『殺しの分け前/ポイント・ブランク』

この週末は、ブルーレイで『殺しの分け前/ポイント・ブランク』を見た。

1967年のアメリカ映画。
監督は、『脱出(1972)』『エクソシスト2』のジョン・ブアマン
製作は、『ロッキー』『ロッキー2』『レイジング・ブル』のロバート・チャートフ。
脚本は、『フレンチ・コネクション2』のアレクサンダー・ジェイコブス、『ピンクの豹』『大地震』のフィリップ・ラスロップ。
音楽は、『M★A★S★H』『チャンス』『評決』のジョニー・マンデル
主演はリー・マーヴィン
共演は、『ウエスタン』『博士の異常な愛情』のキーナン・ウィン、『戦略大作戦』のキャロル・オコナー、『アウトロー』『ダーティハリー』のジョン・ヴァーノン。
MGM。
カラー、シネスコ
本作は、説明がなく、思わせ振りな回想やらカットバックやらが途中でやたらと入るので、ストーリーがなかなかつかめない。
昨今の説明過剰な映画を見慣れた人は戸惑うだろう。
まあ、その辺は見ている内に段々分かって来るが。
最初に、独房で撃たれる男から始まる。
これが本作の主人公のウォーカー(リー・マーヴィン)だ。
「ムショか、何てことだ」とつぶやく。
このムショは悪名高いアルカトラズ刑務所。
しかし、この時点では閉鎖されているので、誰もいない。
ということが説明されないので、「何で無人の刑務所で人が撃たれるんだろう???」となる。
ウォーカーは戦友マル・リースに「助けてくれ。借金を返さないとオレは殺される」と懇願され、「ヤツらに一発食わせるんだ」と、密売のカネ・24万ドルを奪う。
だが、金額が思ったよりも少なかったことから、マルはウォーカーを倒し、ウォーカーの妻リンを連れて逃げ去る。
リンは、実はマルの愛人だった。
ここからオープニング・タイトル。
静かな音楽。
で、冒頭でウォーカーは撃たれたが、死んではいない。
月日が流れ、アルカトラズ島の観光船に乗っているウォーカー。
船内では、アルカトラズ島の歴史を観光ガイドが放送している。
ウォーカーは、ヨスト(キーナン・ウィン)と名乗る男から「私と組まないか」と声を掛けられる。
ヨストは、今ではマルが羽振りをきかしていることを語り、分け前を取り戻す手助けをするから、自分が組織を握るのに手を貸してくれと持ち掛け、マルとリンの住所を教えた。
ウォーカーはリースの家を襲うが、彼はおらず、リンだけがいた。
彼女によると、リースは3ヶ月前に出て行ったという。
リンはウォーカーに「私を殺して!」と叫ぶ。
まあ、夫を裏切った自責の念からだろう。
けれども、リースの居場所は知らないという。
ここで回想。
ウォーカーとリンとの出会い。
そして、マルに心引かれる彼女。
で、現実のウォーカーが気付くと、リンは死んでいた。
自殺したようだ。
空っぽの部屋にウォーカーを訪ねて来る若い男。
ビッグ・ジョンに騙されたという。
ビッグ・ジョンことステグマンは中古車販売をしている。
ウォーカーはステグマンを訪ね、車を買うフリをして彼を同乗させ、乱暴運転をする。
そうして、リンの妹クリス(アンジー・ディッキンソン)がリースの新しい情婦で、「ムービー・ハウス」というクラブにいることを聞き出す。
失態を演じたステグマンはリースから、「ウォーカーを始末しろ」と命じられる。
そして、「リースの居場所は嘘をついた」と。
ウォーカーがムービー・ハウスを訪ねてみると、そこでは黒人野郎が怪しく歌い、踊っている。
クリスはたまたま店を休んでいるという。
ウォーカーは店の裏で男達に襲われるが、撃退する。
ウォーカーはクリスの家を訪ねる。
ここで、リースと一緒というのはデマだったと分かる。
クリスの恋人は殺されたらしい。
何か、裏の世界はドロドロしていて、イヤだ。
ウォーカーは彼女に、「オレはリースを探している。リースもオレを探している」と告げる。
一方、リースは組織のボス・カーターを訪ねた。
で、ここでようやく明かされたのが、冒頭のウォーカー襲撃の背景。
リースは組織に15万ドルの損害を与えた。
そこで、アルカトラズで組織を手引きし、ウォーカーの分け前と女房をネコババしたという。
クリスとウォーカーは一緒に組むことにした。
「噂を流してリースをおびき寄せよう」と。
リースはクリスに入れ込んでいた。
彼女を利用しておびき出す作戦だ。
ハントレー・ハウスというアパート(日本で言うマンション)にリースがいる。
クリスはリースと寝る。
そこへ突撃したウォーカーは、裸のリースに組織の関与を吐かせる。
ただし、カネは既に組織に納めてしまったらしい。
しかも、ウォーカーの手を逃れようとしたクリスは、ビルの屋上から転落死してしまう。
さあ、これからどうなる?
全体に、非常に乾いた雰囲気の映画である。
本当に、編集が独特。
予想外のラストだが、プッツリと終わる。
問題は全然解決されない。
しかし、まあ、こういう映画も面白いだろう。