『ジョーズ2』

この週末は、ブルーレイで『ジョーズ2』を見た。

ジョーズ2 [Blu-ray]

ジョーズ2 [Blu-ray]

  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: Blu-ray
1978年のアメリカ映画。
監督はヤノット・シュワルツ
製作は、『サウンド・オブ・ミュージック』『ジョーズ』『評決』のリチャード・D・ザナックと、『続・激突!/カージャック』『ジョーズ』『評決』のデイヴィッド・ブラウン。
音楽は、『おしゃれ泥棒』『屋根の上のバイオリン弾き』『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』『大地震』『ジョーズ』『ファミリー・プロット』『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』『スーパーマン』『1941』『E.T.』の巨匠ジョン・ウィリアムズ
主演は、『フレンチ・コネクション』『ジョーズ』『マラソンマン』の大スター、ロイ・シャイダー
共演は、『ジョーズ』『1941』のロレイン・ゲイリー、『ハスラー』『卒業』『追憶』『ジョーズ』『1941』のマーレイ・ハミルトン
僕は、本作を6歳の時に、母に連れられて京都の映画館で観た。
母がテレビの予告編を見て、子役の少年の目付きが非常に印象的(怖そう)で、どうしても観たいと行ったのだ。
思い起こせば、母が映画好きだったので、子供の頃に、連れて行かれた作品は結構ある。
という訳で、僕は『ジョーズ』シリーズは『2』を最初に観たんだな。
1作目は、小学5年生くらいの頃、地元の駅のそばのスーパーの家電売り場で、テレビ放映版のビデオを延々と流していたのを見た。
そこの売り場の兄ちゃんが映画好きで、毎日通った(買いもしないのに)。
2001年宇宙の旅』はパイオニアのレーザー・ディスクで見た。
これも何十回も見た。
あと、ゴジラ・シリーズの予告編をつないだビデオもあって、それでかなり東宝特撮に詳しくなった。
買いもしないのに、小学生の相手をしてくれた店員さんには、今でも感謝している。
僕が映画好きになったのは、周りに映画が好きだった人が多かったということもあるだろう。
で、『ジョーズ』の1作目は、監督がスピルバーグで有名だから、大人になってからも何度も見たが、『2』の方は、子供の頃に観て以来のような気がする。
(もしかしたら、テレビの洋画劇場か何かで、1回くらいは再見したかも知れないが。)
最初に観たのが6歳の時だから、ストーリーなんてそもそも記憶にないが、場面はおぼろげに覚えている。
まあ、人食いザメの映画だから、印象が強烈だったんだな。
その後、立体映画の『ジョーズ3』も封切りの時に映画館で観た。
3作目はキャストも入れ替わってしまっている。
単に立体映像を見せたいだけの駄作だと感じた。
2作目は、主役のロイ・シャイダーが続いて出ているし、奥さんと悪役の市長もいるので、1作目の正統な続編という感じはする。
ただ、スピルバーグは監督を断ったらしいが。
まあ、正しい判断だな。
キューブリックも、『2001年宇宙の旅』の続編『2010年』の監督を断った。
そう言えば、『2010年』の主演もロイ・シャイダーだった。
続編が1作目を超えることはまずない。
超えたとされているのは、『ゴッドファーザーRART II』くらいかな。
ユニバーサル。
カラー、シネスコ・サイズ。
不安気なテーマ音楽が流れる。
前作から3年後のアミティ。
海中で二人のダイバーが沈んだ船「オルカ号」を発見。
そこに例の音楽。
二人、サメに襲われる。
1作目は「出るぞ、出るぞ」と焦らしながら、なかなかサメが出て来なかった。
スピルバーグがハリボテのサメをなるべく映さないための演出だったらしいが。
2作目では、サメが出て来ることはみんな知っているから、最初から開き直ってバンバン出る。
警察署長のマーティン・ブロディ(ロイ・シャイダー)が車を飛ばす。
アミティのホテル開業のセレモニー。
アミティ・ハイスクール・バンドの演奏。
市長(マーレイ・ハミルトン)のスピーチ。
ブロディは遅刻であった。
妻エレン(ロレイン・ゲイリー)の隣に座る。
ミス・アミティのテープ・カット。
夜になると、ブロディとエレンはダンス。
明け方の海にサメの背ビレが見える。
「署長、沖にでかいクルーザーが漂流しています!」という知らせ。
その頃、色めき立った何人もの高校生の男女達がヨットで沖合いへ行こうとしていた。
アメリカン・グラフィティ』なんかを見ても思ったが、アメリカの高校生というのは、男女関係がオープンだな。
僕の高校時代とは大違いだ。
今風の言葉で言うと、「リア充」だな(大嫌いな言葉だが)。
陰キャ」(これも大嫌いな言葉)であった僕には、とても居場所がなさそうだ。
アメリカじゃなくて良かった。
で、警察署では、冒頭のダイバーが落とした水中カメラが発見され、回収されていた。
一方、高校生達は海で戯れる。
そこへ例の音楽(サメの気配)。
水上スキーを楽しむ女の子。
サメの背ビレが海上を滑るように走る。
水上スキーの女の子が襲われる。
続いて、サメは船に体当たり。
操縦していた母親がサメにガソリンをかけて発砲する。
爆発。
ブロディは、この事故について捜査を命じた。
目撃者は、高校生のカップルと、婆さん。
その頃、洋上ではボートが海底ケーブルを引き上げていた(これは、ラストへの伏線)。
ブロディの長男マイクは17歳で、仲間達とヨットに乗る計画を立てていた。
で、今度は海岸で、高校生のカップルがクジラの死骸を発見。
ブロディが見に来る。
思わず、「Jesus!」
クジラの体長は7.5メートル。
大きな噛まれた傷跡があった。
ブロディは「犯人はサメだ」と主張するが、学者は信じない。
しかし、3年前の悪夢が脳裏に浮かんだブロディは、マイクに「ヨットは禁止だ」と告げる。
ブロディは市長に直訴する。
「またサメが出た。」
観光地アミティの風評被害を恐れる市長は、何とかこの件をもみ消したい。
この辺りのやり取りは、サメをウイルスに置き換えると、昨今のコロナ騒動にそのまま当てはまる。
人間のやることは、40年くらいじゃ、ちっとも変わらない。
余談だが、市長はスリーピースのスーツを着ている。
偉そうでいいな。
ブロディは浜辺をパトロールする。
海に浮かんでいるボートの残骸を回収しようとする。
海に入って行くと、黒焦げの死体が!
例の爆発したボートに乗っていた女性だ。
ブロディは、サメ退治に備えて、秘かに弾丸に毒を仕掛ける。
マイクには、「明日は海に出るな」と強く言い渡す。
翌日、海水浴場で、ブロディはサメの監視塔で見張りをしている。
リゾート販売の客を連れて来ていた市長は、ブロディを苦々しく思う。
客が「あの男性は何をしているの?」と市長に尋ねる。
ごまかす市長。
何としても、商談を成立させたいのに。
その時、ブロディが沖合いに黒い影を発見する。
鐘を鳴らし、「みんな海から上がれ!」と大声で叫ぶブロディ。
海水浴場はパニックになる。
黒い影に向かって発砲するブロディ。
しかし、それは「アジの群れ」だった。
ブロディの大きな勘違い。
市長や海水浴客は冷ややかな視線を浴びせる。
その頃、オルカ号のダイバーのカメラの写真が現像されていた。
サメの目らしきものが写っている。
これをサメだと確信したブロディは(何せ、前作で至近距離でサメと闘ったからな)、会議中の市長に談判する。
だが、連中は、全く取り合わない。
とにかく、サメなんかいないことにしたいのだ。
もう、昨今の政府の対応と全く同じである。
何がGo to hellキャンペーンだ。
お前らが地獄に堕ちろ!
その夜、高校生のたまり場のカフェ。
マイクは友人達から親父の失態をからかわれる。
親父から禁止されているからヨットには乗れないと、仲間には言い出せない。
それにしても、割と平気で酒を飲んでいる高校生が多いというのは、大らかな時代だったんだな。
今なら、誰かがツイッターに動画をアップして、一瞬で大問題になる。
ブロディは帰宅した。
彼の助手が訪ねて来ていた。
何と、ブロディは警察署長をクビになり、助手が新署長に任命されたのである。
「いい酒だ」と、ジャック・ダニエルを開けるブロディ。
わざとカラ元気を演じる。
助手が帰った後、「彼もクビになるよ、見てろ」と妻に告げる。
「サメは間違いなくいる。4年の苦労が水の泡だ。」
ブロディは、人生でクビになったのは初めてだという。
当時のロイ・シャイダーの年齢が46歳。
現在の僕と同じくらいだが。
僕は、クビになったことはないな。
自分から辞めたことは何度かある。
まあ、この先はどうなるか分からんが。
翌朝、マイクは親父の言い付けを無視して、仲間とヨットに乗るために出掛ける。
弟のショーンも付いて来る。
さあ、これからどうなる?
なお、本作ではロイ・シャイダーがタバコを吸っているシーンが見られる。
世界的な嫌煙運動の高まりによって、今ではスターの喫煙シーンもなかなか見られなくなった。
あと、どうでもいい話しだが、本作のブロディの家にはお手伝いさんがいる。
警察署長って、そんな上流階級なのか。
それと、警察の車の周りに缶ビールが転がっているというのは、今の日本だと問題になるだろう。
それから、洋上で高校生が飲んでいるのは、コカ・コーラ(紙コップ)である。
本作のケロイド(最初の爆発で出来た)ザメは、USJのアトラクションそのままの動きを見せる。
要するに、ハリボテだ。
だが、そんなことは監督は気にしていないのだろう。
サメがヘリを沈めるとか、ムチャクチャな設定だが、とにかく大暴れ。
子役の撮影が大変だっただろうな。
大したストーリーはないが、まあよく出来た娯楽映画だろう。
ハリボテのサメも、CGにはない味わいがある。
余談だが、エンドロールが、未だ今の映画みたいに長くない。
長くなったのは『スター・ウォーズ』かららしいが。
1979年の洋画興行収入4位(1位は『スーパーマン』、邦画の1位は『銀河鉄道999』)。

Jaws 2 - Trailer