『ゴールドフィンガー』

この週末は、ブルーレイで『ゴールドフィンガー』を見た。

1964年のイギリス・アメリカ映画。
「007」シリーズ第3作。
我々の世代で「ゴールドフィンガー」と言えば、郷ひろみの「アチチ・アチ」が真っ先に思い浮かぶが。
監督は、『空軍大戦略』のガイ・ハミルトン
主演はショーン・コネリー
共演は、『史上最大の作戦』のゲルト・フレーべ、シリーズの常連であるバーナード・リーデスモンド・リュウェリンロイス・マクスウェル等。
音楽は、前作に続いてジョン・バリー
プロダクション・デザインは、『ドクター・ノオ』『博士の異常な愛情』『バリー・リンドン』のケン・アダム。
オープニングの小話は、ボンド映画の定番らしいが、本筋とあまり関係がなさそうなので、割愛する。
シャーリー・バッシーによる主題歌は、CM等でも使われているので、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。
名曲である。
ジェームズ・ボンドショーン・コネリー)はマイアミへ飛んだ。
今回の任務は、イカサマ賭博をしてカモからカネを巻き上げるゴールドフィンガー(ゲルト・フレーべ)を監視すること。
1作目の悪役が中国、2作目がソ連、3作目がドイツということで、当時のイギリスがどの国を敵視していたかがよく分かる。
どうでもいいが、マイアミの景色は思い切り合成である。
役者がマイアミへ行く予算をケチったのか。
ボンドがゴールドフィンガーの部屋に忍び込むと、美女が双眼鏡でカードゲームの対戦相手のカードを覗き、無線でゴールドフィンガーに教えている最中であった。
ボンドは彼女を口説く。
ボンドが彼女に説く世の中のルールの内、「ビートルズは耳栓をして聴くべし」というのがあった。
今やロックの聖典なのに、当時は世間からどういう扱いを受けていたのかがうかがえて面白い。
突然、ボンドは「ルネッサーンス」みたいなヒゲ面のアジア人(この人は元プロレスラーで、日系アメリカ人らしい)に襲われ、気絶する。
ボンドが気付くと、先の美女が全身に金粉を塗られてベッドの上で死んでいた。
昔、樹まり子の出ているAVで、全身に金粉を塗られているのがあったが、ここからパクっているんだろうな。
それはさておき、英米は世間に流通している金を管理し、ドルとポンドの価値を保っているらしい。
金本位制じゃなくてもそうなのか(経済のことはよく分からん)。
ゴールドフィンガーは金を密輸し、世界中に2000万ドル分も持っているらしい。
で、ボンドはそれを調査するように命じられる。
5000ポンドの価値のあるナチスの金塊をエサにゴールドフィンガーに接近する。
今回の秘密兵器は、アストン・マーティンという、色々な装備の付いた車だ。
クルマに疎い僕には、何がいいのか、さっぱり分からんが。
ボンドとゴールドフィンガーは、先の金塊を賭けてゴルフを行なう。
先程の「ルネッサーンス」みたいなアジア人(役名はオッド・ジョブ)がキャディーであったが、ボールをすり替えてイカサマをしていた。
ボンドはそれを見抜き、相手のルール違反を指摘して勝利する。
ゴールドフィンガーはボンドに警告を発する。
怖いねえ。
ボンドはゴールドフィンガーを先の車で尾行する。
途中、美女に狙われる。
ボンドは彼女とカー・チェイスを繰り広げる。
タイヤにギザギザの歯が付いた、『ベン・ハー』の戦車みたいな特殊装備で、彼女のクルマをパンクさせる。
自分がやったクセに、「大丈夫かい?」と彼女に近付き、自分の車に乗せるボンド。
何なんだ、この女たらしは!
彼女はティリーという名で、金粉を塗られて死んだジルの妹であり、ゴールドフィンガーに復讐しようとしていたのである。
ボンドは、彼女を途中で降ろして、オーリック社へ向かう。
オーリック社は、金を溶かす秘密工場を持っていて、そこにはゴールドフィンガーもいた。
彼らは、「グランド・スラム計画」という謎のプランを実行しようとしているようであった。
その頃、ティリーもゴールドフィンガーを狙っていた。
ボンドとティリーは一味に発見され、一緒に逃げる。
追って来るのは、先のオッド・ジョブを筆頭に、多数のアジア人。
何か、この辺がアジア人を見下しているように見えて、不快だ。
アジア人をバカにするな!
ティリーは、オッド・ジョブに殺されてしまう。
そして、ボンドも捕まってしまった。
さあ、どうする?
この後、アメリ連邦政府が金塊を保管しているケンタッキー州のフォート・ノックスに舞台が移る。
ここのセットが、本当に大掛かりで、さすがケン・アダムである。
で、詳しくは書かないが、ゴールドフィンガーがここの金塊を奪うために毒ガスをまいて6万人を失神させるという、大げさな話しなのだ。
東宝のメーサー車みたいな武器も出て来る。
スケールは、デカイと言えばデカイが、かなり荒唐無稽である。
それに、ご都合的なストーリー。
何よりも、有色人種と女性を蔑視しているのが許し難いが、それが、このシリーズなのだろう。
今回は、お色気シーンは少ない。
アカデミー音響効果賞受賞。
1965年洋画興行収入1位(ちなみに、邦画の1位は『赤ひげ』)。