『カンバセーション…盗聴…』

この週末は、ブルーレイで『カンバセーション…盗聴…』を見た。

1974年のアメリカ映画。
製作・監督・脚本は、『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザーPART II』『地獄の黙示録』『ゴッドファーザーPART III』のフランシス・フォード・コッポラ
音楽は、『大統領の陰謀』『サタデー・ナイト・フィーバー』のデヴィッド・シャイア
撮影は、『ジョーズ』『オーメン2/ダミアン』『ロッキー2』のビル・バトラー。
編集は、『地獄の黙示録』『ゴッドファーザーPART III』のウォルター・マーチ、『カッコーの巣の上で』のリチャード・チュウ。
主演は、『俺たちに明日はない』『フレンチ・コネクション』『ポセイドン・アドベンチャー』『ヤング・フランケンシュタイン』『フレンチ・コネクション2』『遠すぎた橋』『スーパーマン』『レッズ』の大スター、ジーン・ハックマン
共演は、『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザーPART II』『狼たちの午後』『ディア・ハンター』のジョン・カザール、『地獄の黙示録』のフレデリック・フォレスト、『アメリカン・グラフィティ』『アメリカン・グラフィティ2』のシンディ・ウィリアムズ、『ヤング・フランケンシュタイン』『未知との遭遇』『トッツィー』のテリー・ガー、『アメリカン・グラフィティ』『ナバロンの嵐』『地獄の黙示録』のハリソン・フォード
本作は、多分10年位前にDVDで見たと思うのだが、酔っ払っていたためか、ロクに内容を覚えていなかった。
今回は、シラフで見た。
パラマウント映画。
テクニカラー、ワイド。
サンフランシスコのユニオン広場。
雑踏の中、一組の男女を遠巻きから望遠レンズで狙う若い男。
雑踏の中を歩いていたハリー・コール(ジーン・ハックマン)は、停めてあるライトバンの中へ。
中には盗聴用の機材が多数、積み込まれている。
助手のスタン(ジョン・カザール)に「ポールが感づかれた」と告げる。
ハリー・コールはプロの盗聴屋で、チームを組んでこのカップルの会話を盗聴しているのであった。
しかし、プロの盗聴屋にとっては、盗聴相手の内情は関係ない、ただ録音することが仕事というのがハリーの信条であった。
ハリーが帰宅すると、彼のアパートの下の部屋に住む婦人から、誕生日プレゼントのワインが部屋の中に届いていた。
カギが何重にも掛けてある彼の部屋に、どうやって入ったのか。
部屋から階下に電話をするハリー。
彼の唯一の趣味は部屋でジャズのレコードを流しながらサックスを吹くことであった。
ハリーがアジトに行くと、スタンがいる。
別々に録った3本のテープを一つに編集する作業。
オープン・リール(!)のテープだ。
公衆電話から依頼主である会社の専務に電話をするハリー。
自宅に電話があるが、外向けにはないことにしている。
携帯やらメールやらが発達した現在では考えられないだろう。
夜、ハリーは久し振りに恋人のエイミィ(テリー・ガー)を訪ねた。
ハリーは階下の婦人からもらった酒をエイミィと一緒に飲む。
が、彼は恋人にも自分の素性をほとんど明かしていなかった。
「私は信用されていないのね」とエイミィ。
ハリーは彼女のベッドに入るが、途中で止め、カネだけ置いて出て行く。
翌日、ハリーはテープを持って依頼主の会社へ。
けれども、専務は不在。
代わりに応対した秘書のマーティン(ハリソン・フォード)には、「専務に直接渡したい」と言って、テープを渡さない。
マーティンはハリーに「深入りはよせ。これは危険なテープだ。用心しろ」と告げる。
ハリーがこの会社のビルの中で、会話を録音した男を見掛ける。
更に、エレベーターに乗り込んで来たのは、女の方だった。
一体、この二人は依頼主とどういう関係なのか?
ハリーはテープをアジトに持ち帰って、聴く。
必死で聴く。
何度も聴き直す。
内容が気になって仕方がないのだ。
スタンがハリーに話し掛けると、激怒。
結果、納得の行かないスタンは、ハリーと決裂し、出て行く。
話しがなかなか進展しない。
ハリーの仕事は、どう見てもカタギじゃない。
で、このテープの会話は、肝心のところが聞こえない。
感度を上げてみると、男が「我々を殺す気だ」と言っている。
ハリーは教会へ行って、懺悔する。
こんな仕事をしていながら、彼には信仰心があるのであった。
ハリーは、盗聴器の見本市へ出掛ける。
こんな裏稼業の人達が、こんな大きな会場に白昼堂々集まるとは信じがたいが。
まあ、秋葉原電気屋でも普通に盗聴器を売っているらしいからな。
で、ハリーが新型の監視カメラを覗き込むと、マーティンが一瞬映る。
尾行されているのか?
会場内で、電話型盗聴器の実演が始まる。
どこかのスーパーでオバチャン相手に包丁の切れ味を見せるんじゃないんだから。
先日、ハリーと決裂したばかりのスタンも会場に来ている。
同業者のモラン(アレン・ガーフィールド)の会社に移ったらしい。
まあね。
こんな裏稼業だから、転職先も、やはり同じ裏稼業しかないんだろう。
ハリーはスタンに「考え直してくれ」と告げる。
「オレの仕事をモランに話すな。オレは尾行されている」とも。
ハリーが恋人のエイミィに電話をしてみると、電話番号が変わっている。
フラれた。
まあ、そんなに自分を信用していない男じゃな。
で、盗聴器の見本市が終わった夜、ハリーは、スタンやモラン達と酔っ払って、彼らを自分のアジトに招き入れる。
こんな裏稼業で、同業他社に秘密を漏らしたくないと言いながら、酒を飲んで招き入れるとは、何と不用心な!
ちょっと、こういう仕事の人達がする行動だとは思えない。
ハリーの録音術は、同業他社にもナゾらしい。
だったら、もっと警戒するだろう。
酔っ払って仕事場に入れちゃイカンよ。
しかも、例のテープを流しっぱなしにして。
そんなことあり得ないだろう!
しかし、モランがちょっとしたイタズラのつもりでハリーに隠しマイクを仕掛ける。
「盗聴屋が盗聴されるとはな」と笑うモランに、ハリーは激怒。
さあ、これからどうなる?
ハリーは、プロの盗聴屋でありながら、テープの内容に興味を持つという禁を犯し、そのことを内心、後悔している。
また懺悔の種が増える。
彼は最後に、重大な不敬を犯すのだが。
盗聴というのが、この当時は目新しい題材だったのだろう。
正直なところ、役者が一流のB級映画といった感じ。
確かに、サスペンスとしては面白いところもある。
主人公の複雑な性格もよく描けているとは思う。
でも、ちょっとマヌケ過ぎるのでは?
発想は面白いんだが、リアリティに欠ける。
なお、依頼主の専務を演じるのは、名優ロバート・デュバル
ゴッドファーザー』か。
カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。