『ナバロンの嵐』

あけましておめでとうございます。
今年も拙ブログをよろしくお願いします。
さて、新年最初のブルーレイ鑑賞は『ナバロンの嵐』。

1978年のアメリカ映画。
どうして、前作から17年も経ってから続編が製作されたのか。
まあ、70年代は「続編の時代」とも言えるが。
もっとも、昨今ほどはヒドくはない。
元旦の新聞のエンターテインメント特集を読んでいて、今年公開予定の映画が大ヒット作の続編だらけで、驚き呆れた。
スター・ウォーズ エピソード7』『アベンジャーズ2』『007』『マッドマックス』『ミッション・インポッシブル5』『ターミネーター』『ジュラシック・パーク4』『バットマンvsスーパーマン』『アバター2』『インデペンデンス・デイ2』…。
もう面倒なので、書かないけど。
何なの、これ。
世も末だ。
今のハリウッドは、続編とリメイクしかない。
完全に企画が干上がっている。
そして、邦画はコミックの実写化しかない。
進撃の巨人』とか。
どうでもいいや。
あと、『ビリギャル』も映画化されるらしい。
そんなもん、誰が観にいくかね。
これじゃあ、どんどん映画館から足が遠のくよ。
昨年は映画館に3回しか行かなかった。
新年早々、愚痴っぽくなったので、話しを元に戻そう。
僕の高校時代の友人に、筋金入りの軍国少年がいた。
彼は、自分の部屋の床の間に日の丸を飾り、修学旅行のバスの中では軍歌を歌い、『連合艦隊の最期』を愛読していた。
防衛大学を受けて不合格になり、1浪の末、R命館大学に入学。
卒業後、帝国海軍に入隊して職業軍人になった。
彼の結婚式では、白い海軍服を着て、軍刀でケーキ・カットが行われた。
僕は高校時代、愛読書が『60年安保闘争』『全学連全共闘』だったので、彼とは事ある毎に対立したが。
そんな軍国少年の好きな映画が、『ナバロンの要塞』と『ナバロンの嵐』であった。
僕は、どちらもなかなか見る機会がなく、ようやく大人になってからブルーレイで見たのである。
『ナバロンの嵐』の監督は、『ゴールドフィンガー』『空軍大戦略』『地中海殺人事件』のガイ・ハミルトン
脚本は、『戦場にかける橋』『ナバロンの要塞』のカール・フォアマン
主演は、『ロシアより愛をこめて』『空軍大戦略』『スティング』『ジョーズ』『ザ・ディープ』のロバート・ショウ
それから、『アメリカン・グラフィティ』『カンバセーション…盗聴…』『スター・ウォーズ』『地獄の黙示録』『ブレードランナー』のハリソン・フォード
共演は、『空軍大戦略』『遠すぎた橋』『ガンジー』のエドワード・フォックス、『天地創造』のフランコ・ネロ、『ロッキー』のカール・ウェザース、『遠すぎた橋』のマイケル・バーン等。
本作は、前作のダイジェストから始まる。
ナバロンの大砲を破壊したマロリー少佐(ロバート・ショウ)とミラー曹長エドワード・フォックス)は、洋上で救出される。
キャストが、前作のグレゴリー・ペックデヴィッド・ニーヴンから代わっているいる。
まあ、かなり前作からかなり年月が経っているからね。
その後、オープニング・タイトル。
勇ましい音楽。
続いて、本編。
1943年、イギリス某所。
マロリーとミラーに新たな特別任務が言い渡される。
ユーゴスラビアに行って、ドイツ軍のスパイを殺害して来いと。
こいつは、ナバロン作戦の時に重大な情報を敵に流した。
顔を知っているのはマロリーとミラーだけ。
バーンズビー中佐(ハリソン・フォード)の率いる部隊が彼らを目的地まで運ぶ。
部隊を脱走した黒人衛生兵ウィーバー(カール・ウェザース)を加えて、イタリア経由で空路、ユーゴへ。
途中、敵戦闘機に爆撃されて脱出。
この辺の展開が急過ぎて、イマイチ分かり難い。
ハリソン・フォードは若いのに、偉そうである。
生き残ってユーゴの地に降り立ったのは、わずか5人。
チーム・ワークはバラバラ。
彼らは、エレファント・マンみたいな布を被った現地のパルチザン達と出会う。
パルチザンの集落へ。
しかし、彼らは騙されたのであった。
パルチザン達に捕まってしまう。
マロリーは「我々は特殊部隊じゃない。逃亡兵だ」とウソをつく。
さっきまでバラバラだった5人は、見事な芝居を打つ。
彼らが運んでいたカバンの中身は、爆薬ではなくペニシリンだと。
それでも投獄されるが、敵の上官はウソに引っ掛かり、マロリーとバーンズビーはまんまと釈放される。
だが、カバンの中身はペニシリンではなく、薪にすり替わっていた。
マロリーとバーンズビーは、監視付きで「埋めたペニシリンを探して来い」と命じられる。
そんなものはあるはずもないが、二人は何とか脱出のチャンスを探る。
監視は上官の愛人。
ところが、何故か助けられて、二人は逃亡する。
ヨーロッパの景色は美しい。
で、また別のパルチザンに捕まる。
このパルチザンの長・レスコバー(フランコ・ネロ)が、実は今回の任務のターゲット(ドイツ軍のスパイ)であった。
けれども、彼らは実は味方で、件のスパイは既に殺されたのだと言う。
いやあ、分かり難い話しだ。
で、彼らはドイツ軍の攻撃に備えて、橋を爆破したいと言う。
その橋は難攻不落だ。
そのため、爆破の専門家であるミラーの力が必要だ。
マロリー、バーンズビーは、ミラーが生き残っているかを確認するため、レスコバーと共に、再び敵の所へ。
果たして、作戦の行方は?
タイトルに「ナバロン」と入っているけれども、今回のストーリーは、ナバロンとは関係ない。
やたらと、裏切りとかドンデン返しが多い。
まあ、サスペンスと言えば、言えるのか。
マロリー達がドイツ軍に潜入する時、レスコバーに「ドイツ語も話せないのに」と言われ、「大学ではラテン語をやったからな」と答えるのが、ちょっと面白かった。
クライマックスの橋崩落シーンが、ミニチュア丸出しで、『カサンドラ・クロス』並みにショボい。
ここが一番の見せ場なのに。
70年代映画の限界か。
そう考えると、『戦場にかける橋』はスゴかった。