『シノ―ラ』

この週末は、ブルーレイで『シノ―ラ』を見た。

1972年のアメリカ映画。
監督はジョン・スタージェス
『荒野の七人』の監督だ。
主演はクリント・イーストウッド
出演作はたくさんあり過ぎるので、省略。
共演はロバート・デュヴァル
『マッシュ』『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザーPARTⅡ』『ネットワーク』『地獄の黙示録』等にも出演した名優である。
余談だが、細君のお父さんに顔が似ている。
それから、ジョン・サクソン
彼は『燃えよドラゴン』でブルース・リーと共演していたな。
音楽は『暴力脱獄』『ダーティハリー』『燃えよドラゴン』のラロ・シフリン
荒野を走る馬車。
エレキ・ギターのシンプルなテーマ曲。
時は20世紀初頭。
所は、メキシコとの国境に近いアメリカの片田舎・シノ―ラ。
西部劇によくある集落のセットである。
ここでは白人の地主と、メキシコ人の農民との土地所有権をめぐる衝突が絶えなかった。
流浪のガンマン、ジョー・キッド(イーストウッド)は、些細なトラブル(シカを襲ったとか、放尿したとか)が元でシノ―ラの町の留置所に放り込まれている。
裁判所で判決を受けるが、その時、法廷にメキシコ人の武装集団が乱入、ジョーは否応なしに騒動に巻き込まれる。
武装集団は自分たちが土地を取り上げられる根拠となった権利書を燃やし、留置場にとらえられていた仲間のメキシコ人を牢から出す。
彼らを率いるチャマ(ジョン・サクソン)は判事を捕らえようとする。
しかし、ジョーは判事を裏口から逃がす。
ジョーは、バーでビールを飲みながら武装集団にライフルを放つ。
この場面は、『ダーティハリー』そのものである。
チャマは逃走し、町民による捜索隊が結成される。
そこへ、大地主ハーラン(ロバート・デュバル)の一行が到着。
彼は一流のガンマンを何人も引き連れてチャマを倒そうとしていた。
ホテルの先客を追い出して占拠するなど、傍若無人に振る舞うハーラン達。
ハーランはジョーを呼び、彼の罰金を肩代わりしてやるから、10日間ほど雇いたいと提案する。
当初、ジョーはチャマに関わる気はなかったが、自分の馬を彼に盗まれたことがきっかけで対決しようと決意。
ジョーはハーランに1000ドルの報酬を要求し、彼らの護衛を引き受ける。
辺りはゴツゴツの岩だらけ。
向こうには高い山が見える。
この景色は、アメリカならではのものだろう。
ところが、追跡の旅を続ける内、ハーラン達の正体が次第に明らかになる。
メキシコ人を迫害し、土地を奪うためなら如何なる手段もいとわない、血も涙もない地主一味なのであった。
ジョーは「ムダな血を流すな」と言う。
それに対し、ハーランは「私に刃向かう者は地獄に送る」と言うのであった。
ハーラン達は、チャマと共にいたメキシコ人の娘を人質に取り、彼に投降を迫る。
チャマ達の本拠地となる村を襲い、やりたい放題のハーラン一味。
自らの判断を誤ったと考えたジョーは、ハーランを裏切ることにする。
本作がどうも感情移入し難いのは、このジョーの寝返りという展開がちょっと唐突で、イマイチ説得力がないからだ。
そもそも、本作のロバート・デュバルは、あまり悪者らしくない。
ジョーが単に気紛れで寝返ったようにも見えてしまうのである。
ハーランは「我々はここでチャマを待つ。現れなければ、住民を5人ずつ銃殺する」と宣言する。
更に、「ジョーは用済みだ」と言って、彼の銃を取り上げてしまう。
ハーランがチャマに使いに出した少年が戻って来ない。
チャマが見付からないのだろうか。
教会の神父がジョーに銃をくれた。
神父は「住民を犠牲にしたくない」と言う。
自らの判断を誤ったと考えたジョーはハーランを裏切り、メキシコ人の娘を救ってチャマの元へと向かった。
チャマに会い、自首を勧めるジョー。
チャマ達を連れて、ジョーはシノーラの町に戻る。
だが、あくまでチャマを殺そうとするハーランたちは、手ぐすねを引いてジョーたちを待ち受けていた。
真の悪は腐敗した権力者達だと悟ったジョーは、ハーランに最後の戦いを挑む。
ジョーの反撃は、『必殺仕事人』みたいだ。
本作は、メキシコ人が登場するので、セリフにスペイン語が混じる。
舞台となる高山のふもとは寒そうだ。
クライマックスはハチャメチャで、ドリフのコントのようである。
しかも、イマイチ盛り上がらない。
そして、イーストウッドは毎度、同じようなキャラクターである。