『エイリアン2』

この週末は、ブルーレイで『エイリアン2』を見た。

エイリアン2 [Blu-ray]

エイリアン2 [Blu-ray]

  • 発売日: 2012/07/18
  • メディア: Blu-ray
1986年のアメリカ映画。
監督はジェームズ・キャメロン
ジェームズ・キャメロンと言えば、『タイタニック』だな。
世間では恋愛映画扱いだが、僕はパニック映画の集大成だと思っている。
めちゃめちゃカネの掛かった『ポセイドン・アドベンチャー』だ。
僕は映画館で8回観た。
娯楽映画として非常によく出来ている。
あとは、『ターミネーター2』か。
同作を初めて映画館で観た時、「一体どうやって撮ったんだ!」と驚愕した。
僕は子供の頃から特撮に興味があり、技術的な本も色々読んだが、どこにも書かれていない技術が使われていると思った。
それがCGだったんだな。
ターミネーター2』とか『ジュラシック・パーク』くらいまでは斬新だったが、その後は、どんな映像もCGばかりになって、映画を堕落させた。
もう昔のように、スタントを駆使した迫力のあるアクションなんて、誰も撮らないだろう。
ターミネーター』の1作目が公開された時は、僕は中学1年生だったが、話題になっていたことはよく覚えている。
しかしながら、『エイリアン2』は、リアルタイムではちょっと記憶がないんだな。
大人になってから、1作目とは違うテイストの、よく出来た続編ということは聞いていて、いつか見なければとは思っていたのだが、今回、ようやく見ることが出来た。
『エイリアン』シリーズは、マニアの多い作品だが、僕はマニアではないので、悪しからず。
原案は、『エイリアン』のデヴィッド・ガイラーと、『ゲッタウェイ』(脚本)、『エイリアン』(製作)のウォルター・ヒル
原作は、『スターウォーズ』(コンピュータアニメーション・グラフィックディスプレイ)、『エイリアン』(脚本・ビジュアルデザインコンサルタント)、『ブルーサンダー』(脚本)のダン・オバノンと、『エイリアン』(製作総指揮・原案)のロナルド・シャセット。
製作は、『エイリアン』のゲイル・アン・ハード
編集は、『2001年宇宙の旅』『シャイニング』のレイ・ラヴジョイ。
主演は、『エイリアン』のシガニー・ウィーバー
共演は、『狼たちの午後』『未知との遭遇』『オーメン2/ダミアン』のランス・ヘンリクセン.
20世紀フォックス
カラー、ワイド。
静かな音楽。
宇宙空間。
宇宙船が漂っている。
中では、エレン・リプリーシガニー・ウィーバー)が人工冬眠状態。
接近警報が鳴る。
別の宇宙船がランデヴーし、人が入って来る。
リプリーは生きていた。
地球圏で甦ったのだ。
愛猫も一緒に。
彼女は、ウェイランド・ユタニ社の社員バークから、冷凍冬眠状態で57年間もいたと告げられる。
突然苦しみ始め、腹からエイリアンが飛び出さんかとする。
しかし、夢であった。
彼女の娘は、66歳で2年前に亡くなっていた。
査問会で、必死にエイリアンの話しをするも、誰にも信じてもらえない。
宇宙船を爆破した責任を問われる。
無数のエイリアンの卵があり、1匹でも地球に来たらおしまいだと主張するも、精神異常を疑われてしまう。
結局、星間航海士の免許も6ヵ月間停止に。
エイリアンについては、「調査の必要もない」とにべもない。
この頃、宇宙では植民地開拓が行われており、60~70家族が植民地へ行っていた。
非常にアメリカ的な発想だな。
現在では、到底許されそうにない。
この宇宙の彼方のどこかの星では、強風が吹き荒れていた。
4人家族が何かを発見する。
大きな宇宙船の残骸。
子供を車に残して、夫婦が見に行く。
SOS!
パパが謎の生物にやられた!
その頃、リプリーは自宅に閉じ籠っていた。
しかし、入植者達が消息を絶ったという話しを聞かされ、バークから、植民地海兵隊と一緒に調査に行ってくれと頼まれる。
前回のトラウマがある彼女は、「私は絶対行かないわ!」
毎晩悪夢にうなされるリプリー
余談だが、本作に登場するTV電話が古臭い。
今から100年後くらいの設定だが、86年当時には、2020年にはまさか誰もがスマートフォンを持つようになるとは想像もしなかっただろう。
リプリーはバークに、「怪物を絶滅させるためなら行く」と告げる。
このバークというのが、実はとんだいっぱい食わせ者なのだが。
宇宙船内で、海兵隊員達と共に人工冬眠から目覚めるリプリー
どうでもいいが、いつもシガニー・ウィーバーはパンツ姿である。
で、この海兵隊員達が皆、ものすごくガラが悪い。
フルメタル・ジャケット』を思い出した。
で、宇宙食かマズイらしい。
この船には、合成人間のビショップ(ランス・ヘンリクセン)が乗っている。
彼は後々、大活躍する。
が、リプリーは合成人間を嫌悪する。
植民地との連絡が途絶えたのは、異星人のせいかも。
リプリーがエイリアンについて説明するも、ガラの悪い海兵隊員達は、その恐ろしさを理解しない。
「私の仲間は1匹の怪物に全滅させられたわ。」
リプリーは、ローダーというガンダムみたいなスーツを運転出来ると言う。
最後に、このスーツでエイリアンと対決するのだが。
本作の兵器類はゴツゴツしている。
デザインはシド・ミードだ。
兵隊達が戦いに出るノリが『スターシップ・トゥルーパーズ』みたいだ。
あれは傑作で、僕は2回、観に行った。
いよいよ戦いだ。
宇宙船から地上に降下。
この星には、大規模な大気を管理する装置がある。
つまり、マスクを着けなくても、地球と同じように呼吸が出来る。
ある意味、うらやましい。
隊員達は着陸し、建物に突入するが、人の気配がない。
雨が降っている。
建物内部に破壊された跡や、爆発の跡がある。
生命反応はない。
いや、反応があった。
「この中だ!」と扉を開けると、ハムスターであった。
金属の床が溶けている箇所があった。
例の生物だろうか?
エイリアンは、血液が酸なのである。
誰もいない。
リプリーは「これ以上行くと危ないわ」と言うが、隊員達は進む。
リプリーも行く。
住民達は、扉を溶接して立てこもったが、破られたようだ。
研究室には、エイリアンの標本があった。
2体は生きていた。
気持ち悪い。
後ろに何かいる!
エイリアンの幼虫だ!
そして、女の子も一人いる。
逃げる女の子。
ようやく、この少女を確保するが、彼女は何も話さない。
リプリーが顔をふいてやる。
少女はニュートと名乗った。
ようやくリプリーには話し始めるが、「みんな死んだ」「どうせやられるわ」と絶望的。
信号では、住民は全員、大気発生工場にいるようだ。
隊員達が地下3Fに行ってみると、樹脂のようなものが多数、そこら中に絡み付いている。
そして、暑い。
ここは熱交換器の下で、装甲弾を撃つと、冷却装置が爆発する。
だから、発砲出来ない。
手りゅう弾もダメ。
火炎放射器は使える。
巨大な、変なオブジェのような物体があり、人間が内部に取り込まれている。
巨大なつぼみのような物もある。
取り込まれている女性は生きており、「殺して!」と叫ぶと、腹からエイリアンが飛び出して来る。
火炎放射。
巨大な何かが動いている。
リプリーは、装甲車の中から様子を見ていたが、危険を感じ、「撤収させて!」と懇願する。
部屋中に何かがいる。
二人やられた。
探知機が故障。
ある兵士が、禁止されているのに発砲してしまう。
今度は壁からエイリアンが出て来る。
「撤退しろ!」
隊長が襲われる。
最早黙って見ていられないリプリーは、勝手に装甲車を運転し、車ごと建物に突っ込み、助けに行く。
エイリアンを撃ち、酸の血を浴びて、ケガをした隊員。
扉から入ろうとするエイリアンを撃つ。
返り血を浴びる。
隊員を助けた!
装甲車を急発進し、車でエイリアンをひき殺す。
脱出。
残っている軍曹とディートリッヒは未だ生きているというが、助けに行くのは無理。
悪夢だ。
核攻撃しかない。
ここで、核攻撃という発想が出て来るのがアメリカ映画。
日本では絶対に考えられない。
一方、バークは「珍しい生物だ。絶滅させるな」という。
約束が違う。
彼は、エイリアンを生きたまま地球に持ち帰ろうとしていた。
核攻撃なんかしたら、会社が作った何百億ドルの設備がパアになってしまう。
一方、偵察機にエイリアンが乗り込んでいた。
操縦士が襲われ、偵察機は装甲車に突っ込み、爆破炎上。
最早脱出不能になってしまった。
さあ、これからどうする?
この後、100匹以上のエイリアンの「巣」が見付かる。
そして、クイーンと呼ばれる巨大エイリアンが登場する。
本作は、原題が「Aliens」と複数形になっているように、とにかく次から次へと、大量のエイリアンが襲って来る。
何かのゲームにありそうだ。
最後に、悪役は因果応報を迎える。
しかし、結末はちょっとあり得ない。
あれは完全に『2001年宇宙の旅』のパロディーだな。
本作は、1作目と違い、ホラーと言うより、完全にバトル・アクションである。
それにしても、ジェームズ・キャメロンは才能がある。
最初は、「全く興味がない」と言っていた細君も、2時間半以上の長い映画を、気が付けば見終わっていた。
ジェームズ・キャメロンの映画には、いつも強い女が出て来るなあ。
本作然り、『ターミネーター』然り、『タイタニック』然り。
1986年洋画興行収入6位(1位は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。ちなみに、邦画の1位は『子猫物語』)。

Aliens 1986 Theatrical Trailer Remastered