『イージー・ライダー』

この週末は、ブルーレイで『イージー・ライダー』を見た。

2度目の鑑賞である。
1969年の作品。
言うまでもなく、アメリカン・ニュー・シネマの代表作の一つだ。
デニス・ホッパーは、この作品でカンヌ映画祭で新人監督賞を受賞している。
しかしながら、見終わった後に、これほど後味の悪さが残る映画もなかなかない。
僕の友人に、ロックとバイクをこよなく愛するヤツがいて、彼は本作を崇拝しているが。
主演は、ホッパーとピーター・フォンダ
ジャック・ニコルソンイカれた弁護士役で出てくる。
脚本はホッパー、フォンダとテリー・サザーン(『博士の異常な愛情』を書いた人だ)。
僕は洋楽の素養がないので、何も語れないが、全編ロックで満たされている。
その大半が、誰でも一度は耳にしたことがある曲だ。
ストーリー自体は大したことがない。
ヤク中の風来坊が、バイクでアメリカを旅する。
まあ、ロード・ムービーとも言える。
この広大なアメリカの自然の中を貫く、他に誰もいない一本道を、延々とバイクで走る風景の壮大さは、さすがアメリカだ。
鈴木宗男先生が北海道にクマしかいない高速道路を作ったからけしからんなどと、国会で下らない議論をしている日本とは訳が違う。
たとえ人がいなくても、道路がなければ、どこにも行けないではないか。
それはさておき、途中でヒッピーなんかも出てくるし、当時のアメリカの状況を色々と反映しているのだろうが。
その辺の事情に詳しくないと、この作品のどこが評価されているのか、よくわからないのかも知れない。
いつの時代も、社会からはみ出した人間に対して、世間の風当たりは強いものだが。
この作品は常軌を逸している。
どうにも、結末に納得が行かない。
この作品が悪いと言うのではなくて、あまりにも理不尽過ぎる。
見た人にはわかるだろう。
時間の経過を表す時に、チカチカと点滅するような画面の切り替えや、自在にズームするカメラなんかは斬新なんだろうけど。
最後の方は、まるで学生が撮った8ミリのよう。
ストーリーを重視する人には向かない作品かも知れない。
とにかく、世の中は矛盾だらけということだけは、よくわかる。