『モンティ・パイソン/人生狂騒曲』

この週末は、ブルーレイで『モンティ・パイソン/人生狂騒曲』を見た。

1983年のイギリス映画。
監督は、『モンティ・パイソン』シリーズのテリー・ジョーンズ
脚本は、『モンティ・パイソン』シリーズのグレアム・チャップマンジョン・クリーズテリー・ギリアムエリック・アイドルテリー・ジョーンズマイケル・ペイリン
主演は、『モンティ・パイソン』シリーズのグレアム・チャップマンジョン・クリーズテリー・ギリアムエリック・アイドルテリー・ジョーンズマイケル・ペイリン
共演は、『モンティ・パイソン』シリーズのキャロル・クリーヴランド
最初に、「本編に先立ち15分程の短編映画を上映します」という字幕が出る。
ユニバーサル・ピクチャーズ
テクニカラー、ワイド。
タイトルは、「クリムゾン 老人は荒野をめざす」。
なお、この部分はテリー・ギリアム監督。
撮影は、『未来世紀ブラジル』のロジャー・プラット。
舞台は1983年のロンドン。
この地は不況のドン底。
終身雇用会社で老人達は奴隷のように働かされていた。
まるで『ベン・ハー』のパロディーのようなガレー船
老人達は、クビを告げられて立ち上がり、海賊になる。
終身雇用会社クリムゾンの船出。
古いビルが海賊船になって航海し、巨大金融街へ到達。
彼らが乗り込む会社は「THE VERY BIG CORPORATION OF AMERICA」。
毎度バカバカしさ全開。
彼らは、「円卓の騎士」ならぬ「電卓の騎士」なのだそうだ。
続いて、「これより本編を上映します」の字幕。
ユニバーサル・ピクチャーズ
テクニカラー、ワイド。
水槽で人面魚が泳いでいる。
レストランで人に食われてしまう仲間の魚。
「生きる意味」とは何か?
オープニングは、テリー・ギリアムの例のアニメ。
パート1は「出産の奇跡」。
分娩室へ運ばれる女性。
出産シーンの血まみれの胎児がグロい。
続いて、「出産の奇跡」パート2。
発展途上築編。
舞台はヨークシャー(名指しかい!)。
コウノトリが赤ん坊を落として行く。
異様に子沢山(何十人?)な家庭。
工場勤めの父親が失業する。
「子供達を全員、科学実験用に売る」と宣言する父親。
ちなみに、ここでは入浴中の女児が映る。
これは「児童ポルノ」ではないのか?
前歯のない女の子がキレイな声で、「すべての精子は大切」という、トンデモナイ歌をうたう。
まあ、歌と踊りは素晴らしいんだが。
ここでは、避妊を禁じるカトリックと、そうではないプロテスタントの対立が描かれている。
昨今の少子化の日本にも通じるテーマなので、タブーだが、笑えない。
パート2は「成長と学習」。
教会でたくさんの子供達が説教を聴いている。
学校では、先生が「セックス」について講義。
実演もある。
まあ、どんなことでも、学校で教えると、つまらなくなる。
しかし、未婚・晩婚・少子化の進む日本では、いつまでも性教育についてタブーでいいのだろうか。
このパートも、ブラックな笑いだが、実は深刻なテーマ。
この学校では、教師と生徒の対抗ラグビーが行われ、教師が生徒をボコボコにする。
そして、パート3「お互いに戦うこと」。
舞台は戦場。
みんな死ぬ。
戦争を痛烈に皮肉っている。
ここで、「映画の折り返し地点」。
パート4「中年」。
パート5「臓器移植」。
これまた、深刻なテーマだなあ。
ここで、一番最初の老人の海賊に一瞬つながる。
パート6「晩年」。
ヒッチコックの5倍位の体積のあるクレオソート氏(テリー・ジョーンズ)がレストランで高級料理を食っては吐きまくる。
このゲロの描写がすさまじい。
絶対に食事中に見てはいけない。
クレオソートって、正露丸の原料?
昔、ローマ帝国の貴族の宴では、豪華な料理を食っては吐き、食っては吐きしたらしいが。
あれはフェリーニの『サテリコン』だっけ?
パート6B「人生の意味」。
パート7「死」。
まあ、一口に「人生の意味」と言っても難しいが、それぞれなかなか考えさせられるテーマを含んでいる。
哲学的な内容である。
ブラック・コメディーという形態を取ってはいるが。
しかし、難しい。
見終わった後に、消化不良な感じは残る。
ただ単に笑い飛ばす映画ではない。
カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞。