『クリスマス・キャロル』を原書で読む(第8回)

(テキスト7ページ、3行目~)

‘Are there no prisons?’ asked Scrooge.

there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
prison(名)刑務所
ask(他)(人に)(~を)尋ねる(+引用)/(+目+wh.)
Scrooge スクルージ(Dickens, A Christmas Carolの主人公/守銭奴だったが、クリスマスの精霊の導きで改心し、人から愛される慈悲深い人物になる)

‘Plenty of prisons,’ said the gentleman, laying down the pen again.

plenty(代)(plenty of ~で)たくさんの~、十分な(述語動詞の数はplenty ofの次の名詞の数に一致する)
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)/(+that)
gentleman(名)紳士(育ちがよく他人に対して礼儀正しく名誉を重んじる男子/⇔lady)(イギリス紳士の典型は、山高帽(bowler)をかぶりダークスーツを着て、天気に関係なく細くきちんと巻いた傘をステッキ代わりに持ち歩くとされているが、今では少ない)
lay down(~を)(~に)横たえる、下に置く
pen(名)(しばしば複合語で)ペン

‘And the Union workhouses?’ demanded Scrooge.

union(名)(the Union)イギリス連邦連合王国
workhouse(名)(英)(昔の)救貧院(=poorhouse)
demand(他)(~を)要求する(+引用)

‘Are they still in operation?’

still(他)まだ、今までどおり
in operation 活動中の(で)

‘They are. Still,’ returned the gentleman, ‘I wish I could say they were not.’

return(他)(~に対して)(返事を)する、答える
wish(他)(現在の実現不可能なことの願望を表わして)(~であればよいのにと)思う(+that)(thatは省略されるのが普通で、節内には(仮定法)過去形が用いられる)
could(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在の事実に反対の条件節、または願望を表わす名詞節に用いて)~できる(なら)

‘The Treadmill and the Poor Law are in full vigour, then?’ said Scrooge.

treadmill(名)踏み車(平らに置いた円盤の周囲を人や牛馬に踏ませ、これを回転させその動力をいろいろな機械に応用した装置/昔は獄舎内で懲罰として用いた)
poor law(名)(昔の)貧民救助法
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
full(形)最高の、最大限の、精いっぱいの
vigour(名)(英)=vigor(名)(運動などに表われた)勢い、活発な
then(副)(通例文頭または文尾に用いて)それなら、(それ)では

‘Both very busy, sir.’

both(代)(複数扱い)両者、両方、双方
sir(名)(男性への呼び掛け)あなた、先生、閣下、お客さん、だんな(見知らぬ人に、召し使いから主人に、生徒から先生に、店員から客に、目下から目上に、または議会で議長に対する敬称/日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い)

‘Oh! I was afraid, from what you said at first, that something had occurred to stop them in their useful course,’ said Scrooge.

oh(間)(しばしば直後にコンマや!などを従える)(驚き・恐怖・苦痛・願望・反応・了解などを表わして)ああ!、おお!、おや!
afraid(形)(~を)心配して、気づかって(よくない事の起こる可能性のある時に用いる)(+that)
from(前)(根拠・動機を表わして)~から(判断して)
what(代)(関係代名詞)(~する)もの(こと)(which、who、thatなどと異なり、意味上先行詞を含む関係代名詞で名詞節を導く)
at first 最初は、初めは
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(形容詞・自動詞などに続く節を導いて)(文法的に副詞節とも考えられるが、意味上他動詞相当句と考えて名詞節に入れる)・I'm afraid that he will not come. 彼は来ないだろうと思う。
something(代)(肯定文で)何か、あるもの、ある事(形容詞は後に置く)(+to do)
occur(自)(事が)(~に)起こる、生じる、発生する
in(前)(方法・形式を表わして)~で、~をもって
their(代)彼ら(彼女ら)の
useful(形)役に立つ
course(名)過程、経過

‘I’m very glad to hear it.’

I'm I amの短縮形
glad(形)うれしくて、喜ばしくて(⇔sad)(+to do)・I'm very glad to meet you. お目にかかれて大変うれしいです。

‘Under the impression that they scarcely furnish Christian cheer of mind or body to the multitude,’ returned the gentleman, ‘a few of us are endeavouring to raise a fund to buy the Poor some meat and drink, and means of warmth. We choose this time because it is a time, of all others, when Want is keenly felt, and Abundance rejoices. What shall I put you down for?’

under(前)(状態を表わして)(~の支配・監督・影響など)のもとに
impression(名)(通例単数形で)(漠然とした)感じ、気持ち(=feeling)(+that)・He seems to be under the impression that I agree with him. 彼は私が同意見だとでも思っているようだ。
that(接)(名詞節を導いて)(~)という/(同格節を導いて)
scarcely(副)ほとんど~ない
furnish(他)(~を)(人に)与える(to)
Christian(形)キリスト教徒らしい、隣人愛をもっている
cheer(名)激励、励まし
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
multitude(名)大勢、多数
few(代)(複数扱い)(a ~の形で肯定的用法で)少数の人(もの)(=some)(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
endeavour(自)(~しようと)努力する(+to do)
raise(他)(金を)調達する、工面する ・raise funds 資金を調達する
fund(名)資金、基金、基本金
buy(他)(ものを)買う、購入する、(人に)(ものを)買ってやる(⇔sell)(+目+目)
poor(形)(the ~/名詞的に/複数扱い)貧乏な人々、貧民(⇔the rich)
meat(名)(鳥肉(poultry、fowl)、魚肉(fish)と区別して食用とする動物の)肉
drink(名)飲み物、飲料
means(名)方法、手段(of)
warmth(名)暖かさ、暖気
this(形)この(⇔that)/(近くの時・所をさして)・this time この時
time(名)(特定の)時、時期 ・this time この時
because(接)(副詞節を導いて)(なぜなら)~だから(である)、~なので
of all others いっさいの中で、なかんずく
when(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(~すると)その時
want(名)困窮、貧困
keenly(副)痛烈に
feel(他)(立場などを)自覚する
abundance(名)裕福
rejoice(自)(~を)喜ぶ、うれしがる、祝賀する
what(代)(疑問代名詞)どれほど、いくら、いかほど
shall(助動)(意志未来を表わして)(通例Shall I ~ ?で相手の意向・決断を尋ねて)~しましょうか、~したらよいでしょうか
put ~ down for ~(~(の名)を)(~の寄付(申し込み)者)として書く

‘Nothing!’ Scrooge replied.

reply(他)(~と)答える(目的語には答える内容がくるので、人称代名詞やletterなどの名詞は用いられない)(+引用)

‘You wish to be anonymous?’

wish(他)(~)したい(と思う)(+to do)
anonymous(形)匿名の

‘I wish to be left alone,’ said Scrooge.

leave ~ alone(通例命令法で)(人・ものを)かまわずに(そのままにして)おく

‘Since you ask me what I wish, gentlemen, that is my answer. I don’t make merry myself at Christmas, and I can’t afford to make idle people merry. I help to support the establishments I have mentioned: they cost enough: and those who are badly off must go there.‘

since(接)(理由)~だから、~のゆえに
what(代)(疑問代名詞)(不定数量の選択に関して用いて)何、どんなもの(こと)、何もの、何事/(目的格の場合)
wish(他)(人が)(~を)望む
that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと
my(代)私の
don't do notの短縮形
make merry(飲んだり食べたりして)浮かれ騒ぐ、陽気に騒ぐ(遊ぶ)
myself(代)(強調に用いて)私自身/(Iとともに用いて同格的に)
at(前)(時の一点を表わして)~に ・at Christmas クリスマス(の時期)に
can't cannotの短縮形
afford(他)(通例can、could、be able toに伴って)(人が)(~する)余裕がある(+to do)
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
idle(形)(人が)怠惰な、なまけている
people(名)(通例修飾語またはtheを伴って)(特定の場所・階級・団体・職業・民族などに属する)住民、人々
merry(形)笑い楽しむ ・Merry Christmas! クリスマスおめでとう。
help(他)(人を)助ける、援助する、救う、(人の)(~する)手伝いをする(+to do)
support(他)(施設などを)(財政的に)援助する
establishment(名)助ける、援助する、救う、(人の)(~する)手伝いをする(+to do)
mention(他)(~のことを)(口頭または文書で話などのついでに)簡単に述べる、(~を)話に出す、(~に)言及する
cost(他)(物・事が)(~の金額が)かかる、価格(値段が)が(~)する
enough(代)(単数または複数扱い)十分(な量、数)
those(代)(指示代名詞)(whoなどの関係代名詞を伴って)(~な)人々(⇔these)
who(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(人)(通例「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主格の場合)
badly(副)ひどく、激しく
off(副)(well、badlyなどの様態の副詞を伴って)暮らし向きが~で ・He's badly off. 彼は暮らしが苦しい。

‘Many can’t go there; and many would rather die.’

many(代)(複数扱い)多数(の人、もの)
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(強い願望・選択を表わして)~したいと思う
rather(副)(would rather ~で)いっそ~したほうがよい
die(自)(人・動物が)死ぬ

‘If they would rather die,’ said Scrooge, ‘they had better do it, and decrease the surplus population. Besides — excuse me — I don’t know that.’

if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(現在の事実に反する仮定を表わす場合)(if節中では過去形を用い(be動詞はwere)、帰結の主節には通例would、shouldなど助動詞の過去形が用いられる)
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(主節の意志を表わす条件節で)もし~する意志さえあれば
had better do ~すべきだ、~するのがよい、~したほうがよい(主語が1人称以外の時には忠告・命令、また時には威嚇の意味合いをもつので、特に2人称では目上の人には用いるべきではない)
and(接)(等位接続詞)(命令法またはそれに相当する語句の後に用いて)もしそうすれば
decrease(他)(~を)減少させる、低下させる
surplus(形)過剰の、余剰の(=extra)・surplus population 過剰人口
population(名)人口
besides(副)そのうえ、なお(また)
Excuse me(見知らぬ人に話しかけたり、他人に異議を唱える時などに用いて)失礼ですが

‘But you might know it,’ observed the gentleman.

might(助動)(仮定法過去)(条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で)/(非難・遺憾の意を表わして)~してもよさそうなものなのに
observe(他)(~と)述べる、言う(+引用)
【参考文献】
Penguin English Library a Christmas Carol (The Penguin English Library)』Charles Dickens・著
クリスマス・キャロル (角川文庫)』越前敏弥・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)