この週末は、ブルーレイで『大いなる西部』を見た。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: Blu-ray
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監督は、『ベン・ハー』の巨匠ウィリアム・ワイラー。
主演は、『ナバロンの要塞』『アラバマ物語』『オーメン』のグレゴリー・ペック。
共演は、『ハムレット(1948)』『スパルタカス』のジーン・シモンズ、『十戒』『ベン・ハー』『エル・シド』『猿の惑星』『大地震』『ハムレット(1996)』のチャールトン・ヘストン。
豪華スターの競演である。
広大な原野を疾走する馬車から始まる。
有名なテーマ曲。
西部の町。
東部からやって来たジム・マッケイ(グレゴリー・ペック)が馬車から降りて来た。
彼は地元の有力者テリル少佐の娘パットと婚約している。
スティーヴ(チャールトン・ヘストン)はテリル少佐に仕えている。
ジムはパットと会う。
東部からやって来たジムは、見るからに立派な身なりで、明らかにこの町では浮いている。
パットも、有力者の娘らしい優雅さ。
彼女は、友人で学校の先生をしているジュリー(ジーン・シモンズ)の所にいる。
ジュリーも、こじんまりとはしているが、知識階級らしく、この町の中ではいい暮らしをしているようだ。
ジムはパットと一緒に馬車に乗る。
すると、荒くれ者達のカモにされる。
連中が馬で追い掛けて来た。
この馬の疾走感がスゴイ。
さすが、『ベン・ハー』の監督である。
荒くれ者は、ジュリーの家へ行った。
コイツは、実はテリル家と争っているヘネシー家のドラ息子で、バックという。
彼はジュリーのことが好きだが、彼女には全くそんな気はない。
ジムとパットは、何とかテリル少佐の牧場に着く。
西部劇にはあまり出て来そうにない立派な家である。
牛も無数にいて、地平線の彼方まで、アリのようにうごめいている。
牧場の面倒を見ているイタリアなまりの男によると、1万頭はいるらしい。
本作は、僕がこれまでに見て来たマカロニ・ウェスタンなんかと比べると、圧倒的に金が掛かっているようだ。
ジムは、牧場労働者からも好奇の目で見られる。
牧場主であるテリル少佐の家は、とにかく大変な豪邸である。
そして、東部出身のジムが、如何に西部では浮いているかも強調される。
知的な優男のイメージがあるグレゴリー・ペックにはピッタリの役だろう。
肉体派のチャールトン・ヘストンとは、誠に好対照である。
ジムからすると、荒くれ者は人間のクズだろう。
テリル少佐は、「ビッグ・マディ」と呼ばれる水源地を巡って争っているヘネシーを撃ちに行くと言う。
ジムは反対するが、聞き入れられない。
テリルは、大勢の部下達を連れて出発する。
地平線の彼方へ消えて行く馬の群れ。
これは大スクリーンで観たい。
我が家は40インチの液晶だが、これでブルーレイなら何とかなるが、DVDでブラウン管だと、ただのノイズにしか見えないかも知れない。
テリル少佐は、ヘネシーの地元でやりたい放題に暴れ回る。
子の時の駆け巡る馬達は、『七人の侍』を彷彿とさせる。
ジムは、サンダーという名の暴れ馬に乗る。
この馬は本当に言うことを聞かないので、ジムは意地になる。
この馬は、かなりの演技派だ。
一方、テリル少佐の大軍は町へ行き、破壊活動を繰り広げている。
ヘネシーのドラ息子バックは、その場から逃げ出す。
彼は卑怯者だ。
これが、後の重要な伏線になる。
テリル少佐の留守中に、ジムはサンダーを手なずけることに成功する。
その夜、テリルの家でパーティーが行われた。
ジムとパットの結婚のお披露目である。
パットに想いを寄せるスティーヴは、恨みがましい顔をしている。
そこへ、銃を持ったヘネシーが単身乗り込んで来る。
朝の仕返しである。
恰幅のいいオッサンで、堂々としている。
「撃ちたければ撃て」と言い放つ。
このヘネシーを演じたバール・アイヴスは見事な存在感で、アカデミー賞を獲得した。
この後、ジムは出て行ってしまう。
スティーヴは、パットに無理矢理キスをする。
半狂乱になったパットは、スティーヴにジムを探しに行くよう命じる。
スティーヴにとっては、酷な命令だ。
ジムは偶然、ジュリーに会う。
そして、一緒にビッグ・マディを見に行く。
ジュリーは、ビッグ・マディの所有者であった。
テリル家とヘネシー家の争いの元になっているこの土地を、ジムは買うことに決めた。
二日間留守にしたが、ジムは無事に戻って来る。
スティーヴはジムにケンカを売る。
男の闘いだ。
いいね。
パットも、ジムの真意が判らず、怒っている。
深夜、ジムとスティーヴは秘かに外で殴り合いの勝負をする。
結局、勝負は付かない。
最初は優男のように見えたジムの意外な男らしさが伺える。
翌朝、ジムは町へと出て行った。
さあ、これからどうなるか。
ストーリーはゆったりと流れる。
なかなか雄大な物語である。
ロング・ショットが多用されていて、非常に映画的だ。
広大な西部の風景は、画になる。
見せ場もたくさんある。
後半の、ジムとヘネシーの息子の決闘シーンが素晴らしい。
僕は『バリー・リンドン』を思い出した。
多くの馬の描写は、まるでクロサワ映画のようである。
アカデミー助演男優賞受賞。
1958年キネマ旬報ベストテン外国映画1位(ちなみに、日本映画の1位は『楢山節考』)。
同年外国映画興行収入3位(1位は『十戒』。邦画の1位は『忠臣蔵』)。