『ミイラ再生』

この週末は、ブルーレイで『ミイラ再生』を見た。

1932年のアメリカ映画。
監督はカール・フロイント
主演は、『フランケンシュタイン』『フランケンシュタインの花嫁』のボリス・カーロフ
共演は、『魔人ドラキュラ』のデヴィッド・マナーズ。
ユニバーサル映画。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
タイトル・バックのピラミッドは実にチンケなミニチュア。
テーマ曲は、『魔人ドラキュラ』と同じ『白鳥の湖』。
『トトの書』によると、「イシスがオシリスを死から復活させる。死は新たなる生の始まり」であると解説が流れる。
ただ、この時点では、何のことやら未だ分からない。
1921年、ジョセフ卿率いる大英博物館の調査隊がエジプトに赴いた。
目的はミイラの発掘だった。
掘り出したミイラには、内臓が残っているようだ。
こんなことが、見ただけで分かるのだろうか?
ミイラに内蔵が残っているというのは、どういうことだろうか?
腐っていないってこと?
まあ、よく分からんが、このミイラは生き埋めにされたものらしい。
ミイラって、昔「学研まんが」か何かで読んだ記憶では、作るのにものすごく準備がいるらしい。
生き埋めになった人が偶然ミイラになるようなものではないと思うが。
で、このミイラは古代エジプトの高僧イムホテップなのだと。
「冒涜の罪」を犯したらしい。
ミイラの横に書いてある絵文字を、ジョセフ卿の助手は辞書もなしにスラスラと解読していたが。
で、木箱を開けると、アメンホテプ王が埋めたものだとか何とか。
彼らは、こんな貴重な遺物を、素手で乱暴に扱う。
嘉門達夫の「ゆけ!ゆけ!川口浩!!」並みにツッコミどころが満載だが。
まあ、そこにこだわっていると話しが進まないので。
箱には、「この箱を開けた者には終わりなき苦しみと死を」と、呪いの文句が書かれている。
何か、『ヴェニスの商人』みたいだな。
助手が箱を開けると、巻き物が入っている。
この時代のエジプトに、こんなキレイな紙があったのだろうか。
で、中から『トトの書』という古文書が出て来る。
助手がノートに文字を写し始める。
すると、何と先程のミイラが静かに目を覚ました。
助手は、驚いて張り裂けんばかりの叫び声を上げる。
ミイラは、音も立てずに出て行ってしまった。
時は流れて、1932年。
大英博物館がまたもエジプトで発掘を行なっている。
アーダス・ベイ(ボリス・カーロフ)と名乗る顔に深い無数のシワがある僧が現れ、調査隊のフランク(デヴィッド。マナーズ)にアメンホテプ王の娘・アンケセナーメン王女の遺品を渡す。
彼が示した場所を掘ると、階段が出て来た。
現地人が奴隷のように大挙して掘り進めると、アンケセナーメンの扉が出土。
3700年前のものだとか。
で、出土したものはカイロ博物館に収められることになった。
若い女性ヘレン(ジタ・ヨハン)と、オカルトの権威ミュラー博士(エドワード・ヴァン・スローン)が、ここからの主要登場人物に加わる。
博物館のアンケセナーメン王女の棺の横で、アーダス・ベイは呪文を唱える。
すると、別の場所でダンスをしていたヘレンの元に、その呪文が届いたらしく、彼女は呼ばれるように博物館の方へ。
そして、入り口の前で気を失って倒れる。
それを、フランクが見付けて、助け出す。
彼女は、うわ言で「イムホテップ」と何度もつぶやく。
閉館後の博物館で怪しげな呪文を唱えていたところを、アーダス・ベイは警備員に見付かる。
そりゃ、怪しいわな。
ミュラー博士は、ジョゼフ卿のところへ行く。
気を失っていたヘレンが目覚めるが、この間の記憶がない。
ここで、彼女にはエジプトの血が入っていることが明かされる。
一方、博物館では警備員が死んでいた。
犯人が残したのは、例の古文書だった。
で、場面は変わって、フランクがヘレンを口説いているのだが。
何だか、彼女には呪いがかけられているらしい。
で、「イムホテップは生きている」という。
アーダス・ベイの目が光る。
CGなんかなくても、これはコワイ。
彼は、ヘレンの所へやって来る。
ジョゼフ卿は、急いで例の巻き物を隠す。
ヘレンは、アーダス・ベイの力で、彼に引き付けられるのであった。
ミュラー博士は「正体を現したな!」と、アーダス・ベイに向かって叫ぶ。
要するに、3700年前にイムホテップがアンケセナーメンに道ならぬ恋をして、生き埋めにされた。
現代に甦ったイムホテップ(=アーダス・ベイ)は、アンケセナーメンの血を引くヘレンを、呪いの力で我が物にしようとするっちゅう話しだな。
それを、婚約者と博士が如何にして救い出すかという。
でも、イムホテップも気の毒だと思うけどね。
ジタ・ヨハンは、当時としてはかなり過激な(裸同然の)衣装を着せられている。
ラストは、実にあっけない。
結局のところ、メロドラマである。