この週末は、ブルーレイで『アレキサンダー大王』を見た。
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2013/07/12
- メディア: Blu-ray
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監督は、『ハスラー』のロバート・ロッセン。
撮影は、『第三の男』『エル・シド』『ローマ帝国の滅亡』のロバート・クラスカー。
主演は、『史上最大の作戦』『荒鷲の要塞』『エクソシスト2』のリチャード・バートン。
共演は、『空軍大戦略』『スーパーマン』のハリー・アンドリュース、『ナバロンの要塞』のスタンリー・ベイカー、『戦争と平和(1956)』のバリー・ジョーンズ、『ハムレット(1947)』のピーター・カッシング。
僕は学生の頃、池袋西口の今は亡きシネマセレサで、テオ・アンゲロプロス監督の『アレクサンダー大王』を見た記憶があるが、あれとは別物。
長い映画だったが、内容はさっぱり覚えていない。
そもそも、アレキサンダー大王は世界史の教科書に登場するが、世界史の偏差値が20台で受験科目にするのを諦めた僕は、どんな人だったか全く理解していなかった。
まあ、今回、この映画を見て、少しは思い出したけれども。
歴史映画の常として、史実に基づいているかは分からない。
もちろん、教科書の内容をすっかり忘れてしまった僕に、そんなことが判斷出来るはずもないのだが。
MGM。
テクニカラー、シネマスコープ。
昨今見られるインチキな「シネスコ・サイズ」ではなくて、アナモフィック・レンズを使った本物のシネマ・スコープ。
そのため、画面の歪みがヒドイ。
シネマスコープ第1作の『聖衣』(ちなみに、リチャード・バートン主演)が製作されたのが、本作の3年前。
それが大ヒットしたので、歴史映画の大作は皆、シネマスコープで作られたのだろう。
勇ましいテーマ音楽。
舞台は、紀元前356年のギリシア。
本作はハリウッド映画なので、ギリシア人もマケドニア人もペルシア人も、当然のように英語を話す。
市民の前で「戦争だ!」と演説する男。
マケドニア王のピリッポス2世(フレドリック・マーチ)は、ギリシアの都市を次々に陥落させていった。
その戦いの最中、王妃オリュンピアス(ダニエル・ダリュー)に息子が生まれたという知らせが届く。
アレキサンダーと名付けられたその息子は、「神の子」として育てられた。
出自は偉いのかも知れんが、こういうのを聞くと、どこかの国の将軍様と大差ないような気がする。
場面変わって、早くも成長したアレキサンダー(リチャード・バートン)。
リチャード・バートンが若い。
家庭教師はアリストテレス。
その間にも、父王は征服の戦を続け、ペルシアへ侵攻。
アリストテレスは「ギリシア人以外は野蛮人。征服しなければならない」と説く。
ヒドイ差別思想である。
この人が、本当に偉い哲学者なのだろうか。
この時、一緒に学んでいた「ご学友」達が、側近として後にも登場する。
ピリッポスは、アレキサンダーに「マケドニアの首都ペラを統治せよ」と告げ、摂政に据える。
アレキサンダーは、母オリュンピアスを訪ねた。
父ピリッポスは、オリュンピアスを追放したがっていた。
彼には愛人がいて、再婚したかったから、オリュンピアスが邪魔なのであった。
一方、オリュンピアスは民衆を扇動してもいた。
未だ20歳にもならないアレキサンダーは、父母の不和に悩んだ。
そりゃそうだろう。
自分が20歳の頃のことを思い起こすと、未だ未だ親に甘えていたからな。
そういう意味では、大変な立場ではある。
摂政の就任式で、ピリッポスはアレキサンダーに「誰も信じるな」「孤独になるな」と教訓を伝える。
アレキサンダーは、父に請われ、将軍として出兵する。
彼は、征服した町を焼き払い、アレキサンドロポリスと名付けて再建した。
レニングラードやスターリングラードのようなものか。
かなりの暴君だぞ。
そして、カイロネイアの戦いで、父を助け、アテナイ・テーバイ連合軍を破る。
「カイロネイアの戦い」って、世界史の教科書に載っていたなあ。
これがアレキサンダーの初陣であった。
勝利した彼は、カイロネイアの英雄になる。
大使としてアテナイへ赴き、軍事同盟を結ぶ。
ここで、彼はメムノン将軍(ピーター・カッシング)の妻バルシネ(クレア・ブルーム)と出逢い、心惹かれた。
デモステネスの神殿へ行くと、父親は酔っ払っている。
アレキサンダーにも結構、酔っ払っている場面があって、どうも、それほどの英雄には見えない。
もっとも、英雄としてだけではない、人間的な面も描きたかったのか。
しかし、いずれにしても中途半端で、成功しているとは言えない。
故郷ペラへ戻ると、母は、父王の命令で離婚していた。
で、父親はまんまと若い愛人ユーリディスと再婚したのであった。
その祝宴の夜、アレキサンダーの不満は爆発し、公衆の面前で父を侮辱する。
怒った王は、アレキサンダーとオリュンピアスを追放した。
で、早くもピリッポスとユーリディスの間に息子が生まれた。
ピリッポスの命令で、アレキサンダーの側近4人も追放された。
その後、ピリッポスはペルシアの侵略を計画するが、それにはアレキサンダーの力が必要であった。
王はアレキサンダーを許す。
出生前夜、王は暗殺者の刃に倒れた。
暗殺者は、アレキサンダーの友人であった。
アレキサンダーは、即座に暗殺者を刺し殺す。
これは、アレキサンダーの命令ではなかった。
次の王は軍が決めることになった。
アレキサンダーは、反逆者を捕まえて、復讐することを誓う。
ペルシアを征服すると宣言し、彼は王位に就いた。
ここまでで半分。
どうだろう。
王位に就いたのは、結構タナボタっぽいのだが。
で、彼は自分のことを「私は神だ」という。
でも、行動はそんなに神のように偉大ではない。
独裁者にありがちな、猜疑心の塊である。
どうして、彼がこんなに歴史上の英雄視されるのかが分からない。
まあ、ナポレオンだって、日本の伝記では英雄のように書かれているが、ロシアでは不倶戴天の敵だからなあ。
スペクタクル映画だが、物量はそれほどでもない。
ただ、クライマックスのダレイオス3世軍との戦いのシーンはスゴイ。
『ベン・ハー』のような戦車が大量に登場する。
が、正直、映画としてはそんなに面白くない。
いずれの登場人物にも、あまり感情移入出来ない。