『サンダーボール作戦』

この週末は、ブルーレイで『サンダーボール作戦』を見た。

1965年のイギリス・アメリカ映画。
「007」シリーズ第4作。
なお、僕が最近、「007」ばかり見ているのは、ブルーレイの値段が安いからである。
監督は、『ドクター・ノオ』『ロシアより愛をこめて』『バラキ』のテレンス・ヤング
主演は、毎度おなじみのショーン・コネリー
共演は、『グラン・プリ』のアドルフォ・チェリ、『ロシアより愛をこめて』のマリティーヌ・ベズウィック、シリーズの常連であるバーナード・リーデスモンド・リュウェリンロイス・マクスウェル等。
音楽は、例によってジョン・バリー
プロダクション・デザインは、これまた例によってケン・アダムである。
作品の舞台は、第1作目から中国、ソ連、ドイツと来て、今度はフランスだ。
毎度同じことを書いて恐縮だが、当時のイギリスの対外関係(敵視していた国)がうかがえる。
情熱的なテーマ曲を歌っているのはトム・ジョーンズ
スゴイ声量だが、レコーディング中に卒倒したらしい。
パリで、悪の犯罪組織「スぺクター」が、「NATO計画」なるものを企てていた。
今回の悪役は、片目の男エミリオ・ラルゴ(アドルフォ・チェリ)。
早い話しが、NATOの原爆を奪って、「2億8000万ドルよこせ」と恐喝するのだとか。
NATOのダーヴァル少佐が殺され、ニセ者が本人になりすまして、原爆を積んだ爆撃機に乗り込む。
一方、ジェームズ・ボンドショーン・コネリー)は、本物のダーヴァル少佐の遺体を発見していた。
爆撃機は、まるで『博士の異常な愛情』のようである。
この後の展開も似ているが、当時はそれだけ核戦争というのが身近に感じられていたのだろう。
ニセ・ダーヴァルは乗組員に毒ガスを吸わせ、爆撃機を乗っ取る。
彼は、爆撃機を着水させるが、海から来たラルゴが、ニセ・ダーヴァルを殺す。
冷酷非情な犯罪集団の世界。
ラルゴは、原爆を奪い、船に乗せて運ぶ。
本作の水中撮影は大変そうである。
イギリスの首相に、「原爆はスぺクターが手に入れた。1億ポンドを払わないと、英米の都市を爆破する」という脅迫テープが届く。
そこで、「サンダーボール作戦」が発令される。
要するに、原爆を奪還しろということだ。
ボンドは、バハマ諸島のナッソーへ飛び、ダーヴァル少佐の妹と接触する。
夜、ラルゴがカード・ゲームに興じているところへ、ボンドがやって来る。
二人はカードで対決する。
ボンドがホテルへ行くと、協力者のCIAが来ていた。
この後、ラルゴが部下を人食いザメが泳いでいるプールに放り込むという、『ジョーズ』も真っ青な残酷シーンあり。
深夜、ボンドはラルゴの船の下に潜って、原爆を探す。
毎度のことながら、秘密兵器はかなり都合良く登場する。
ただ、60年代としては、かなり斬新だっただろう。
クライマックスの水中シーンが、セリフもなく、動きも緩やかなのに、延々と音楽だけで続いて、長過ぎると感じた。
それから、カー・チェイスの早回しが、早過ぎて不自然である。
アカデミー賞特殊視覚効果賞受賞。
1966年洋画興行収入1位。