『唇からナイフ』

この週末は、ブルーレイで『唇からナイフ』を見た。

1966年のアメリカ映画。
監督はジョセフ・ロージー
撮影は、『旅情』『戦場にかける橋』『007/カジノ・ロワイヤル』のジャック・ヒルドヤード。
主演は、モニカ・ヴィッティ、『スーパーマン』のテレンス・スタンプ、『遠すぎた橋』のダーク・ボガード
共演は、『アレキサンダー大王』『空軍大戦略』『スーパーマン』のハリー・アンドリュース、『ロミオとジュリエット(1968)』のロベルト・ビサッコ。
20世紀フォックス
カラー、ワイド。
眠っているモデスティ(モニカ・ヴィッティ)のアップから始まる。
時代を感じさせる主題歌。
原色のタイトル・バック。
本作の美術や衣装は、なかなか奇抜である。
色彩感覚が独特で、ちょっとゴダールみたいだ。
街を歩いている紳士。
ある家に着き、ステッキで呼び鈴を押すと、建物ごと爆発する。
イギリスの偉いさん達の会議。
要するに、イギリスは中東マサラ国の石油資源を獲得するための見返りとして、同国元首シークに5000万ポンドのダイヤを贈ることになった。
だが、イギリス秘密諜報部長タラント卿(ハリー・アンドリュース)は、このことを察知した国際ギャング団がダイヤを狙って暗躍し始めたという情報を得た。
そこで、タラント卿は、このダイヤを守るために、札付きの女賊モデスティを口説き落として、ダイヤ護衛に当たらせることにする。
つまり、毒を以って毒を制するという訳だ。
モデスティは、華麗なる引退生活で結婚したがっているようだが。
タラント卿は、マサラ王国の映像をモデスティに見せる。
そして、仕事の依頼をする。
モデスティは、「全ての情報を教えて」と言う。
もし裏切ったら、ダイヤを頂くと。
報酬は前払いで。
モデスティは、この件を引き受ける条件として、長年の相棒ウィリー(テレンス・スタンプ)を仲間として加えることを約束させる。
彼女はウィリーに電話し、「今すぐ来て」と。
モデスティはシークと会う。
モデスティとウィリーは、シークがマサラ国でクーデターを起こした時、この闘いに協力して、シークの絶大な信頼を得ていた。
敵の正体は未だ分からないが、シークは「ガブリエル(ダーク・ボガード)しかいない」と言う。
続いて、南地中海のとある島。
ガブリエル一味の拠点。
彼は、モデスティにまた邪魔をされることを危惧している。
そこへ、スペインで情報を売って捕まったピエロが到着する。
ガブリエルの妻は、ピエロを虐待し、絞め殺して、死体を海に投げ捨てる。
続いて、アムステルダム
遊覧船に乗るモデスティ。
運河に機雷が仕掛けられている。
直前にそれに気付き、モデスティはナイフを投げて仕掛けを切り、助かる。
ハーレム通りのアパートへ。
モデスティはドアベルを押さずに室内へ入る。
一方、酒場ではパコのマジック・ショーが行われていた。
ウィリーは店内に入り、パコのアシスタントであるニコルに声を掛ける。
再び、モデスティのいるアパート。
住人のポールが帰って来る。
彼は、パリでまんまとモデスティに騙されたことがある。
ウィリーは店外でニコルと落ち合う。
モデスティはポールと大ゲンカ。
ポールの部屋に男達が忍び込み、ポールと、入浴中のモデスティを捕まえる。
ちょっとしたお色気コメディ。
拘束されて、止むを得ずウィリーを呼び出すハメに陥るモデスティ。
女から電話が掛かって来て、メイク・ラヴ中だったウィリーの恋人(ニコル)が泣く。
ウィリーは、タラント卿と共にアジトにやって来て、モデスティを助ける。
一方、ガブリエルは島から手下に指令を下す。
ニコルは男達に狙われ、刺される。
モデスティが彼女の傍に駆け寄る。
ニコルは、「黒幕はガブリエルとウィリーに伝えて」と言って、絶命する。
これで、もちろんモデスティも狙われることに。
さあ、これからどうなる?
話しがイマイチ読めないのだが。
要するに、泥棒同士の騙し合いだから、観客も付いて行くのが大変だ。
後半は、当然ながら、モデスティ・ウィリー対ガブリエルの闘いになる。
オシャレな映画なんだけど、面白いかと聞かれると、ちょっと微妙かな。
ヘンな秘密兵器がいっぱい登場するのは、まるで『007』のようだ。
如何にも60年代といった雰囲気は味わえる。
登場人物が皆、タバコをスパスパと吸いまくっているのが、現在では考えられない。
僕は非喫煙者(元喫煙者)だが、行き過ぎた禁煙ファシズムには断固反対だ。