『ジョーズ4 復讐篇』

この週末は、ブルーレイで『ジョーズ4 復讐篇』を見た。

ジョーズ4/復讐篇 [Blu-ray]

ジョーズ4/復讐篇 [Blu-ray]

  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: Blu-ray
1987年のアメリカ映画。
監督はジョセフ・サージェント。
主演は、『ジョーズ』『ジョーズ2』『1941』のロレイン・ゲイリー。
共演は、『空軍大戦略』『遠すぎた橋』のマイケル・ケイン
ジョーズ』シリーズの完結編だが、本作のみ未見だった。
ジョーズ3』がつまらなかったので、本作が公開されたことは知っていたが、観に行く気が起きなかった。
それに、ショボそうだったので、後にも見ようと思わなかった。
今回、見てみた結果は、やはり「まあ、別に見なくても良かったかな」というところだろう。
ユニバーサル映画。
カラー、シネスコ・サイズ。
海底。
例の音楽が流れる。
まあ、ゴジラ伊福部昭と同じで、この曲でないとジョーズという感じがしない。
舞台は前作から数年後のアミティ。
台所で魚を焼いているのはエレン・ブロディ(ロレイン・ゲイリー)。
1作目、2作目で登場した警察署長のマーティン・ブロディ(ロイ・シャイダー)の妻。
前作を除いて、シリーズ3作に登場している。
で、マーティン・ブロディは既に死んだことになっているが、ロイ・シャイダーが出演を断ったのだろうか(断って正解)。
次男のショーンと同居しているが、前作とは役者が違う。
ショーンは、父の後を継いでアミティ警察署の保安官補佐になったが、これは前作と設定が違う。
長男のマイケルから電話が掛かって来る。
なお、マイケルも前作と役者が違う。
それから、マイケルは前作ではエンジニアだったが、今作では学者ということになっている。
今夜はクリスマス・イブであった。
ショーンは船を出して港の流木を除去する仕事があった。
そこへ、巨大なホオジロザメが現われ、ショーンを襲う。
船もろともやられてしまった。
哀れ、ショーンの登場はこれだけ。
亡くなったショーンを見て涙を流すエレン。
彼女は、夫がサメを退治したから、復讐のためにブロディ一家を狙っているのだと思い込む。
まあ、『オルカ』みたいに、シャチだったら知能が高いから人間に復讐するというのも説得力があるが、サメにそんな知能はあるだろうか。
そこへ、マイケル夫婦が訪ねて来る。
マイケルの妻カーラは、前作の恋人とは別人で、芸術家らしい。
二人の間には娘のテアがいる。
母と抱き合うマイケル。
エレンはマイケルに、「海はやめて。あなたまで失いたくない」と告げる。
まあ、息子を失った母親なら誰でもそうであろうが、この後、かなり長い期間、エレンは意気消沈している。
映画のストーリーとしては、ちょっとくどいと思えるくらい。
ショーンの葬式。
マイケルは失意のエレンに「島に来ないか」と告げる。
マイケル一家はバハマに住んでいる。
セスナ機に乗ってバハマへ向かうエレンとマイケル一家。
操縦するのはホーギー(マイケル・ケイン)という名の中年男。
よく喋るオッサンだ。
エレンは海に対して嫌悪感を抱くようになり、海辺のブランコで遊んでいるテアを叱る。
カーラは、自宅の物置でよく分からん鉄製のオブジェを作っている。
役所からの注文で、完成したら、海辺の施設に置くことが決まっているらしい。
海で泳ぐエレンが巨大なサメに襲われる。
が、夢だった。
バハマの海は、本当にエメラルド・グリーンで美しい。
前作までの海とは明らかに違う。
マイケルは調査のため、海に潜って巻き貝を採っている。
相棒は黒人のジェイク。
一方、エレンはショーンの話しをすると必ず落ち込む。
ノイローゼ気味で、マイケルに「海の仕事はやめて」と言う。
マイケルには、やめるつもりはない。
砂浜でテアと遊んでいるエレン。
そこに、セスナを操縦していたホーギーがやって来る。
エレンとホーギーは、ここから急速に親密になる。
二人は、セスナに乗って土地の祭りに行く。
その頃、マイケルの船の目の前にサメが現われる。
船にもかぶりついて大暴れ。
離れたところにいるエレンは、何かイヤな予感がしている。
エレンとホーギーは一緒に踊る。
ホーギーはエレンに、「ショーンの死のことは忘れなさい」と告げる。
突然のサメとの遭遇に、マイケルは呆然とする。
ジェイクは、巻き貝よりもサメを捕まえて売り飛ばそうなどと言い出す。
マイケルは、母親を心配させないように、サメと遭遇したことをジェイクに固く口止めする。
新年。
マイケル一家とエレンとジェイク夫妻が食事に出掛けたら、偶然ホーギーがいた。
ホーギーはカジノに興じる。
踊る二人を見て、マイケルは呆然とする。
どこか胡散臭いホーギーが母親に近付いているのが許せない。
しかし、エレンはホーギーと出会ったことで「もう思い詰めるのはやめた」といい気分。
そして、踊る二人。
仕事に戻って、ジェイクは、「ホオジロザメバハマには来ない、珍しい」と、サメのことで頭がいっぱいである。
マイケルはそれが許せない。
とうとう、ジェイクは例のホオジロザメに麻酔銃を撃ち込んだ。
さあ、これからどうなる。
本作のサメは、これまでのサメよりはかなりリアルに作られている。
しかし、ストーリーはどうでもいいようなホームドラマで、特にサメがいなくても成立しそうだ。
今回もサメは大暴れで、セスナ機を水没させたりする。
ムチャクチャやな。
その割には、ラストが取って付けたような感じ。
あまりにも唐突で、あっけない。
大人気シリーズの完結編がこれでいいのか。
考えてみれば、1作目の『ジョーズ』は、サメのハリボテがあまりにしょぼく、スピルバーグが何とかそれを見せないようにしようと考えたから、恐怖をじわじわとあおる作品になった。
2作目以降は、サメが出て来ることはみんな分かっているから、そういう恐怖感はない。
ただサメが出て来るだけでは、粗製乱造された動物パニック映画の1本でしかない。
ロイ・シャイダーみたいなスターもいないしね。
案の定、興行的に失敗して、シリーズは打ち切られた。

Jaws: The Revenge trailer