『アパッチ砦』

連休中は、ブルーレイで『アパッチ砦』を見た。

アパッチ砦 Blu-ray

アパッチ砦 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: Blu-ray
1948年のアメリカ映画。
監督は、『怒りの葡萄』『わが谷は緑なりき』『荒野の決闘』『黄色いリボン』『幌馬車』『西部開拓史』の巨匠ジョン・フォード
製作は、『キングコング』『黄色いリボン』『幌馬車』のメリアン・C・クーパー。
主演は、『赤い河』『黄色いリボン』『ホンドー』『アラスカ魂』『史上最大の作戦』『西部開拓史』『大列車強盗(1973)』『マックQ』『オレゴン魂』の大スター、ジョン・ウェインと、『怒りの葡萄』『荒野の決闘』『戦争と平和(1956)』『間違えられた男』『十二人の怒れる男』『史上最大の作戦』『西部開拓史』『ウエスタン』の大スター、ヘンリー・フォンダ
共演は、『黄色いリボン』のジョン・エイガー、『007 ロシアより愛をこめて』のペドロ・アルメンダリス、『怒りの葡萄』『荒野の決闘』『幌馬車』『静かなる男』のワード・ボンド、『黄色いリボン』『静かなる男』のヴィクター・マクラグレン。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
勇ましいテーマ音楽。
画質は良くない。
荒野を走る馬車。
乗っているのはサースデイ中佐(ヘンリー・フォンダ)と、その娘フィラデルフィアシャーリー・テンプル)。
向かっているのはアパッチ砦。
サースデイは、南北戦争で失策を犯し、将軍から中佐に格下げされ、辺境のこの地に左遷されたのであった。
中継地点で、サースデイは馬を用意するように命じる。
しかし、娘がいるから馬は無理。
士官学校出の若いマイケル・オローク中尉(ジョン・エイガー)が同行することになる。
結局、馬車で移動することになったフィラデルフィアは、車内からずっとマイケルのことを見ている。
気に入ったのだ。
アパッチ砦では文明的な生活が送られていた。
サースディが到着すると、ダンス・パーティの真っ最中。
迎え出たヨーク大尉(ジョン・ウェイン)に、「何のパーティか?」と尋ねると、「ジョージ・ワシントン将軍の誕生パーティです。」
マイケルは、父親であるオローク軍曹(ワード・ボンド)と再会。
母親のメアリーは、息子のことを「まあ、立派になって!」と。
翌朝、マイケルはサースデイの家に挨拶に行くが、出迎えたのは娘のフィラデルフィア
マイケルが自分を訪ねて来たのではないと知って、フィラデルフィアは不機嫌になる。
マイケルは、ヨークから、「今日からお前は俺の部隊の所属だ」と言われる。
サースデイは士官を召集する。
辺境の地だから、服装も規律もたるんでいると叱責。
きちんとしているのは、(士官学校出の)オローク中尉だけだと。
サースデイは、アパッチ族を臆病な種族だと思っていた。
しかし、ヨークは「彼らは臆病ではない」と主張し、ヨークと対立する。
サースデイは、「こんな所へ流されたが、このままではおられん」と思っている。
物語は、ジョン・ウェインの作品らしく、ゆったりと進む。
フィラデルフィアは、家財道具が届かず、困って、母親の親友であるコリングウッド夫人を訪ねる。
コリングウッド夫人は、「オローク夫人に頼みましょう」と言う。
こうして、フィラデルフィアは、マイケルの母親とも知り合う。
マイケルは士官学校出だから厳しいが、誰も付いて行けない。
まず、兵士らしい恰好が出来ていない。
一方、フィラデルフィアはオローク夫人に手伝ってもらい、部屋をキレイにする。
スペイン語を話すお手伝いも雇った。
サースデイが帰宅したところに、グラント砦から警報が届く。
フィラデルフィアは、オローク家に夕食へ。
ヨークもいる。
家の前で歌う兵士。
うまい!
マイケルは、フィラデルフィアを馬の遠乗りに誘う。
翌朝、民間人兵士達を集めて乗馬の訓練が行われている。
鞍がない。
慣れない者が乗って、暴れて突っ走る馬達。
連中は馬にもうまく乗れない。
一方、マイケルはフィラデルフィアと遠乗り。
そこはアパッチ族の領域。
電信の線がよく切れるとフィラデルフィアに話すマイケル。
サースデイは、娘がマイケルと遠乗りに行ったと知って激怒。
マイケルは、アパッチ族に焼き討ちに合った馬車の残骸と遺体を発見し、フィラデルフィアに「見るな!」
急いで逃げ帰る二人。
サースデイに、馬車が焼き討ちに合ったと報告するマイケル。
サースデイは、軍人としてのマイケルの報告は完璧だと評価する。
しかし、「許可なく娘を連れ出すとは! 二度と娘を連れ出すな! 近付くことも許さん! 父親としての命令だ!」と厳命する。
まあ、僕も、結婚する前に現細君のご実家に電話をしてお父さんが出ると、いつもえらく冷たくあしらわれたからな。
今では、正月に実家に挨拶に行くと談笑しているが。
気持ちは分かる。
で、サースデイは、ヨークの意見も階級差を理由にことごとく却下。
こういう原理主義の上司はやりにくくてかなわんね。
今のウチの社長は現場主義で、こういう人とは真逆だから、非常にありがたいが。
サースデイは、焼き討ちされた馬車の遺体の回収と、電線の修理を命じる。
危険な任務なのに、小隊を出さず、数名の精鋭部隊で行けと言う。
もちろん、アパッチ族と対決するハメになるのだが。
さあ、これからどうなる?
ジョン・フォードの他の作品でも見られた馬が大河を渡るシーンは撮影が大変だっただろう。
例によって、馬が疾走するシーンはスゴイ迫力で、クロサワ映画の手本だ。
クライマックスの合戦シーンが、これまた素晴らしい。
サースデイは、「相手は未開の野蛮人だ」とか、「お前らは豚だ」とか、今なら絶対に審査を通らないような差別的なセリフを吐くが、これが、つい最近までの大多数のアメリカ白人の本音だろう。
ダンス・ウィズ・ウルブズ』なんていう、さも「反省しました」みたいな、ヒドイ偽善映画もあったが。
しかし、西部劇と言うと、僕が子供の頃、親父がよくテレビで見ていたが、酒場でならず者とガンマンがケンカして撃ち合うみたいなイメージが強いが、ジョン・フォードの作品にはそういう描写はない。
何と言うか、古典の風格がある。
まあ、しかし、似たようなキャストと内容の作品ばかりで、何本も見ると混乱する。
細君も、既に区別が付かないと言っている。
それにしても、ヘンリー・フォンダは、よくこんな気の毒なくらいの悪役を引き受けたな。

Fort Apache (1948) Official Trailer - John Wayne, Henry Fonda Western Movie HD

『幸福な生活について』を原文で読む(第4回)

(テキスト12ページ、8行目~)

5 Nunc vero stat contra rationem defensor mali sui populus.

nunc(副)しかし現状(実際)は
vērō(副)(奪格)本当に、実際に
stō -āre stetī statum(自)立つ、立っている
contrā(前)(+対格)~に反対して、~とは逆に
ratiōnis(女)理性、分別
defensor -ōris(男)擁護者、弁護者
malun
suī(代)(再帰)(属格)(奪格:se)彼(彼女・それ・彼ら・それら)自身
populus -ī(男)民衆、世間

Itaque id evenit quod in comitiis, in quibus eos factos esse praetores idem qui fecere mirantur, cum se mobilis favor circumegit: eadem probamus, eadem reprehendimus; hic exitus est omnis judicii, in quo secundum plures datur.

itaque(副)従って、それゆえに
id(中)(単)(主格)(対格)→is
is ea id(代)(指示詞)彼、彼女、それ
ēveniō -īre -vēnī -ventum(自)起こる、生じる
quod(接)~ということが(を)
in(前)(+奪格)(空間的)~の中に、~において、~に
comitia -ōrum(中)(複)(ローマの)民会(立法・裁判・公職者の選出を行なった)
quī quae quod(代)(関係代名詞)(+直説法)(事実関係)~するところの(人・もの)
factum -ī(中)結果
esse不定法)(現在)→sum
sum esse fuī(自)(繋辞として)~である
praetor -ōris(男)指導者、頭領
īdem eadem idem(代)(指示詞)同じ人(もの)、同様のもの
facere(自)→facio
faciō -cere fēcī factum(他)指定する、任命する(+2個の対格)
ror -ārī -ātus sum(他)(形式受動相)驚く、当惑(狼狽)する(+対格+不定法)
cum(接)(+直説法)(真に時を示す)~の時に
mōbilis -is -e(副)変わりやすい、気まぐれな
favor -ōris(男)好意、支持
circumēgī(完了)→circumago
circumagō -ere -ēgī -actum(他)気持(考え)を変えさせる
probō -āre -āvī -ātum(他)賞賛すべきものと認めさせる、推薦する
reprehendō -ere -hendī -hensum(他)非難する、とがめる、責める
his haec hoc(指示代名詞)今述べたばかりのこと
exitus -ū(男)結果
est(3人称)(単数)(直説法)(現在)→sum
omnis -ie -e(形)(単数)全体の
jūdicium -ī(中)判断、評価
in(前)(+奪格)(ある状況・状態など)~で、~において、~のもとで
quis quis quid(代)(関係詞)~はだれでも(何でも)
secundum(前)(+対格)~に従って、~と一致して
plūrēs -ium(男)(女)(複)より多くの人々
dare dedī datum(他)与える、提供する、授ける

II. 1 Cum de beata vita agetur, non est quod mihi illud discessionum more respondeas: « Haec pars major esse videtur » ; ideo enim pejor est.

cum(接)(+接続法)(譲歩)たとえ~であっても、~にもかかわらず
(前)(+奪格)(関連・限定)~に関して、~について
beātus -a -um(形)(完了分詞)幸福な、祝福された、恵まれた
vīta -ae(女)生活、暮らしぶり
agō -ere ēgī actum(他)表現する、述べる
nōn(副)=nē(副)(+命令法/+接続法)(命令)~するな
quod(接)est quod(+接続法)~というのには理由がある
mihi(人称代名詞)(与格)→ego
egō(与格:mihi)(人称代名詞)(一人称)私
ille illa illud(代)(指示詞)例の(周知の)人(もの、こと)
discessiōnis(女)(元老院における)採決
morē(副)愚かにも
respondeō -ēre -spondī -sponsum(他)答える、(手紙で)返事をする(+与格)
hic haec hoc(形)(指示詞)この、ここの、ここにある
pars partis(女)一方、側
mājor -or -us(形)(比較級)より多数(大量)の
videō -ēre vīdī vīsum(他)(受動)~らしく見える、~と思われる、~と考えられる(+不定法)
ideō(副)idcirco
idcircō(副)それゆえに、その理由で
enim(接)なぜならば、というのも
pējor -or -us(形)(比較級)(原級:malus)より悪い

Non tam bene cum rebus humanis agitur ut meliora pluribus placeant: argumentum pessimi turba est.

nōn(副)~でない
tam(副)この(その)ように、これ(それ)ほどに
bene(副)(比較級:melius)(最上級:optimē)よく、申し分なく
rēs reī(女)物、物事、事柄
hūmānus -a -um(形)人間の ・res humanae 人間界のできごと、人生
agō -ere ēgī actum(他)(受動・再帰)動く
ut(接)(+接続法)(副詞節を導く)その結果として~/(ita、sic、adeo、tantus、tamなどと呼応して)
melior -or -us(形)(比較級)よりよい、(より)すぐれた、よりふさわしい
plūs plūris(中)(比較級)より多くの数(量)
placeō -ēre -cuī -citum(自)喜ばれる、快い、好ましい(+人の与格)
argūmentum -ī(中)象徴
pessimus -a -um(形)(最上級)最もひどい(悲惨な)
turba -ae(女)群衆、大衆
【参考文献】
幸福な生活について (大学書林語学文庫 3011)』山敷繁次郎・訳注(大学書林
羅和辞典 <改訂版> LEXICON LATINO-JAPONICUM Editio Emendata水谷智洋・編(研究社)

『カンタベリー物語』を原文で読む(第10回)

(テキスト12ページ、1行目~)

(The Clerk)

clerk(名)大学礼拝堂(教区教会)の書記(役人)

A Clerc ther was of Oxenford also,
That unto logyk hadde longe ygo.

Clerc→Clerk
ther→there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)(beを述語動詞として)
Oxenford→Oxford(名)=Oxford University(名)オックスフォード大学(12世紀に創立された英国最古の大学)
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの(先行詞がもの・人を表わす場合で、最上級の形容詞、all the、the only、the same、the veryなどの制限的語句を含む時、および、先行詞が疑問代名詞やall、much、little、everything、nothingなどの時に多く用いられる傾向があるが、絶対的なものではない)/(主語として)
unto(前)(古)~に、~のほうへ、~まで
logyk→logic(名)論理学
hadde→had
longe→long(副)長く、長い間、久しく
ygo→gone
go(自)(特定の仕事に)従事する(to)

As leene was his hors as is a rake,
And he was noght right fat, I undertake,
But looked holwe, and therto sobrely.

as(副)(通例as ~ as ~で、形容詞・副詞の前に置いて)(~と)同じ程度に、同様に、同じくらい(as ~ as ~で前のasが指示副詞、後のasは接続詞)
leene→lean(形)(人・動物が)(ぜい肉がなく引き締まって)やせた、細い(⇔flabby)
his(代)彼の
hors→horse
as(接)(as ~ as ~で同程度の比較を表わして)~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど
rake(名)(干し草・落ち葉などをかき集めるための)くま手
noght→not
right(副)まったく、非常に、とても
undertake(他)(~と)保証する、断言する(+that)
but(接)(前の否定語・句・文と照応して)(~ではなく)て(not A but Bで「AではなくBである」の意を表わす表現)
look(自)(~に)見える、(~と)思われる(+補)
holwehollow(形)(体の一部が)へこんだ、落ち込んだ、こけた
thereto(副)なおそのうえに
sobrely→soberly(副)<sober(形)(人・性質・態度など)落ち着いた、謹直な、まじめな

Ful threedbaare was his overeste courtepy,
For he hadde geten hym yet no benefice,
Ne was so worldly for to have office.

Ful→Full
full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に
threedbaare→threadbare(形)(布・糸類が)すれて糸の見える、すり切れた(=worn)
overeste→uppermost(形)最上の、最高の
courtepy→coat(名)上着、ジャケット
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
geten→gothym→him
benefice(名)聖職禄(ろく)(給)
ne(古)(接)=nor(接)(否定の節・文の後に用いて)~もまた~ない(「not+動詞+主語」の倒置が起きる)
worldly(形)世俗的な、世渡り(世智)にたけた、世慣れた、世俗の欲にふける
for→as
so ~ as to do ~するほどに(~だ)
office(名)仕事、業務

For hym was levere have at his beddes heed
Twenty bookes, clad in blak or reed,
Of Aristotle and his philosophye
Than robes riche, or fithele, or gay sautrye.

levere→liefer
lief(副)(古)喜んで、快く(次の構文に用いて)I had liefer cut my throat than do it. それをするくらいならいっそのどを切って死んだほうがましだ。
beddes→bed's
heed→head(名)(単数形で/通例the ~)(ものの足部(foot)に対して)上部、上端 ・the head of a bed ベッドの頭(まくらの部分)
twenty(形)(基数の20)20の、20個の、20人の
bookes→books
clad(形)おおわれた(in)
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った
blak→black(名)黒い布
reed→red(名)赤い服(地)
Aristotle(名)アリストテレス(384-322 B.C./古代ギリシアの哲学者)
philosophye→philosophy(名)哲学、哲学体系 ・the philosophy of Aristotle アリストテレスの哲学
robe(名)(しばしば複数形で)(弁護士・司法官・聖職者などの)礼服、官服、法服
riche→rich(形)(宝石・衣服など)高価な、華美な
fithele→fiddle(名)バイオリン
gay(形)(色彩・服装など)派手な、華やかな、きらびやかな
sautrye→psaltery(名)プサルテリウム(14-15世紀の一種の弦楽器/指またはばちでひく)

But al be that he was a philosophre,
Yet hadde he but litel gold in cofre;
But al that he myghte of his frendes hente,
On bookes and on lernynge he it spente,
And bisily gan for the soules preye
Of hem that yaf hym wherwith to scoleye.

al be that→albeit(接)たとえ~でも、~にもかかわらず
philosophre→philosopher(名)哲学者
yet(接)(although、thoughと相関的に用いて)それでも
but(副)ただ、ほんの、~だけ
litel→little(形)(不可算の名詞を修飾して)(aをつけないで否定的用法で)少ししかない、ほとんどない(⇔much)
gold(名)金貨
cofre→coffer(名)貴重品箱、金箱
al→all(代)(単数扱い)(関係詞節を従えて)(~の)すべてのこと
myghte→might(助動)(直説法過去)(主に間接話法の名詞節中で、時制の一致により)(許可を表わして)~してもよろしい
of(前)(起源・出所を表わして)~から、~の
frendes→friends
hente→get
on(前)(目的・用事を表わして)~のために
bookes→books
lernynge→learning(名)(またa ~)学問、学識、知識
spente→spend
bisily→busily(副)せっせと
gan(動)ginの過去形
gin(他)(古)=begin(他)(~し)始める、(~し)だす
soules→souls
soul(名)霊魂、魂
preye→pray
hem→them
yaf→gave
give(他)(人に)(ものを)与える、あげる(+目+目)
wherewith→wherewithal(名)(the ~ to do)(~する)(必要な)手段/(特に)金
scoleye→school(他)(人を)教育する、(人に)学校教育を受けさせる(=educate)

Of studye took he moost cure and moost heede.

of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
studye→study
take(他)(決意・決心・見方・世話などを)する ・take care of ~を世話する
moostmost
cure→care(名)(細心の)注意、配慮、気配り
heede→head(名)頭の働き、頭脳、知力 ・use one's head 頭を使う、考える

Noght oo word spak he moore than was neede,
And that was spoke in forme and reverence,
And short and quyk and ful of heigh sentence;
Sownynge in moral vertu was his speche,
And gladly wolde he lerne and gladly teche.

oo→one
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
spak→spoke
speak(他)(人に)(言葉を)話す ・No one spoke a word. だれも何も言わなかった。
moore→more
more than ~(名詞・形容詞・副詞・動詞・節を修飾して)~より以上のもの、(~して)余りある
neede→needed
need(他)(~を)必要とする、(~する)必要がある
that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと
spoke→spoken
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
forme→form(名)(内容に対して)形式、外形(⇔content) ・in due form 正式に、型どおりに
reverence(名)(深い尊敬・愛情をもった)崇敬、尊敬 ・with reverence 尊敬の念をもって、うやうやしく
short(形)(時間・過程・行為など)短い
quyk→quick(形)活発な、元気のよい
ful→full(形)多くて、たくさんいて(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(形容詞に伴って)~を
heigh→high(形)高尚な
sentence(名)文、文章
Sownynge→Sounding
sound(自)(廃)(~の)傾向(気味)がある、(~と)関係がある(in)
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で
moral(形)(善悪の基準になる)道徳(上)の、倫理的な
vertu→virtue(名)徳、美徳、徳行、善行(=goodness/⇔vice)
speche→speech(名)話すこと、発言
gladly(副)喜んで、快く
wolde→would(助動)(過去の習慣・動作などの反復についての回想を表わして)~したものだった、よく~した
lerne→learn(自)学ぶ、習う、覚える
teche→teach(自)(~で)教える
【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『ヴェニスの商人』を原書で読む(第6回)

(テキスト8ページ、4行目~)

ANTONIO
I hold the world but as the world, Gratiano,
A stage where every man must play a part,
And mine a sad one.

Antonio アントーニオー(Shakespeare, The Merchant of Veniceに登場する青年貿易商)
hold(他)(~と)思う、考える(+目+補)
world(名)(the ~/単数扱い)(渡る)世間、世の中
as(前)(動詞の目的補語を導いて)~と、~だと
but(副)ただ、ほんの、~だけ
Gratiano グラシアーノ(Shakespeare, The Merchant of Venice中の、AntonioとBassanioの友人の一人でおしゃべりな男/Portiaの侍女Nerissaと結婚する)
where(副)(関係副詞)(制限的用法で)~する、~した(場所、場合など)(「場所」「場合」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
play(他)(劇で)((~の)役を)演じる、(~に)扮する
part(名)(映画などの)役(=role)
mine(形)悲しそうな、ふさぎ込んだ、憂鬱な
one(代)(既出の可算名詞の反復を避けて)(その)一つ、それ

GRATIANO Let me play the fool;
With mirth and laughter let old wrinkles come,
And let my liver rather heat with wine
Than my heart cool with mortifying groans.
Why should a man whose blood is warm within
Sit, like his grandsire cut in alabaster?
Sleep when he wakes? And creep into the jaundice
By being peevish? I tell thee what, Antonio,
I love thee, and ’tis my love that speaks:
There are a sort of men whose visages
Do cream and mantle like a standing pond,
And do a wilful stillness entertain
With purpose to be dressed in an opinion
Of wisdom, gravity, profound conceit,
As who should say, ‘I am Sir Oracle,
And when I ope my lips, let no dog bark.’
O my Antonio, I do know of these
That therefore only are reputed wise
For saying nothing, when, I am very sure
If they should speak, would almost damn those ears,
Which hearing them would call their brothers fools.
I’ll tell thee more of this another time.
But fish not with this melancholy bait
For this fool gudgeon, this opinion.
Come, good Lorenzo. Fare ye well awhile;
I’ll end my exhortation after dinner.

let(他)(容認・許可を表わして)(命令法で)(人・ものなどに)(~)させてください
fool(名)(昔、王侯・貴族にかかえられた)道化師(=jester)
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
mirth(名)楽しい笑い、歓喜、陽気
laughter(名)笑い
old wrinkles=wrinkles of old age
wrinkle(名)(通例複数形で)しわ、小じわ
my(代)私の
liver(名)(古)(昔感情の源と考えられた)肝臓
heat(自)熱くなる、暖まる
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
wine(名)ワイン、ぶどう酒
than(接)(rather、soonerなどを伴って)~するより(むしろ)、するくらいなら(いっそ)
cool(自)冷える
mortifying=causing death
cause(他)(~を)引き起こす
groan(名)うめき(うなり)声(=moan)
should(助動)(why、howなどとともに用いて、当然の意を強調して)~しなければならない、~して悪いはずがない
whose(代)(関係代名詞)(制限的用法で)(その~が(を、に))~する(ところの)(人)(「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
warm(形)(体が)ほてる、熱くなる
within(副)内に(で)、中に(で)、内部は(で)
like(前)~のような、~に似た
his(代)彼の
grandsire(名)(古)祖父
cut(他)(石などに)(像を)刻む(in)
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った ・a statue done in bronze 青銅で作った像
alabaster(名)雪花石膏
Sleep when he wakes ‘Why should a man’ に続く。
sleep(自)眠る
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
wake(自)(通例wakingで)目覚めている、起きている、寝ずにいる
creep(自)(通例よくないことが)(気づかぬうちに)徐々に起こる(進行する)、忍び寄る、忍び込む
into(前)(変化・結果を表わして)~に(する、なる)(通例ある物が別の物に形や状態を変えることを表わす)
jaundice(名)黄疸(おうだん)
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
peevish(形)気難しい、すねる、怒りっぽい(=badtempered)
I tell thee what「あのね、話があるが」
love(他)(人などを)愛する、かわいがる、大事にする
thee(代)(古)なんじを(に)
'tis(古)it isの短縮形
it(代)(it is ~ thatの構文で文の主語・(動詞または前置詞の)目的語・副詞語句を強調して)(このitの次にくるbeの時制は通例clause内の動詞の時制と一致し、clause内の動詞の人称は直前の名詞・代名詞に一致する)
that(代)(関係代名詞)(It is ~ that ~の形で名詞(相当語句)を強調して)~のは
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
a sort of ~ 一種の~、~のようなもの
visage(名)顔、顔だち、容貌(ようぼう)
do(助動)(肯定)(法律文の常套的表現や詩・詩的散文での虚辞として)
cream and mantle=acquire a covering (mantle) of scum (cream)
acquire(他)(不正な手段を用いて)(ものを)得る
covering(名)おおうこと、被覆
mantle(自)(古)(液体が)上皮を生じる
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
scum(名)(またa ~)浮きかす、泡、(液体の)上皮
cream(自)(液が)上皮を生じる
standing(形)(水など)よどんだ ・standing water よどんだ水たまり
pond(名)池
do 文法的には前にwhoを補う
wilful(形)(英)=willful(形)故意の、意図的な(=delibarate)
stillness(名)沈黙
entertain=keep up(活動・状態などを)維持する、持続する
with(前)(原因を表わして)~のせいで、~のゆえに、~のために
purpose(名)目的、意図
dressed(形)(~の)服装をして(身じたくをして)(in)
in(前)(着用を表わして)~を着て、身につけて
opinion=reputation(名)評判、世評(of)
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
wisdom(名)賢いこと、賢明、知恵
gravity(名)まじめさ、真剣さ、厳粛、沈着(=seriousness)
profound(形)(感情など)心からの、深い
conceit=thought
As who should say=as much as to say ~と言わぬばかりに
Sir(名)サー~(英国で準男爵baronet)またはナイト爵(knight)の人の氏名と併用する敬称)
oracle(名)神託を告げる人、託宣者、巫女(みこ)
ope=open
open(他)(ドア・目・容器・包み・手紙などを)あける、開く(⇔close、shut) ・open one's mouth 口を開く
lip(名)(複数形で)(発声器官としての)口 ・open one's lips 口を開く、しゃべる
bark(自)(犬・キツネなどが)(~に)ほえる
O(間)(常に大文字で、直後にコンマまたは!は用いない)(呼び掛けの名の前に用いて)ああ!、おお!
my(代)(呼び掛け語に添えて親しみを表わして)
know(自)(直接ではないが)(~のことを)間接的に知って(聞いて)いる(of)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について ・I know of him. 彼について(彼の名前、彼の評判)は(間接的に)知っている
there That=these people who
who(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(人)(通例「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主語の場合)
therefore=therefor(副)(古)その(この)ために
only(副)ただ~だけ、~にすぎない
reputed(形)(~だと)思われて、うわさされて(+補)
for(前)(原因・理由)~の理由で、~のため(=because of)(+doing)
when=while(接)(主節の後方に置き、対照を表わして)ところが一方、しかるに
sure(形)確信して(⇔unsure)(+that)
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(可能性の少ない未来の仮定を表わす場合)(すべての人称でif ~ shouldを用いる/「万一~なら」の訳語になる)
should(助動)(条件節に用いて実現の可能性の少ない事柄に対する仮定・譲歩を表わして)万一(~ならば、~しても)、もしかして~ということでもあれば(あっても)
would 前にtheyを補う
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在または未来の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~(する)だろう
almost(副)(動詞を修飾して)もう少しで、すんでのところで、~するばかりに
damn(他)(~を)(damnと言って)ののしる、のろう
those ears Which=ears of those who
those(代)(指示代名詞)(whoなどの関係代名詞を伴って)(~な)人々(⇔these)
call(他)(人を)(~と)呼ぶ、称する(+目+補)
their(代)彼ら(彼女ら)の
fool(名)ばか者(=idiot)
I'll I willの短縮形
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
tell(他)(人に)(~を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+目)
more(代)それだけの事(もの)(of)
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
another(形)別の、ほかの
time(名)(頻度を表わし、通例副詞句をなして)回、度
fish(自)魚を捕らえる、釣りをする(for)
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
melancholy(形)憂鬱な、陰気な、もの悲しい
bait(名)(釣り針・わなにつける)えさ
for(前)(獲得・追求・期待の対象を表わして)~を得るために(の)、~を(求めて)
fool(形)ばかな
gudgeon(名)タイリクスナモグリ、ガッジョン(ヨーロッパ産のコイ科の小魚/たやすく捕まえられ、食用や魚釣の餌(えさ)用)
this opinion ”gudgeon” と同格
good(形)忠実な
Lorenzo ロレンゾ(男子名)
fare(自)(well、badlyなどの様態の副詞を伴って)(人が)(よく、まずく)やっていく、暮らす(=get on) ・Fare you well!(古)さらば!
ye(代)(古)なんじらは(が)
awhile(副)しばらく、ちょっと
end(他)(~を)終える
exhortation=sermon
sermon(名)説教
【参考文献】
The Merchant of Venice (Penguin classics) (English Edition)
新訳 ヴェニスの商人 (角川文庫)河合祥一郎・訳
ヴェニスの商人 (対訳・注解研究社シェイクスピア選集 (3))』大場建治・編注訳(研究社)
ヴェニスの商人 (大修館シェイクスピア双書)』喜志哲雄・編注(大修館書店)
ヴェニスの商人 (研究社小英文叢書 (53))』岩崎民平・注釈(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『黄色いリボン』

この週末は、ブルーレイで『黄色いリボン』を見た。

黄色いリボン Blu-ray

黄色いリボン Blu-ray

  • 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: Blu-ray
1949年のアメリカ映画。
監督は、『怒りの葡萄』『わが谷は緑なりき』『荒野の決闘』『幌馬車』『西部開拓史』の巨匠ジョン・フォード
製作は、『キングコング』『幌馬車』のメリアン・C・クーパー。
音楽は、『サムソンとデリラ』のヴィクター・ヤング
主演は、『赤い河』『ホンドー』『アラスカ魂』『史上最大の作戦』『西部開拓史』『大列車強盗(1973)』『マックQ』『オレゴン魂』の大スター、ジョン・ウェイン
共演は、『赤い河』『幌馬車』のジョアン・ドルー、『幌馬車』『ゲッタウェイ』『続・激突!/カージャック』のベン・ジョンソン、『幌馬車』のハリー・ケリー・ジュニア
カラー、スタンダード・サイズ。
威勢のいい音楽から始まる。
男達の合唱は例の有名な曲。
舞台は1867年のアメリカ。
「カスター将軍率いる第7騎兵隊の212人が戦死した。スーとシャイアン族は大暴れ。軍事電報は南西部まで訃報を伝えた。先住民たちの蜂起の恐怖が広範囲にわたって震撼した。第7騎兵隊の失敗が再度起これば、西部は百年前の無法地帯に戻る。カナダ国境からリオ・ブラボーまでの1万人の先住民キオワ、コマンチ、スーそしてアパッチ族らはクレージー・ホースの大酋長のもと団結し、騎兵隊と戦うべく結束を固めていった」というナレーション。
やや説明的過ぎる。
疾走する馬車。
ベン・ハー』みたいだ。
それを追って疾走する馬。
馬が馬車に追い付くと、馬車に乗っていた主計総監が殺されている。
馬車は暴走していたのだ。
主計総監の死がスタアク砦のブリトリス大尉(ジョン・ウェイン)に伝えられる。
ブリトリスは、あと6日で退役を迎えるのであった。
しかし、この頃のジョン・ウェインは、未だそんな年齢でもないだろう。
髪の毛は随分白くしているが。
主計総監の馬車から折れた矢が見付かる。
それはシャイアン族のものだった。
その頃、若くて少々頼りないペネル少尉(ハリー・ケリー・ジュニア)は、若くて気の強いオリヴィア(ジョアン・ドルー)を馬車に乗せてピクニックに出掛けようとしたところを、「女性は外出禁止です」と衛兵に止められる。
そこを通り掛かったブリトリスは、「オリヴィアを宿舎に送るから、一人でピクニックに行け」とペネルに告げる。
212人が戦死した。
ブリトリスは、亡くなった妻の墓前で、「退役したらカリフォルニアへ行きたい」と告げる。
そして、「カスター将軍の部隊が全滅したので、明日、シャイアン族を追い詰める」と。
最後の奉公だ。
そこへ、オリヴィアがやって来る。
ブリトリスに花を渡す。
シクラメンだ。
「いい娘だね、若い頃の君に似ている」と、奥さんになぞらえる。
コロッといかれてしまったブリトリスだが、この娘は、美人だが、そんなにいい娘には見えない。
翌朝、部隊に何故か幌馬車がある。
「偵察に(女の道具をいっぱい積んだ)幌馬車は要らん!」とブリトリスが告げると、「命令です。」
何と、隊長から、「家内(ミルドレッド・ナットウィック)と姪(先のオリヴィア)を駅馬車があるところまで送って欲しい」というのであった。
ブリトリスは納得していないが、上官の命令とあらば仕方がない。
「この部隊に女性が加わる。」
オリヴィアは髪に黄色いリボンを付けている(タイトルの由来)。
「黄色いリボンというのは恋人の意味だが、誰の恋人かな?」とブリトリスが聞くと、「もちろん大尉よ」と答えるオリヴィア。
あちこちに色目を使う女にしか見えない。
美人だが。
本作は、1949年のカラー作品だ。
この時代にカラーというのはスゴイが。
テクニカラーは発色が良くて、本作の風景は、まるで絵画のようである。
かくして、騎兵隊は出発した。
先導はタイリー軍曹(ベン・ジョンソン)であった。
その頃、謎の軍事商人が南へ向かっていた。
本作も、ジョン・フォードの西部劇らしく、例によって、ゆったりと進む。
途中、騎兵隊は、馬を休めるために歩く。
幌馬車もガタガタである。
遠方に、アラパホ族の集団が移動しているのが見える。
すごい人数である。
アラパホ族も、騎兵隊と同じ方向に向かっている。
「女を危険にさらす訳には行かない。引き返そう」とブリトリス。
目的地へは反対側から行くことになる。
半日のロスで、駅馬車には間に合わない。
本作では、部隊にワンコが付いて回る。
馬が疾走する時も、ものすごい速さで付いて行く。
途中、野生のバッファローの大群に出会う。
ものすごい数だ。
ダンス・ウィズ・ウルブズ』でもバッファローの大群が出て来たが、この辺の影響を受けているのだろう。
白人を追い出そうと、先住民たちがシャイアン族を引き込む機会だろう。
例の軍事商人が酋長に銃を売る。
余談だが、本作は、ブルーレイにしては、フィルムの傷がかなり目立つ。
デジタル・リマスタリングなどは行われていないのだろう。
まあ、廉価版だからな。
危険を察知したブリトリスは、「偵察隊と合流しろ」と命じる。
偵察隊がこちらに向かって来た。
後ろから先住民達の馬が追いかけて来る。
ブリトリスらは、銃撃で追い返した。
偵察隊は、アラパホに銃撃されたのであった。
「合流点へ行ったが、中隊はいなかった」と。
そりゃそうだよな、途中で方向転換したのだから。
偵察隊は、夜中に攻撃されたのであった。
再び、偵察に向かう。
シャイアンが追い掛けて来る。
崖から崖へ馬で飛ぶ。
すごいシーンだ。
シャイアンの馬達は怖がって飛べない。
その後、暗雲が立ち込め、稲妻が光る中、荒野を進む騎兵隊。
大変なロケだ。
息子の心臓をかすめた矢を抜く手術をするので、馬の速度を落としてくれと頼む医者。
停止してやらんと死ぬぞ。
しかし、手術は成功。
走っている馬車の中で手術って。
前方に、駅馬車の宿駅が見える。
シャイアンとアラパホが組んで、襲われた跡だ。
「退役だというのに」ブリトリスは嘆く。
目の前で老兵が死ぬ。
ブリトリスの口癖は、「謝罪はよせ。弱さの象徴だ。」
任務は失敗であった。
駅馬車はもうない。
さあ、これからどうなる?
過酷な自然の中のロケは大変だっただろう。
そして、働き者のワンコが印象に残る。
クライマックスの馬の大群の疾走がものすごい。
さすが、クロサワが敬愛するジョン・フォードだけある。
ただ、ラストの「彼らが戦った土地がアメリカ合衆国になったのである」というのは、非常に白人目線で、現在では絶対に受け入れられないだろう。
あと、騎兵隊が整列している中で、『フルメタル・ジャケット』とソックリのシーンがある。
そう言えば、『フルメタル・ジャケット』の中で、「ジョン・ウェインがどうのこうの」というセリフがあったな。
キューブリックのオマージュだろう。
アカデミー賞撮影賞(カラー部門)受賞。
1951年度洋画興行収入8位。

She Wore a Yellow Ribbon (1949) - Trailer

イギリス文学史I(第9回)『ユートピア』(その2)

英文読解
それでは、『ユートピア』の第1巻の冒頭部分を読んでみましょう。
下に「英文」「日本語訳」を記しました。
「英文」には、語注も付けてあります。

THOMAS MORE

More, Sir Thomas(名)モア(1478-1535/英国の政治家・作家/カトリック教会における聖人)

Utopia

Utopia(名)ユートピア(Sir Thomas More作Utopia(1516)中に描かれた理想郷)
(1)

(英文)
(テキスト23ページ、1行目)
BOOK ONE

book(名)巻、編 ・Book I 第1巻(book oneと読む)
one(形)(基数の1)(名詞の後に置いて)(一連のものの中の)1番目の ・Lesson One(=The First Lesson)第1課

(日本語訳)
第一巻

(2)

The most invincible Henry, King of England and eighth of that name, a prince richly endowed with all the qualities of an outstanding ruler, recently had a dispute with Charles, the most serene Prince of Castile, over matters that were far from trifling, and sent me as ambassador to Flanders to discuss and resolve them. I was to accompany and assist that exceptional man Cuthbert Tunstall, whom the King, to general acclaim, has recently appointed Master of the Rolls.

most(副)(主に2音節以上の形容詞・副詞の最上級を作って)最も、いちばん
invincible(形)征服できない、無敵の(=unbeatable)
Henry(名)ヘンリー(イングランド王の名) ・Henry VIII(在位/1509-47)(国教会を設立/Elizabeth Iの父)
England(名)イングランド(Great Britain島のScotlandとWalesを除いた部分)
eighth(代)(序数の第8番)(通例the ~)第8番目の人(もの)
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人をさして)あの(⇔this)
prince(名)(通例単数形で)(その道の)第一人者、大家
richly(副)豊富に、豊かに、十分に
endow(他)(人に)(才能・特権などを)賦与する、授ける(通例受身)(with)
with(前)(委託を表わして)(もの)を(ゆだねて)
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
quality(名)(通例複数形で)(もの・人などの)特質、特性、特色(of) ・the qualities of a king 王者の(備えるべき)特性
outstanding(形)傑出した、実にすぐれた、抜群の
ruler(名)支配者、統治者、主権者
recently(副)最近、近ごろ、このごろ(現在完了か過去形の動詞とともに用い、通例現在時制の動詞とは用いない)
have(他)(通例動作・行為などを表わす不定冠詞付きの名詞を目的語として)(~)する、(~を)行なう
dispute(名)紛争、争議、抗争(with)(over)
with(前)(接触・交際・結合などを表わして)~と ・discuss a problem with a person 人と問題を話し合う ・join A with B AをBに接合する
Charles(フランス王)シャルル
serene(形)(ヨーロッパ大陸で王侯(王妃)に対する敬称に用いて)高貴な
prince(名)(しばしばPrince)(大国に守られた公国・小国の)王、君主、公 ・the Prince of Monaco モナコ
Castile(名)カスティリヤ(スペイン中部の古王国)
over(前)~に関して ・talk over the matter with ~とその事について話し合う
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)/(他動詞・前置詞の目的語として)(前置詞は関係詞節内の動詞の後に置かれる)
far from ~ 少しも~でない
trifling(形)くだらない、取るに足らない
send(他)(通例副詞句を伴って)(人・軍隊などを)行かせる、やる、派遣する
as(前)~として(続く名詞が官職・役目・資格・性質など抽象的概念を意味している時には無冠詞)
ambassador(名)(公式または非公式の)使節
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に ・go to ~に行く
Flanders(名)フランドル、フランダース(ベルギー北西部の5州とフランス北部の小地域を含み北海に臨む地方)
resolve(他)(問題・困難などを)解決する(=solve)
be(助動)(be+to doで)(義務・命令を表わして)~する義務がある、~しなければならない
accompany(他)(人が)(別の人に)同行する、ついていく
assist(他)(人を)手伝う、援助(助力)する
that(形)(指示形容詞)(関係詞節による限定をあらかじめ指定して)あの(日本語では訳さないほうがよい)(⇔this)
exceptional(形)並はずれた、非凡な、すぐれた(=extraordinary)
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性(of)
Tunstall(名)タンスタル Cuthbert Tunstall(1474-1559)(イングランドの聖職者/教会や官界の顕職につき、国王の至上権に黙従したが、カトリックの教義を奉じたため、Edward6世下で官位を奪われ、Mary1世の即位で回復し、Elizabeth1世下で再び失った)
whom(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人(たち)を(に)(whomの省略は不可)
to(前)(結果・効果を表わす句を導いて)
general(形)世間一般の、社会の大部分に共通する、普通の
acclaim(名)絶賛
appoint(他)(~を)指名する、任命する(=assign)(+目+補)/(+目+to do)
master(名)(各種団体の)会長、団長、院長
roll(名)(the Rolls)保管書類収蔵所(もとはthe Master of the Rollsの、今はPublic Record Officeの所管) ・the Master of the Rolls 記録長官(控訴院の専任の裁判官の中で最上位の裁判官)

軽少ならざるある問題について、王者の万徳に秀でた不敗のイギリス王ヘンリー八世は最近明澄なるカスティリア公シャルルと争いたまい、その討議、解決のために、私を交渉委員として、抜群の人物カスバート・タンスタルの同伴、同僚として、フランダースに派遣された。タンスタルはみなの大好評のうちに王の大法官官房書記長に任命されたばかりの人だった。

(3)

I'll say nothing in praise of him, not because I'm afraid that the testimony of a friend will carry little weight, but because his integrity and learning are too widely celebrated for it to be necessary, unless, as the proverb has it, I wished to show the sun with a lantern.

I'll I willの短縮形
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して
praise(名)称賛、ほめる(られる)こと ・in praise of ~をほめて、たたえて
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
not(副)(述語動詞・文以外の語句を否定して)~でなく
because(接)(副詞節を導いて)(なぜなら)~だから(である)、~なので
I'm I amの短縮形
afraid(形)(~を)心配して、気づかって(よくない事の起こる可能性のある時に用いる)(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(形容詞・自動詞などに続く節を導いて)(文法的に副詞節とも考えられるが、意味上他動詞相当句と考えて名詞節に入れる)/(主語節を導いて)/(目的語節を導いて)
testimony(名)(法廷で行なう)証言、口供書(of)
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
will(助動)(話し手の推測を表わして)~だろう
carry weight(意見などが)影響力がある、重きをなす
little(形)(不可算の名詞を修飾して)(aをつけないで否定的用法で)少ししかない、ほとんどない(⇔much)
but(接)(等位接続詞)(前の否定語・句・文と照応して)(~ではなく)て(not A but Bで「AではなくBである」の意を表わす表現)
his(代)彼の
integrity(名)高潔、誠実、清廉
learning(名)(またa ~)学問、学識、知識
too(副)(形容詞・副詞の前に置いて)(~するには)~すぎる、非常に~で(~する)ことができない(for)(to do)
widely(副)広く、広範囲に
celebrated(形)名高い、有名な
for(前)(不定詞の主語関係を示して)~が(~する)
unless(接)(否定の条件を表わして)~でない限り、もし~でなければ(通常if ~ notと言い換えられるが、現実とかけ離れた仮想の出来事・状態とともに用いることはまれ)
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
proverb(名)諺(ことわざ)、金言 ・as the proverb says 諺に言うとおり
have it(~と)表現する、言う、確言する、主張する ・As Kant has it ~ カントの言うように~
wish(他)(~)したい(と思う)(+to do)
show(他)(~を)見えるようにする
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
lantern(名)手さげランプ、角灯、カンテラ

この人の賞讃に私はよけいなことばを費やすまい。それは、友情からの証言というものは人に信用されまいという恐れからではなく、彼の徳と学識は私の筆舌に尽くせぬほど偉大であり、また私が賞めたてる必要もないほどよく知られているからである。「太陽を蝋燭の光で照らし出そうとする」、という俚諺どおりのことをやっていると思われたいなら別であるが。

(4)

Those appointed by the Prince to deal with us, all of them men of high standing, met us at Bruges as arranged.

those(代)(指示代名詞)(修飾語句を伴って)(~の)もの、人々(⇔these)
appoint(他)(~を)指名する、任命する(=assign)(+目+to do)
deal(自)(人が)(問題・人を)処理する、扱う(with)
all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな(通例代名詞の場合に用いる/代名詞の前に来る時はall of ~の形式をとる)
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性(of)
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の
high(形)(身分・地位など)高い、高貴な
meet(他)(折衝などのため)(人と)面会(会見)する
Bruges(名)ブリュージュ(ベルギー北西部西フランドル(West Flanders)州の州都)
arrange(他)(事を)前もって整える、用意しておく、手配する、準備する

相手方の主君の命で交渉役をおおせつけられていた委員たちは〔予定されていたとおり〕ブルージュで私たちと会見した。みな優れた人たちだった。

(5)

Their principal and leader was the Burgomaster of Bruges, a very striking figure. But their spokesman and guiding spirit as Georges de Themsecke, the Provost of Cassel, whose eloquence derived as much from natural flair as from training; he was deeply learned in the law and, thanks to his wit as well as long experience, a consummate negotiator.

their(代)彼ら(彼女ら)の
principal(名)長官、社長
leader(名)首領、主将
burgomaster(名)(オランダ・オーストリア・ドイツ・ベルギーなどの)市長
striking(形)目立つ、著しい
figure(名)(通例修飾語を伴って)(重要な)人物
spokesman(名)スポークスマン、代弁者、代表者
guiding(形)目印(指針)となる
spirit(名)(修飾語を伴って)(~の性格(気質)を持った)人、人物 ・a leading spirit 指導する(先頭に立つ)人
Georges ジョージ、ジョルジュ(男子名)
de(前)~の(of)、~から(from)、~に属する(母音の前ではd'/フランス(系)人などの姓で用いられ、元来は出身地を示す)
provost(名)(通例Provost)(大聖堂の)主席司祭
Cassel カッセル(ドイツ中部Hesse州の市)
whose(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人(たち)の
eloquence(名)雄弁、能弁
derive(自)(~に)起源を持つ、由来(派生)する、(~から)出ている(from)
as much ~ as ~ ~と同じ程度に~
from(前)(出所・起源・由来を表わして)~から(来た、取ったなど)
natural(形)生まれつきの、生得の
flair(名)(またa ~)才能
deeply(副)深く
learned(形)学問(学識)のある、博学な、博識な ・She's learned in the law. 彼女は法律に通じている。
in(前)(性質・能力・芸などの分野を限定して)~において、~が
thanks to ~(前置詞的に)~のおかげで、~のせいで、のため(=owing to)
wit(名)(また複数形で)理知、知力
as well as ~ ~はもちろん、~も~も
long(形)(時間・過程・行為など)長い、長期にわたる(⇔short)
consummate(形)熟練した
negotiator(名)交渉者、折衝者

ブルージュの市長で豪邁なる人物がむこうの委員団の団長、頭領だったが、交渉の指導役、スポークスマンとなったのはカッセルの司教座大聖堂司祭団長のゲオルグ・デ・テムゼッケである。この人は修練によってのみならずたしかに生まれつき弁論に秀で、さらに法律にくわしく、また日ごろの実務経験のみならず天与の才能によって外交交渉での第一級の達人であった。

(6)

When, after several meetings, there were still various points on which we failed to agree, they took leave of us for some days and went to Brussels to consult with the Prince.

when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
still(副)それでも(やはり)、なお(=nonetheless)
various(形)いくつかの、種々さまざまの
point(名)(通例単数形で)問題(点)、論点
on(前)(関係を表わして)~について、~に関する
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
fail(自)(人・ものが)失敗する、しくじる(⇔succeed)(+to do)
take leave of ~ ~にいとまごいする、あいさつをして(~と)別れる
for(前)(時間・距離を表わして)~の間(ずっと) ・for two months 2か月間
to(前)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に ・go to ~に郁
Brussels(名)ブリュッセル(ベルギーの首都/ECの本部がある)
consult(自)(人と)(~のことで)協議(相談)する、打ち合わせる、話し合う(with)

数回会合したにもかかわらず、いくつかの点について双方十分に同意できず、彼らは数日の猶予をということでわれわれに別れを告げ、カスティリア公の裁可を仰ぐためにブリュッセルにおもむいた。

(7)

In the meantime, as my own affairs dictated, I made my way to Antwerp.

in the meantime(2つのことが起こる)その間に
as(接)(原因・理由を表わして)~だから、~ゆえに
my(代)私の
affair(名)(するべき)仕事、用事
dictate(自)(通例否定文で)(人に)指図する
make one's way 進む、行く
Antwerp(名)アントワープアントウェルペン(ベルギー北部の貿易・工業都市で同名州の州都)

この間私は〔用事があって〕アントワープに出かけた。

(8)

Among those who visited me during my stay there, none was more welcome than Peter Giles, a native of that city, where he was much respected and already occupied high office, being fitted for the very highest; indeed, it's hard to tell whether this young man stands out more for his learning or for his moral character.

those(代)(whoなどの関係代名詞を伴って)(~な)人々
who(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(人)(通例「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主格の場合)
during(前)(特定期間の)~の間のいつか、の間に(の)
stay(名)(通例単数形で)滞在、逗留(とうりゅう)
none(代)だれも~ない
more(副)(主に2音節以上の形容詞・副詞の比較級をつくって)(~より)もっと(than)
welcome(形)(客など)歓迎される
Peter(名)ピーター(男性名/愛称Pete)
Giles ジャイルズ(男子名)
native(名)(~の)生まれの人(of)
where(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてそこに(で)
much(副)(過去分詞を修飾して)大変に、非常に、大いに
respected(形)尊敬されている、りっぱな
occupy(他)(地位・役を)占める、(職に)つく(=hold) ・occupy a high position 高い地位についている
office(名)職務、任務、役目
fitted(形)(~に)適して、ふさわしく(for)
for(前)(用途・指定・適否を表わして)~に適した
very(形)(the、this、thatまたは所有格人称代名詞に伴って強意を表わして)まさしくその、ちょうどその、~にほかならない
it's it isの短縮形
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
hard(形)難しい、骨の折れる(⇔easy)(+to do)
tell(他)(can、couldなどを伴って)(~を)知る、わかる(+wh.)
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)(⇔that)
stand out(他より)(人・ものが)際立つ、すぐれている
more(副)(muchの比較級)もっと、より多く(⇔less)
for(前)(感情・趣味・適性などの対象を表わして)~に対して(する)、~を理解する
moral(形)(善悪の基準になる)道徳(上)の、倫理的な ・moral character 徳性、品性
character(名)人格、品性

同地に滞在中やってきた訪問客のなかで、私がいつも他のだれよりもありがたく思って迎えたのはアントワープ生まれのピーター・ヒレスであった。彼はあそこの市民のあいだで信用厚く、名望ある地位にあり、かつ最高の名誉を受けるに値する人物である。この若い人物は学問、品行のいずれにおいてより秀でているか、そう聞かれると私は返答に困るほどである。

(9)

For he's truly upright, exceptionally well-read and considerate to all, while to his friends he is so open-hearted, so warm, trustworthy and sincere, that you would be hard put to it to find anyone anywhere whom you might rate his equal in the attributes of friendship.

for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
he's he isの短縮形
truly(副)(特に形容詞を修飾して強意的に)本当に、実に、まったく
upright(形)正しい、正直な、高潔な
exceptionally(副)並はずれて、非常に
well-read(形)博識の
considerate(形)思いやりのある(⇔inconsiderate)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
all(代)(複数扱い)すべての人々
while(接)(主節の後方に置き、対照を表わして)同時に(=whereas)
so(副)(程度・結果を表わして)(so ~ that ~で)(順送りに訳して)非常に~なので~
open-hearted(形)腹蔵のない、率直な
warm(形)温情のある、思いやりのある
trustworthy(形)信頼(信用)できる、当てになる(=reliable)
sincere(形)(人が)うそ偽りのない、言行一致の、正直な、誠実な(⇔insincere)
that(接)(副詞節を導いて)(so ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(条件節の内容を言外に含め陳述を婉曲(えんきょく)にして)~であろう、~でしょう
be hard put to it ひどく困っている(+to do)
find(他)(探して)(人・ものを)見つけ出す
anyone(代)=anybody(代)(疑問文・条件節で用いて)だれか
anywhere(副)(疑問文・条件節に用いて)どこかに(へ)
whom(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(ところの)(人)(「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
might(助動)(条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で)(現在の推量を表わして)~するかもしれない
rate(自)(~と)見積もられる、評価される(+補)
equal(名)(地位・能力・年齢など)同等(対等)の人(in)
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
attribute(名)属性、特性、特質

というのは、彼は道徳的に最高の人物であると同時に博学多識、そのうえすべての人にたいして率直、友人にたいしては非常に開放的で、愛情、忠実、誠意に満ちた心の持主なので友情のすべての点で彼と比較できる人をさがし出すことは困難なほどだからである。

(10)

He has a rare modesty; no one is less given to deceit or better combines prudence with simplicity. On top of all this, his talk is so entertaining and witty without a hint of malice that, although I had been away for more than four months, my longing to see my own country again, and with it my home, my wife and my children, was eased by his engaging company and delightful conversation.

have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている
rare(形)まれな、珍しい、めったにない(⇔common)
modesty(名)謙遜(けんそん)、謙虚、慎み深さ
no one(代)だれも~ない
less(副)(動詞を修飾して)より少なく
given(形)(~に)ふけって(to)
deceit(名)虚偽(=deception)
better(副)(wellの比較級)いっそう大いに、もっと
combine(他)(別々の性質などを同時に)兼ねる、兼ね備える(with)
prudence(名)思慮分別、賢明さ
simplicity(名)純真、無邪気、気取りのないこと
on top of ~ ~に加えて、~の上に
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
talk(名)話、談話、会話
entertaining(形)愉快な、おもしろい
witty(形)機知に富んだ
hint(名)(a ~)わずか(=trace) ・a hint of ~ わずかの~
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
malice(名)(相手を傷つけようとする意図的な)悪意、敵意、恨み
although(接)~であるが、~だけれども、とはいえ
away(副)(位置を表わして)別の所にいて、不在で
more than ~ ~より多い、~を越える
four(形)(基数の4)4の、4個の、4人の
longing(名)(~したいという)切望、熱望 ・one's longing to see one's native country 故国を見たいという願い
country(名)(通例one's ~)本国、祖国、故国
with(前)(同時・同程度・同方向などを表わして)~とともに、~と同時
home(名)(生活の場としての)家、わが家、自宅(通例家族の生活・だんらんのイメージを持つ)
ease(他)(苦痛・心痛・緊張などを)やわらげる、軽くする、緩和する
engaging(形)人を引きつける、魅力のある
company(名)つき合い
delightful(形)楽しい、愉快な
conversation(名)会話、談話、対話、座談、会談

彼は珍しいほど慎ましやかで、彼ほどみせかけと縁の遠いものはいないし、これ以上の賢明さを秘めた単純さの持主はおらず、また彼の話は非常に軽妙酒落であり、かつ、邪気のない機知に富んでいる。だから彼との楽しいつきあいと魅力ある会話のおかげで、故郷、わが家、妻子らへの私のホームシックはずいぶんやわらいだ。じつは私は〔すでに四ヵ月以上も家を留守にして〕彼らとの再会の念にかられて居ても立ってもいられないほどだったのである。

(11)

One day I attended Mass in Notre Dame, the most handsome and frequented church in Antwerp, and after the service had ended I was preparing to return to my lodgings when I saw Peter talking with a stranger, a man verging on old age, sunburnt, with a shaggy beard and a cloak slung carelessly over his shoulder. It struck me from his face and attire that he was a ship's captain.

one(形)(基数の1)(時を表わす名詞の前に用いて)ある ・one day(過去か未来の)ある日
day(名)(副詞的に)~日 ・one day(過去の)ある日
attend(他)(儀式に)参列する
Mass(名)ミサ ・attend Mass ミサに参列する
Notre Dame(名)聖母マリア
handsome(形)(建物など)見事な、堂々とした
frequent(他)(場所に)しばしば行く、よく行く(集まる)
church(名)(キリスト教の)教会(堂)、聖堂
in(前)(全体との関係を表わして)~の中で、~のうちで
after(接)(~した)後に(で)、~してから
service(名)礼拝(の式)、お勤め
end(自)終わる、済む
prepare(他)(~を)準備する、用意する(+to do)
lodging(名)宿所、宿
when(接)(主節の後にwhenの導く従属節がくる時文脈上で)(~すると)その時(主節が進行形または過去完了形で表わされる場合に用いられる)
see(他)(~を)見る、(~が)見える(+目+doing)
talk(自)(人と)話をする、話し(語り)合う(with)
stranger(名)(見)知らぬ人、他人
verge(自)(~の状態に)近づく、今にも(~に)なろうとする(=border)(on)
on(前)(近接を表わして)~に接して、~に面して
sunburnt(形)小麦色に日焼けした
with(前)(所持・所有を表わして)~を持って(た)、~のある
shaggy(形)(髪・毛など)もじゃもじゃの、くしゃくしゃの
beard(名)あごひげ
cloak(名)(ゆったりとした)そでなしの外套(がいとう)、マント
slung(動)slingの過去形・過去分詞
sling(他)(通例副詞句を伴って)つり下げる、ぶら下げる、つり包帯でつる(しばしば受身) ・sling one's coat over one's shoulder 上着を肩にひっかける
carelessly(副)ぞんざいに
over(前)(位置を表わして)(接触した位置を表わして)~の上をおおって ・over one's shoulders 肩にかけて
strike(他)(考えが)(人の)心に浮かぶ ・It strikes me that ~. ~のような気がする。
from(前)(根拠・動機を表わして)~から(判断して)
face(名)顔色、顔つき
attire(名)装い、服装、衣装
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(主語節を導いて)
captain(名)船長、艦長、艇長

ある日、わたしはたいそう美しい建築で、おおぜいの人でいっぱいな聖母の教会でのミサに参列した。礼拝が終わって宿に帰りかけていたとき、私はピーターがひとりの見知らぬ男と話しているのをふと見かけた。この男は老年に近く、日焼け顔で長いあごひげをたくわえ、外套をさりげなく肩にひっかけて着ており、顔つきや服装からは船乗りと見えた。

(12)

When Peter caught sight of me he came over and greeted me. I was about to respond when he drew me aside and, pointing to the man with whom I had seen him talking, muttered, ‘Do you see this character? I was just about to bring him over to you.’

catch(他)(感覚を)感じとる、とらえる ・catch sight of ~を見つける
sight(名)(またa ~)見ること、見えること ・catch sight of ~を見つける
come over やってくる、渡来する
greet(他)(口頭・動作・書面などで)(人に)あいさつする、(人を)迎える
about(形)今にも(~)しかけていて(+to do)
respond(自)返答する、応答する
draw(他)(副詞句を伴って)(ものを)(ある方向に)引き寄せる ・He drew me aside.(こっそり話をするために)彼は私をかたわらに引き寄せた。
point(自)(~を)指さす、さす(to)
mutter(他)低い声でぶつぶつ言う(+引用)
do(助動)(be以外の動詞の疑問文に用いて)
character(名)(修飾語を伴って)(~な)人、人物
bring over(人・ものを)(遠くから)連れて(持って)くる

ピーターは私を見つけるやいなや、こちらにやって来て挨拶し、それに答えようとした私をちょっとかたわらにひきよせて〔私がさきほど見た彼の話し相手のほうを指さしながら〕言った。「あの人のことですがね。私は今ちょうどあの人をあなたにお引きあわせしようと思っていたのです」。

(13)

‘He would have been most welcome for your sake,’ said I.

most(副)(通例theを用いないで)はなはだ、非常に
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
sake(名)(for the sake of ~、for ~'s sakeで)~のための(に)(for the sake of ~、for ~'s sakeは目的・理由を表わす)
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)

私は言った「私としてはほかならぬあなたがお引きあわせくださるのでしたら、もちろん大歓迎いたしたはずですよ」。

(14)

‘But for his own too, if only you knew the man,’ he answered, ‘for there's no man living today who can give you such an account of unknown peoples and lands, a topic that I know you are always keen to hear about.’

own(代)(one's ~/独立用法で)自分独特のもの(立場)
if only ~さえしていれば
answer(他)(人に)(~と)答える、答えて言う(+引用)
there's there isの短縮形
living(形)生きている(⇔dead)
today(副)現今(では)、今日(は)、このごろは(=nowadays)
give(他)(人に)(言葉・返事・命令・あいさつなどを)述べる、言う(+目+目)
account(名)(順を追ってする詳しい)話 ・give an account of ~の話をする、~の顛末(てんまつ)を話す
unknown(形)未知の、不明の、未詳の ・an unknown place 未知の場所
people(名)民族、種族、国民(文化的・社会的な共通性をもつ人々)
land(名)国、国土
topic(名)話題、話の種、テーマ、トピック
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+that)
keen(形)熱心に(~)したがって(+to do)
hear(自)(~について)(消息を)聞く、聞いて知る(about)

「いや私がご紹介するのではなくて」と彼は言った。「もしあなたがあの人のことをご存じでしたら、あの人と知り合いになれるというだけで大歓迎なさったはずですよ。同時代人のなかで、未知の人々、未知の土地について彼ほどにたくさん話のできる人はいません。あなたはたしかそういう話を非常に聞きたがっていらっしゃいましたね」。

(15)

‘So, my guess wasn't such a bad one,’ I replied, ‘for at first glance I suspected that he was a ship's captain.’

so(副)(間投詞的に文頭に用いて)(前言を受けて)そうすると、つまり
guess(名)推測、推量、憶測
wasn't was notの短縮形
such(形)(程度を表わして)(形容詞+名詞の前で/副詞的に)あれほど(これほど)の、あんな(そんな)に、このように
bad(形)間違った
one(代)(基数の1)(既出の可算名詞の反復を避けて)(その)一つ、それ
reply(他)(~と)答える(+引用)
at first glance 一見したところでは
suspect(他)(~ではないかと)思う(思う内容は通例よくないこと、望ましくないことを表わす)(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)

私は言った。「それなら私の見当はおおはずれではなかったわけですね。なぜかというとあの人を一目見るなり私はあれは船乗りに違いないと感じましたからね」

(16)

‘Then you are right off target,’ he said, ‘for he hasn't sailed like Palinurus, but rather like Ulysses, or, better still, Plato. For this man, Raphael as he's called, his family name being Hythloday, is far from incompetent in Latin and is especially well versed in Greek. He studied the latter more than Latin because he's devoted himself wholly to philosophy, and he realized that in that field there's nothing of any substance in Latin apart from certain pieces by Seneca and Cicero. Driven by a desire to see the world, he left to his brothers the patrimony that was his due at home (he happens to be Portuguese), attached himself to Amerigo Vespucci, and was his constant companion on the latter three of those four voyages which you now read about everywhere. Except that on the last one he didn't return with him: instead he nagged and pestered Vespucci, and so far prevailed that the latter let him be one of twenty-four men who were left behind in a fort at the furthest point of that final trip. So he was left there in order to gratify his own inclination, being more taken up with his travels than his last resting place. He had the habit of remarking, “He who has no grave is covered by the sky”, and “Whatever the place, it's the same distance from heaven.” Such an attribute might well have proved costly if God had not been gracious to him. Once Vespucci had departed, he travelled through many territories along with five companions from the fort, and at length, having arrived by a happy turn of fortune in Ceylon, he got from there to Calicut where he conveniently met up with some Portuguese ships and finally, against all expectation, regained his homeland.’

then(副)(通例文頭または文尾に用いて)それなら、(それ)では
right(副)まったく、すっかり
off(前)(離れた位置・状態を表わして)(場所)から(離れて、隔たって)、~を離れて、それて
target(名)(射撃などの)的(まと)、標的
hasn't has notの短縮形
sail(自)(通例副詞句を伴って)(船・人が)帆走する、航海する
like(前)~のような、~に似た
Palinurus(名)パリヌールス(Aeneasの船の舵手/舵をとっているうちに眠りの神に襲われて海に落ち、漂着したところのLucaniaの住民に殺された/イタリア南西部のPalinuro岬は彼の名にちなむという)
rather(副)どちらかと言えば、いやむしろ
Ulysses(名)ユリシーズ(Odysseusのラテン語名)
or(接)(訂正語句・コメントなどを導いて)いや~、あるいは(むしろ)
better still おまけに、その上
Plato(名)プラトン(427?-?347 B.C./ギリシアの哲学者)
Raphael(名)ラファエル、レイフィアル
as(接)(譲歩を表わして)~だけれども、~ながらも(=though)
call(他)(人を)(~と)呼ぶ、称する(+目+補)
family(形)家族の、家庭の
incompetent(形)無能な、役に立たない
Latin(名)ラテン語古代ローマ帝国の言語/中世に地方によって分化し、今日のイタリア語、フランス語、スペイン語ポルトガル語ルーマニア語などとなった)
especially(副)特に、とりわけ
versed(形)(通例well ~で)熟達して、精通して、通じて(in)
Greek(名)ギリシア
study(他)(~を)勉強する、学ぶ
latter(名)(代名詞的に用いて)後者(単数名詞を受ける場合は単数扱い、複数名詞を受ける場合には複数扱い)
devote(他)(devote oneselfで)(人が)(~に)身をささげる、専念する、熱中する(to)
himself(代)(再帰的に用いて)(再帰動詞の目的語に用いて)
wholly(副)まったく、完全に
philosophy(名)哲学、哲学体系
realize(他)(事実などを)はっきり理解する、悟る、了解する(+that)
field(名)(活動・研究の)分野、範囲(=discipline)
there's→there was
any(形)(否定文で名詞の前に用いて)(可算の名詞の複数形または不可算の名詞につけて)少しも(~ない)、何も(~ない)、だれも(~ない)
substance(名)資産、財産
apart from ~ ~は別として、~を除いて(=except for)
certain(形)(多くはないが)いくらかの、ある程度の
piece(名)1編の作品(詩、散文、作曲、劇)、1枚の絵、1個の彫刻(など)
Seneca, Lucius Annaeus(名)セネカ(4 B.C.?-A.D.65/ローマのストア派の哲学者・政治家・劇作家/Neroの教師・執政官)
Cicero, Marcus Tullius(名)キケロ(106-43 B.C./ローマの政治家・哲学者・雄弁家)
driven(形)(人が)駆り立てられた
desire(名)(~を求める)欲望、欲求(+to do)
leave(他)(人に)(財産を)残す(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
patrimony(名)(またa ~)世襲財産、家督
due(名)(通例単数形で)当然払われる(与えられる)べきもの
at home 自国で(に)、本国で(に)(⇔abroad)
happen(自)偶然(たまたま)(~)する(+to do)
Portuguese(形)ポルトガル(人、語)の
attach(他)(attach oneselfで)(時に望まれないのに)なつく、慕う(to)
Vespucci, Amerigo(名)ベスプッチ(1454?-1512/イタリアの航海者・探検家/地名のAmericaは彼のラテン名Americus Vespuciusに由来する)
constant(形)忠実な、節操の固い ・a constant friend 忠実な友
companion(名)仲間、友 ・one's constant companion いつも一緒にいる人(動物)、いつも持ち歩いているもの
on(前)(日・時・機会を表わして)~に
latter(形)(the ~、this ~、these ~)(時間的に)後のほうの、終わりの、末の、後半の
three(代)(基数の3)(複数扱い)3つ、3個(人)
of(前)(部分を表わして)~の中の
those(形)(thatの複数形/指示形容詞)(関係詞節による限定をあらかじめ指定して)あの(日本語では訳さないほうがよい)(⇔these)
voyage(名)(船・飛行機・宇宙船による)船、船旅、航海、航行、飛行
read(自)(~のことを)読んで知る(about)
except(接)(しばしばexcept thatで)~であること以外(に)は~、ということ(事実)を別にすれば
didn't did notの短縮形
instead(副)その代わりとして
nag(他)(人に)しつこくせがむ
pester(他)(人などを)(せがんだりして)悩ます、困らす、苦しめる
far(副)(程度に関して)はるかに、大いに、ずっと
prevail(自)功を奏する、首尾よくいく、うまくいく、効く
let(他)(使役を表わして)(人に)(働きかけて)(~)させる(+目+原形)
one(代)(基数の1)(単数形で)(特定の人(もの)の中の)一つ、1個、一人(of)
twenty(形)20の、20個の、20人の
leave behind(~を)置き忘れる、置き去りにする
fort(名)とりで、城砦(じょうさい)、堡塁(ほうるい)
furthest(形)=farthest(形)(farの比較級)(距離的に)最も遠い
final(形)最終の、最後の
so(接)(等位接続詞として)そこで、それで、~ので
leave(他)(副詞句を伴って)置き去りにする
in order to do ~する目的で、するために(は)
gratify(他)(欲望・気まぐれなどを)満たす
inclination(名)(~したい)気持ち、意向、思い
more(副)(~より)むしろ(than)
take up with ~ ~と仲よくなる
travel(名)旅行(すること)
last(形)(通例the ~、one's ~)生涯の終わりの、臨終の
resting place(名)(one's last ~)墓場
habit(名)~する傾向(たち)(of doing)
remark(他)(~だと)言う(+引用)
grave(名)墓、死体を埋める穴
cover(他)かばう、保護される
sky(名)(the ~、the skies)天(国)
whatever(形)(譲歩節を導いて)どんな~でも(=no matter what)
it(代)(非人称動詞(impersonal verb)の主語として)(特にさすものはなく、従って訳さないで文の形式的主語となる)(距離を漠然とさして)
from(前)(空間・時間などの起点を表わして)
heaven(名)天国、天界、極楽(=paradise/⇔hell)(古代の天文学では天を七つ(または九つ)の層と考え、その最上層が神・天使のすみかとされた)
attitude(名)(物事に対する)気持ち、考え、意見(to)
may well do 多分~だろう、(十分)~しそうだ
prove(自)(~であることが)(あとになって)わかる、(~と)判明する、(結果)(~に)なる(=turn out)(+補)
costly(形)犠牲(損失)の大きい
gracious(形)(神が)恵みあふれる、慈悲深い
once(接)ひとたび(いったん)~すると、~してしまえば
depart(自)(人・列車などが)出発する
through(前)(あちこち至る所を表わして)~じゅうを(に)、~の間を(あちこち)
territory(名)地方、地域
along with ~ ~と一緒に、同伴で
five(形)(基数の5)5の、5個の、5人の
at length ついに、ようやく
by(前)(原因を表わして)~のために
happy(形)幸運な
turn(名)(a ~)(情勢の)変化、成り行き(of)
fortune(名)運 ・by good fortune 幸運にも
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in London ロンドンで(に)
Ceylon(名)セイロン島(インド東南方インド洋上の島/Sri Lanka共和国をなす)
get to ~ ~に達する
there(副)(前置詞・他動詞の目的語として/名詞的に)そこ、あそこ(⇔here) ・from there そこから
Calicut カリカット(インド南西部Kerala州のMalabar海岸にある市/植民地時代ヨーロッパ貿易の重要基地/かつてキャラコ(calico)の産地)
where(副)(関係副詞)(制限的用法で)~する、~した(場所、場合など)(「場所」「場合」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
conveniently(副)便利に、都合よく
meet up(偶然)出会う、(動物などに)出くわす(with)
against(前)~にそむいて、~に反して
all(形)(否定的な意味の動詞や前置詞の後に用いて)一切の、なんらの
expectation(名)(時に複数形で)予期、予想、期待 ・against all expectation 予期に反して
regain(他)(場所・状態に)復帰(帰着)する、再び到着する
homeland(名)自国、母国、故国

「それもおおあてはずれ」と彼は言った。「というのは、あの人はパリヌールスのようにではなくユリシーズ、いやプラトンのように船旅をしたからです。ところでこのラファエルは――これは彼の呼び名では姓はヒュトロダエウスですが――、ラテン語にもかなり通じていないわけではないが、むしろギリシア語には非常に通暁しています〔ラテン語よりもギリシア語のほうをよく勉強したのは、彼が哲学に全心を傾倒し、この分野ではセネカキケロの多少の著作以外にはラテン語で価値あるものは皆無だということを知ったからです〕。彼は世界を見たいという望みから、故郷〔彼はポルトガル人です〕にあった自分の財産を兄弟たちにゆずり、アメリーゴ・ヴェスプッチの仲間になりました。そして最近あちこちで読まれているあの四回の航海のうちのあとの三回の航海にはずっと同行していました。その最後の航海からアメリーゴといっしょに帰国しませんでしたが、それまではいつも、アメリーゴの仲間だったのです。
帰ってこなかったというのも、彼は、最後の航海の終わりに城塞にとり残されることになった二十四人の中に自分もはいりたいと熱望し、ついにアメリーゴからその許可をとりつけたからです。それで彼はおきざりになりましたが、(故郷の)墓場よりもむしろ旅を選ぶというその心意気どおりになったわけです。というのも、彼はいつもつぎのようなことを口にしているからです。『柩を持たざるものは、天これをおおう』、それから、『天に到る道程はいずこからなりとも等し』。彼のこういう考え方は、もし神様が彼にたいしてめぐみ深くあらせられなかったら、彼にとって命とりになっていたでしょう。
ところで、彼はヴェスプッチの出発後、城塞に残った同伴のうちの五人といっしょにたくさんの国々を歴訪し、奇跡的な偶然のおかげでついにセイロンへたどりつき、そこからカリカットに出て来ました。そこで、ぐあいよくポルトガルの船団に出くわし、ついに期待もしていなかったのにふたたび祖国に帰って来たのです」

【参考文献】
Utopia (Penguin Classics)』Thomas More・著
ユートピア (中公文庫)』澤田昭夫・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)

『ハムレット』を原書で読む(第7回)

(テキスト9ページ、3行目~)

HORATIO That can I.
At least the whisper goes so. Our last King,
Whose image even but now appeared to us,
Was, as you know, by Fortinbras of Norway,
Thereto pricked on by a most emulate pride,
Dared to the combat; in which our valiant Hamlet —
For so this side of our known world esteemed him —
Did slay this Fortinbras; who by a sealed compact
Well ratified by law and heraldry,
Did forfeit, with his life, all these his lands
Which he stood seised of, to the conqueror;
Against the which a moiety competent
Was gagèd by our King, which had returned
To the inheritance of Fortinbras,
Had he been vanquisher, as by the same covenant
And carriage of the article designed,
His fell to Hamlet. Now, sir, young Fortinbras,
Of unimprovèd mettle hot and full,
Hath in the skirts of Norway here and there
Sharked up a list of lawless resolutes
For food and diet to some enterprise
That hath a stomach in’t; which is no other,
As it doth well appear unto our state,
But to recover of us by strong hand
And terms compulsatory those foresaid lands
So by his father lost. And this, I take it,
Is the main motive of our preparations,
The source of this our watch, and the chief head
Of this posthaste and romage in the land.

Horatio(名)ホレイショー(Hamlet中のHamletの親友)
that(代)(指示代名詞)(前に述べているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと(⇔this)
at least(前言より正確に言い直して)少なくとも
whisper(名)うわさ、風説(=rumor)
go(自)(副詞句を伴って)(表現・話・歌などが)(~と)なっている、展開する
our(代)我々の、私たちの
last(形)(時を表わす名詞の前に用いて)すぐ(この)前の、昨~、去る~、先~(副詞句(節)にも用いる)
whose(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にもコンマが置かれる)そしてその人(たち)の
image(名)形、姿(of)
but(副)ただ、ほんの、~だけ
now(副)(過去時制の動詞とともに)(通例just(only)nowで)たった今、今しがた
appear(自)(ものが)姿を見せる、出現する、現われる(⇔disappear)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
as(代)(前後の主節全体を先行詞として、非制限的に用いて)それは~だが
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+that)
Fortinbras(名)フォーティンブラス(Shakespeare, Hamletで、デンマークの王位を継ぐノルウェーの王子)
Norway(名)ノルウェースカンジナビア半島西部の王国/首都Oslo)
Thereto=to that
pricked on=incited
incite(他)(人を)駆り立てる、扇動する
most(副)(通例theを用いないで)はなはだ、非常に(この語が修飾する形容詞が名詞の単数形とともに用いられる時は不定冠詞を伴う/この意味のmostが修飾する形容詞・副詞は話者の主観的感情・判断を表わす)
emulate=emulous(形)競争する、競争心の強い
pride(名)うぬぼれ、高慢、思い上がり
dare(他)(~を)ものともしない、(~に)敢然と立ち向かう
combat(名)戦闘
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
valiant(形)雄々しい、勇壮な、剛勇の、勇敢な(=brave)
Hamlet(名)ハムレットShakespeareの四大悲劇の一つ/その主人公)
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
so(副)(前出の名詞・形容詞などに代わって)そう
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(近くの時・所をさして)
known(形)(一般に)知られている
world(名)(しばしばthe World)(地球上にある)地域、~世界 ・the Western World 西側世界
esteem(他)(~を)(~と)考える、思う(+目+補)
do(助動)(肯定)(法律文の常套的表現や詩・詩的散文での虚辞として)
slay(他)(人を)殺害する(=murder)
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
by(前)(判断の尺度・標準を表わして)~によって、~に従って
sealed(形)印を押した、封印された
compact(名)契約、盟約
well(副)適切に、ふさわしく
ratify(他)(条約などを)批准する、裁可する
law and heraldry=heraldic law
heraldic(形)紋章(学)の
law(名)(守るべき)おきて、習わし
forfeit(他)(罰として)(財産・権利などを)失う、没収される
his(代)彼の
life(名)(個人の)命、生命
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
land(名)(しばしば複数形で)(所有物としての)土地、地所
stood seised of=was possesed of
possessed(形)(~を)所有して(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(形容詞に伴って)~を
conqueror(名)征服者、戦勝者
the which=which(代)(関係代名詞)(先行する句・節・文またはその内容を受けて)
moiety=portion(名)(通例単数形で)(2人以上で分けられた)分け前
competent(形)要求にかなう、十分な、まずまずの
gagèd=pledged
pledge(他)(~を)質に入れる、担保に入れる
had returned=would have returned
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(would have+過分で/過去の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~しただろう
return(自)(もとの状態に)戻る、回復する(to)
to(前)(結果・効果を表わして)(結果・効果を表わす句を導いて)
inheritance=possession(名)所有(すること)
vanquishervanquish(他)征服する、破る、負かす
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
covenant(名)契約、盟約、誓約
carriage=import(名)(単数形で/通例the ~)趣旨、意味(=content)
article(名)(条約・契約などの)個条、条項、条款
designed=drawn up
draw up(文書を)作成する
his(代)彼のもの(さす内容によって単数または複数扱いとなる)
fall(自)(要塞(ようさい)・都市などが)(敵などの手に)落ちる、陥落する(to)
to(前)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
now(副)(接続詞的に、話題を変える時などに文頭で用いて)さて、ところで、では
sir(名)(男性への呼び掛け)あなた、先生、閣下、お客さん、だんな(見知らぬ人に、召し使いから主人に、生徒から先生に、店員から客に、目下から目上に、または議会で議長に対する敬称/日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い)
young(形)(人名の前に添えて)(同名または同姓の人・兄弟・特に父子などの)年下のほうの ・young Jones 息子のジョーンズ、小ジョーンズ
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の(年齢・形状・色彩などを表わす時、ofを略すことが多い)
unimproved=rash(形)向こう見ずな、無分別な
mettle(名)勇気、根性、気概
hot and full=full of fight
fight(名)闘志、戦意、ファイト
hath(助動詞)(動)(古)haveの直説法3人称現在形 ・he hath=he has
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で
skirt(名)(複数形で)(町などの)周辺、郊外、はずれ(of)
here and there あちこちに(へ)、ここかしこに
Sharked up 鱶(ふか)が餌になるものを何もかも呑み込むイメージ
a list of=a number of ~ かなりの~
lawless(形)(人が)無法な、理不尽な、手に負えない
resolutes=desperades
desperado(名)(特に、米国開拓時代の)無法者、命知らず
For=in return for
in return(~の)返礼に、返報に、見返りに(for)
for(前)(対象)(報償・返報を表わして)(好意・成果など)に対して、~の返報として
diet(名)日常の(飲)食物
to(前)(目的を表わして)~のために、~に
some(形)(単数形の可算の名詞を伴って)何かの、ある、どこかの
enterprise(名)(重要・困難な)企て
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
have(他)(感情・考えなどを)(心に)抱いている
stomach=spirit of adventure
spirit(名)(単数形で/通例修飾語を伴って)心的態度、意図
adventure(名)冒険 ・have a spirit of adventure 冒険心がある
in't→in it
other(代)(通例複数形で/one、some、anyを伴う時は単数形もある)別のもの、これ以外のもの
doth(助動)(古)doの直説法3人称単数現在形 ・he doth=he does
well(副)十分に、よく(=thoroughly)
appear(自)(itを主語として)(~には)(~と)思える、どうも~らしい(+to+名+that)
unto(前)(古)~に、~のほうへ、~まで
state(名)国家、国(一定の領土を有し政治的に組織され主権を有するもの)
But=than(接)(other、otherwise、elseなどを伴って/しばしば否定文で)~よりほかの、~よりほかには
recover(他)(失ったもの・取られたものを)取り戻す
of=from
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
strong(形)(手段・意見など)強硬な、強力な、厳しい
hand(名)手腕、手際、腕前
terms=means(名)方法、手段
compulsatory=compulsory(形)(法・命令によって)強制する、強制的な ・compulsory means 強制手段
foresaid=aforesaid=aforementioned(形)前述の、前記の
lost(形)失われた、遺失した、失った
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
take it 思う
main(形)主な、主要な
motive(名)動機、真意、目的
preparation(名)(通例複数形で)準備(したもの)
source(名)元、源、原因(of)
watch(名)(またa ~)見張り、監視、警備
chief(形)主要な、主な
head=origin(名)原因(of)
posthaste=great expedition
expedition(名)急速、迅速
romage=bustle(名)(単数形で)ざわめき、にぎわい
land(名)国、国土

BARNARDO
I think it be no other but e’en so.
Well may it sort that this portentous figure
Comes armèd through our watch so like the King
That was and is the question of these wars.

Barnardo バーナードー
think(他)(~と)思う、考える(+that)
no other but ~=none other than ~にほかならぬ、まさしく~で
e'en(副)=even(副)(それどころか)いやまったく(本当に)
so(副)(前出または文脈上自明の事柄を受けて)そのとおりで、本当で
Well may it sort=may it have a good issue
may(助動)(祈願・願望・のろいを表わして)願わくは~ならんことを、~させたまえ(mayは常に主語の前に置く)
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
have(他)(~を)得る、もらう、受ける
good(形)具合の良い、好適な、望ましい
issue(名)(通例単数形で)結果、結末
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(主語節を導いて)
portentous(形)不吉な、凶兆のある
figure(名)姿、容姿、風采(ふうさい)
come through ~ ~を通り抜ける
armed(形)武装した(⇔unarmed)
so(副)(程度を表わして)(強意的に)とても、非常に、大変
like(前)~のような、~に似た
question=cause(名)原因、もと(⇔effect)
【参考文献】
Hamlet』William Shakespeare・著(Penguin Classics)
新訳 ハムレット (角川文庫)河合祥一郎・訳
ハムレット (対訳・注解 研究社シェイクスピア選集8)』大場建治・編注訳(研究社)
ハムレット (大修館シェイクスピア双書)高橋康也河合祥一郎・編注(大修館書店)
ハムレット (研究社小英文叢書 (173))』小津次郎・注釈(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『幌馬車』(1950)

この週末は、ブルーレイで『幌馬車』を見た。

幌馬車 Blu-ray

幌馬車 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: Blu-ray
1950年のアメリカ映画。
監督は、『怒りの葡萄』『わが谷は緑なりき』『荒野の決闘』『西部開拓史』の巨匠ジョン・フォード
製作は、『キング・コング(1933)』のメリアン・C・クーパー。
主演は、『ゲッタウェイ』『続・激突!/カージャック』のベン・ジョンソンと、『赤い河』のハリー・ケリー・ジュニア
共演は、『赤い河』のジョアン・ドルー、『荒野の決闘』のワード・ボンド、『怒りの葡萄』のジェーン・ダーウェル、『遊星よりの物体X』『放射能X』のジェームズ・アーネス。
本作は、1871年アメリカ・ユタ州で実際にあったモルモン教徒の集団移住を題材にしている。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
画質はあまり良くない。
1950年よりも、もっと古い映画に見える。
「殺人犯 クレグ一味 シャロー他3名 指名手配」というクレジット。
店を襲った悪党一味。
逃げようとした時、店主が発砲し、リーダーのシャローが肩を撃たれる。
「後悔するぞ!」
店主は発砲されて死亡。
勇ましい低温の合唱曲がテーマ。
本作では、男声の合唱曲が幾つも劇中に流れる。
ラヴィスベン・ジョンソン)とサンデー(ハリー・ケリー・ジュニア)の二人は、12頭の馬を引き連れている。
町に着く。
保安官が「いい馬だ。売るか?」と言って来たので、売る。
この馬は、口笛を吹くと暴れ出す習性があった(これは、後半への伏線)。
また客がやって来る。
モルモン教徒の長老ウィッグスであった。
ラヴィスは、50ドルで吹っ掛ける。
ラヴィス達はナバホで馬を手に入れたのだという。
ウィッグスは「サン・ファンを知っているか?」と尋ねる。
ラヴィスは「サン・ファンへは秘密の道がある」と答える。
ウィッグスは「君達にサン・ファンまで幌馬車の先導を頼む」と言う。
彼らは、モルモン教徒の「約束の地」であるサン・ファンまで、集団で移住するというのだ。
道は険しいので、「幌馬車では無理だ」と答えるトラヴィス
ラヴィス達は、「カード(トランプ)をする約束があるので」と言って、一旦は断る。
カードが終わると、トラヴィスは「オレは行くぞ」と言って立ち上がる。
幌馬車隊で続々と町を出るモルモン教徒達。
ラヴィスとサンデーは幌馬車隊を黙って見送っていたが、やがて馬を飛ばして先頭のウィッグに追い付く。
二人は、450ドルで幌馬車の先導を請け負った。
幌馬車隊はひたすら西へ西へと。
大河を渡る幌馬車隊。
これは迫力がある。
撮影が大変そうだ。
今度は、ギターの音色が聞こえて来る。
若い娘がギターを弾いている。
彼女の後ろに停められた幌馬車の中から、へべれけになった中年女性が出て来る。
そして、幌馬車の前では、中年の男が横になって寝ていた。
真っ昼間なのに。
「水をちょうだい」と言って、倒れる娘。
3人はダンスショーの巡業中の芸人で、飲み水が尽きたので、酒を飲んでいたのであった。
娘の名はデンバージョアン・ドルー)。
中年男はモグリの医者でロックスリー・ホール、中年女はシスター・レードヤードという。
一見、家族のようだが、家族ではない。
ラヴィス達の一行に、彼らも同行することになった。
途中で、飲み水の補給をする一行。
次の水のありかは65キロ先だという。
ロックスリーはヒゲを剃り始めたが、トラヴィスに「水不足だから、ヒゲ剃りは遠慮しろ」とたしなめられる。
「ヒゲ面で観客の前に立てない」とむくれるロックスリー。
デンバーは、幌馬車の中から桶の水を馬にかけるいたずら。
驚いた馬が暴れる。
デンバーに注意するトラヴィス
砂地の道を歩くデンバーに、歩き易い靴を与えるトラヴィス
ラヴィスにほのかな恋心を抱くデンバー
旅は続く。
水を発見した!
急いで走り出す馬達。
まるでクロサワ映画のような迫力である。
もっとも、黒澤はジョン・フォードを師匠と仰いでいたので、こっちがお手本なのだが。
大河があった。
皆、一斉に水浴びをする。
ロックスリーも、心置きなくヒゲを剃り始める。
夜、一行は皆で踊る。
ラヴィスデンバーと踊る。
ロックスリーはダンサーだが、踊らない。
そこへ、銃を持った男達がやって来る。
冒頭の、店を襲撃した連中だ。
踊りがパッタリと止む。
にらみ合うトラヴィス達と男達。
「火が見えたもので」と切り出すリーダーのシャロー。
肩を負傷しているので、腕を吊っている。
「食い物をくれ。」
「少しで良ければ。」
シャローは、肩が痛くて馬には乗れないのだという。
「例の奴らだ」お尋ね者だと気付くトラヴィス
「なぜ銃を?」とトラヴィスがシャローに尋ねると、「人を撃ったことは?」と逆に聞き返される。
「ない、ヘビだけだ」と答えるトラヴィス
これも、後半への伏線。
夜中に、寝ているロックスリーのもとを訪ねるシャローら。
彼らは、無学だから字が読めない。
ロックスリーが「ドクター」だと判ると、「肩を見てくれ」と頼むシャロー。
「資格を持っていないんだ」とロックスリーが告げるも、すがるシャロー。
「これは銃弾の跡だな。」
「未だ鉛の弾が入っている。」
シャローらは、ロックスリーの酒を飲む。
夜が明けた。
連中は厄介者だった。
さあ、これからどうなる?
本作には、あまり細かなストーリーはなく、物語はゆったりと展開する。
終始、昔のマルボロのCMのような景色。
幌馬車が急斜面を下るシーンは、撮影が大変だっただろう。
馬の演技も見事である。
本作は、タイトル通り、正に「幌馬車」が主役だ。
圧巻である。

Wagon Master (1950)

『高慢と偏見』を原書で読む(第43回)

(テキスト46ページ、1行目〜)

CHAPTER X

chapter(名)(書物・論文の)章 ・chapter one 第1章
X(名)(ローマ数字の)10

The day passed much as the day before had done.

pass(自)(時が)たつ、過ぎ去る(=go by)
much(副)(「同じ」を意味する語句を修飾して)ほぼ、大体(as)
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
before(副)(時を表わして)以前に、かつて、すでに ・the day before
do(自)(代動詞としてbe以外の動詞の反復を避けるのに用いて)(同一の動詞(およびそれを含む語群)の反復を避けて)

Mrs. Hurst and Miss Bingley had spent some hours of the morning with the invalid, who continued, though slowly, to mend; and in the evening Elizabeth joined their party in the drawing-room.

Hurst ハースト
spend(他)(時・休暇などを)過ごす
invalid(名)(病気・けがで)体の不自由な人、病人、病弱者
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
continue(他)(~を)続ける、継続する、持続する、(~)し続ける(+to do)
mend(自)(病人・骨折などが)快方に向かう、よくなる(=recover)
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中 ・in the evening 晩に
Elizabeth(名)エリザベス(女性名/愛称Bess、Bessie、Bessy、Beth、Betty、Eliza、Elsie、Lily、Lisa、Liz、Liza、Lizzie、Lizzy)
join(他)(人・団体に)加わる、加入する、(~の)仲間になる
their(代)彼ら(彼女ら)の
drawing room(名)客間、応接間

The loo table, however, did not appear.

loo(名)(トランプ)ルー(罰金が賭け金にプールされるゲーム)
appear(自)(ものが)姿を見せる、出現する、現われる(⇔disappear)

Mr. Darcy was writing, and Miss Bingley, seated near him, was watching the progress of his letter, and repeatedly calling off his attention by messages to his sister.

Darcy ダーシー
write(自)手紙を書く、便りをする
seat(他)(seat oneselfで)(~に)座る、着席する(また受身でも用い、「座っている」の意になる)
near(前(場所・時間などを表わして)~の近くに、~に近く
progress(名)成り行き、経過、進展(of)
his(代)彼の
repeatedly(副)繰り返して、再三(再四)
call off(~を)中止する
attention(名)注意、注目
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に

Mr. Hurst and Mr. Bingley were at piquet, and Mrs. Hurst was observing their game.

at(前)(従事・従事の対象を表わして)~に(取り組み)、~を
piquet(名)(トランプ)ピケット(二人で32枚の札でするゲーム)
observe(他)(~を)観察する

Elizabeth took up some needlework, and was sufficiently amused in attending to what passed between Darcy and his companion.

take up(仕事・趣味などを)始める、(~に)従事する
needlework(名)針仕事(品)
sufficiently(副)十分に、足るだけ
amused(形)おもしろがって、楽しんで
in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して
attend(自)注意する、注意して書く(to)
what(代)(関係代名詞)(~する)もの(こと)(which、who、thatなどと異なり、意味上先行詞を含む関係代名詞で名詞節を導く)
pass(自)(事が)(~の間に)起こる(between)
companion(名)連れ

The perpetual commendations of the lady either on his hand-writing, or on the evenness of his lines, or on the length of his letter, with the perfect unconcern with which her praises were received, formed a curious dialogue, and was exactly in union with her opinion of each.

perpetual(形)絶え間ない、年がら年中の
commendation(名)推賞、称賛
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
either(副)(either ~ or ~で相関接続詞的に)~かまたは~か(どちらでも、いずれかを)
on(前)(関係を表わして)~について、~に関する
handwriting(名)手跡、筆跡
or(接)(eitherと相関的に用いて)~かまたは~か
evenness(名)均一、均等
line(名)(文字の)行
length(名)(文章・映画などの)長さ
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
perfect(形)まったくの
unconcern(名)無関心、むとんちゃく、平気、平然(としていること) ・with apparent unconcern いかにもむとんちゃくそうに
with(前)(感情・態度の対象を導いて)~に対して、~に
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
her(代)彼女の
praise(名)称賛、ほめる(られる)こと
form(他)(ものを)形づくる、形成する
curious(形)不思議な、奇異な、変な
dialogue(名)(小説・劇などの)対話
exactly(副)きっかり、ぴったり
in unison 一致して、調和して(=in concert)
with(前)(一致・調和を表わして)~と
opinion(名)意見、見解
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
each(代)各自、おのおの

“How delighted Miss Darcy will be to receive such a letter!”

how(副)(疑問詞)(感嘆文に転用して)まあ何と、いかに
delighted(形)(~に)大いに喜んで(+that)
will(助動)(話し手の推測を表わして)~だろう
be(助動)(be+to doで)(予定を表わして)~することになっている、~する予定だ

He made no answer.

make(他)(目的語に動作名詞を伴って、動詞と同じ意味をなして)(~を)する、行なう(同じ意味の動詞より、この表現のほうが1回だけの行為であることが強調される)

“You write uncommonly fast.”

write(自)原稿(文章)を書く
uncommonly(副)異常(なほど)に、とても
fast(副)速く、急速に、急いで

“You are mistaken. I write rather slowly.”

mistaken(形)(人が)間違えて、思い違いをして、誤解して(=wrong)
rather(副)どちらかといえば、いやむしろ

“How many letters you must have occasion to write in the course of a year! Letters of business too! How odious I should think them!”

have(他)(しばしば目的語に形容詞用法のto不定詞を伴って)((~すべき(できる))用事・時間などを)もっている、与えられている
occasion(名)(単数形で)(~のための)機会、好機(=opportunity)(+to do) ・I have little occasion to use my English. 英語を使う機会がほとんどない。
in the course of ~ ~のうちに
business(名)業務、事務、仕事、執務、営業
odious(形)とてもいやな、不愉快な
should(助動)(I shouldとして話者の意見・感情を婉曲に表現して)(私としては)~したいが、(私なら)~するところだが
think(他)(~を)(~だと)思う、みなす(+目+補)

“It is fortunate, then, that they fall to my lot instead of to yours.”

it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
fortunate(形)運のよい、幸運な、幸せな(⇔unfortunate)
then(副)(間投詞的に)それにしても
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(主語節を導いて)/(目的語節を導いて)
fall(自)(負担・義務・仕事などが)(~に)ふりかかる、(~の)肩にかかってくる ・It fell to my lot to do the job. その仕事は私がすることになった。
my(代)私の
lot(名)分け前
instead of ~(前置詞的に)~の代わりに
yours(代)あなた(たち)のもの

“Pray tell your sister that I long to see her.”

pray(副)どうぞ、どうか、願わくは(=please)
tell(他)(人に)(~を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+that)
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
long(自)(~したいと)熱望する(+to do)
see(他)(人に)会う、面会する

“I have already told her so once, by your desire.”

so(副)(代名詞的に)(動詞say、tell、hope、expect、suppose、believe、fear、hearなどの目的語として)そう
by(前)(原因を表わして)~のために
desire(名)(通例修飾語を伴って/通例単数形で)望みのもの ・at a person's desire 人の希望により(どおりに)

“I am afraid you do not like your pen. Let me mend it for you. I mend pens remarkably well.”

afraid(形)(~を)心配して、気づかって(よくない事の起こる可能性のある時に用いる)(+that)
pen(名)鵞(が)ペン
let(他)(命令法で)(人・ものなどに)(~)させてください
mend(他)(こわれたものなどを)直す、修理(修繕)する、繕う ・mend a quil pen 鵞ペンを切りなおす
remarkably(副)著しく、目立って、非常に
well(副)上手に、うまく
【参考文献】
Pride and Prejudice (Penguin Classics)』Jane Austen・著
自負と偏見 (新潮文庫)小山太一・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)

『キャット・ピープル』(1942)

この週末は、ブルーレイで『キャット・ピープル』を見た。

キャット・ピープル Blu-ray

キャット・ピープル Blu-ray

  • 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: Blu-ray
1942年のアメリカ映画。
監督はジャック・ターナー
主演はシモーヌ・シモン
本作には、ポール・シュレイダー監督によるリメイク版(1982年)がある。
主演は、ナスターシャ・キンスキーマルコム・マクダウェル
リメイク版は、見たことはないが、ちょうど僕が高校生くらいの頃、近所のレンタル屋に置かれていたから、よく覚えている。
エロティック映画のコーナーにあった。
パッケージのナスターシャ・キンスキーが、それはそれはなまめかしかった。
この頃の僕は、美人のナスターシャ・キンスキーが大好きだった。
なぜ借りなかったのだろう。
今となっては覚えていない。
で、本作はホラー映画の古典とされている。
リメイク版のように(多分)、エロチックな描写があまりないのは、時代のせいだろう。
そう言えば、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』も、リメイク版はジェシカ・ラングが官能的らしい(未見だが)。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
不安げなテーマ曲から始まる。
「谷底に霧が漂うように先祖の罪ははびこり、いつまでもさまよい続ける“死者の先祖返り”ルイス・ジャド」という字幕。
マンハッタンのセントラル・パーク動物園で、ファッション・デザイナーを生業とするセルビア生まれの女性イレーナ(シモーヌ・シモン)が、檻の中にいる一匹の黒ヒョウをスケッチしている。
失敗した絵を丸めて捨てると、一人の男性が「ゴミはゴミ箱へ」的な掲示を指差す。
そして、その男性が声を掛けて来る。
要するに、ナンパだ。
その男性は、造船技師のオリバー(ケント・スミス)だった。
イレーヌの捨てた絵には、剣の刺さったヒョウが描かれていた。
二人は一緒に立ち去る。
話しているうちに、イレーヌの家に着く。
「お茶でもいかが」とオリバーに声を掛けるイレーヌ。
イレーヌにとって、アメリカ人の友達は初めてだという。
この家には、近所の動物園からライオンのうなり声が聞こえて来る。
住民は嫌がっているが、イレーヌは好きだという。
しかし、彼女は、ヒョウのうなり声は嫌いだった。
彼女の部屋には、ネコを刺し貫いた剣を高々と掲げている、セルビアのジョン王の彫像があった。
「なぜこの像が?」と尋ねるオリバーに、彼女は「アメリカ人が大統領を好きなのと同じよ」と答える。
僕は天皇が好きじゃないし、安倍はもっと嫌いだが。
で、ネコは悪魔の使いで、ジョン王が征服した村の住民達は、悪魔に帰依して魔女になったのだと。
それが私の生まれた村なのだとイレーヌは言う。
ともかく、二人は翌日の夜に食事をする約束をする。
翌日、オリバーの勤務先の「C・R・クーパー造船会社」。
オリバーは箱に入った可愛い子猫を連れて来ている。
会社の同僚達は、「オリバーに彼女が出来た」と噂している。
実際、オリバーはそのネコをイレーヌにプレゼントするつもりであった。
ところが、彼がネコを連れて行くと、彼女に対して尻尾を立てて威嚇する。
彼女はネコには好かれないのであった。
仕方がないので、ペットショップに行って、他の動物と交換することにする。
しかし、イレーヌが店に入ると、店内の動物達が皆、一斉に騒ぎ出した。
が、彼女が店を出ると、静かになる。
仕方がないので、オリバーだけが店に入って、カナリアを選んだ。
二人はイレーヌの家へ。
イレーヌは、オリバーに、自分はネコ族の末裔で、キスをしてはいけない、恋に落ちてはいけないという。
自分には邪悪な過去があると説くイレーヌに、「ネコ族なんておとぎ話しさ」と笑うオリバー。
で、早くもオリバーとイレーヌの結婚式。
セルビア・レストランで晩餐会。
店内にいたネコ顔の女が突然、イレーヌに近付いて来て、「私の妹」とつぶやいて去った。
真っ青な顔になるイレーヌだが、他の出席者はセルビア語が分からないので、全く状況が飲み込めない。
オリバーは、その話しを一笑に付す。
で、簡単に言うと、イレーヌは、自分の中の魔性が目覚めてしまうので、セックスが出来ない。
その辺の描写が、当時は検閲の関係で出来なかったのだろう。
だから、リメイク版は官能描写が多くなったらしいが。
そう言えば、キューブリックの『ロリータ』も検閲の都合で性的な描写が出来なかった。
リメイク版は大胆な性描写が盛り込まれたが、だからと言って、名作になった訳ではない。
『キャリー』もそうだったな。
リメイク版がオリジナルを超えることは、まずない。
昨今は、本当にリメイクと続編しかないという、映画文化にとって悲惨な状況だ。
まあいいや。
で、「私の魔性に打ち勝つまで待って」とイレーヌが告げ、二人は別々に寝る。
イレーヌは、結婚して以来、来ていなかった動物園に、1ヶ月ぶりに黒ヒョウを見に来る。
飼育員は、ヒョウは聖書に「最も凶暴な動物」と書かれているとイレーヌに告げる。
イレーヌが自宅で洋服のデザイン画を描いている。
ふと、カナリアのいるカゴに手を入れると、カナリアは暴れ回って死ぬ。
彼女は、カナリアの死骸を手に取り、動物園に行くと、黒ヒョウのエサにした。
これは、なかなか残酷なシーンだ。
描写よりも、行為が残酷だ。
夜になっても、彼女は元気がない。
家の中の雰囲気も暗い。
「あの鳥は私におびえて死んだ。」
「普通のことだよ。」
「無意識に黒ヒョウにやった。それがコワイ。」
「君が信じていることが問題。何とかしなければ。知的な方法で解決しよう。」
で、精神科へ行く。
精神科医催眠療法を行う。
「私の中にいる、目覚めてしまう邪悪」について告白するイレーヌ。
目覚めた彼女は何も覚えていなかったが、精神科医は「スゴイ話しだ」と興味を持つ。
彼女が言うには、嫉妬や欲望を持ったら、ヒョウに変身する。
キスすると邪悪の心が芽ばえ、相手を殺してしまう。
精神科医が分析するには、イレーヌの父親は彼女が生まれる前に死に、幼い頃に友達から「ネコ女」の罵られたことがトラウマになっているのではないかと。
イレーヌが家に帰ると、オリバーの会社の同僚のアリスがいる。
アリスは、精神科医を紹介したのは私だと言う。
オリバーが他の女に結婚生活の悩みを相談していたことを知って、アリスには嫉妬心が芽生える。
「個人的なことを話すなんて! 女には他の女に聞かせたくないことがあるの!」
夜、ヒョウのうなり声が聞こえる。
イレーヌは、真夜中に動物園にヒョウを見に行く。
帰宅して、オリバーに「私を嫉妬させてはいけない」と告げるイレーヌ。
翌日、会社でアリスから、イレーヌは初診以来、精神科に行っていないと聞かされ、心配になるオリバー。
「オレは今まで恵まれて来た。どうしたらいいか分からない」と嘆く。
その話しを聞いたアリスは泣く。
「あなたの苦しんでいるのが耐えられない。心からあなたを愛してる。」
ここで疑問なのだが、それならば何故、アリスとオリバーは先に付き合っていなかったのか?
イレーヌよりも先に知り合っていて、会社の同僚で毎日、顔を合わせていたというのに。
オリバーは「愛とは何だか分からなくなった。オレは妻のことを知らない。」
アリス「私はあなたと分かり合っている。」
一方、イレーヌが動物園に行き、黒ヒョウを見ていると、精神科医がいる。
精神科医は、「人間には邪悪なものを解放したい欲望、殺人願望がある」とイレーヌに告げる。
イレーヌは、「問題は心じゃないの」と言う。
要するに、私の身体が本当に変化してしまうと言いたかったのだろう。
相変わらず、彼女の家の中は暗い。
オリバーは、「君は心を閉ざしている」とイレーヌに言う。
しかし、ここで、あろうことか、またアリスの名前を出してしまう。
その瞬間、イレーヌの表情が硬直する。
ああ、何か分かるねえ、この展開。
オリバーは「ケンカはしたくない」と告げ、仕事が残っているからと会社へ戻る。
会社の入り口では、清掃員のおばさんが掃除をしている。
オリバーは、おばさんに「サリーの店でコーヒーを飲んで来る」と伝える。
イレーヌが会社に電話をすると、残業していたアリスが電話に出る。
沈黙…ガチャ切り。
アリスは帰ろうとするが、会社の出口で、おばさんからオリバーはサリーの店にいると聞き、自分も向かう。
そして、落ち合う二人。
嫉妬に駆られたイレーヌは、店の外から、二人が一緒にいるところを目撃してしまう。
この時点では、未だ浮気ではないのだが、今のイレーヌにそんな言い訳は通じない。
二人が分かれた後、アリスの後を追うイレーヌ。
さあ、これからどうなる?
後半、イレーヌがヒョウに変身しても、姿を見せない。
もちろん、技術的な問題もあるのだろうが、それがかえって恐怖感を増している。
と言うより、本作がホラーの古典として評価されているのは、この部分だろう。
照明と編集で怖さを作る。
今のCGに汚染された映画は、こういう手法を少し思い出した方がいい。
それから、ヒョウがよく演技をしている。
低予算で、短期間で撮影されたらしいから、こういう絵を撮るのは大変だっただろう。
ラスト、何故かジョン・ダン(イギリスのルネッサンス期の有名詩人。普通に英文学史のテキストに出て来る)の詩が引用されている(本物かどうかは知らんが)。

Cat People (1942) Trailer