

with(前)(所持・所有を表わして)~を持って(た)、~のある
eyen→eyes
stepe→bright(形)(星など)輝いている
fair(形)(廃)望ましい(=desirable)、けっこうな、りっぱな(=reputable)
burgeys→burgess(名)(英)(自治都市の)市民、公民
ther→there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
noon→none(代)だれも~ない
in(前)(全体との関係を表わして)~の中で、~のうちで
Chepe→Cheapside チープサイド(Londonのthe Cityの一街区・通り/中世には市場)
Boold→Bold
bold(形)大胆な、勇敢な、果敢な
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
his(代)彼の
speche→speech(名)話し方、話しぶり
wys→wise(形)(人・行動など)賢い、賢明な、思慮深い、分別のある(⇔foolish)
well(副)(able、aware、worthなどの叙述形容詞の前において)かなり、十分に
ytaught→taught/educated(形)教育を受けた、教養のある
manhode→manhood(名)男らしさ
hym→him
lakked→lacked
lack(自)(~が)欠けて(不足して)いる
right(副)まったく、すっかり
naught(名)(古)無、無価値

Eke therto he was right a murye man;
And after souper pleyen he bigan,
And spak of murthe amonges othere thynges,
Whan that we hadde maad oure rekenynges,
And seyde thus:

eke(接)(古)また、さらに、そのうえ
thereto(副)なおそのうえに
right(副)まったく、非常に、とても
murye→merry(形)陽気な、笑いさざめく
pleyen→play(他)(廃)(再帰)楽しませる(=amuse)
bigan→began
begin(他)(~し)始める、(~し)だす(+to do)
spak→spoke
murthe→mirth/amusement(名)楽しみごと、娯楽(=pastime)
amonges→among
othere→other
thynges→things
thing(名)(無形の)こと、事(柄)、事件
Whan that→When
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
hadde→had
maad→made
rekenynges→reckonings
reckoning(名)(古)勘定書
seyde→said
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)/(+that)
thus(副)このように、かように

“Now, lordes, trewely,
Ye been to me right welcome, hertely;
For by my trouthe, if that I shal nat lye,
I seigh noght this yeer so murye a compaignye
Atones in this herberwe as is now.
Fayn wolde I doon yow myrthe, wiste I how.
And of a myrthe I am right now bithoght,
To doon yow ese, and it shal coste noght.
“Ye goon to Caunterbury―God yow spede,
The blisful martir quyte yow youre mede!
And wel I woot, as ye goon by the weye,
Ye shapen yow to talen and to pleye;
For trewely, confort ne murthe is noon
To ryde by the weye domb as stoon;
And therfore wol I maken yow desport,
As I seyde erst, and doon yow som confort.
And if yow liketh alle by oon assent
For to stonden at my juggement,
And for to werken as I shal yow seye,
Tomorwe, whan ye ryden by the weye,
Now, by my fader soule that is deed,
But ye be murye, I wol yeve yow myn heed!
Hoold up youre hondes, withouten moore speche.”

now(副)(接続詞的に、話題を変える時などに文頭で用いて)さて、ところで、では
lord(名)(my Lordで呼び掛けに用いて)閣下!
trewely→truly(副)(通例挿入的に)本当に、まったく
ye(代)(古)なんじらは(が)(2人称代名詞thouの複数形)
been→are
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~にとっては、~には
welcome(形)(客など)歓迎される
hertely→heartily(副)心から
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
by(前)(誓言・祈願を表わして)(神)のみ名にかけて、(神)に誓って
my(代)私の
trouthe→troth(名)(古)忠実、忠誠 ・by my troth 誓って
if that→if
shal→shall(助動)(1人称を主語として、義務的感覚または強い決意を表わして)きっと~する
nat→not
lye→lie(自)(人が)うそをつく
seigh→saw
noght→not
this(形)(指示形容詞)(たった)今の、現在の、今~、当~(しばしば時を示す名詞を伴って副詞句をなす) ・this year 今年
yeer→year
so(副)(程度を表わして)(so ~ as ~で)(否定語の後で)~ほどには~、~と同じ程度には~(でない)
compaignye→company(名)(集合的/単数または複数扱い)(~の)一行、一団、一隊
Atones→At once
at once 同時に(=at the same time)
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
herberwe→harbour/inn(名)(通例階下で飲食店・居酒屋を兼ねた旧式の二階建ての)小旅館、小ホテル、宿屋(現在でもいなかにあり、またホテル・レストランの名にも用いられる)
as(接)(so ~ as ~で同程度の比較を表わして)~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど
Fayn→Fain
fain(副)(古)(would ~で)喜んで、快く
wolde→would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(1人称の主語に伴い、話し手の意見・感情を婉曲に表現して)~したいと思う、~させてもらいたい
doon→do(他)(~に)(利益・損害などを)与える、もたらす
yow→you
myrthe→mirth(名)楽しい笑い、歓喜、陽気
wiste→wist(動)(古)witの過去形・過去分詞
wit(他)(古)知る、知っている
how(名)(the ~)方法、仕様
right(副)(副詞・前置詞句の前に置いて)ちょうど、まさしく、きっかり ・right now 今すぐ、たった今
bithought→bethought
bethink(他)(bethink oneselfで)思い出す、思いつく(of)
ese→ease/pleasure
coste→cost(自)費用がかかる
goon→go
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に ・go to ~に行く
Caunterbury→Canterbury(名)カンタベリーイングランドKent州の都市/英国国教会総本山(Canterbury Cathedral)の所在地)
spede→speed(他)(古)(人を)成功させる、繁栄させる ・God speed you! ご成功を祈る。
blistful→blissful(形)至福の
martir→martyr(名)(特にキリスト教の)殉教者
quyte→requite/pay
youre→your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
mede→meed(名)(単数形で)(古)報酬
well(副)十分に、よく(=thoroughly)
woot→wot(動)(古)witの1人称および3人称単数直説法現在形
as(接)(時を表わして)~しながら
weye→way
by the way(旅行などの)途中に
shapen→shape/intend(他)(~する)つもりである、(~しようと)めざす(+to do)
talen→tale/tell tales
tale(名)(事実・伝説・架空の)話、物語 ・tell one's tales 身の上話をする
pleye→play(自)楽しむ
truly(副)(通例挿入的に)実を言えば、正直なところ
confort→comfort(名)慰め、慰安 ・give comfort to ~を慰める
ne(古)(接)=nor(接)(neitherまたはnotと相関的に用いて)~もまた~ない
none(代)(no+先行名詞に代わって)少しも(決して)~ない
ryde→ride(自)(しばしば副詞句を伴って)馬に乗る、乗馬する
domb→dumb(形)口をきかない
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
stoon→stone
therfore→therefore(副)それゆえに、従って、それ(これ)によって(=consequently)
wol→will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
make(他)(強制的にも非強制的にも)(~に)(~)させる(+目+原形)
desportdisport(他)(disport oneselfで)遊び興じる、楽しむ、遊ぶ
as(代)(関係代名詞)(前後の主節全体を先行詞として、非制限的に用いて)それは~だが
som→some
liketh→likes
like(他)(~を)好む、(~が)好きである(+to do)
alle→all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな(通例代名詞の場合に用いる)
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
onn→one(形)同じ、同一の
assent(名)同意、賛同 ・by common assent 一同(万人)異議なく ・with one assent 満場一致で
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
stonden→stand(自)(~に賛成の)態度をとる
at(前)(命令・要求などに)対して、受けて
juggement→judgment(名)判断(すること)、審査
werken→work/do(自)(well、rightなどの様態の副詞または副詞節を伴って)行なう、行動する(as)
seye→say
Tomorwe→Tomorrow
whan→when
now(副)(間投詞的に、命令・要求・慰め・威嚇などを表わして)そら、さあ、まあ、おい
fader→father
soule→soul(名)霊魂、魂
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの(先行詞がもの・人を表わす場合で、最上級の形容詞、all the、the only、the same、the veryなどの制限的語句を含む時、および、先行詞が疑問代名詞やall、much、little、everything、nothingなどの時に多く用いられる傾向があるが、絶対的なものではない)/(主語として)/(他動詞・前置詞の目的語として)
deed→dead
but(接)(従属接続詞)(否定文のあとで)(しばしばbut thatで否定の主節に対して条件節を導いて)~しないなら、~でなければ(butの節中の動詞は直説法)
be→are
merry(形)(古)楽しい(=pleasant)
yeve→give(他)(人に)(ものを)与える、あげる(+目+目)
myn→my
heed→head
Hoold→Hold
hold up(手などを)上げる、持ち上げる
hondes→hands
withouten→without
moore→more(形)(many、muchの比較級)より多くの、もっと多くの
speech(名)話すこと、発言

Oure conseil was nat longe for to seche.

Oure→Our
conseil→counsel/decision(名)決定、判断
not(副)(述語動詞・文以外の語句を否定して)~でなく
longe→long(形)(時間・過程・行為など)長い、長期にわたる
seche→seek(他)(~を)求める、得ようとする

Us thoughte it was nat worth to make it wys,
And graunted hym withouten moore avys,
And bade hym seye his voirdit as hym leste.

thoughte→thought
think(他)(~と)思う、考える(+that)
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
worth→worthwhile(形)時間と労力をかけるだけの値打ちのある、やりがいのある ・it is worthwhile to do ~することは時間と労力をかける価値がある
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
graunted→granted
grant(他)(嘆願・懇願などを)承諾する、許す、かなえてやる
avys→advice/thinking(名)考えること、思案、思考
bade(動)bidの過去形
bid(他)(人に)(~するよう)命じる、勧める(+目+原形)
voirdit→verdict(名)裁断、判断

“Lordynges,” quod he, “now herkneth for the beste;
But taketh it noght, I pray yow, in desdeyn.
This is the poynt, to speken short and pleyn,
That ech of yow, to shorte with oure weye,
In this viage shal tellen tales tweye
To Caunterbury-ward, I mene it so,
And homward he shal tellen othere two,
Of aventures that whilom have bifalle.
And which of yow that bereth hym best of alle―
That is to seyn, that telleth in this cas
Tales of best sentence and moost solas―
Shal have a souper at oure aller cost
Here in this place, sittynge by this post,
Whan that we come agayn fro Caunterbury.
And for to make yow the moore mury,
I wol myself goodly with yow ryde,
Right at myn owene cost, and be youre gyde;
And whoso wole my juggement withseye
Shal paye al that we spende by the weye.
And if ye vouche sauf that it be so,
Tel me anoon, withouten wordes mo,
And I wol erly shape me therfore.”

Lordynges→Lordlings
lordling(名)小君主
quod→quoth(他)(古)(~と)言った(=said)(直説法1・3人称過去形で、常に主語の前に置く)
hearkneth→hearken(自)(~に)耳を傾ける
beste→best
for the best いちばんよいつもりで、よかれと思って
taketh→take
take it 思う
pray(他)(古)(人に)懇願する
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
desdeyn→disdain(名)軽蔑感、侮蔑(の態度)
this(代)(指示代名詞)(これから述べたり掲示しようとする物事をさして)こういうこと、次のこと
poynt→point(名)(the ~)点、主眼点、論旨、ポイント
speken→speak
short(副)短く、近く
pleyn→plain(副)はっきりと、明瞭に ・speak plain はっきりと話す
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(同格節を導いて)(thatを略すことはない)/(目的語節を導いて)
ech→each(代)各自、おのおの(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
shorte→shorten(他)(~を)短くする、つめる(⇔lengthen)
with(前)(処置・関係の対象を導いて)~に対して、~について、~にとっては
way(名)(通例単数形で)(the ~、one's ~)行く道
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
viage→voyage(名)旅、旅行、長旅
shall(助動)(意志未来を表わして)(2、3人称を主語とする平叙文または従属節に用い、話者の意志を表わして)~させてやる
tellen→tell
tweye→two(形)(基数の2)2の、2個の、二人の
-ward(接尾)方向を表わす形容詞・副詞を造る
mene→mean(他)(~の)つもりで言う
so(副)(前出または文脈上自明の事柄を受けて)そのとおりで、本当で
homward→homeward(副)家路をさして
othere→other
two(代)(複数扱い)二つ、2個(人)
aventures→adventures
adventure(名)(偶然起こってくる)珍事、珍しい経験(出来事)
whilom(古)(副)かつて、以前に、往時
bifalle→befallen
befall(自)(~に)起こる
which(代)(関係代名詞)(名詞節を導いて)(~するのは)どちらでも(=whichever)
of(前)(部分を表わして)~の中の
bereth→bears
bear(他)(bear oneselfで/様態の副詞句を伴って)ふるまう(=carry)
best(副)(wellの最上級)最もよく、いちばん
all(代)(複数扱い)すべての人々
seyn→say
that is to say すなわち
telleth→tells
cas→case
sentence→significance(名)意味、意義
moostmost
solas→solace(古)(廃)楽しみ(=recreation)
have(他)(食事などを)取る
at(前)(数量・代価・費用を表わして)~で
aller→all
sittynge→sitting
by(前)(場所・位置を表わして)~のそばに(で)、のかたわらに(の)、の手元に
post(名)柱、標柱、くい
agayn→again
come again また来る、戻ってくる
fro→from
the more(通例理由・条件の句または節を伴って)(それだけ)ますます、なおさら
mury→merry
myself(代)(強調に用いて)私自身/(Iとともに用いて同格的に)
goodly→gladly(副)喜んで、快く
owene→own
gyde→guide(名)(観光客・博物館・山などの)案内人、ガイド
whoso→whosoever(代)(古)whoeverの強調形
whoever(代)(関係代名詞)(先行詞を含む不定関係代名詞として)(~する)だれでも、どんな人でも(名詞節をつくる)
wole→will
withseye→withsay/gainsay(他)(通例否定・疑問文で)否定する、(~に)反駁(はんばく)する、反対する
Shal→Shall
paye→pay
al→all(代)(単数扱い)(関係詞節を従えて)(~の)すべてのこと
spende→spend
vouch sauf→vouchsafe(他)(廃)(快く)受け入れる(=accept)
Tel→Tell
wordes→words
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
mo→more(形)(many、muchの比較級)より多くの、もっと多くの(⇔less、fewer)
erly→early(副)(古)近いうちに、間もなく(=soon)
shape→prepare(他)(人に)(~の)準備をさせる(for)
therfore→therefore(副)(古)そのために、それを目標に

This thyng was graunted, and oure othes swore
With ful glad herte, and preyden hym also
That he wolde vouche sauf for to do so,
And that he wolde been oure governour,
And of oure tales juge and reportour,
And sette a souper at a certeyn prys,
And we wol ruled been at his devys
In heigh and logh; and thus by oon assent
We been acorded to his juggement.

thyng→thing(名)考え、意見、観念
grant(自)同意する(=agree、consent)
othes→oaths
oath(名)誓い、誓約、誓言 ・swear an oath 誓いをたてる
swore(動)swearの過去形
swear(他)(~を)誓う、宣誓する ・swear an oath 誓う、宣誓する
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
ful→full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に
glad(形)(顔・表情・声など)うれしそうな、晴れやかな
herte→heart(名)(知・意と区別して)心、心情 ・with a cheerful heart 陽気に、心も軽やかに
preyden→prayed
do(他)(代動詞としてbe以外の動詞の反復を避けるのに用いて)(準動詞でso、thatを目的語にして)
so(副)(代動詞doの目的語として)そう、そのように
governour→governor(名)導き手
juge→judge(名)(競技・討論などの)審判者
reportour→reporter/umpire(名)審判人(仲裁人の意見が一致しないとき、最後の決定をする)
set(他)(食卓を)用意する(=lay) ・set the table for dinner 夕食の食卓の準備をする
certeyn→certain(形)(ある)一定の
prys→price
rule(他)支配する、統治する
devys→device(名)(複)意志、望み、気まま(=fancy)
heigh→high
logh→low
high and low あらゆるところで、くまなく(捜す)
oon→one(形)(基数の1)一体の、一致した ・with one voice 異口同音に
been→were
acorded→accorded
accord(自)(廃)同意する(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
juggement→judgement(名)(判断の結果による)意見

And therupon the wyn was fet anoon;
We dronken, and to reste wente echon,
Withouten any lenger taryynge.

therupon→thereupon(副)そこで直ちに
fet→fetched
fetch(他)(ものを)取って(取りに)くる、(人を)呼んで(呼びに)くる
anoon→anon(副)(古)ほどなく
dronken→drank
to(前)(目的を表わして)~のために、~に
reste→rest(名)睡眠
wente→went
echon→each
Withouten→Without
without(前)(主に動名詞を伴って)~せずに
lenger→longer
not ~ any longer もはや~しないで(でない)
tarrynge→tarryng
tarry(自)遅れる、手間取る

Amorwe, whan that day bigan to sprynge,
Up roos oure Hoost, and was oure aller cok,
And gadred us togydres in a flok,
And forth we ryden a litel moore than pas
Unto the wateryng of Seint Thomas;
And there oure Hoost bigan his hors areste
And seyde, “Lordes, herkneth, if yow leste.
Ye woot youre forward, and I it yow recorde.
If evensong and morwesong acorde,
Lat se now who shal telle the firste tale.
As evere mote I drynke wyn or ale,
Whoso be rebel to my juggement
Shal paye for al that by the wey is spent.
Now draweth cut, er that we ferrer twynne;
He which that hath the shorteste shal bigynne.
Sire Knyght,” quod he, “my mayster and my lord,
Now draweth cut, for that is myn acord.
Cometh neer,” quod he, “my lady Prioresse.
And ye, sire Clerc, lat be youre shamefastnesse,
Ne studieth noght; ley hond to, every man!”

Amorwe→Next morning
next(形)(通例the ~)(過去・未来の一定時を基準にして)その次の、翌~
morning(名)(副詞的に)朝に、午前中に
whan that→when(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(~すると)その時
day(名)(日の出から日没までの)日中、昼(間)(⇔night)
sprynge→spring(自)(もの・事が)(突然)起こる、生じる
up(副)(寝床から)起きて
roos→rose
rise(自)起きる、起床する
cok→cock(名)おんどり
gadred→gathered
togydres→together(副)合わせて、結合して
flokflock(名)(人の)群れ ・in flocks 大勢で、大挙して
forth(副)(通例動詞に伴って)前へ、見える所へ
rydenrode
litel→little(副)(a ~で肯定的用法で/しばしば比較級の形容詞・副詞に伴って)少し、少しは
more than ~ ~より多い、~を越える
pas→pace(名)(a ~)歩調、足並み
unto(前)(古)~に、~のほうへ、~まで
waterryng→watering(place)(名)(人・動物の)水飲み場
Seint→Saint
saint(名)聖人、聖徒、聖者(生前高徳であったため死後聖人の列に加えられた人、または殉教者などを呼ぶ尊称/しばしばまたは慣用的にSt.と略して名に冠しSt. Peter(聖ペテロ)、St. Thomas(聖トマス)のように用いる)
Thomas(名)(St. ~)(聖)トマス(キリスト十二使徒の一人)
hors→horse
areste→arrest(他)((物事の)進行・成長などを)(引き)止める、はばむ、阻止する
leste→please
if you please(ものを依頼して)どうぞ
forward→agreement(名)契約
recorde→record(他)(廃)思い起こす(=recollect)
evensong(名)(一般に)夕べの歌
morwesong→morning song
morning(形)朝の、朝に行なわれる
acorde→accord(自)(二つのことが)一致する、調和する
Lat→Let
let(他)(通例Let's、時にlet usで勧誘・提案を表わして)~しよう(ではないか)
se→see(他)(~を)確かめる、調べる、よく見る(+wh.)
shal→shall(助動)(命令・規定を表わして)~すべきである
telle→tell
firste→first
evere→ever(副)いつも、常に、始終/(肯定文で)
mote(助動)(古)=may(助動)(古)(可能)できる(=can)
ale(名)エール(麦芽醸造酒のことでbeerと同義)
Whoso→Whosoever
rebel(形)反抗する、不従順な(=disobedient)(to)
pay for ~ ~の支払いをする、代金を払う
wey→way
draweth→draw(他)(くじを)引く、引き当てる
cut(名)(くじ引き用に作った長短の)わら ・draw cuts くじを引く
er→ere(古)(接)~する前に、~しないうちに
ferrer→farther(副)(farの比較級)(距離・空間・時間が)さらに遠く、もっと先に
twynne→twin/depart(自)(人・列車などが)出発する
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)/(主格の場合)
hath(動)(古)haveの直説法3人称単数現在形 ・he hath=he ahs
have(他)(~を)得る、もらう、受ける
shorteste→shortest
bigynne→begin(自)(人が)(~から)始める
Sir(名)サー~(英国で準男爵baronet)またはナイト爵(knight)の人の氏名と併用する敬称)
Knyght→Knight
knight(名)(中世の)騎士(封建時代に名門の子弟がpageからsquireに昇進し武功を立ててknightとなった)
mayster→master(名)主人、雇い主
that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと(⇔this)
myn→mine(代)(古)(母音またはhで始まる名詞の前に置いて)私の
acord→accord(名)(国際間の正式でない)協定
Cometh→Come
neer→near
lady(名)(呼び掛けに用いて)奥方、奥様、お嬢様 ・my lady 奥様、お嬢様
Prioresse→Prioress
prioress(名)(しばしばPrioress)女子小修道院
ye(代)(呼び掛けに用いて)
sire→sir
Clerc→Clerk
clerk(名)教会書記
lat→let
let be(古)やめる ・Let be your anger. 怒るのはよしなさい。
shamefastnesse→shamefacedness(名)<shamefaced(形)内気な、つつましい、しおらしい
studieth→study(自)(廃)熟考(熟慮)する(=deliberate)
ley→lay
hond→hand
to(副)正常な(本来の)位置に(向けて)
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間

Anoon to drawen every wight bigan,
And shortly for to tellen as it was,
Were it by aventure, or sort, or cas,
The sothe is this: the cut fil to the knyght,
Of which ful blithe and glad was every wight,
And telle he moste his tale, as was resoun,
By forward and by composicioun,
As ye han herd; what nedeth wordes mo?

Anoon→Anon
drawen→draw(自)(~を決めるために)くじを引く
wight(名)(古)人、人間
shortly(副)簡単に、短く
by(前)(原因を表わして)~のために
aventure→adventure(名)(廃)運
sort(廃)(名)運命、宿命
case→chance(名)偶然、運、めぐり合わせ(=luck)
sothe→sooth(名)(古)真実(=truth)、事実
fil→fell
fall(自)(くじなどが)(人に)当たる
knyght→knight
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(先行する句・節・文またはその内容を受けて)
blithe(形)しあわせな、陽気な、楽しい、楽天的な
moste→must
as(代)(関係代名詞)(前後の主節全体を先行詞として、非制限的に用いて)それは~だが
resoun→reasonable(形)(思考・行動など)合理的な、理にかなった、筋の通った、正当な
by(前)(判断の尺度・標準を表わして)~によって、~に従って
composicioun→composition/contract(名)(仕事・雇用・売買などの)契約、約定
han→have
herd→heard
hear(自)(~について)(消息を)聞く、聞いて知る
nedeth→needs
need(他)(~を)必要とする、(~する)必要がある

And whan this goode man saugh that it was so,
As he that wys was and obedient
To kepe his forward by his free assent,
He seyde, “Syn I shal bigynne the game,
What, welcome be the cut, in Goddes name!
Now lat us ryde, and herkneth what I seye.”

goode→good(形)(道徳的に)良い、善良な、有徳の(⇔evil)
saugh→saw
see(他)(~が)わかる、(~に)気づく(+that)
so(副)(前出または文脈上自明の事柄を受けて)そのとおりで、本当で
wys→wise
obedient(形)従順な(⇔disobedient)
kepe→keep(他)(約束・規則などを)守る ・keep one's word 約束を守る
free(形)自由意志による、自発的な、随意の
Syn→Since
since(接)(理由)~だから、~のゆえに
bigynne→begin
game(名)遊戯(=sport)、遊び、楽しみ、娯楽
whatindeed
welcome(形)(客など)歓迎される
Goddes→God's
in God's name 神に誓って
hearken(他)(古)聴く
what(代)(関係代名詞)(~する)もの(こと)(which、who、thatなどと異なり、意味上先行詞を含む関係代名詞で名詞節を導く) ・what I say 私の言うこと

And with that word we ryden forth oure weye,
And he bigan with right a murye cheere
His tale anoon, and seyde as ye may heere.

with(前)(原因を表わして)~のせいで、~のゆえに、~のために
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの(⇔this)
way(名)(単数形で)方向、方面(通例前置詞なしで、副詞的になる) ・go this way こちらへ行く
murye→merry
cheere→cheer(名)(古)表情、顔つき
say(自)言う、話す、しゃべる
may(助動)(妥当性や可能を表わして)~できるかもしれない、~できよう
heere→hear(自)(耳が)聞こえる

(The End)

【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『極北のナヌーク』

連休中は、ブルーレイで『極北のナヌーク』を再見した。

1922年のアメリカ映画。
何と、『戦艦ポチョムキン』(1925年)よりも前の映画である。
もちろん、サイレント。
恥ずかしながら、僕は前回(2019年2月)ブルーレイで見た時まで、本作のことを知らなかった。
が、こんな古典を自宅で見られるとは、いい時代になったもんだ。
監督は、「ドキュメンタリー映画の父」と呼ばれるロバート・フラハティ
本作は、ドキュメンタリーという体裁だが、実際には、演出もかなりあるらしい。
例えば、本作では銛を使って狩りを行なうが、実際には、この時代のイヌイットは既に銃で狩りを行なっていた。
ナヌークの二人の妻は、監督の内縁の女性が演じた。
有名なのは、イグルー(雪で作った小屋)の内部を撮影するのに、当時のカメラでは光量が足りなかったため、半円形のイグルーを作り、外から撮影したことである。
従って、現在の概念では、ドキュメンタリーとは呼び難いものである。
川口浩探検隊』のようなものかも知れない。
だが、本作の迫真性は、100年近く経った今でも、全く失われていない。
カラーだったら、現在、深夜のNHKで流れていても、違和感がないほどの完成度だ。
後半、生々しいアザラシの解体シーンもある。
現在なら、残酷描写があるとして「R指定」になるだろう。
本作を見ていると、黒澤明の『デルス・ウザーラ』を思い出すが、50年も後の作品なんだな。
しかも、その『デルス・ウザーラ』が今から40年以上も昔の作品だという…。
現在でも、酷寒の地のロケは大変だろうが、この当時は、その比じゃないだろう。
機材なんかも、今とは全く違うだろうし。
最後の方で、吹雪のシーンがあるが、雪に覆われて凍えている犬達も可哀想だが、それを撮影するスタッフも大変だ。
困難を重ねて撮影された映像は、正に必見である。
モノクロ、スタンダード、サイレント。
「序文 ロバート・フラハティ。W・マッケンジー氏の代理として1910年~16年に極北を探検した。旅は毎回、何ヵ月にも及んだ。数人のイヌイットと行動を共にし、彼らへの理解と敬意が深まった。1913年、万全の防寒対策をし、ハフィン島で越冬した。最初は同行の数人を撮影しただけで、内容を重要視していなかった。しかし、別探検を経て、不十分だと気づいた。そこで再び撮影を開始。ボートの難破などの困難を乗り越え、すばらしい映像が撮れた。隊長である混血のムースと共に、文明社会に貴重な資料を持ち帰ることができた。編集中、ネガが燃えるという災難に見舞われたが、それにより改善点に気づいた。1人のイヌイットを象徴的に捉えるという、効果的な視点を見出すことができた。次の訪問には、カメラだけでなく、現像し、映写できる装備も持参。イヌイットたちに映像を見せ、理解と感謝を得た。そして、ナヌーク一家を味方につけた。1920年、すべて撮ったと判断し、旅を終えることに。ナヌークはもう1年と引き留めた。なぜ私が喧騒の世界やわずらわしい世界に戻るのか、最後まで理解しなかった。その後、2年と経たないうちに、ナヌークが餓死したとの知らせが届いた。しかし、フィルムを通し、世界中の人々が温和で勇敢で素朴な彼を知った。」
「謎に包まれた不毛の地。広大な土地には、岩が転がり、風が吹き荒れる。そこは極北。」
「土地はやせ、気候も過酷。ほかの民族は生き延びることができないほど。その上、イヌイットの食料源は動物のみ。にもかかわらず、彼らは世界一陽気で恐れを知らぬ、楽天的な愛すべき人々だ。『ナヌーク』はクマを意味する。ナヌーク一家と彼を慕い、頼る人たちは、イヌイットの一集団としてアンガヴァ半島北部で暮らしている。親切で誠実な彼らは忍耐強く協力してくれた。」
「ナヌークたちの漁場は小国並みの広さがある。イングランドほどの面積だが、人口は300に満たない。」
「集団の長であり、偉大なハンターとして名をはせているナヌーク。」
「ニーラ 微笑みの人」
「夏の旅の準備をするナヌーク。川を下って、白人の交易所に行き、海でサケやセイウチを狩る。」
「ナヌーク」
「アレグー」
「ニーラ」
「クナユー」
「そしてコモック
「内陸部では、シカ猟の失敗は死を意味する。ほかに食糧はない。シカのエサであり、燃料に使うコケがまばらに生えているだけなのだ。」
「このようにして、コケを燃料にする。」
「旅の前にカヤックの骨組みをアザラシの皮で覆わなければならない。」
「川までひたすら歩く。」
「流木の作った骨組みにアザラシとセイウチの皮を張った小舟。」
「アザラシ皮のブーツを天日干しにする。」
「白人との交易所『ビッグ・イグルー』に到着。」
「キツネ、アザラシ、セイウチに加え、7頭のホッキョクグマまで、ナヌークはすべての獲物をモリ以上の武器を使わず、接近戦で仕留めた。」
「ホッキョクギツネやホッキョクグマの毛皮をナイフやアクセサリー、キャンディーと交換する。」
「若いハスキー犬を誇らしげに並べるナヌーク。最高級の食肉となる。」
「ニーラも負けじとハスキー犬を並べる。まだ4ヵ月に満たないレインボーも。」
「偉大なハンターに敬意を表し、商人は蓄音機でもてなし、その原理を説明する。声の『缶詰め』の作り方だ。」
「ごちそうをもらう子供たちもいる。乾パンとラードだ。」
「調子に乗って食べすぎたアレグーにはヒマシ油だ。」
「海を漂う氷の塊が湾に入り込み、海岸を160キロにわたって埋め尽くす。飢えに苦しみ、移動も困難な仲間のため、偉大なハンター、ナヌークが立ち上がる。」
「危険な浮氷を渡り歩けるかどうかが成功のカギとなる。」
「いい漁場を探し当てる。」
「エサはない。牙製のルアーをアザラシの毛で作った糸で動かす。」
「ナヌークは食糧にありつけて大喜び。歯でとどめを刺す。」
「好調な日の獲物。」
「仲間の漁師を乗せて陸に戻る。」
「氷がなくなり、サケもいなくなった。何日も食糧がない。ある時、遠くの島にセイウチがいるとの情報が入った。興奮する彼らの目には、ごちそうが映っている。」
「岸で休む群れを発見し、緊張が走る。」
「交代でセイウチを見張る。彼らは水中ではどう猛だが、地上では無力だ。」
「体重は約2トン。さらに、モリを突き刺すのも困難なかたい皮で覆われている。牙をむいて雄叫びをあげる姿から『極北のトラ』とも呼ばれる。」
「怒った群れは荒い鼻息を出し、つがいは救出に来る。体当たりして、捕まった個体を逃がそうとする。」
「死んだ獲物を転がして引き、波からあげる。」
「野営地に持ち帰るまで待てない。空腹に耐えきれないのだ。」
「冬」
「長い夜、悲しげな風の音。昼は短く、つらい日々。海にも陸にも雪が煙る。時折、冷やかしのように太陽が顔を出す。水星が何日も地平近くに見えている。」
「ナヌークはアザラシ狩りのため、氷に覆われた海に繰り出す。」
「海を漂う氷の塊は冬の荒れ狂う風に押され、凍りついた海岸に激しくぶつかる。塊は強い力になすすべもなく砕け、巨大な破片が飛び散る。」
「雑然とした地形は、そりを引くのもひと苦労。」
「ナヌークは、わなに近づくホッキョクギツネを見つけ、回り道の合図をする。」
「早い日の入りが近づき、野営する場所を探す。」
「風の力で雪が押し固められた場所は、イヌイットの家『イグルー』を建てるのにぴったり。」
「セイウチの牙ナイフをなめて濡らすナヌーク。すぐに凍り、切れ味が良くなる。」
「動く父の横で…。」
「外気が入らないよう、ニーラたちは、つなぎ目や隙間を雪で埋める。」
「子供たちにとっては退屈な時間だ。」
「1時間足らずで完成。」
以下、後半。

Nanook of The North - Faclan Festival 2016 Trailer

『ロビンソン・クルーソー』を原書で読む(第193回)

(テキスト195ページ、2行目〜)

And by this means we got above 20 young kids to breed up with the rest; for whenever we shot the dam, we saved the kids, and added them to our flock:

by(前)(手段・媒介を表わして)~で
this(形)この(⇔that)/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
means(名)方法、手段
get(他)(~を)(~から)(努力して)得る、手に入れる
above(前)(基準・数量など)~を超える(て)
kid(名)子ヤギ
breed(他)(人を)養育する(up)
up(副)まったく、すっかり
rest(名)(the ~)残り、残余(不可算をさす時は単数扱い、可算(複数名詞)をさす時は複数扱い)
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
whenever(接)~するたびに
shot(動)shootの過去形・過去分詞
shoot(他)(人・ものを)撃つ、撃ち殺す
dam(名)(特に家畜の)雌親、母獣
save(他)(金・ものを)蓄える、とっておく、貯蓄する
add(他)(~を)(他のものに)加える、追加する(to)
to(前)(接触・結合・付着・付加を表わして)~に、~へ ・add A to B BにAを加える
our(代)我々の、私たちの
flock(名)(集合的/単数または複数扱い)(羊・ヤギ・ガチョウ・アヒル・鳥などの)群れ

But above all, the season for curing the grapes coming on, I caused such a prodigious quantity to be hung up in the sun, that I believe, had we been at Alicant, where the raisins of the sun are cur'd, we could have fill'd 60 or 80 barrels; and these with our bread was a great part of our food, and very good living too, I assure you; for it is an exceeding nourishing food.

above all とりわけ、中でも、なかんずく
season(名)(通例修飾語を伴って)(~の)時季、時節、季節(for)
for(前)(用途・指定・適否を表わして)~に適した(doing)
cure(他)(肉類・魚類などを)(乾燥・燻製(くんせい)または塩漬けにして)保存処理をする
grape(名)ブドウ(一粒の実)
come on(季節・夜などが)やってくる、近づく
cause(他)(人・ものに)(~)させる(+目+to do)
such(形)(程度を表わして)(such ~ thatで)非常に~なので
prodigious(形)巨大な、莫大な(=enormous)
quantity(名)量(=amount/⇔quality)
hang up(ものを)かける、つるす
in(前)(環境を表わして)~の中で(を)・in the sun 日なたに
sun(名)(またthe ~)日光(=sunshine)・in the sun 日光に
that(接)(副詞節を導いて)(such ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
believe(他)(~と)思う、信じる(+that)
Alicant→Alicante アリカンテ(スペイン南東部Valencia自治州の県/地中海に面する)
where(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてそこに(で)
raisin(名)干しぶどう、レーズン
of(前)(材料を表わして)~で(作った)、~から(成る)
cur'd→cured
could(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(could have+過分で/過去の事実に反対の仮定の帰結節に用いて)~できただろうに
fill'd→filled
barrel(名)(胴のふくれた)たる
these(代)(指示代名詞)これら(のもの、人)(⇔those)
living(名)生活 ・good living ぜいたくな生活
assure(他)(人に)(~を)保証する、請け合う(=guarantee)(+目+that)
exceeding(副)(古)=exceedingly(副)きわめて、非常に、すこぶる
nourishing(形)滋養になる、滋養分の多い(=nutritious)

It was now harvest, and our crop in good order; it was not the most plentiful increase I had seen in the island, but however it was enough to answer our end; for from our 22 bushels of barley, we brought in and thrashed out above 220 bushels; and the like in proportion of the rice, which was store enough for our food to the next harvest, tho' all the 16 Spaniards had been on shore with me; or if we had been ready for a voyage, it would very plentifully have victualled our ship, to have carry'd us to any part of the world, that is to say, of America.

it(代)(非人称動詞(impersonal verb)の主語として)(時間・日時を漠然とさして)
now(副)(過去時制の動詞とともに)(物語の中で)今や、そのとき、それから、次に
harvest(名)収穫期、刈り入れ時
crop(名)(特定の)作物、収穫物(穀物・果実・野菜など)
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
good(形)具合の良い、好適な、望ましい
order(名)(通例修飾語を伴って)(~の)状態、調子
most(副)(主に2音節以上の形容詞・副詞の最上級を作って)最も、いちばん
plentiful(形)たくさんの、豊富な
increase(名)増加、増大、増進、増殖(=rise)
see(他)(~を)経験する、(~に)遭遇する
enough(形)十分な、不正のない(+to do)/(for)
answer(他)(目的・要件などに)かなう、合致する(=satisfy)
end(名)目的
from(前)(原料・材料を表わして)~から、~で(=out of)
bushel(名)ブッシェル(容量の単位)/(英)液量および乾量の単位/約36リットル
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
barley(名)大麦(の実)
bring in(人に)(利益・利子を)
thrash(他)脱穀する(=thresh)
out(副)すっかり、完全に
and the like その他同種類のもの
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
proportion(名)割合、比(率)(=ratio)(of)
which(代)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
store(名)(食料などの)蓄え、貯蔵、備え
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
to(前)(時間を表わして)(時間・期限の終わりを表わして)~まで
next(形)(通例the ~)(過去・未来の一定時を基準にして)その次の、翌~
tho'(接)=though(接)たとえ~でも、よし~にせよ
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
Spaniard(名)スペイン人
on shore 陸に、上陸して
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(過去の事実に反する仮定を表わす場合)(if節中では過去完了を用い、帰結の主節には通例助動詞の過去形+have+過去分詞の形が用いられる)
voyage(名)(船・飛行機・宇宙船による)旅、船旅、航海、航行、飛行
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(would have+過分で/過去の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~しただろう
plentifully(副)たくさんに、豊富に、たっぷりと
victual(他)(船に)食料を積み込む
carry'd→carried
carry(他)(乗物などが)(~を)輸送する(to)
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
that is to say すなわち
America(名)アメリ

When we had thus hous'd and secur'd our magazine of corn, we fell to work to make more wicker work, (viz.) great baskets in which we kept it; and the Spaniard was very handy and dexterous at this part, and often blam'd me that I did not make some things for defence, of this kind of work; but I saw no need of it.

when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
thus(副)このように、かように
hous'd→housed
house(他)(ものを)しまう、収容(収納)する
secur'd→secured
secure(他)(~を)安全にする、守る
magazine(名)倉庫(内の貯蔵物)、(特に)弾薬(火薬)庫(内の弾薬(火薬))
corn(名)(英)穀物、穀類(小麦・大麦・オート麦など)
fall to(食事・仕事などに)取りかかる、食べ始める
more(形)(many、muchの比較級)より多くの、もっと多くの(⇔less、fewer)
wickerwork(名)小枝(柳、枝編み)細工(製品)
viz.(副)すなわち(通例namelyと読む)
basket(名)(竹・柳枝などで編んだ)かご、バスケット、ざる
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
keep(他)(ものを)取っておく、捨てないでおく(in)
handy(形)(手先が)器用で、手際がよくて、(使いこなすのが)上手で
dexterous(形)(手先の)器用な(at)
at(前)(能力・性質の対象を表わして)~の点で、~が
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
part(名)(またa ~)(仕事などの)役割、役目、本分
blam'd→blamed
blame(他)(~のことで)(人を)非難する、とがめる
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
defence(名)(英)=defense(名)防衛、防御、守備(⇔offense)
of a kind 同じ種類の
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
see(他)(通例否定・疑問文で)(~の中に)(良さなどを)見出す
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について

And now having a full supply of food for all the guests I expected, I gave the Spaniard leave to go over to the main, to see what he could do with those he had left behind him there.

have(他)(~を)得る、もらう、受ける
full(形)十分な、盛りの、満~の ・a full supply 十分(完全)な供給
supply(名)供給、配給
expect(他)(人が)(~が)(~に)来るものと予期する(場所または時間を表わす副詞句を伴う)
give(他)(人などに)(時間・機会・許可・休息などを)認める、許す(+目+目)
leave(名)許し、許可(=permission)(+to do)
go over(向こう側へ)(通り・川・海などを)渡っていく(to)
main(名)(the)本土
see(他)(未来にどうなるかを)見てみる、確かめる(+wh.)
what(代)(疑問代名詞)(不定数量の選択に関して用いて)何、どんなもの(こと)、何もの、何事/(間接疑問の節や+to doの形で)
could(助動)(直説法(叙実法)で用いて)(過去形の主節の時制の一致により従属節中のcanが過去形に用いられて)~できる、~してよい
do with ~(疑問代名詞whatを目的語として)(どのように)~を処置する
those(代)(指示代名詞)(修飾語句を伴って)(~の)もの、人々(⇔these)
leave(他)(副詞句を伴って)(人・ものを)(~に)置いていく
behind(前)(通例leave、remain、stayなどとともに用いて)(人)の去った後に

I gave him a strict charge in writing, not to bring any man with him, who would not first swear in the presence of himself and of the old savage, that he would no way injure, fight with, or attack the person he should find in the island, who was so kind to send for them in order to their deliverance; but that they would stand by and defend him against all such attempts, and where-ever they went, would be entirely under and subjected to his commands; and that this should be put in writing, and sign'd with their hands:

give(他)(人に)(言葉・返事・命令・あいさつなどを)述べる、言う(+目+目)
strict(形)(人・規則など)厳しい、厳格な
charge(名)命令、指令、訓令、説示
in(前)(方法・形式を表わして)~で、~をもって
writing(名)書面、文書 ・in writing 書いて、書面で
not(副)(不定詞・分詞・動名詞の前に置いてそれを否定して)(~し)ない
any(形)(否定文で名詞の前に用いて)(可算の名詞の単数形につけて)何か一つの(~もない)、だれか一人の(~もない)(a(n)の代用であるが、やや強調的)
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
would(助動)(時制の一致により従属節内でまた間接話法で用いて)(意志未来を表わして)~しよう
first(副)(序数の第1番)(何はさておいても)まず
swear(他)(~を)誓う、宣誓する(+that)
presence(名)面前、人前 ・in the presence of a person 人の面前で
himself(代)(強調に用いて)彼自身/(he、himの代わりに用いて)
savage(名)野蛮人、未開人
no way 決して~でない
injure(他)(事故などで)(生物を)傷つける、(~に)けがをさせる、(~を)痛める
attack(他)(人を)襲う、(~に)乱暴する
should(助動)(時制の一致で従節内に用いて/単純未来の場合)~であろう
find(他)(探して)(人・ものを)見つけ出す
so(副)(程度を表わして)(強意的に)とても、非常に、大変
kind(形)親切な、優しい、思いやりのある(⇔unkind、nasty)(+to do)
send for ~ ~を取り(呼び)に(人を)使いにやる
in order to do ~する目的で、するために(は)
their(代)彼ら(彼女ら)の
deliverance(名)救出、救助
but(接)(従位接続詞)(否定文のあとで)(しばしばbut thatで否定の主節に対して条件節を導いて)~しないなら、~でなければ(前から訳すと「(~すれば)必ず~(する)」になる)
stand by ~ ~を援助(味方)する
defend(他)(国・人などを)守る、守備する
attempt(名)(人の命を)奪おうとする企て
where-ever→wherever(接)(譲歩節を導いて)どこに(へ)~しようとも(=no matter where)
entirely(副)まったく、完全に
under(前)(~の支配・監督・影響など)のもとに
subject(他)(~を)(~に)服従させる、従属させる(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
his(代)彼の
command(名)(権威をもった)命令、言いつけ
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと(⇔that)
put(他)(~を)(~の状態・関係に)置く、する(in)
sign'd→signed
sign(他)(~に)署名する、記名調印する
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で

How we were to have this done, when I knew they had neither pen or ink; that indeed was a question which we never ask'd.

how(副)(疑問詞)(方法・手段を尋ねて)(to doまたは節を導いて)どうやって~するか
be(助動)(be+to doで)(可能を表わして)~することができて
have(他)(~を)(~)される(主語が何事かを経験するという意味を表わす受身で、これを経験受身という)
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+that)
neither(副)(neither ~ nor ~で相関接続詞的に用いて)~も~もどちらも~ない(しない)
pen(名)ペン ・pen and ink ペン(インク)(対句で無冠詞)
or(接)(二つまたはそれ以上の選択すべき文法上同性質の語・句・節を対等につないで)(否定文で)~も~も(ない)
ink(名)(筆記用の)インク
that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと(⇔this)
never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して~ない
ask'd→asked

Under these instructions, the Spaniard, and the old savage (the father of Friday) went away in one of the canoes, which they might be said to come in, or rather were brought in, when they came as prisoners to be devour'd by the savages.

instruction(名)(しばしば複数形で)命令、訓令、指令、指図
go away(休暇・新婚旅行などで)出かける
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)(乗り物など)に乗って
one(代)(単数形で)(特定の人(もの)の中の)一つ、1個、一人(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
canoe(名)カヌー(paddleでこぐ小舟)
might(助動)(直説法過去)(主に間接話法の名詞節中で、時制の一致により)(不確実な推量を表わして)~かもしれない
say(他)(be said to doで)(~だと)言われている
come in(船が)入港する
or rather いやむしろ、もっと正確に言えば(訂正の時に用いる)
bring in(人を)警察へ連行する、拘引する
come(自)(come to doで)(~しに)来る
as(前)~として
prisoner(名)(戦争などの)捕虜(=captive)
devour'd→devoured
devour(他)(動物・人が)(食物を)むさぼり食う、がつがつ食う
【参考文献】
Robinson Crusoe (Penguin Classics)』Daniel Defoe・著
ロビンソン・クルーソー (河出文庫)』武田将明・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)

『カンタベリー物語』を原文で読む(第24回)

(テキスト25ページ、1行目~)

(The Pardoner)

pardoner(名)(中世の)免罪符売り

With hym ther rood a gentil Pardoner
Of Rouncyval, his freend and his comper,
That streight was comen fro the court of Rome.

hym→him
ther→there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(述語動詞にseem、appear、come、liveなどを用いて)/(beを述語動詞として)
ride(自)(しばしば副詞句を伴って)馬に乗る、乗馬する
gentil→gentle
Rouncyval→Rouncevaux(名)ロンスボー(Roncesvallesのフランス語名)
his(代)彼の
freend→friend
comper→compeer(名)仲間
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)/(他動詞・前置詞の目的語として)
streight→straight(副)まっすぐに、一直線に
comen→come
fro→from
court(名)宮廷、宮中、王室
Rome(名)ローマ(イタリアの首都/古代ローマ帝国の首都)

Ful loude he soong “Com hyder, love, to me!”
This Somonour baar to hym a styf burdoun;
Was nevere trompe of half so greet a soun.

Ful→Full
full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に
loude→loud(副)声高く、大声で(⇔low)
soong→sang
sing(他)(歌などを)歌う
Come→Come
hyder→hither(副)ここへ、こちらへ
love(名)(通例男から見た)恋人
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)(⇔that)
Somonour→Summoner
summoner(名)(古)(法廷の)召喚係
baar→bore
bear(他)(ものを)(~へ)運ぶ、持って(連れて)行く(to)
styf→stiff(形)強烈な、力強い
burdoun→bourdon(名)ブルドン、ドローン(=drone)((長く持続する)低音)
nevere→never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して~ない
trompe→trumpet(名)トランペット
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の
half(副)半ば、半分(だけ)
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい ・so beautiful a sunset こんなにきれいな夕日(不定冠詞aの位置に注意)
greet→great(形)(音・声など)大きい
soun→sound(名)音、音響

This Pardoner hadde heer as yelow as wex,
But smothe it heeng as dooth a stryke of flex;
By ounces henge his lokkes that he hadde,
And therwith he his shuldres overspradde;
But thynne it lay, by colpons oon and oon.

hadde→had
have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている ・have brown hair 髪が茶色だ ・have a sweet voice 美しい声をもっている
heer→hair
as(副)(通例as ~ as ~で、形容詞・副詞の前に置いて)(~と)同じ程度に、同様に、同じくらい(as ~ as ~で前のasが指示副詞、後のasは接続詞)
yelow→yellow
as(接)(as ~ as ~で同程度の比較を表わして)~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど
wex→wax(名)蠟(ろう)
smothe→smooth(副)(古)なめらかに
heeng→hung
hang(自)(副詞句を伴って)かかる、ぶら下がっている
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
dooth→does
do(自)(代動詞としてbe以外の動詞の反復を避けるのに用いて)(同一の動詞(およびそれを含む語群)の反復を避けて)
stryke→strike/hank(名)束、結び ・a hank of hair ひと束の髪
flex→flax(名)亜麻の繊維
by(前)(程度・比率を表わして)(どれほど)ずつ ・by degrees 少しずつ、徐々に
ounce(名)(an ~)少量、わずか
henge→hung
lokkes→locks
lock(名)髪の房(ふさ)
therwith→therewith(副)その方法(手段)で、それをもって
shuldres→shoulders
overspradde→overspread(他)(~の)上に(一面に)広がる
thynne→thin(形)(人など)まばらの
lie(自)(~の状態に)置かれてある(=remain)(+補)
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
colpons→culpons/bunches
bunch(名)(花・かぎなどの)束
oon and oon→one by one 一つずつ、一人ずつ

But hood, for jolitee, wered he noon,
For it was trussed up in his walet.

hood(名)(コートなどの)フード、ずきん
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
jolitee→jollity(名)(廃)にぎにぎしさ、慇懃(いんぎん)、壮麗(=splendor)、美装、美服
wered→wore
noon→none(代)(no+先行名詞に代わって)少しも(決して)~ない
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
truss(他)(ものを)縛る、くくる(up)
up(副)しっかりと、ぎっしりと ・tie up しっかりと結ぶ
walet→wallet(名)(通例折りたたみ式の革製の)札(さつ)入れ、紙入れ

Hym thoughte he rood al of the newe jet;
Dischevelee, save his cappe, he rood al bare.

Hym→Him
thoughte→thought
think(他)(~と)思う、考える(+that)
roodrode
ride(自)(しばしば副詞句を伴って)馬に乗る、乗馬する
al→all(副)まったく、すっかり
of→in(前)(方法・形式を表わして)~で、~をもって ・in this way この方法で、こうやって
newe→new
jet→way(名)やり方、手段 ・in this way このように(して)
Dischevelee→Dishevelled
dishevelled(形)(人が)髪を振り乱した(=unkempt)
save(前)~を除けば、~のほかは、~は別として(=apart from)
cappe→cap
roodrode
bare(形)(部分的に衣類をつけていない)むきだしの、露出した、裸の ・with bare head 無帽で

Swiche glarynge eyen hadde he as an hare.

Swiche→Such
such(形)(such ~ asで)~のような
glarynge→glaring(形)(目が)にらみつける
eyen→eyes
hare(名)ノウサギ

A vernycle hadde he sowed upon his cappe.

vernycle→veronica(名)聖顔布(キリストの顔を描いた布)
have(他)(もの・人を)(~して)もらう、(~)させる(+目+過分)
sowed→sewn
sew(他)(布・皮などを)縫う、縫い合わせる

His walet, biforn hym in his lappe,
Bretful of pardoun comen from Rome al hoot.

biforn→before(前)(位置・場所などを表わして)~の前に
lappe→lap(名)(裾をあげて折り返し、物などを運ぶのに用いるスカートなどの)ひざ(前)の部分
Bretful→Brimful
brimful(形)(~で)縁までいっぱいで、あふれんばかりで(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(形容詞に伴って)~を
pardoun→pardon(名)免罪符
come(自)(人・ものが)(ある場所に)到着する、やってくる
hoot→hot(形)(ニュースなど)最新の、出たばかりの

A voys he hadde as smal as hath a goot.

voys→voice
smal→small(形)(声など)低い、小さい(⇔loud) ・in a small voice 小声で
hath(動)(古)haveの直説法3人称単数現在形 ・he hath=he has
goot→goat(名)ヤギ(ヤギは繁殖力が旺盛なので好色のイメージがある/罪や悪との連想力が古くからあり、悪魔はよくヤギの姿で現われる)

No berd hadde he ne nevere sholde have;
As smothe it was as it were late yshave.

berd→beard(名)あごひげ
ne(古)(接)=nor
sholde→should(助動)(仮定法で)(可能性・期待を表わして)きっと~だろう、~のはずである
smothe→smooth(形)(表面などの)なめらかな、すべすべした(⇔rough) ・smooth skin すべすべの肌
as it were(挿入句的に用いて)いわば、まるで
late(副)最近、近ごろ
yshave→shaven(形)そった ・a shaven chin ひげをそったあご

I trowe he were a geldyng or a mare.

trowe→trow(他)(古)思う(=think)、(I ~の形で挿入句的に)おそらく
geldyng→gelding(名)去勢馬
mare(名)(特に)雌馬

But of his craft, fro Berwyk into Ware
Ne was ther swich another pardoner.

of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
craft(名)(特殊な技術を要する)職業、熟練職業
from(前)(空間・時間などの起点を表わして)~から ・from A into B AからBにまで
Berwyk→Berwick ベリック(スコットランド南東部の旧州)
into→to(前)(到達点を表わして)~まで、~に至るまで ・from A to B AからBまで
Ware(名)ウェア(イングランド南東部Hertfordshireの町、1.4万/ShakespeareのTwelfth Nightに言及されていた巨大なベッドがかつてこの町の宿屋にあった)
ne(古)(副)=not
swich→such
another(形)別の、ほかの

For in his male he hadde a pilwe-beer,
Which that he seyde was Oure Lady veyl;
He seyde he hadde a gobet of the seyl
That Seint Peter hadde, whan that he wente
Upon the see, til Jesu Crist hym hente.

male→mail(名)合切袋、(旅行)かばん
pilwe-beer→pillowcase(名)まくらカバー
Which that→Which
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
seyde→said
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+that)
Oure→Our
Our Lady 聖母マリア
veylveil(名)ベール(装飾・宗教用の婦人のかぶり物)
gobet→gobbet(名)(生肉などの)小片、一切れ
seyl→sail(名)(船の)帆
Seint→Saint
saint(名)聖人、聖徒、聖者(生前高徳であったため死後聖人の列に加えられた人、または殉教者などを呼ぶ尊称/しばしばまたは慣用的にSt.と略して名に冠しSt. Peter(聖ペテロ)、St. Thomas(聖トマス)のように用いる)
Peter(名)(St. Peter)(聖)ペテロ(キリスト十二使徒の一人/新約聖書ペテロ書の著者)
whan that→when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
wente→went
see→sea
til→till(接)(動作・状態の継続の期限を表わして)~まで(ずっと)
Jesu→Jesus(名)イエス(キリスト)
Crist→Christ(名)キリスト(救世主(the Savior)となって出現したJesusの称号)
hente→hent(他)(古)捕捉する、捕える(=grasp)

He hadde a cros of latoun ful of stones,
And in a glas he hadde pigges bones.

cros→cross(名)(首から下げる)十字(架)飾り
of(前)(材料を表わして)~で(作った)、~から(成る)
latoun→latten(名)(昔、教会用器具に多く用いた)黄銅の合金板
ful→full(形)多くて、たくさんいて(of)
stone(名)宝石
glas→glass(名)グラス、コップ(glassは通例取っ手がなく冷たい飲み物を入れる)
piggespigs'
bone(名)骨

But with thise relykes, whan that he foond
A povre person dwellyng upon lond,
Upon a day he gat hym moore moneye
Than that the persoun gat in monthes tweye;
And thus, with feyned flaterye and japes,
He made the person and the peple his apes.

with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
thise→these
relykes→relics
relic(名)(聖)遺物
foond→found
povre→poor
person→parson(名)教区牧師
dwellyng→dwelling
dwell(自)(副詞句を伴って)(~に)住む、居住する
lond→land(名)(the ~)(都会に対して)田園、いなか
on(前)(日・時・機会を表わして)~に
get(他)(金などを)稼ぐ
moneye→money(名)金(かね)
Than that→than
persoun→parson
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中
monthes→months
tweye→two(形)(基数の2)2の、2個の、二人の
thus(副)このように、かように
feyned→feigned(形)偽りの、虚偽の
flaterye→flattery(名)おべっか、お世辞
japes→tricks
trick(名)ごまかし、ぺてん
make somebody one's ape 愚弄する、だます
peple→people(名)(通例修飾語またはtheを伴って)(特定の場所・階級・団体・職業・民族などに属する)住民、人々

But trewely to tellen atte laste,
He was in chirche a noble ecclesiaste.

trewely→truly(副)(通例挿入的に)実を言えば、正直なところ
tellen→tell
laste→last
at last 最後に、とうとう
chirche→church(名)(キリスト教の)教会(堂)、聖堂
noble(形)称賛に値する、りっぱな
ecclesiaste→ecclesiastic(名)(キリスト教の)聖職者

Wel koude he rede a lesson or a storie,
But alderbest he soong an offertorie;
For wel he wiste, whan that soong was songe,
He moste preche and wel affyle his tonge
To wynne silver, as he ful wel koude;
Therfore he soong the muryerly and loude.

Wel→Well
well(副)上手に、うまく
koude→could
rede→read(他)(文・論文などを)読み上げる、音読する
lesson(名)日課(朝夕の祈りの時読む聖書の一部分)
storie→story(名)伝記、素姓、身の上話
alderbest→best of all(文修飾)いちばんよいことに(は)、何よりもまず
sing(他)(~を)歌うように言う、唱える
offertorie→offertory(名)奉献文(唱)
wel→well(副)十分に、よく(=thoroughly)
wiste→wist(動)(古)witの過去形・過去分詞
wit(他)(古)知る、知っている
whan→when
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの
soong→song
songe→sung
mosts→must
preche→preach(自)(~に)説教をする
affyle→file(他)(文学作品などに)磨きをかける
tonge→tongue(名)弁舌
wynne→win(他)(生計・パンなどを)得る、稼ぐ(=gain)
silver(名)銀貨
as(接)(原因・理由を表わして)~だから、~ゆえに
ful→full(副)(full wellで)非常に ・know full well that ~ということを十分承知している
therefore(副)それゆえに、従って、それ(これ)によって(=consequently)
muryerly→more merrily
more(副)もっと、いっそう
merrily(副)楽しく
loude→loud(副)声高く、大声で(⇔low)

Now have I toold you soothly, in a clause,
Th'estaat, th'array, the nombre, and eek the cause
Why that assembled was this compaignye
In Southwerk at this gentil hostelrye
That highte the Tabard, faste by the Belle.

now(副)(接続詞的に、話題を変える時などに文頭で用いて)さて、ところで、では
toold→told
yow→you
soothly(副)(古)まことに、確かに
in(前)(道具・材料・表現形式などを表わして)~で、~でもって、~で作った
clause(名)節
Th'estaat→The estate
estate(名)(社会上の)階級(特にフランス革命以前の聖職者・貴族・平民の3身分にいう)
th'array→the array
array(名)衣装、美装
nombre→number(名)(しばしばthe ~)人数、個数
eek→eke(副)(古)また、さらに、そのうえ
cause(名)理由、根拠
Why that→Why
why(副)(関係副詞)(制限的用法で)~との(理由)(reasonを先行詞とした形容詞節をつくる)
assemble(他)(ある目的で)(人を)集める、集合させる、召集する(=gather)
compaignye→company(名)(集合的/単数または複数扱い)(~の)一行、一団、一隊
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in London ロンドンで(に)
Southwerk→Southwark(名)サザーク(Londonの自治区でThames川の南岸地域)
gentil→gentle(形)(生まれ・家柄など)よい、立派な
hostelrye→hostelry(名)(古)宿屋
highte→hight(形)(古)(と)呼ばれた
tabard(名)(the Tabard)陣羽織亭(LondonのSouthwarkにあった旅亭で、Chaucerが描いたようにCanterbury詣での巡礼が集まった店)
faste→fast(副)(古)近くに、間近に(by)
by(前)(場所・位置を表わして)~のそばに(で)、のかたわらに(の)、の手元に
bell(名)鐘、釣り鐘

But now is tyme to yow for to telle
How that we baren us that ilke nyght,
Whan we weere in that hostelrye alyght;
And after wol I telle of our viage
And al the remenant of oure pilgrymage.

tyme→time(名)(~する)時、時間、時期(+to do)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
telle→tell(他)(人に)(~を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+wh.)/(+目+目)
How that→How
how(副)(疑問詞)(方法・手段を尋ねて)(to doまたは節を導いて)どうやって~するか
baren→bore
bear(他)(bear oneself)(身を)支える、処する(=behave) ・bear oneself ふるまう
that(形)(指示形容詞)(遠方の時・所をさして)あの、あちらの、その(⇔this) ・that night その夜(しばしば副詞的にも用いる)
ilke→ilk(形)同一の、同じ(=same)
nyght→night(名)(副詞的に)夜に
Whan→When
when(副)(関係副詞)(制限的用法で)~する(した)(時)(通例「時」、時には「場合」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
weere→were
alyght→alight(自)(馬・乗物などから)降り立つ
after(副)(順序を表わして)あとに
wol→will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
tell of ~(~のこと)を話す、語る
oure→our(代)我々の、私たちの
viage→voyage(名)(船・飛行機・宇宙船による)旅、船旅、航海、航行、飛行
remenant→remnant(名)(しばしば複数形で)残り、残余、残物(of)
pilgrymage→pilgrimage(名)巡礼の旅、聖地詣(もう)で

But first I pray yow, of youre curteisye,
That ye n'arette it noght my vileynye,
Though that I pleynly speke in this matere,
To telle yow hir wordes and hir cheere,
Ne thogh I speke hir wordes proprely.

first(副)(何はさておいても)まず
pray(他)(古)(人に)懇願する
of(前)(起源・出所を表わして)~から、~の
youre→your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
curteisye→courtesy(名)礼儀(正しさ)、丁重、いんぎん、親切
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
ye→you
n'→not
arette→attribute(他)(結果を)(~に)帰する(to)
noght→not
my(代)私の
vileynye→villainy(名)(廃)粗野、不作法
Though that→Though
pleynly→plainly(副)率直に、飾りなく
speke→speak
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で ・in one's power 勢力範囲に、力の限りに
matere→matter(名)(書物などの)題材、内容(=substance
hir→their(代)彼ら(彼女ら)の
wordes→words
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
cheere→cheer/behaviour(名)ふるまい、態度
thogh→though
proprely→properly(副)正確に、本式に、正しく

For this ye knowen also wel as I:
Whoso shal telle a tale after a man,
He moot reherce as neigh as evere he kan
Everich a word, if it be in his charge,
Al speke he never so rudeliche or large,
Or ellis he moot telle his tale untrewe,
Or feyne thyng, or fynde wordes newe.

this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
knowen→know
also→as
as well as ~ ~はもちろん、~も~も
Whoso→Whoever
whoever(代)(関係代名詞)(譲歩の副詞節を導いて)だれが~とも
shal→shall(助動)(命令・規定を表わして)~すべきである
tale(名)(事実・伝統・架空の)話、物語
after(前)(模倣を表わして)~に従って、にならって、にちなんで、~の流儀の
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
moot→must
reherce→rehearce(他)繰り返して言う(誦する)
neigh→nigh(古)(副)=near(副)ほとんど、ほぼ(~に近く)
evere→ever
kan→can
as ~ as ever ~ can できるだけ~
Everich a→Every
charge→power(名)能力
Al→Although
although(接)~であるが、~だけれども、とはいえ
never→ever
ever so(譲歩文で)いかに(~であろうとも)
rudeliche→rudely(副)不作法に、失礼に
large(形)(廃)気ままに、自由な
or(接)(命令文などの後で用いて)さもないと(=otherwise)
ellis→else(副)(通例or ~で)でなければ
untrewe→untruely<untrue(形)不正確な(=inaccurate)
feyne→feign(他)(古)(口実などを)でっちあげる、作る、(文書を)偽造する
thyng→thing(名)(無形の)こと、事(柄)、事件
fynde→find(他)(探して)(人・ものを)見つけ出す
newe→new

He may noght spare, althogh he weere his brother;
He moot as wel seye o word as another.

may(助動)(妥当性や可能を表わして)~できるかもしれない、~できよう
spare(他)(人・ものを)なしですませる
althogh→although
as well as ~ ~と同じようにうまく
seye→say
o→one(形)(基数の1)(another、the otherと対照的に)一方の、片方の
another(代)(oneと対照的に)

Crist spak hymself ful brode in holy writ,
And wel ye woot no vileynye is it.

spak→spake(動)(古)speakの過去形
hymself→himself(代)(強調に用いて)彼自身/(3人称単数の男性(代)名詞とともに用いて同格的に)
brode→broadly(副)露骨に、無遠慮に、おおっぴらに
Holy Writ(名)(the ~)聖書
woot→wot(動)(古)知る、知っている

Ek Plato seith, whoso kan hym rede,
The wordes mote be cosyn to the dede.

Ek→Eke
Plato(名)プラトン(427?-?347 B.C./ギリシアの哲学者)
seith→says
rede→read
mote→must
coysn→cousin(名)近縁関係にあるもの
to(前)(付属・関連・関係を表わして)~の、~に(とっての)
dede→deed(名)行動、行為

Also I pray yow to foryeve it me,
Al have I nat set folk in hir degree
Here in this tale, as that they sholde stonde.

foryeve→forgive(他)(人・罪などを)許す、大目に見る(+目+目)
nat→not
set(他)(人を)(ある関係に)位置づける
folk(名)(複数扱い)人々
degree(名)階級、地位、身分
as that→as
stonde→stand(自)(~の中で)(ある順位に)位置する

My wit is short, ye may wel understonde.

wit(名)判断力、理解力
short(形)(もの・数量など)(標準・一定量に達しないで)不足している、不十分な
may well do 多分~だろう、(十分)~しそうだ
understonde→understand
【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『カンタベリー物語』を原文で読む(第23回)

(テキスト23ページ、18行目~)

(The Summoner)

summoner(名)(古)(法廷の)召喚係

A Somonour was ther with us in that place,
That hadde a fyr-reed cherubynnes face,
For sawceflewm he was, with eyen narwe.

Somonour→Summoner
ther→there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)/(他動詞・前置詞の目的語として)
hadde→had
have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている
fyr-reed→fiery-red
fiery(形)火のような
red(形)(人が)赤い肌の、赤銅色の皮膚をした
cherubynnes→cherub's
cherub(名)ケルビム、智天使(九天使中の第2位で知識を司る/通例翼のある愛らしい子供の姿や頭で表わされる)
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
sawceflewm→pimpled(形)吹出物だらけの、にきびのできた
with(前)(付帯状況を表わす句を導いて)~して、~したまま、~しながら(名詞の後に前置詞付きの句・副詞・形容詞・分詞などの補足的要素を従える)
eyen→eyes
narwe→narrow(形)(長さに比べて幅の)狭い、細い(⇔broad、wide)

And hoot he was and lecherous as a sparwe,
With scaled browes blake and pyled berd.

hoot→hot(形)(人が)性的に興奮した、好色の、さかりがついて
lecherous(形)(男が)好色な、淫乱(いんらん)な
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
sparwe→sparrow(名)スズメ
scaled→scabby(形)かさぶたのある
browes→brows
brow(名)(通例複数形で)まゆ(毛)
blake→black
pyled→pilled
pill(他)(廃)~の毛を抜く
berd→beard(名)あごひげ

Of his visage children weere aferd.

of(前)(目的格関係を表わして)(形容詞に伴って)~を
his(代)彼の
visage(名)顔、顔だち、容貌(ようぼう)
weere→were
aferd→afraid(形)(~を)恐れて、怖がって(of)

Ther nas quyk-silver, lytarge, ne brymstoon,
Borace, ceruce, ne oille of tartre noon,
Ne oynement that wolde clense and byte,
That hym myghte helpen of his whelkes whyte,
Nor of the knobbes sittynge on his chekes.

nas→was not
quyk-silverquicksilver(名)水銀
lytarge→litharge(名)リサージ、蜜陀僧(みつだそう)(一酸化鉛の別称/黄色または黄褐色の粉末)
ne(接)(古)=nor ・ne ~ ne ~(古)=neither ~ nor ~
neither(副)(neither ~ nor ~で相関接続詞的に用いて)~も~もどちらも~ない(しない)
brymstoon→brimstone(名)(古)硫黄(いおう)
Borace→Borax
borax(名)ホウ砂(しゃ)
ceruce→ceruse(名)(白色顔料としての)鉛白
oille→oil(名)油状のもの、~オイル(化粧品など)
tartre→tartar(名)酒石(ワイン醸造だるの底に沈殿する物質/酒石酸の原料)
noon→no
oynement→ointment(名)軟膏(なんこう)
wolde→would
clense→cleanse(他)(傷などを)清潔にする、洗浄する
byte→bite/burn(他)(飲食物・薬品などが)(人に)焼けるような感じを与える、(人を)ひりひりさせる
hym→him
myghte→might(助動)(直説法過去)(主に間接話法の名詞節中で、時制の一致により)(許可を表わして)~してもよろしい
helpen→help(他)(古)(苦境から)(人を)助ける、救う(of)
of(前)(分離・剥奪を表わして)(動詞とともに用いて)(~から)~を(~する) ・get cured of a disease 病気が治る
whelkes→whelks
whelk(名)吹き出物、にきび
whyte→white
knobbes→knobs
knob(名)(廃)こぶ、いぼ、にきび、吹き出物
sittyhge→sitting
sit(自)位置する、横たわる(=lie)(on)
chekes→cheeks
cheek(名)ほお

Wel loved he garlek, oynons, and eek lekes,
And for to drynke strong wyn, reed as blood;
Thanne wolde he speke and crye as he were wood.

Wel→Well
well(副)十分に、よく(=thoroughly)
love(他)(~を)好む、愛好する、(大)好きである(+to do)
garlek→garlic(名)ニンニク
oynons→onions
onion(名)タマネギ
eek→eke(副)(古)また、さらに、そのうえ
lekes→leeks
leek(名)リーキ、ニラネギ、セイヨウネギ
for to→to
drynke→drink
strong(形)(酒類が)強い
wyn→wine(名)ワイン、ぶどう酒
reed→red(形)(ワインが)赤の、濃紫色の
Thannne→Then
then(副)そういうわけで、結果として、つまり
would(助動)(過去の習慣・動作などの反復についての回想を表わして)~したものだった、よく~した
speke→speak
crye→cry(自)大声で叫ぶ、どなる
wood(形)(古)気が狂っている

And whan that he wel dronken hadde the wyn,
Thanne wolde he speke no word but Latyn.

whan that→when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
wel→well
dronken→drunk
then(副)(whenに導かれる時の副詞節を受けて)その時には
speke→speak(他)(国語を)話す、しゃべる
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
but(前)(no one、nobody、none、nothing、anythingやall、every oneまたwhoなどの疑問詞などのあとに用いて)~のほかに(の)、~を除いて(た)(=except)
Latyn→Latin(名)ラテン語古代ローマ帝国の言語/中世に地方によって分化し、今日のイタリア語、フランス語、スペイン語ポルトガル語ルーマニア語などとなった)

A fewe termes hadde he, two or thre,
That he hadde lerned out of som decree―

fewe→few(形)(可算の名詞について用いて)(a ~の形で肯定的用法で)少しはある、ないことはない
termes→terms
term(名)(専門分野での)術語、用語、専門語
have(他)(通例副詞句を伴って)(~を)持っている、所有する、身につけている
two(代)(複数扱い)二つ、2個(人)
thre→three(代)(複数扱い)3つ、3個(人)
out of(前)(起源・出所を表わして)~から、~からの
som→some(形)(不明または不特定のものまたは人をさして)(単数形の可算の名詞を伴って)何かの、ある、どこかの
decree(名)教令

No wonder is, he herde it al the day;
And eek ye knowe wel how that a jay
Kan clepen “Watte”as wel as kan the pope.

No wonder(that)~ ~は少しも不思議でない
herde→heard
al→all
day(名)(副詞的に)~日
ye(代)(古)なんじらは(が)(2人称代名詞thouの複数形)
knowe→know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+wh.)
how that→how(副)(程度を尋ねて)(節を導いて)
jay(名)カケス、カシドリ
Kan→Can
clepen→call(他)(~を)大声で呼ぶ(言う)、(~に)呼び掛ける(+引用)
Watte→Wat ワット(男子名/Walter、Watkinsの愛称)
as well as ~ ~と同じようにうまく
kan→can
pope(名)(通例the Pope)ローマ教皇法皇

But whoso koude in oother thyng hym grope,
Thanne hadde he spent al his philosophie;
Ay “Questio quid iuris” wolde he crye.

whoso(代)(古)=whosoever(代)whoeverの強調形
whoever(代)(関係代名詞)(譲歩の副詞節を導いて)だれが~とも
koude→could
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
oother→other
thyng→thing(名)(無形の)こと、事(柄)、事件
grope(他)探る、探索する
spend(他)(~に)(精力・労力などを)使う、使い果たす
philosophie→philosophy/knowledge(名)(またa ~)知る(知っている)こと、知識、認識
ay(副)(古)永久に、常に
Questio quid iuris→The question is, what point of the law
question(名)問題
what(形)(疑問形容詞)何の、何と言う、どんな、いかほどの
point(名)(the ~)点、主眼点、論旨、ポイント(of)
law(名)(個々の)法律、法規
cry(他)(~を)大声で叫ぶ、どなる(+引用)

He was a gentil harlot and a kynde;
A bettre felawe sholde men noght fynde.

gentil→gentle(形)(人・気質・声など)優しい、温和な、穏やかな
harlot→fellow(名)(通例修飾語を伴って)男、やつ
kynde→kind
bettre→better
felawe→fellow
sholde→should(助動)(可能性・期待を表わして)きっと~だろう、~のはずである
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
noght→not
fynde→find

He wolde suffre for a quart of wyn
A good felawe to have his concubyn
A twelf monthe, and excusen hym atte fulle;
Ful pryvely a fynch eek koude he pulle.

suffre→suffer(他)(古)(~に)(~することを)許す、(黙って)(人に)(~)させる(+目+to do)
for(前)(代用)(交換・代償を表わして)~と引き替えに
quart(名)クォート(液量の単位/=1/4 gallon、2 pints)/1.136リットル
good(形)楽しい、愉快な
fellow(名)(通例複数形で)(主に男性の)仲間
have(他)(使用人などを)置いている、(動物を)飼っている
concubyn→concubine(名)(古)内妻(=mistress)
twelf monthe→twelvemonth(名)1年
excusen→excuse(他)(人・人の行為・態度などを)許す、勘弁する
at the full 十分に、完全に
Ful→Full
full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に
pryvely→privily(副)<privy(形)(古)秘密の
fynchfinch/girl
pulle→pull(他)(人を)(性的に)引きつける

And if he foond owher a good felawe,
He wolde techen hym to have noon awe
In swich caas of the ercedeknes curs,
But if a mannes soule were in his purs;
For in his purs he sholde ypunysshed be.

foond→found
owher→anywhere(副)(疑問文・条件節に用いて)どこかに(へ)
good(形)仲の良い、親しい、親密な ・a good friend 親友、仲よし
techen→teach(他)(人に)(~するように(するしかたを))教える(+目+to do)
have(他)(感情・考えなどを)(心に)抱いている
awe(名)畏(おそ)れ、畏怖(いふ)、畏敬(尊敬と恐れの交錯した感情)
swich→such
caas→case(名)場合、状況 ・in such cases そんな場合に
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
ercedeknes→archdeacon's
archdeacon(名)大助祭
curs→curse(名)波紋
but if ~(廃)~でなければ(=unless、if ~ not)
mannes→man's
soule→soul(名)霊魂、魂
purs→purse(名)財布、金入れ、がま口
ypunysshed→punished
punish(他)(しばしば受身で)(人・罪を)(~のかどで)罰する、こらしめる

“Purs is the ercedeknes helle,” seyde he.

helle→hell(名)地獄(⇔heaven)
seyde→said
say(他)(人に)(~と)言う、話す、(言葉を)言う(+引用)

But wel I woot he lyed right in dede;
Of cursyng oghte ech gilty man him drede,
For curs wol sle right as assoillyng savyth,
And also war hym of a Significavit.

wel→well
woot→wot(動)(古)witの1人称および3人称単数直説法現在形
wit(他)(古)知る、知っている
lyed→lied
lie(自)(人が)うそをつく
right(副)(副詞・前置詞句の前に置いて)ちょうど、まさしく、きっかり
dede→deed(名)行為、行動
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
cursyng→cursing
curse(他)(人を)破門する
oghte→ought(助動)(to doを伴う)(義務・当然・適当・必要を表わして)~すべきである、~するのが当然(適当)である、~したほうがよい
ech→each
gilty→guilty(形)有罪の(⇔innocent)
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性
drede→dread(他)(これからの事を)ひどく怖がる、恐れる
wol→will(助動)(話し手の推測を表わして)~だろう
sle→slay(他)(人を)殺害する(=murder)
assoillyng→assoilling
assoil(他)(古)許す、赦免する
savyth→saves
save(他)(人を)(罪から)救う、救済する
war→beware(自)(通例命令法または不定詞で用いて)(~に)気をつける、用心する(of)
Significavit→the opening word of a writ issued for imprisonment
opening(形)初めの、最初の(⇔closing) ・his opening word 開口一番の言葉
writ(名)令状
issue(他)(命令・布告・免許証などを)発行する、発する
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
imprisonment(名)投獄、拘禁、禁固(期間)

In daunger hadde he at his owene gyse
The yonge gerles of the diocise,
And knew hir conseil, and was al hir reed.

in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
daunger→danger(名)(古)(主君の)力、権限、支配(権)(=jurisdiction
have(他)(~を)(~の位置・状態に)保つ、保っておく
at(前)(状態・状況を表わして)~(の状態)で
owene→own
gyse→guise(古)やり方、方法
yonge→young
gerles→girls
of(前)(部分を表わして)~の仲の
diocise→diocese(名)監督(司教、主教)管区
hir→their
conseil→counsel(名)(古)秘密の考え(目的、計画)
all(副)まったく、すっかり
reed→rede/adviser(名)相談相手、顧問(=counselor)

A gerland hadde he set upon his heed,
As greet as it were for an ale-stake.

gerland→garland(名)(花・葉などで作り、名誉・勝利のしるしとして頭・首につける)花輪、花冠
heed→head
as(副)(通例as ~ as ~で、形容詞・副詞の前に置いて)(~と)同じ程度に、同様に、同じくらい(as ~ as ~で前のasが指示副詞、後のasは接続詞)
greet→great
as(接)(as ~ as ~で同程度の比較を表わして)~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど
for(前)(用途・指定・適否を表わして)~向きに(の)、~用に(の)
alestakesign of an alehouse
sign(名)看板
alehouse(名)(昔の)ビヤホール、ビール酒場

A bokeler hadde he maad hym of a cake.

bokeler→buckler(名)(左手に持つ小型の)円盾(まるたて)
maad→made
make(他)(材料から)(ものを)作る、造る(of)
of(前)(材料を表わして)~で(作った)、~から(成る) ・make A of B BでAを作る
cake(名)(古)小さいひと塊りのパン
【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)