『嵐が丘』を原書で読む(第19回)

(テキスト20ページ、8行目〜)

I snuffed it off, and, very ill at ease, under the influence of cold and lingering nausea, sat up, and spread open the injured tome on my knee.

snuff(他)(ろうそくなどの)芯(しん)を切る
off(副)(切断・断絶などを表わす動詞とともに)(断ち)切って、(切り)離して
ill at ease(不安で)落ち着かない
under the influence of 〜 〜の影響を受けて、の勢いで、〜に左右されて
cold(名)寒さ、冷気(⇔heat)
lingering(形)長引く、ぐずぐずする ・a lingering illness 長わずらい
nausea(名)吐き気、むかつき
sit up きちんと座る
spread(他)(たたんだものなどを)開く、広げる
open(形)(本・包み・傘など)開いた、あけた(⇔closed)
injured(形)負傷した、けがをした
tome(名)(大きな)本、学術書
my(代)私の

It was a Testament, in lean type, and smelling dreadfully musty: a fly-leaf bore the inscription —‘Catherine Earnshaw, her book,’ and a date some quarter of a century back.

testament(名)(the Testament)聖書
in(前)(状態を表わして)〜の状態に(で)
lean(形)(字・字画が)肉細の、細身の
type(名)活字、活版、字体 ・in type 活字に組まれて
smell(自)(ものが)(〜の)においがする(+補)
dreadfully(副)恐ろしく、ものすごく
musty(形)かび臭い
flyleaf(名)見返し(書物の巻頭・巻末の白紙)
bear(他)(日付・署名の)記載がある ・bear the signature of 〜という人の署名がついている
inscription(名)(寄贈図書に記した)題字、書名
Catherine(名)キャサリン(女性名/愛称Cathy、Kate、Kitty)
Earnshaw(名)アーンショウ(Emily BrontëのWuthering Heightsに登場する主人公Heathcliffの養家の名)
her(代)彼女の
back(副)(今から)〜前に

I shut it, and took up another and another, till I had examined all.

shut(他)(本・傘・扇子(せんす)・ナイフなどを)閉じる、たたむ
take up(〜を)取り上げる、手に取る
another(代)別のもの(人)
till(接)(結果・程度を表わして)(〜して)ついに、(〜する)ほどに
examine(他)(〜を)調査する、検査する、審査する
all(代)全部、ことごとく

Catherine's library was select, and its state of dilapidation proved it to have been well used, though not altogether for a legitimate purpose; scarcely one chapter had escaped a pen-and-ink commentary — at least, the appearance of one — covering every morsel of blank that the printer had left.

library(名)蔵書、文庫
select(形)えり抜きの、精選した、極上の(=exclusive) ・a select library 精選された蔵書
its(代)それの、あれの、その
state(名)(通例単数形で)状態、ありさま、様子(of)
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)〜の
dilapidation(名)荒廃
prove(他)(〜を)証明する、(〜の)真実であることを示す
used(形)使った、使い古した、中古の(=secondhand)
though(接)たとえ〜でも、よし〜にせよ
not(副)(all、both、every、alwaysなどとともに用いて部分否定を表わして)〜とは限らない、必ずしも〜でない(しない) ・not altogether 〜 全部〜というわけではない
altogether(副)まったく、完全に(notとともに用いると部分否定になる)
for(前)(目的・意向を表わして)〜のために、〜を目的として
legitimate(形)道理にかなった、もっともな、合理的な、妥当な
purpose(名)目的、意図
scarcely(副)ほとんど〜ない
chapter(名)(書物・論文の)章
escape(他)(追跡・危険・災難などを)(未然に)逃れる、免れる、うまく避ける
commentary(名)批評、論評
at least(前言より正確に言い直して)少なくとも
appearance(名)(人・ものの)外観、見かけ
one(代)(既出の可算名詞の反復を避けて)(その)一つ、それ
morsel(名)(a 〜)少量、小片 ・a morsel of 〜 かすかな〜
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)〜の
blank(名)空白、空欄、余白
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(〜する(である))ところの/(他動詞・前置詞の目的語として)
printer(名)印刷機
leave(他)(傷跡・感情・疑問などを)残す ・leave a space 余白を残す、間隔を開ける

Some were detached sentences; other parts took the form of a regular diary, scrawled in an unformed, childish hand.

some(代)(可算の名詞を表わす時には複数扱い、不可算の名詞を表わす時には単数扱い)多少、いくぶん
detached(形)分離した、孤立した
sentence(名)文、文章
take(他)(形・性質などを)とる
form(名)形、形状 ・take the form of 〜の形をとる
regular(形)定期の、定例の
scrawl(他)(〜を)殴り(走り)書きする(=scribble)
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)〜で、〜でもって、〜で作った
unformed(形)十分に発達していない、未成熟の
childish(形)子供らしい、児童の
hand(名)(a 〜/修飾語を伴って)筆跡、書法(=handwriting) ・write in a clear hand はっきりした字で書く

At the top of an extra page, quite a treasure probably when first lighted on, I was greatly amused to behold an excellent caricature of my friend Joseph, rudely yet powerfully sketched.

top(名)(通例the 〜)(ページ・地図などの)上、上部、上段、上欄(⇔bottom) ・at the top of a page ページの上のほうに
extra(形)余分の(=additional)
quite(副)(quite a 〜、quite some 〜で)並はずれた、たいした(〜の部分は形容詞なしの単数名詞)
when(接)〜する時に、〜時(時を表わす副詞節をつくる)
first(形)(通例動詞の前に用いて)初めて
light(自)(〜に)ふと出会う、(〜を)偶然見つける(on)
on(前)(動作の対象を表わして)〜に対して、〜に当てて
amused(形)おもしろがって、楽しんで
behold(他)(異常なものなどを)見る
excellent(形)優れた、一流の、すばらしい
caricature(名)カリカチュア、風刺画、戯画(文)(人物の特徴などを人目をひき興味をそそるように誇張して描いた漫画(文))
Joseph(名)ジョーゼフ(男性名/愛称Jo、Joe)
rudely(副)突然に、荒々しく、激しく、だしぬけに
yet(接)それにもかかわらず、しかしそれでも、それなのに
powerfully(副)強力に
sketch(他)(〜を)写生する

An immediate interest kindled within me for the unknown Catherine, and I began, forthwith, to decypher her faded hieroglyphics.

immediate(形)即座の、即時の、早速の(=instant)
kindle(自)(感情が)燃え上がる、かき立てられる、わき上がる
within(前)〜の内に、〜の中に
for(前)(対象)(感情・趣味・適性などの対象を表わして)〜に対して(する)、〜を理解する
unknown(形)未知の、不明の、未詳の
begin(他)(〜し)始める、(〜し)だす(+to do)
forthwith(副)直ちに(=immediately)
decypher→decipher(他)(暗号・なぞを)解読する(⇔cipher、encipher)
fade(他)(〜の)色をあせさせる
hieroglyphic(名)(複数形で)判読しがたい文字

‘An awful Sunday!’ commenced the paragraph beneath.

awful(形)(行儀・失敗・かぜなど)ひどい
commence(他)開始する、始める
paragraph(名)(文章の)段落、節、パラグラフ
beneath(副)(すぐ)下に、下の方に

‘I wish my father were back again. Hindley is a detestable substitute — his conduct to Heathcliff is atrocious — H. and I are going to rebel — we took our initiatory step this evening.

wish(他)(現在の実現不可能なことの願望を表わして)(〜であればよいのにと)思う(+that)(thatは省略されるのが普通で、節内には(仮定法)過去形が用いられる)
back(副)戻って、逆戻りして、戻して ・be back 戻る
again(副)元の所(状態)へ
detestable(形)大嫌いな、いやでたまらない、いまいましい
substitute(名)代理(人)、補欠(者)
his(代)彼の
conduct(名)行為、品行、行ない、ふるまい
to(前)(行為・作用の対象を表わして)〜に対して、〜に
Heathcliff ヒースクリフ(Emily Brontëの小説Wuthering Heights(1847)の主人公/復讐の鬼)
atrocious(形)はなはだしい、ひどい(=appaling)
be going to do 〜するつもりである、〜することにしている
rebel(自)(政府・権力・慣習などに)反対する、反抗する、反逆(造反)する
take(他)(動作名詞を目的語として)(ある行動を)する ・take a step 一歩踏み出す
our(代)我々の、私たちの
initiatory(形)手始めの
this(形)(指示形容詞)(たった)今の、現在の、今〜、当〜(しばしば時を示す名詞を伴って副詞句をなす) ・this evening きょうの夕方
evening(名)(副詞的に)晩に、夕方に ・this evening 今晩

‘All day had been flooding with rain; we could not go to church, so Joseph must needs get up a congregation in the garret; and, while Hindley and his wife basked down stairs before a comfortable fire — doing anything but reading their Bibles, I'll answer for it — Heathcliff, myself, and the unhappy plough-boy, were commanded to take our Prayer-books, and mount — we were ranged in a row, on a sack of corn, groaning and shivering, and hoping that Joseph would shiver too, so that he might give us a short homily for his own sake. A vain idea! The service lasted precisely three hours; and yet my brother had the face to exclaim, when he saw us descending,
‘“What, done already?”

flooding(名)洪水、氾濫
with(前)(原因を表わして)〜のせいで、〜のゆえに、〜のために
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)〜まで、〜へ、〜に ・go to 〜に行く
church(名)(キリスト教の)教会(堂)、聖堂 ・go to church 教会へ(礼拝に)行く
so(接)(等位接続詞として)そこで、それで、〜ので
needs(副)(古)(通例mustとともにその前後で用いて)ぜひとも〜ねばならない
get up(〜を)登らせる、(荷などを)(持ち)上げる
congregation(名)(集合的/単数または複数扱い)(礼拝に集まる)会衆
garret(名)屋根裏部屋(通例暗くてみすぼらしい小さな部屋)
bask(自)(日光などに)暖まる、日なたぼっこをする ・bask before the fire 火の前で暖まる
down(前)(移動を表わして)(高所から)〜を下って、〜の下方に ・down the stairs 階段の下に
stair(名)(複数形で)階段(建物の階(floor)から階まで、または踊り場(landing)から踊り場までのひと続きの踏み段(flight of steps)をいう) ・down stairs 階段を下に
before(前)(位置・場所などを表わして)〜の前に
fire(名)(暖房・料理用の)火、炉火、炭火、たき火
anything but 〜 〜のほかなら何でも ・do anything but 〜のほかのことなら何でもする、〜ばっかりはご免だ
their(代)彼ら(彼女ら)の
Bible(名)(the 〜)(キリスト教の)聖書、バイブル
I'll I willの短縮形
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)〜するつもりである、〜しようと思う
answer(自)答える、返事をする
for(前)(対象)(報償・返報を表わして)(好意・成果など)に対して、〜の返報として
myself(代)(強調に用いて)(and myselfでI、meの代わりに用いて)
plough-boy(名)(昔の)すきをつけた牛(馬)をひく少年
command(名)(権力・権限のある者が)(〜を)命令する、命じる(+目+to do)
prayer book(名)祈祷書
mount(自)(〜に)上る、登る
range(他)(通例受身で)(人・ものを)(〜に)並べる、整列させる ・range A in a row Aを一列に並んで整列させる
in a row 一列に
sack(名)大袋(穀物・石炭・粉・ジャガイモなどを入れる麻・ズックなど粗い布で作られた大きな通例長方形の袋)
corn(名)穀物、穀類(小麦・大麦・オート麦など)
groan(自)(苦痛・悲しみなどで)うめく
shiver(自)(恐怖・寒さで)震える
hope(他)(〜したいと)思う、望む、(〜であればよいと)思う(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(〜)ということ/(目的語節を導いて)
so that(目的の副詞節を導いて)〜するために、〜となるように
might(助動)(直接法過去)(時制の一致により副詞節中で)〜するために、〜できるように
give(他)(〜に対して)(行為を)行なう(させる)(+目+目)
short(形)(時間・過程・行為など)短い
homily(名)(宗教的な)説教(=sermon)
sake(名)(for the sake of 〜、for one's sakeで)〜のための(に)
vain(形)無益な、むだな、無効な、骨折り損の
service(名)礼拝(の式)、お勤め
last(自)(通例副詞句を伴って)(時間的に)続く ・The lecture lasted two hours. 講演は2時間続いた。
precisely(副)ちょうど、的確に
three(形)(基数の3)3の、3個の、3人の
yet(副)(andまたはbutに伴って)それにもかかわらず、それなのに、しかもなお
have the face to do 厚かましくも(ずうずうしくも)〜する
exclaim(他)(〜と)声高に言う(+引用)
see(他)(〜を)見る、(〜が)見える(+目+doing)
descending(形)下ってゆく、降下的な、下向きの(⇔ascending)
what(間)(通例疑問文を伴って驚き・怒りを表わして)何だって、ええ、まさか
done(形)済んで、終了して
already(副)(驚きなどを表わして)(疑問文で)もう、早くも
【参考文献】
Wuthering Heights (Penguin Classics)』Emily Brontë・著
嵐が丘(上) (光文社古典新訳文庫)小野寺健・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)