『エルヴィス・オン・ステージ』

お盆休みは、ブルーレイで『エルヴィス・オン・ステージ』を見た。

1970年のアメリカ映画。
ドキュメンタリーである。
監督はデニス・サンダース
撮影は、『ゲッタウェイ』のルシアン・バラード。
音楽・出演は、ロック界の大スター、エルヴィス・プレスリー
僕は、プレスリーの名前と顔はもちろん一致するが、そんなに詳しくは知らない。
曲も、多分どこかで耳にしたことはあるのだが、はっきりと彼のだと認識はしていない。
僕は、ビートルズを除いて、洋楽は全く分からない。
小学校高学年から中学生くらいに掛けて、周りに洋楽好きな友人は確かにいた。
しかし、僕は最初から彼らの会話には全く着いて行けなかった。
ここで乗り遅れたので、その先も洋楽には触れないままだ。
ビートルズだけは、好きな曲がたくさんあったので、中学3年くらいから聴き始め、大学生の時には、アルバムを全部揃えた。
僕が好きな音楽は、70年代から80年代前半のフォーク、ニュー・ミュージックで、専ら邦楽だ。
今回、何故本作を見ようと思ったかと言うと、70年代の大ヒット映画であることを知ったからである。
プレスリーと言えば、50年代に活躍したというイメージで、70年は既にビートルズも末期であるから、その時代にプレスリーの映画を観に行く人がそんなにたくさんいたことに驚いたのだ。
本作は、プレスリーのステージ完全復活を、リハーサル風景から実際の歌唱まで収めている。
MGM.
カラー、シネスコ・サイズ。
ファンの大歓声から始まる。
歌い出すエルヴィス。
1970年7月、カルバーシティー
MGMのスタジオに車で入るエルヴィス。
特徴的な大きなモミアゲ。
本作に登場する男性は皆、同じようなモミアゲだ。
「レコーディングステージ1」というスタジオ。
リハーサル風景。
エルヴィスの年季の入ったギター。
パワフルな動きのエルヴィス。
本作の残念な点は、曲名が紹介されず、歌詞も出て来ないことである。
そのため、時々聴いたことがある曲が出て来て、「へえ、これはプレスリーか」と思う以外は、こちらの知識が全然増えない(=勉強にならない)。
まあ、観る人は全員知っているというのが前提なのかも知れないが。
リハーサルでは、ビートルズの「Get Back」を歌っているのだけは分かった。
1970年8月、ラスベガス。
バック・コーラスが録音テープで音合わせ。
1970年7月4日、インターナショナル・ホテル。
コーラスとリハーサル。
1970年8月7日、メイン・ステージにてリハーサル。
ちょっと滑り気味のジョークを飛ばしながら、笑いつつ進めるエルヴィス。
当日、予約客がゾロゾロやって来る。
開場は大きく、1階席と2階席があり、1階席は招待客、2階席は一般客のようである。
有名人も多数。
ケーリー・グラントの姿も見える。
ライブ開始。
「この映像は6回の公演を編集したものである」という字幕。
エルヴィスのMCもたくさん収録されている。
初めての映画で歌った曲「Love Me Tender」。
この曲は分かる。
歌いながら、観客の女性と次々にキスするエルヴィス。
ついには、客席に降りる。
「エルヴィス、愛してる!」
「キスして!」
大騒ぎ。
現在の日本で、例えばジャニーズの誰かがこんなことをしたら、舞台に向かってファンが殺到して、死者が出るだろう。
まあ、ホストクラブとかならあるのかも知れないが。
アメリカは、こういう文化を持つ国だから、新型コロナの感染者数も多いのかも知れない。
客席からエルヴィスを描いた絵が差し入れられる。
エルヴィスは熱唱である。
大掛かりなステージ。
多数の観客。
汗だくになって歌い終わったエルヴィスに、客席からタオルが投げ入れられる。
エルヴィスは、素肌の上に胸元をはだけた白い上着を着て、セクシーである。
こうして、ライブは終わった。
幕。
「ありがとう!」とエルヴィス。
お疲れ様。
エンドロールで曲名が出て来るが、これじゃあ、タイトルと曲が一致しない。
ちゃんと彼の曲を勉強してから、再見した方がいいかも知れない。
1971年用が興行収入2位(1位は『ある愛の詩』、3位は『栄光のル・マン』)。

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