『女王陛下の007』

この週末は、ブルーレイで『女王陛下の007』を見た。

1969年のイギリス・アメリカ映画。
007シリーズ第6作。
なお、女王陛下は出て来ない。
監督は、これまでの007シリーズで編集を担当していたピーター・ハント
音楽は、007シリーズや『真夜中のカーボーイ』『ザ・ディープ』『愛と哀しみの果て』の巨匠ジョン・バリー
その他のスタッフも007シリーズでお馴染みの面々。
主演はジョージ・レーゼンビー。
2代目ジェームズ・ボンドだが、この1作だけで降板させられる。
ボンドガ―ルは、『地中海殺人事件』のダイアナ・リグ。
敵役は、『戦略大作戦』のテリー・サバラス
共演は、いつも通り、バーナード・リーデスモンド・リュウェリンロイス・マクスウェル
それから、『天地創造』のガブリエル・フェルゼッティ。
本ブルーレイの画面はシネスコ・サイズ。
例のテーマ曲が流れる。
ユニバーサル貿易で、Q(デスモンド・リュウェリン)が秘密兵器の解説。
敵のポケットに忍ばせると居場所を教えてくれる小箱。
しかし、これは本編には登場しない。
場面変わって、ポルトガル
海岸沿いを走る車。
ジェームズ・ボンド(ジョージ・レーゼンビー)が運転している。
彼は、海辺で美女(ダイアナ・リグ)を発見する。
彼女が入水自殺しようとするのを助けるボンド。
すると突然、二人組の男に脅迫される。
あわやのところで反撃。
だが、テレサは逃げた。
今度は高級ホテルにやって来るボンド。
カジノでカード・ゲームが行なわれている。
そこへ例の美女が。
彼女はテレサという名で、伯爵夫人らしい。
彼女はギャンブルで大負けするが、「おカネがないの」というので、機転を利かせたボンドが肩代わりする。
ヤダネ。
ボンドはドンぺリなんか頼んでいるよ。
で、ボンドがテレサの部屋へ行ってみると、突然屈強な黒人に襲われる。
黒人を倒し、自分の部屋に戻るボンド。
すると、今度はテレサに銃を向けられる。
でも、結局メイク・ラブ。
参ったな。
翌朝、女は消えていた。
ボンドはホテルのロビーで男達に銃を向けられる。
その中には、昨晩の黒人もいる。
ボンドは男達に無理矢理車に乗せられ、怪しげな倉庫へ。
そこでボンドは反撃する。
連中の主人はドラコ建設のドラコ(ガブリエル・フェルゼッティ)だった。
「手荒な真似をして申し訳ない。まずは飲もう」と彼は言う。
彼は犯罪組織ユニオン・コルスのドンである。
そして、テレサの父親でもあった。
かねて宿敵ブロフェルド(テリー・サバラス)を捕らえるベッドラム作戦を遂行中だったボンドは、ドラコから情報を聞き出そうとする。
ところが、ドラコからは「娘と結婚してくれ」と言われてしまう。
テレサは伯爵夫人だったが、夫と死別し、それ以来、精神的に病んでいた。
「娘の病気を治すために力を貸してくれ」とボンドに嘆願するドラコ。
一度は断ったものの、ボンドは再度考えてみることにした。
イギリスへ戻ると、いつまで経ってもブロフェルドを捕まえられないボンドは、M(バーナード・リー)によってベッドラム作戦から外されてしまう。
ボンドは「辞職願」を出した。
けれども、マニーペニー(ロイス・マクスウェル)の機転により、「辞職」ではなく「休暇」が認められることになった。
さて、ドラコとテレサ父娘が闘牛を見ている。
そこへボンド登場。
ドラコが娘にボンドを紹介する。
早速、彼女を口説くボンド。
早くもデートする二人。
さて、ボンドは、とある弁護士事務所を訪ねる。
弁護士が出掛けた隙に事務所に侵入。
秘密兵器を使って金庫を開けると、ブロフェルドのサインが入った書類が出て来た。
急いで書類をコピーするボンド。
ブロフェルドは、ド・ブーヴィル伯爵の嗣子であると称し、その確認を英国紋章院に申し立てていた。
ボンドは紋章院のヒラリー・ブレイ卿に成りすまして、スイスへ向かう。
ブロフェルドはアレルギー研究の権威をうたっている。
アルプスの山頂に研究所がある。
ボンドは、その研究所を訪ねる。
持って来たスカートに着替えるボンド。
英国の正装なのだろう。
で、ここでも様々な人種の若い女達がボンドに寄って来る。
色男だねえ。
彼女達はアレルギー患者なのであった。
ボンドは、若い娘に囲まれてディナー・タイム。
どの娘も、ボンドに色目を使って来る。
ボンドはブロフェルドと面通しをした後、監視の目を盗んで、ショート・カットの美女とメイク・ラヴ。
実は、この研究所では、オウム真理教も真っ青の怪しい治療が行なわれているのであった。
ブロフェルドは、殺人ウイルス・オメガを使って人類を脅迫することを企んでいたのである。
さあ、これからどうなる?
本作ではスキーのシーンがあるが、これがなかなかスピード感があって、素晴らしい。
まあ、主役はスタントなのだが。
ただし、大雪崩のシーンは記録フィルムだろう(と思ったら、実際に雪崩を起こして撮影したらしい)。
それから、雪上カー・レースもある。
見せ場はたくさんあるが、爆破シーンは比較的少ない。
一部、残酷なシーンもある。
そして、本作で特筆すべきは、ショッキングな結末だろう。
まあ、ネタバレになるので、書かないが。
キワモノ的なシリーズだが、本作では、ちょっと人間としてのジェームズ・ボンドも垣間見える。
1970年洋画興行収入4位(ちなみに、1位は『続・猿の惑星』)。