『枯葉~夜の門~』

この週末は、ブルーレイで『枯葉~夜の門~』を見た。

枯葉~夜の門~ イヴ・モンタン Blu-ray

枯葉~夜の門~ イヴ・モンタン Blu-ray

1946年のフランス映画。
監督は、『北ホテル』の大巨匠マルセル・カルネ
主演は、『グラン・プリ』『万事快調』の大スター、イヴ・モンタン
共演は、『トパーズ』のダニー・ロバン
モノクロ、スタンダード。
哀愁のあるテーマ曲は、あの有名な『枯葉』(ただし、歌はない)。
舞台は1945年2月、解放から半年後のパリ。
大戦は未だ続くものの、人々は昔ながらの生活を取り戻していた。
しかし、貧困などの問題も山積している。
街の様子はリアルに描写されている。
画質は良い。
だが、本作はそもそも、当時の時代背景をよく理解していないと、分かり辛い。
世界史の授業を第一次大戦までしか受けていない僕には、なかなか大変だった。
走る列車。
満員の車内に立つジャン・ディエゴ(イヴ・モンタン)。
彼に声を掛ける浮浪者風の男。
「次で降りるのか?」
オーベルヴィリエの駅で降りると、人がいっぱい。
駅前で乗降客相手に商売をする親父キンキーナ。
その娘エチエネットはクロワッサンを売っている。
彼女に声を掛ける若い男。
二人は恋仲になる。
ディエゴはレジスタンスの朋友レイモンのアパートを訪ねる。
ヤミ市には行列が出来ている。
レイモンの妻に、夫の死を伝える。
が、レイモンは生きていた。
何と、この場で二人は再会。
レイモンは銃殺寸前に刑事に助けられたという。
レイモンは鉄道員
二人は無事を喜び合う。
同じアパートには、駅前で行商をしていたキンキーナもいる。
彼はものすごい子だくさん。
娘のエチエネットが姿を消したと騒いでいる。
家主のセネシャルは威張っている。
キンキーナは、夫婦揃ってセネシャルを非難する。
セネシャルは、占領下ではドイツ軍相手に商売をしていたらしいが、息子が英雄ということで見逃されたらしい。
で、エチエネットは、橋の下にいて、駅前で知り合った若い男とキスをする。
ディエゴとレイモンの家族はカフェで食事をする。
そこへ、自称英雄で、レジスタンス仲間からは評判の悪いギイがやって来る。
彼は、アパートの家主セネシャルの息子だ。
そこへ、最初に列車の中にいた浮浪者風の男も入って来る。
彼は、店の女性客に不吉な運命を告げる。
彼は、ハーモニカで『枯葉』を吹く。
ディエゴは、このメロディーに聞き覚えがあるが、何の曲か思い出せない。
その時、高そうな服を着た紳士ジョルジュが店内に入って来て、酒を飲む。
ディエゴが窓の外を見ると、高級車の車内で美女マルーがタバコをふかしている。
例の浮浪者風の男は、「俺は運命だ」と言って、立ち去る。
ディエゴとレイモン達が駅に着くと、終列車は既に出た後。
仕方がないので、歩いて帰る。
ジョルジュとマルーは高級車で走り去る。
ジョルジュは戦争成金。
マルーは元歌手で、夫に愛想をつかして、別れを切り出す。
マルーは言い争いをして、車を降りる。
「運命」がやって来て、彼女と一緒に歩く。
そこは彼女の生まれ育った街。
彼女が訪れたのはセネシャルの家。
マルーはセネシャルの娘であった。
十数年ぶりの再会らしいが、セネシャルはすぐに娘の顔が分からない。
実の娘なら、普通分かるだろう。
まあ、いいや。
マルーの母、セネシャルの元妻は、ニューヨークで死んだらしい。
セネシャルはカネに困っていた。
マルーは米ドル紙幣の束を置いて行く。
先に出て来たギイは、マルーの弟。
素行は悪い。
レイモン家に泊まっているディエゴ。
レイモンの幼い息子がこっそりと起き出す。
それに気付いて、付いて行くディエゴ。
レイモンの息子が秘密の隠れ家と呼んでいる倉庫には、子猫が3匹いる。
レイモンの息子は眠ってしまう。
ディエゴが抱きかかえ、連れて帰ろうとして、マルーと出会う。
さあ、これからどうなる?
まあ、分からない映画である。
人間模様は描かれている。
が、時代背景を理解していないと、この人間関係が把握出来ない。
前半は、ほとんど登場人物の紹介。
主要人物が全員揃って、後半になって、やっと物語が展開する。
まあ、基本はメロドラマなのだが。
本作は、マルセル・カルネの、あの『天井桟敷の人々』に続く作品。
にもかかわらず、日本未公開。
正直、面白い映画ではない。
僕は眠気に耐え切れず、何度か中断した。
とあるブログに、「音楽だけ有名な映画」とあったが、確かにそうかも知れない。
例によって、勉強中のフランス語が断片的に理解出来たのが収穫だったが。