『E.T.』

この週末は、ブルーレイで『E.T.』を見た。

1982年のアメリカ映画。
監督は、『激突!』『続・激突! カージャック』『ジョーズ』『未知との遭遇』『1941』のスティーヴン・スピルバーグ
音楽は、『屋根の上のバイオリン弾き』『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』『大地震』『ジョーズ』『ファミリー・プロット』『未知との遭遇』『スーパーマン』『1941』の巨匠ジョン・ウィリアムズ
特殊効果は、『キングコング(1976)』『エイリアン』のカルロ・ランバルディ。
主演はヘンリー・トーマス
実は、僕は本作を初めて見た。
本作が公開されたのは、僕が小学生の頃だが、当時からヒネていた僕は、流行りモノなど「ケッ!」と思っていたのだ。
クラスメイトからは、「映画好きやのに、『E.T.』観てへんの?」などと言われたが。
バカヤロー!
本好きだからって、『ハリー・ポッター』を読まなきゃイカンのか?
大体、ベスト・セラーなんていうのは、普段本なんぞ読まないヤツが買うんだ。
映画も同様。
まあ、しかし、何の因果か、それから35年も経って、ようやく本作を見ることになった。
映画には、時代を象徴する作品というのがあって、そういうのは、後から見ても仕方がない。
古典というのは、時代を超えて生き残るのだが。
E.T.』こそ、正に後から見ても仕方のない作品であった。
(まあ、今更見る人も滅多にいないと思うが。)
当時は、確か、『ジョーズ』の洋画興行収入記録を塗り替えたんだっけ(どっちもスピルバーグだ)。
ジョーズ』は今見ても面白いけどね。
ユニバーサル映画。
テクニカラー、パナビジョン。
星空、森の中、光る宇宙船のような物体が地面に。
何かが動いている。
E.T.だ。
街の灯りを見下ろす。
と、そこへ、次々と車がやって来る。
植物を採集しようとしていたE.T.が発見され、逃げる。
宇宙船が去る。
しかし、E.T.が1匹(?)だけ置いてきぼりになった。
住宅地のある家。
クソガキの兄弟どもがゲームをして遊んでいる。
そこへ、宅配ピザが届き、10歳のエリオット(ヘンリー・トーマス)が取りに行く。
庭の物置きに何かがいる。
エリオットはママのメアリー(ディー・ウォレス)を呼びに行く。
(なお、この家は両親が離婚しているので、パパはいない。)
家族で物置きを見に行ったが、何もいない。
(しかし、彼らが去った後に、何かの手が!)
僕は、夜中にもう一度見に行った。
足跡、そして、E.T.発見!
驚くエリオット。
翌日、エリオットはエサとしてチョコレート菓子をまきながら、昨晩のE.T.を捜す。
でも、なかなか見付からない。
家族に話しても、信じてもらえない。
夜、ついにE.T.と対面。
チョコレート菓子で手なづけながら、家の中へ招き入れる。
僕も昔、実家の塀の隙間から中を覗いていたニャンコを、カツオ節とミルクで少しずつ手なづけたものだ。
それにしても、E.T.はヘンな顔である。
当時、研ナオコが自分のことをE.T.に例えていたが。
この頃は、未だCGもなかったから、こういう顔の物体が生き物のようにピクピク動くだけで驚愕だったはずだ。
で、E.T.はエリオットの動きを真似る。
エリオットは眠くなる。
その頃、大人達はE.T.を捜していた。
翌日、エリオットは風邪を引いて、寝込んでいた(実は仮病)。
ママは仕事へ行く。
E.T.は既にエリオットの部屋に隠れていたが、家族には内緒であった。
ママが外出したスキに、E.T.と会話するエリオット。
飼っているワンコが、E.T.を見て吠える。
そりゃそうだろう。
こんな奇っ怪な生き物が家にいるのだから。
E.T.は、ジャンプ傘が開く音でビックリする。
E.T.のために食べ物を持って来るエリオット。
そこへ、兄貴のマイケルが帰って来る。
妹のガーティ(ドリュー・バリモア!)も帰って来る。
ガーティは驚いて叫ぶ。
エリオットは、兄貴と妹に「ママには内緒で」と言う。
ああ、書いていて疲れて来た。
本作は、なかなか話しが展開しない。
冒頭は、セリフも音楽もほとんどないまま始まり、かなり時間が経っても、物語はゆっくり(チンタラ)進む。
もし、本作が今、公開されたとしても、飽きっぽいスマホ世代はこの展開の遅さに耐えられないだろう。
で、僕らはE.T.を部屋で飼うことにした。
腹が減っているのか、ガツガツとよく食べる。
ジェスチャーで話すと、E.T.は宇宙から来たらしい。
E.T.は、不思議な力で物を宙に浮かすことが出来る。
更に、枯れた花を生き返らせることも。
翌日、子供達は学校へ。
E.T.は勝手に冷蔵庫を開けて、クアーズを飲む。
悪い子だ。
TVを点けると、『トムとジェリー』を放送している。
E.T.は、TVやマンガで言葉を覚えていた。
その頃、エリオットは学校でカエルの解剖の授業を受けていた。
突然、「かわいそうだよ」と言って、カエルを逃がすエリオット。
他の子供達も次々に逃がす。
教室内革命の完了だ!
天皇の如く君臨する教師を打倒するのは素晴らしい!
天皇正反対!
万国の児童よ、団結せよ!
いかん、つい興奮してしまった。
ママが帰宅すると、学校から電話が掛かって来る。
「エリオットが酔っ払っているみたいです。」
どうやら、E.T.とエリオットは、心がつながっているようだ。
この部分の説明が全くない。
ただ単に、心が通い合っているというだけではなく、E.T.の行動や感情が全てエリオットにも伝わっているのだ。
何故だ?
まあ、ファンタジーSFに一々説明は要らないと言えばそれまでだが。
で、ママは、家の中をウロウロしているE.T.には気付かない。
僕が帰宅すると、何と、E.T.は、片言ながら言葉を話すようになっていた。
E.T. phone, home」
要するに、「我が家に電話をしたい」と。
更に、E.T.には不思議な力があって、エリオットのケガを、光る指先で触れて一瞬にして治してしまうのであった。
さあ、これからどうなる?
しかし、こんなに展開しない話しだとは思わなかった。
話しの範囲も、子供達の生活エリア限定だから、非常に狭い。
まあ、子供向けの映画と言ってしまえば、それまでだが。
本作では、宇宙人が完全な性善説に立っている。
そうでないと、全く成り立たない話しだ。
「こんないい宇宙人はいないだろう?」なんて言ってしまっては、もうこの話しはオシマイなのである。
しかし、正直言って、面白くない映画だ。
あれだけの観客動員を記録した「E.T.現象」とは、何だったのであろうか?
『穴と雪の女王』なんかもそうだが、流行る映画は理由がよく分からんことが多い。
タイタニック』はよく出来た映画だと思うが。
本作は結局、『未知との遭遇』の別バージョンでしかないという印象。
しかも、『未知との遭遇』は、SF映画史上での存在意義が確実にあると思うが、本作の存在意義とは?
スピルバーグの映画でスゴイと思ったのは、『ジョーズ』と『激突!』くらいだな。
ジュラシック・パーク』を初めて観た時は、CG技術の進歩に驚いたが、それだけ。
シンドラーのリスト』とか『プライベート・ライアン』なんか、如何にもアカデミー賞目当てで、説教臭くて観ていられなかった。
才能があるのは認めるが。
まあ、いいや。
あまり余計なことを書くと、もし本作(並びにスピルバーグ)のファンがいたら怒られそうだから、この辺で止めておく。
余談だが、後半のエリオットの上半身裸は、今なら児童ポルノだな。
僕も、児童ポルノ単純所持で逮捕だ!
国家権力の横暴は断じて許せない!
アカデミー賞作曲賞、視覚効果賞、音響賞、音響効果編集賞受賞。
1982年洋画興行収入1位(ちなみに、邦画の1位は『セーラー服と機関銃』)。