『嵐が丘』を原書で読む(第9回)

(テキスト10ページ、3行目〜)

‘Is there nobody inside to open the door?’ I hallooed, responsively.

there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「〜がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
inside(副)内部に、内側に
open(他)(ドア・目・容器・包み・手紙などを)あける、開く(⇔close、shut) ・open one's mouth 口を開ける
halloo(他)大声で発する
responsively(副)<responsive(形)答えの、答えを示す

‘They's nobbut t' missis; and shoo'll not oppen't an ye mak yer flaysome dins till neeght.’

They's→There is
nobbut→none but 〜 〜でなければだれも〜ない
t'→the
missis(名)=missus(名)(the 〜)女房、細君
shoo'll→she will
will(助動)(話し手の推測を表わして)〜だろう
nut→not
oppen't→open it
an→if(接)(譲歩を表わして)たとえ〜としても
ye→you
mak→make(他)(〜を)生じさせる、(〜の)原因となる ・make a noise 音を立てる
yer(代)=your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
flaysome→frightful(形)大変な、すごい(=dreadful)
din(名)(またa 〜)(ジャンジャン・ガンガン)やかましい音、絶え間ない騒音 ・make a din ガンガン音を立てる
neeght→night

‘Why? cannot you tell her whom I am, eh, Joseph?’

can(助動)(軽い命令を表わして)(否定文で)〜してはいけない
tell(他)(人に)(〜を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+wh.)
eh(間)(同意を求めて/また軽い驚き・疑い・問いを表わして)(ねえ)そうでしょう、〜だよね、〜じゃない(か)?
Joseph(名)ジョーゼフ(男性名/愛称Jo、Joe)

‘Nor-ne me! Aw'll hae noa hend wi't,’ muttered the head, vanishing.

Nor-ne me→Not I
not(副)(否定の文・動詞・節などの省略代用語として)
Aw'll→I will
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)〜するつもりである、〜しようと思う
hae→have(他)(通例動作・行為などを表わす不定冠詞付きの名詞を目的語として)(〜)する、(〜を)行なう
noa→no
hend→hand(名)(a 〜)(援助の)手、手助け、助力
wi't→with it
with(前)(処置・関係の対象を導いて)〜に対して、〜について、〜にとっては
mutter(他)低い声でぶつぶつ言う(+引用)
vanish(自)(目に見えていたものが)(突然)消える、見えなくなる

The snow began to drive thickly.

begin(他)(〜し)始める、(〜し)だす(+to do)
drive(自)(雨が)(〜に)激しく降りつける
thickly(副)<thick(形)(雨・雪など)激しく降る

I seized the handle to essay another trial; when a young man without coat, and shouldering a pitchfork, appeared in the yard behind.

seize(他)(〜を)(ぎゅっと・乱暴に)つかむ、握る、捕まえる
handle(名)取っ手、ハンドル、柄
essay(他)(〜を)試みる、企てる
trial(名)(良否・性能などの)試み、試験、ためし
when(接)(主節の後にwhenの導く従属節がくる時文脈上で)(〜すると)その時
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性
shoulder(他)(〜を)かつぐ、肩に負う、担う
pitchfork(名)干し草用三つまた、ピッチフォーク
appear(自)(ものが)姿を見せる、出現する、現われる(⇔disappear)
behind(副)(場所を表わして)(名詞の後に用いて)後ろの

He hailed me to follow him, and, after marching through a wash-house, and a paved area containing a coal-shed, pump, and pigeon cote, we at length arrived in the large, warm, cheerful apartment, where I was formerly received.

hail(他)(船・車・人を)大声で呼ぶ、呼び止める
march(自)(決然とした足取りで)足早に歩く
washhouse(名)洗濯場
pave(他)(石・アスファルトなどを)(道路に)敷く、(場所を)舗装する(通例受身)
area(名)範囲、領域
contain(他)(〜を)(内に)含む、包含する
coal(名)石炭
shed(名)(しばしば複合語で)(ものをしまっておく)小屋、物置
pump(名)ポンプ
pigeon(名)ハト
cote(名)(通例複合語で)(家畜・飼い鳥の)小屋
at length ついに、ようやく
warm(形)(ふろ・スープなど)(人為的に熱して)温かい
cheerful(形)(場所など)気持ちのよい、明るい
apartment(名)(しばしば複数形で)(宮殿などで特定の人・グループのための)広くて立派な部屋
where(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてそこに(で)
formerly(副)以前(は)、昔(は)(=previously)
receive(他)(人を)迎え(入れ)る、歓迎する

It glowed delightfully in the radiance of an immense fire, compounded of coal, peat, and wood: and near the table, laid for a plentiful evening meal, I was pleased to observe the ‘missis,’ an individual whose existence I had never previously suspected.

glow(自)(木の葉・場所などが)(燃えるような色で)ある
delightfully<delightful(形)快適な
in(前)(道具・材料・表現形式などを表わして)〜で、〜でもって、〜で作った
radiance(名)発光
immense(形)巨大な、広大な、莫大(ばくだい)な
fire(名)(暖房・料理用の)火、炉火、炭火、たき火
compound(他)(〜から)混ぜて(ものを)作る(通例受身)
of(前)(材料を表わして)〜で(作った)、〜から(鳴る
peat(名)泥炭、ピート(肥料・燃料用)
wood(名)まき
near(前)(場所・時間などを表わして)〜の近くに、〜に近く
lay(他)(食事・食事の席などを)用意する、整える ・lay the table for breakfast 朝食のための食事の用意をする
for(前)(目的・意向を表わして)〜のために、〜を目的として
plentiful(形)たくさんの、豊富な
evening(形)夕方の(に行なわれる、に見られる)、晩の
pleased(形)喜んで、満足して(=happy/⇔displeased)
observe(他)(〜を)(観察によって)認める、目撃する(=notice)
individual(名)(修飾語を伴って)人
whose(代)(関係代名詞)(制限的用法で)(その〜が(を、に))〜する(ところの)(人)(「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
existence(名)存在、実存、現存
previously(副)以前に(は)、前もって
suspect(他)(〜の存在に)感づく、(〜に)うすうす気づく

I bowed and waited, thinking she would bid me take a seat.

bow(自)(あいさつ・服従・礼拝などのために)腰をかがめる、お辞儀する
think(他)(〜と)思う、考える(+that)
bid(他)(人に)(〜するよう)命じる、勧める(+目+原形)
take(他)(席・位置などを)占める、取る ・take a seat 席につく
seat(名)席、座席 ・take a seat 座る、着席する

She looked at me, leaning back in her chair, and remained motionless and mute.

look at 〜 〜を見る、眺める、熟視する
lean(自)もたれる、寄り(もたれ)かかる
back(副)後ろにもたれて
in(前)(行為・動作の方向を表わして)〜の中に
her(代)彼女の
remain(自)(〜の)ままである、相変わらず(〜)である(+補) ・remain silent だまったままでいる、沈黙を守っている
motionless(形)動かない、静止した
mute(形)無言の、沈黙した(=silent)

‘Rough weather!’ I remarked.

rough(形)(海・空・天候など)荒れた、荒天の(=choppy)
remark(他)(〜だと)言う(+引用)

‘I'm afraid, Mrs. Heathcliff, the floor must bear the consequence of your servants' leisure attendance: I had hard work to make them hear me!’

I'm→I am
afraid(形)(主な文に並列的または挿入的に用いて)思う
Heathcliff ヒースクリフ(Emily Brontëの小説Wuthering Heights(1847)の主人公/復讐の鬼)
must(助動)(当然の推定を表わして)〜にちがいない、〜に相違ない、きっと〜だろう
bear(他)(義務・責任などを)負う、分担する
consequence(名)(通例複数形で)結果、成り行き ・bear the consequences(自分の行為の)結果に責任を負う
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
servant(名)召し使い、使用人(=domestic)
leisure(形)暇な、手すきの、用事のない
attendance(名)出席、出勤、参会、参列
have(他)(しばしば目的語に形容詞用法のto不定詞を伴って)((〜すべき(できる))用事・時間などを)もっている、与えられている
hard(形)難しい、骨の折れる(⇔easy) ・hard work つらい仕事
make(他)(強制的にも非強制的にも)(〜に)(〜)させる(+目+原形)

She never opened her mouth.

never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して〜ない

I stared — she stared also.

stare(自)(人が)じっと見る、凝視する

At any rate, she kept her eyes on me, in a cool, regardless manner, exceedingly embarrassing and disagreeable.

at any rate(前に言ったことはいずれにせよ)とにかく、少なくとも、どんなことがあっても
keep one's eye on 〜 〜から目を離さないでいる、監視して(見張って)いる
in(前)(方法・形式を表わして)〜で、〜をもって ・in that manner そのやり方で
cool(形)熱のない、冷淡な、よそよそしい
regardless(形)不注意な、むとんちゃくな
manner(名)(a 〜、one's 〜)態度、物腰、様子、挙動
exceedingly(副)非常に、きわめて(=extremely)
embarrassing(形)(事態・行為など)恥ずかしい、面目ない、気まずい、きまり悪がらせるような、ばつの悪い、当惑させるような
disagreeable(形)不愉快な、いやな、性に合わない(=unpleasant)

‘Sit down,’ said the young man, gruffly.

down(副)座って ・sit down 座る
say(他)(人に)(〜と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)
gruffly(副)<gruff(形)(人・態度など)荒々しい、ぶっきらぼうな、無愛想な

‘He'll be in soon.’

He'll→He will
in(副)在宅して、家で、うちで ・He'll be in soon. 彼はすぐ帰ってくるでしょう。

I obeyed; and hemmed, and called the villain Juno, who deigned, at this second interview, to move the extreme tip of her tail, in token of owning my acquaintance.

obey(自)服従する、言うことを聞く
hem(自)えへんと言う、せき払いをする
call(他)(〜を)呼び出す、呼び寄せる、呼ぶ、招く
villain(名)悪意、悪者
Juno ジュノー(女子名)
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
deign(他)(けなして皮肉に)もったい(かたじけ)なくも(〜して)くださる(+to do)
at(前)(順位・頻度を表わして)〜に、〜で ・at the second attempt 二度目の試みで
interview(名)会見、対談
move(他)(〜を)振る、揺り動かす
extreme(形)いちばん端の、先端(末端)の
tip(名)(とがった)先、先端(of)
in(前)〜として(の)
token(名)しるし、象徴(of)
own(他)(法的強制によって)(〜を)所有する、所持する
my(代)私の
acquaintance(名)知っていること、面識、なじみ ・have a slight acquaintance 少し知っている

‘A beautiful animal!’ I commenced again.

beautiful(形)すばらしい、すてきな
animal(名)(人間以外の)動物、けだもの、四足獣
commence(他)開始する、始める

‘Do you intend parting with the little ones, madam?’

do(助動)(be以外の動詞の疑問文に用いて)
intend(他)(〜する)つもりである、(〜しようと)めざす(+doing)
part with 〜 〜を手放す
one(代)(既出の可算名詞の反復を避けて)(その)一つ、それ
madam(名)(通例既婚・未婚の別なく女性への丁寧な呼び掛けで)奥様、お嬢様

‘They are not mine,’ said the amiable hostess more repellingly than Heathcliff himself could have replied.

mine(代)わたしのもの(さす内容によって単数または複数扱いとなる)
amiable(形)(人・気質など)愛想のよい、気だての優しい ・an amiable person 好意的な人
hostess(名)女主人(の役)、ホステス(役)
more(副)(主に2音節以上の形容詞・副詞の比較級をつくって)(〜より)もっと
repellingly(副)はねつけるように、反発するように
himself(代)(強調に用いて)彼自身/(3人称単数の男性名詞とともに用いて同格的に)
could(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(could have+過分で/条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で/婉曲的に)〜できただろうに、〜したいくらいだった
reply(自)答える、返事をする、応答する、答弁する
【参考文献】
Wuthering Heights (Penguin Classics)』Emily Brontë・著
嵐が丘(上) (光文社古典新訳文庫)小野寺健・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)