『ロシアより愛をこめて』

この週末は、ブルーレイで『ロシアより愛をこめて』を見た。

1963年のイギリス・アメリカ映画。
「007」シリーズ第2作。
監督は、『ドクター・ノオ』に引き続いてテレンス・ヤング
主演はショーン・コネリー
共演は、『空軍大戦略』『スティング』『ジョーズ』『ザ・ディープ』のロバート・ショウ、シリーズの常連バーナード・リーデスモンド・リュウェリンロイス・マクスウェルユーニス・ゲイソン、マルティーヌ・ベズウィック等。
音楽は、「007」シリーズの他、『真夜中のカーボーイ』『ザ・ディープ』『愛と哀しみの果て』『ダンス・ウィズ・ウルヴズ』『チャーリー』等を手掛けたジョン・バリージェーン・バーキンの元旦那)。
夜、屋敷の庭で金髪の男レッド・グラント(ロバート・ショウ)に絞め殺されるジェームズ・ボンドショーン・コネリー)。
と思いきや、マスクを外すと別人だった。
そして、オープニング・タイトル。
哀愁の漂うテーマ曲。
これは映画音楽のスタンダードにもなっている。
今度はヴェニス
チェスの世界選手権が行われている。
優勝したのはクロンスティーン。
彼は犯罪組織「スぺクター」の一員であった。
で、僕のような素人にはイマイチ細かい設定がよく分からんが、要するに、ソ連の美人スパイ・タチアナ(ダニエラ・ビアンキ)に色仕掛けでジェームズ・ボンドに接近させ、「レクター」という暗号解読機をボンドと共に運ばせ、ボンドを殺して解読機を奪うのが目的らしい。
何か、まどろっこしいな。
スぺクター島では、常時、殺人の訓練が行われている。
ちょっと、『燃えよドラゴン』を思い出した。
場面変わって、イスタンブール
東西文化融合の地だけあって、街並みがエキゾチックで良い。
タチアナに、暗号解読機を持ってイギリスへ連行するよう命令が下され、彼女がボンドのところに派遣されることが決まった。
一方、ボンドは川辺のボートの中でお姉ちゃんとイチャついていたが、呼び出しを食らう。
変なアタッシェ・ケース型の新兵器を渡され、イスタンブールへ飛ぶことになった。
空港では、冒頭に出て来た金髪の男グラントが待ち伏せしていた。
彼は、実は「スぺクター」の刺客であった。
ボンドの後を車が尾行して来る。
まあ、しかし、そんなことは日常茶飯のようで、ボンドは意に介さない。
ボンドはホテルに着いた。
部屋の中を調べると、盗聴器が仕掛けられている。
外には、グラントが追って来ていた。
で、何だかよく分からんが、爆発事件が起きる。
ケリムというおっさんが、ボンドをソ連領事館の下に案内する。
コンスタンティヌス帝が造ったという建物の下には、ネズミがわんさといる。
領事館の下には、潜望鏡が設置されている。
何故、相手方にバレないのか不思議だが。
夜、ボンドはケリムによって、同じ女を愛した二人の女の決闘を見せられる。
そこへ、敵が乱入する。
激しい銃撃戦。
ケリムが敵を撃つ。
ボンドはホテルへ戻る。
先程とは部屋が変わっていた。
ベッドには、裸のタチアナが横になっている。
ボンドは、わざと相手の術中にハマるのか。
それとも、本気なのか。
何だかよく分からんが、いい仲になる。
これは、このシリーズのお約束なのだろうか。
女たらしのボンド。
しかしながら、二人の情事の様子は、全て敵によってハーフ・ミラー越しに覗かれているのであった。
そんなことするんだったら、とっとと撃ち殺してしまえば一発でおしまいなのに。
まあ、でも、そうすると、話しが続かないのかな。
ボンドは船の上でタチアナと会う。
彼女とのやり取りは、二眼レフ(懐かしい!)型のテープ・レコーダーで録音する。
1作目では出て来なかった秘密兵器の類は、本作からのようだ。
で、ソ連領事館を爆破する。
隠れていたネズミの大軍が出て来る。
ボンドは暗号解読機を奪い、タチアナ、ケリムと一緒にオリエント急行に乗る。
そうか、往年のオリエント急行イスタンブール発だった。
オリエント急行が出て来る有名な映画としては『オリエント急行殺人事件』があるが、その前に本作なんだな。
ボンドを追って、グラントも列車に乗り込んで来る。
ケリムおじさんはグラントに殺されてしまう。
どうも、話しの展開が読めない。
何となく見ていると、何となく分かるのだが、説明不足な箇所が多々ある。
まあ、マニアの方は自分で色々と調べているので、よくご存知なのだろうが。
この後、オリエント急行を舞台に、ボンドと敵との闘いが繰り広げられる。
本作は、シリーズの中でも名作とされているらしいが、それはオリエント急行という「画になる」舞台が用意されているからではないか。
特に、食堂車は豪華でいいね。
それから、音楽が素晴らしい。
音楽がいいと、凡作でも名作に感じられる。
全体として、1作目よりも大分カネは掛かっているようだ。
爆破シーンも派手だし、『北北西に進路を取れ』みたいなアクションもある。
ただ、作品としては、普通のスパイ映画だと思う。
余談だが、本作の中では、やたらとタバコのポイ捨てが出て来る。
現在では考えられない。
1964年洋画興行収入6位。
ちなみに、この年の1位は『クレオパトラ』、邦画の1位は『東京オリンピック』である。
そう聞くと、時代が分かる。
もう半世紀も前の作品なんだな。
それが、シリーズとして今も続いているというのは、確かに驚異的だ。