『サイコ2』

この週末は、ブルーレイで『サイコ2』を見た。

サイコ2 [Blu-ray]

サイコ2 [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: Blu-ray
1983年のアメリカ映画。
監督はリチャード・フランクリン
原作は、『サイコ』のロバート・ブロック。
音楽は、『猿の惑星』『パットン大戦車軍団』『トラ・トラ・トラ!』『パピヨン』『チャイナタウン』『カサンドラ・クロス』『オーメン』『エイリアン』『スタートレック』の巨匠ジェリー・ゴールドスミス
主演は、『サイコ』『審判』のアンソニー・パーキンス
共演は、『間違えられた男』『サイコ』のヴェラ・マイルズ、『スカーフェイス』のロバート・ロッジア。
僕は本作が公開された時、小学生だったが、TVのCMが盛んに流れていたことは覚えている。
見たのは今回が初めてだが。
昨今は、何でもかんでも続編ばかりだが、畏れ多くも、天下のヒッチコックの代表作の続編なんかを、よく作る気になったものだ。
まあ、『2010年』なんかにも同じことが言えるが。
結果として、映画としてはそれなりに完成しているが、やはり前作とは別物になったと言える。
ユニバーサル。
カラー、ワイド。
出だしはモノクロで、前作の有名なシャワー・シーンから始まる。
そして、タイトル・ロールが始まると、カラーになる。
ベイツ・モーテル。
哀愁の漂うテーマ曲。
ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)の精神状態は回復したと裁判所で判断される。
前作の被害者の妹ライラ(ヴェラ・マイルズ)は、ベイツ退院に反対する700人以上の署名を集めて来たが、却下される。
ライラは主治医で精神科医のビル・レイモンド博士(ロバート・ロッジア)に、彼がまた犯罪に走ったらあなたのせいだと吐き捨てる。
ノーマンはビルに連れられて、ベイツ・モーテルに戻って来る。
ベイツ・モーテルは現在、ウォーレン(デニス・フランツ)が管理している。
カラーで見ると、ベイツ・モーテルはセット臭い。
ウィキペディアによると、本作のために再度作られたらしい。
ノーマンが「(2階の)窓際に人影が」と言うが、気のせいだった。
階段を昇るノーマン。
電話機の下に母親のメモがある。
そして、ドアの向こう側から「お前を殺してやる!」という母親の声が。
ドアが開くと、倒れた人の手がピクピクと動いている。
驚いて、カバンを落としてしまうノーマン。
これは幻覚なのか。
ビルの紹介で、ノーマンは近くのカフェで厨房の手伝いとして働き始める。
余談だが、コーラはペプシ
店員は皆、ノーマンが何者なのかを薄々知っているのか、よそよそしい。
誤って皿を割ったために店長から叱られた店員のメアリー(メグ・ティリー)をかばうノーマン。
仕事が終わって帰ろうとすると、メアリーが外の公衆電話で彼氏とケンカをしている。
ノーマンが声を掛けると、彼女には帰る家がないという。
ノーマンは、自分のモーテルにFOC(Free of charge)で泊まっていいと提案。
モーテルに戻って来る。
管理人のウォーレンとノーマンは初対面。
ウォーレンは、ノーマンがいない間、このモーテルをラブホテルとして使わせていた。
部屋にはRUSHなどの麻薬の残骸がある。
荒れた状態にノーマンは激怒し、ウォーレンを解雇する。
ノーマンはメアリーの部屋へ。
彼女は彼氏に電話をする。
余談だが、棚にある紅茶はリプトン。
流しの引き出しには包丁が入っている。
包丁を見ると、ノーマンはかつての事件のことを思い出すので、急いで隠す。
で、メアリーの彼氏は、既に新しい彼女がいるらしい。
プロポーズしてくれたのに。
ノーマンはメアリーに夕食を勧める。
と言っても、パンとミルクしかない。
メアリーは、ノーマンの挙動がおかしいので、恐る恐る尋ねる。
「長く留守にしていたんだ。」
ノーマンに包丁を持たせるメアリー。
ノーマンは震える手でパンを切る。
ノーマンは、精神病院にいたことをメアリーに打ち明ける。
部屋を出て行こうとする彼女を、ノーマンは引き留める。
一人でいるのは不安だから、ここに泊まって欲しいと。
しかし、かつての母親の部屋に泊まりたいとメアリーが言うと、それは拒否する。
不安なメアリーは、ドアが開かないように椅子で固めて眠る。
翌朝、彼女はカフェに遅刻して来る。
女友達と一緒に住むことにしたという。
ノーマンがレタスを切っていると、客としてウォーレンがやって来る。
この店の客を見ていると、何かアメリカの底辺階級という気がする。
トランプを支持しているのは、こういう人達なんだろうな。
ウォーレンは、注文を聞きに来たメアリーに卑猥なことを言う。
注文のメモに、「アバズレを家に入れないで欲しい」というノーマンの母親のメモが挟まっている。
それを見て動転したノーマンは思わず、ウォーレンに「やめろ!」と叫ぶ。
ウォーレンは、「包丁を持てよ、狂人め!」
悪意の塊だな。
今の日本では、コロナの感染者に対しても、これと同じような悪意が向けられる。
しかし、メモなんてどこにもなかった。
ノーマンの精神状態を疑うような視線を向ける周りの人々。
店長は、ノーマンに「休みなさい」と指示する。
夜、メアリーがベイツ・モーテルに部屋を借りに来る。
シャワーを浴びているメアリー。
シャワー・ルームの壁には、ノゾキ穴が開いている。
ノーマンは、階下でピアノを弾いている。
そこへ、ウォーレンがやって来て、外で大声で嫌がらせの文句をわめき始めた。
さらに、イタズラ電話も掛かって来る。
突然、何者かがウォーレンを切り付ける。
翌朝、ビルが訪ねて来る。
ノーマンは店を辞めて、モーテルの経営に専念するという。
一方、メアリーは部屋のノゾキ穴に気付いた。
ビルはメアリーを店まで車で送る。
ビルは警察署に行き、保安官にノーマンの身辺について注意を促す。
この時点では、保安官は大して気にもしていない。
で、ノーマンはモーテルの2Fの窓に母親の姿が見えたので、部屋まで行ってみる。
ドアが開いている。
中に入る。
そして、「アバズレを殺せ」という母親のメモが。
今度は、ノーマンが屋根裏部屋に入ると、何故か閉じ込められてしまう。
ドアが開かないのだ。
その頃、若いカップルが勝手に地下室に潜り込み、マリファナを吸いながらイチャツキ始めた。
ところが、隣の部屋に人の気配。
彼女は急いで逃げるが、逃げ遅れた彼氏の方は何者かに包丁でザクザクと切り付けられてしまう。
メアリーが帰って来た。
閉じ込められたというノーマンを見付けるが、カギは開いている。
母親のメモなんかない。
さらに、母親の部屋も片付けられている。
ノーマンが見たものは幻覚だったのか。
そこへ、保安官が訪ねて来る。
「ボーイフレンドが地下で殺された。黒い服で大柄の女に。」
前と同じだ。
かつての記憶が蘇るノーマン。
地下室を見に行く保安官。
地下室は片付けられている。
メアリーが掃除したのだという。
彼女はノーマンをかばうため、「ずっと一緒にいた」と保安官にウソの証言をする。
しかし、ノーマンは「また始まったんだ」と、自分の狂気を呪い始めた。
さあ、これからどうなる?
余談だが、本作に登場するトイレの便器は、フタと便座が木製で、クラシックだな。
前作から時代を経ているので、殺害などのシーンに直接的な描写が多い。
で、後半、話しは意外な展開を見せる。
最初に書いたように、物語のつじつまとしては一応合っていて、作品としては成立しているが、前作とは別物。
続編は難しい。
まあ、アンソニー・パーキンスとベイツ・モーテルが出ていなかったら、続編としては通らないな。
しかし、この先もシリーズはまだ続くのであった。
現在では、精神病患者への差別を助長するとか何とか言って、こういう映画を撮るのは難しそうだ。

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