この週末は、ブルーレイで『007は二度死ぬ』を見た。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2013/04/03
- メディア: Blu-ray
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「007」シリーズ第5作。
監督はルイス・ギルバート。
脚本を、あのロアルド・ダールが書いているのが驚き。
主演はショーン・コネリー。
共演は、『豚と軍艦』『日本沈没』『砂の器』『新幹線大爆破』『東京湾炎上』『八甲田山』『皇帝のいない八月』『連合艦隊』『零戦燃ゆ』『226』の丹波哲郎、『キングコング対ゴジラ』『三大怪獣地球最大の決戦』の若林映子、『キングコング対ゴジラ』『キングコングの逆襲』の浜美枝、『ミクロの決死圏』のドナルド・プレザンス、更に、シリーズの常連であるロイス・マクスウェル、デスモンド・リュウェリン、バーナード・リー等。
音楽は例によってジョン・バリー。
プロダクション・デザインは例によってケン・アダム。
主題歌を歌っているのはナンシー・シナトラ。
今回は、キャストからも分かるように、日本が舞台である。
面倒なので、ストーリーは省略する。
60年代の日本の様子がうかがえて興味深いが、突っ込みどころも多数。
以下に、気付いた点を羅列する。
本編は宇宙空間から始まる。
しかし、『2001年宇宙の旅』以前の映像なので、今見ると、ほとんどギャグである。
続いて、香港でのボンドと地元娘のベッド・シーン。
香港のシーンは、カンフー映画のようである。
そして、ボンドが撃たれて死んでしまう。
インチキ・エキゾチックなオープニング。
ゲイシャ・ガールのイメージ等が出て来る。
まあ、これが当時の(もしかしたら、現在も)白人の日本に対するイメージだろう。
で、ボンドは何故か生き返る。
余りに事情が呑み込めないので、口あんぐりである。
ボンドは、色々あって、東京へ行くことになる。
ボンドは「日本語はケンブリッジで習った」と言うが、日本語を話すシーンはほとんどない。
当時の銀座の景色が写されているが、人力車に着物姿の人々等、予想外に古臭い。
ボンドは相撲観戦に行く。
スモウ・レスラーが多数登場。
何故かボンドの隣の席が空いていて、そこに若林映子が座る。
二人は英語で会話する。
ボンドは大里化学とかいう会社に忍び込むが、この建物はホテル・ニューオークラだな。
大企業の社長室に、仏像や甲冑が置かれている。
更に、日本刀を振り回す力士風の男。
日本のイメージはこんなもんだ。
いつもは冴え渡っているケン・アダムのセットも、どうもウソ臭くてイカン。
どうでもいいが、ボンドが出て来るシーンは、皆セットかスクリーン・プロセスである。
本当に日本で撮影したのか、疑わしい。
丹波哲郎登場。
彼は、この頃から既に怪演振りを発揮している。
それにしても、我らが丹波哲郎が悪役じゃなくて良かった。
何故か、丸ノ内線にプライベート車両がある。
ウソつけ!
ボンド曰く、「人肌に燗したsakeが好き」と。
毎回、酒のうんちくが入るねえ。
浴衣を着るボンド。
風呂でボンドの身体を洗う女性達が、絶対に日本人には見えない。
ヘリで吊り上げた車を東京湾に落とすシーンがある。
これはスゴイ。
落ちた車は回収されず、今も海の底に眠っているらしい。
ボンドを迎え撃つチンピラ軍団が多数登場。
昔のヤクザ映画みたいだ。
ボンドは「神戸と上海の間の島」へ行く。
それって本州だろ!
地理がメチャクチャだ。
火口の下に秘密基地がある。
何か、ウルトラセブンっぽいな。
続いて、姫路城に忍者登場!
クロサワ映画ばりのチャンバラを繰り広げる。
もう、いつの時代だよ!
ボンド「タバコは命を救うって、CMみたいだな。」
そんなCM、現代ではあり得ない。
ボンド、日本人に変身する。
が、全然化けられていない。
不美人を差別するボンド。
全く、ヒドイ映画だ。
お箸を使うボンド。
とてもぎこちない。
ボンドが行った漁村の様子が、昔のゴジラ映画のようである(『ゴジラ(第1作)』『モスラ対ゴジラ』)。
つい40年くらい前には、未だこんな風景があったということか。
丸っきり日本に溶け込めていないボンドは、まるで缶コーヒーのCMのトミー・リー・ジョーンズ(宇宙人)のようだ。
ものすごく浮いている。
水着で火山に登る浜美枝。
今、そんなことをしたら、「不謹慎だ」と抗議が殺到するだろう。
そして、スぺクターの親玉が初めて顔を出す。
本作は、日本人の目から見たら、もう何だか荒唐無稽過ぎて、言葉を失う。
それでも、1967年洋画興行収入1位(2位は『グラン・プリ』)。
ちなみに、日本映画の1位は『黒部の太陽』、2位は『日本のいちばん長い日』。