この週末は、ブルーレイで『マッドマックス』を見た。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2013/12/04
- メディア: Blu-ray
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昔、「日曜洋画劇場」辺りでやたら放映していたような記憶があるが、ちゃんと見るのは今回が初めて。
監督はジョージ・ミラー。
あの名作『ベイブ』の製作と脚本も手掛けている。
続編の『ベイブ/都会へ行く』では監督も務めた(これはちょっと重い映画だった)。
他にも『ロレンツォのオイル』なんかを撮っているんだな(映画館で観たが、あまり覚えていない)。
しかし、何と言っても『マッドマックス』が出世作であり、代表作だろう。
主演はメル・ギブソン。
本作で一躍大スターになった。
だから、アクション・スターかと思いきや、オーストラリア国立演劇学院出身で、『ハムレット』でも主演しているし、『ブレイブハート』ではアカデミー賞監督賞を受賞した。
『マッドマックス』は、一応近未来を舞台にしたSFということになっているが、見ていると、本当に低予算で作られたことが分かる。
如何にもB級SFっぽいオープニング。
だだっ広い野原の中でFuckしているカップルを覗いている警官。
本作における警察は腐敗堕落していて、取り締まられる側のチンピラ達とほとんど差がない。
とにかく、荒れた世界である。
ペシミスティックな未来感なのだろう。
ちょっと『時計じかけのオレンジ』と似ている。
そこに、「警官殺し発生」の連絡が入る。
黄色・赤・青のド派手なパトカー。
この世界では、暴走族が事件を起こすのが日常茶飯になっている。
パトカーと暴走族の車のカーチェイス。
ぶっ壊れても走り続ける。
ひたすらカーチェイス。
『西部警察』を派手にしたみたいだ。
道路で遊んでいた小さな子供の横を猛スピードで走り抜ける車。
スゴイ撮影である。
待機していたマックス(メル・ギブソン)の車が族を追う。
追い付いたが、族の車はトラックに突っ込んで大爆発を起こす。
これにより、マックスは連中から命を狙われる身となってしまったのである。
彼が家に帰ると、幼い子供と奥さんがいる。
森田童子みたいな髪型の奥さん。
仕事のハードさとは打って変わった家庭団欒のひと時。
オーストラリアは、アメリカとは違う独特の雰囲気がある。
音声は吹き替えだろうか、微妙に口の動きとセリフが合っていない。
今度は小さな町にバイク軍団が集結する。
この町は、西部劇のセットのようである。
彼らは駅に着いた棺桶を引き取りに来たらしい。
棺に納められているのは「ナイトライダー」。
先にマックスが追いつめて爆死した暴走族のメンバーであった。
この町で、止めた車の中でイチャついていたカップルがいた。
暴走族の集団にビビって逃げ出すが、バイク連が追って来る。
そして襲撃。
とにかくメチャクチャにぶっ壊す。
バックには『ゴジラ』みたいな重低音の音楽。
チンピラが言う、「Well well well」と。
やっぱり、『時計じかけのオレンジ』だ。
「司法省」というのが出て来るが、警察署のことだろうか。
ただの倉庫みたいな建物なのだが。
オウム真理教の「科学技術省」みたいなものか。
この国の警察は「報告さえ筋が通れば、何をしても構わない」という無法地帯である。
疾走する車のスピード感はスゴイ。
破壊シーンもスゴイ。
マックスの同僚警官グースが、ナイトライダーの復讐をたくらむトーカッター一味に襲われる。
連中は、脱出出来ないグースの車の漏れたガソリンに火をつける。
グースは黒焦げに。
マックスはショックを受け、上司に辞表を提出する。
この上司はスキンヘッドにヒゲをたくわえ、上半身裸で葉巻をくわえている。
ヤクザか。
上司は辞表を受理せず、「2、3週間休め」と言う。
マックスは奥さんと子供を連れて旅行に行く。
車のタイヤがパンクし、修理している間に、奥さんと子供はアイスを買いに行く。
不穏な空気。
案の定、奥さんは連中に襲われる。
何とか逃げたが、彼らを振り切る時に、車をつかんだヤツの手がもげた。
これで、奥さんは連中に執拗に追われる羽目になる。
森の中で襲われ、何とか逃げるが、連中は子供を奪ってしまった。
この後、子供を奪い返し、逃げる→追われるの応酬。
奥さんと子供の乗った車がガス欠で止まってしまった。
絶体絶命の危機。
マックスが到着した時には、既に遅かった。
彼は復讐の念をメラメラと燃やす。
如何にも低予算の作品だが、独特の世界観、疾走する車のスピード感等は特筆すべきものがある。
だが、意外にも残酷シーンの直接描写は少ない。
今ならCGで全部描いてしまうところだろうが、かえってドライな印象を与えるのに成功している。
熱狂的なファンがいるのも理解出来る。
アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭審査員賞受賞。
1980年洋画興行収入6位(1位は『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』。ちなみに、邦画の1位は『影武者』)。