『ヴェニスの商人』を原書で読む(第6回)

(テキスト8ページ、4行目~)

ANTONIO
I hold the world but as the world, Gratiano,
A stage where every man must play a part,
And mine a sad one.

Antonio アントーニオー(Shakespeare, The Merchant of Veniceに登場する青年貿易商)
hold(他)(~と)思う、考える(+目+補)
world(名)(the ~/単数扱い)(渡る)世間、世の中
as(前)(動詞の目的補語を導いて)~と、~だと
but(副)ただ、ほんの、~だけ
Gratiano グラシアーノ(Shakespeare, The Merchant of Venice中の、AntonioとBassanioの友人の一人でおしゃべりな男/Portiaの侍女Nerissaと結婚する)
where(副)(関係副詞)(制限的用法で)~する、~した(場所、場合など)(「場所」「場合」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
play(他)(劇で)((~の)役を)演じる、(~に)扮する
part(名)(映画などの)役(=role)
mine(形)悲しそうな、ふさぎ込んだ、憂鬱な
one(代)(既出の可算名詞の反復を避けて)(その)一つ、それ

GRATIANO Let me play the fool;
With mirth and laughter let old wrinkles come,
And let my liver rather heat with wine
Than my heart cool with mortifying groans.
Why should a man whose blood is warm within
Sit, like his grandsire cut in alabaster?
Sleep when he wakes? And creep into the jaundice
By being peevish? I tell thee what, Antonio,
I love thee, and ’tis my love that speaks:
There are a sort of men whose visages
Do cream and mantle like a standing pond,
And do a wilful stillness entertain
With purpose to be dressed in an opinion
Of wisdom, gravity, profound conceit,
As who should say, ‘I am Sir Oracle,
And when I ope my lips, let no dog bark.’
O my Antonio, I do know of these
That therefore only are reputed wise
For saying nothing, when, I am very sure
If they should speak, would almost damn those ears,
Which hearing them would call their brothers fools.
I’ll tell thee more of this another time.
But fish not with this melancholy bait
For this fool gudgeon, this opinion.
Come, good Lorenzo. Fare ye well awhile;
I’ll end my exhortation after dinner.

let(他)(容認・許可を表わして)(命令法で)(人・ものなどに)(~)させてください
fool(名)(昔、王侯・貴族にかかえられた)道化師(=jester)
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
mirth(名)楽しい笑い、歓喜、陽気
laughter(名)笑い
old wrinkles=wrinkles of old age
wrinkle(名)(通例複数形で)しわ、小じわ
my(代)私の
liver(名)(古)(昔感情の源と考えられた)肝臓
heat(自)熱くなる、暖まる
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
wine(名)ワイン、ぶどう酒
than(接)(rather、soonerなどを伴って)~するより(むしろ)、するくらいなら(いっそ)
cool(自)冷える
mortifying=causing death
cause(他)(~を)引き起こす
groan(名)うめき(うなり)声(=moan)
should(助動)(why、howなどとともに用いて、当然の意を強調して)~しなければならない、~して悪いはずがない
whose(代)(関係代名詞)(制限的用法で)(その~が(を、に))~する(ところの)(人)(「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
warm(形)(体が)ほてる、熱くなる
within(副)内に(で)、中に(で)、内部は(で)
like(前)~のような、~に似た
his(代)彼の
grandsire(名)(古)祖父
cut(他)(石などに)(像を)刻む(in)
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った ・a statue done in bronze 青銅で作った像
alabaster(名)雪花石膏
Sleep when he wakes ‘Why should a man’ に続く。
sleep(自)眠る
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
wake(自)(通例wakingで)目覚めている、起きている、寝ずにいる
creep(自)(通例よくないことが)(気づかぬうちに)徐々に起こる(進行する)、忍び寄る、忍び込む
into(前)(変化・結果を表わして)~に(する、なる)(通例ある物が別の物に形や状態を変えることを表わす)
jaundice(名)黄疸(おうだん)
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
peevish(形)気難しい、すねる、怒りっぽい(=badtempered)
I tell thee what「あのね、話があるが」
love(他)(人などを)愛する、かわいがる、大事にする
thee(代)(古)なんじを(に)
'tis(古)it isの短縮形
it(代)(it is ~ thatの構文で文の主語・(動詞または前置詞の)目的語・副詞語句を強調して)(このitの次にくるbeの時制は通例clause内の動詞の時制と一致し、clause内の動詞の人称は直前の名詞・代名詞に一致する)
that(代)(関係代名詞)(It is ~ that ~の形で名詞(相当語句)を強調して)~のは
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
a sort of ~ 一種の~、~のようなもの
visage(名)顔、顔だち、容貌(ようぼう)
do(助動)(肯定)(法律文の常套的表現や詩・詩的散文での虚辞として)
cream and mantle=acquire a covering (mantle) of scum (cream)
acquire(他)(不正な手段を用いて)(ものを)得る
covering(名)おおうこと、被覆
mantle(自)(古)(液体が)上皮を生じる
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
scum(名)(またa ~)浮きかす、泡、(液体の)上皮
cream(自)(液が)上皮を生じる
standing(形)(水など)よどんだ ・standing water よどんだ水たまり
pond(名)池
do 文法的には前にwhoを補う
wilful(形)(英)=willful(形)故意の、意図的な(=delibarate)
stillness(名)沈黙
entertain=keep up(活動・状態などを)維持する、持続する
with(前)(原因を表わして)~のせいで、~のゆえに、~のために
purpose(名)目的、意図
dressed(形)(~の)服装をして(身じたくをして)(in)
in(前)(着用を表わして)~を着て、身につけて
opinion=reputation(名)評判、世評(of)
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
wisdom(名)賢いこと、賢明、知恵
gravity(名)まじめさ、真剣さ、厳粛、沈着(=seriousness)
profound(形)(感情など)心からの、深い
conceit=thought
As who should say=as much as to say ~と言わぬばかりに
Sir(名)サー~(英国で準男爵baronet)またはナイト爵(knight)の人の氏名と併用する敬称)
oracle(名)神託を告げる人、託宣者、巫女(みこ)
ope=open
open(他)(ドア・目・容器・包み・手紙などを)あける、開く(⇔close、shut) ・open one's mouth 口を開く
lip(名)(複数形で)(発声器官としての)口 ・open one's lips 口を開く、しゃべる
bark(自)(犬・キツネなどが)(~に)ほえる
O(間)(常に大文字で、直後にコンマまたは!は用いない)(呼び掛けの名の前に用いて)ああ!、おお!
my(代)(呼び掛け語に添えて親しみを表わして)
know(自)(直接ではないが)(~のことを)間接的に知って(聞いて)いる(of)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について ・I know of him. 彼について(彼の名前、彼の評判)は(間接的に)知っている
there That=these people who
who(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(人)(通例「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主語の場合)
therefore=therefor(副)(古)その(この)ために
only(副)ただ~だけ、~にすぎない
reputed(形)(~だと)思われて、うわさされて(+補)
for(前)(原因・理由)~の理由で、~のため(=because of)(+doing)
when=while(接)(主節の後方に置き、対照を表わして)ところが一方、しかるに
sure(形)確信して(⇔unsure)(+that)
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(可能性の少ない未来の仮定を表わす場合)(すべての人称でif ~ shouldを用いる/「万一~なら」の訳語になる)
should(助動)(条件節に用いて実現の可能性の少ない事柄に対する仮定・譲歩を表わして)万一(~ならば、~しても)、もしかして~ということでもあれば(あっても)
would 前にtheyを補う
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在または未来の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~(する)だろう
almost(副)(動詞を修飾して)もう少しで、すんでのところで、~するばかりに
damn(他)(~を)(damnと言って)ののしる、のろう
those ears Which=ears of those who
those(代)(指示代名詞)(whoなどの関係代名詞を伴って)(~な)人々(⇔these)
call(他)(人を)(~と)呼ぶ、称する(+目+補)
their(代)彼ら(彼女ら)の
fool(名)ばか者(=idiot)
I'll I willの短縮形
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
tell(他)(人に)(~を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+目)
more(代)それだけの事(もの)(of)
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
another(形)別の、ほかの
time(名)(頻度を表わし、通例副詞句をなして)回、度
fish(自)魚を捕らえる、釣りをする(for)
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
melancholy(形)憂鬱な、陰気な、もの悲しい
bait(名)(釣り針・わなにつける)えさ
for(前)(獲得・追求・期待の対象を表わして)~を得るために(の)、~を(求めて)
fool(形)ばかな
gudgeon(名)タイリクスナモグリ、ガッジョン(ヨーロッパ産のコイ科の小魚/たやすく捕まえられ、食用や魚釣の餌(えさ)用)
this opinion ”gudgeon” と同格
good(形)忠実な
Lorenzo ロレンゾ(男子名)
fare(自)(well、badlyなどの様態の副詞を伴って)(人が)(よく、まずく)やっていく、暮らす(=get on) ・Fare you well!(古)さらば!
ye(代)(古)なんじらは(が)
awhile(副)しばらく、ちょっと
end(他)(~を)終える
exhortation=sermon
sermon(名)説教
【参考文献】
The Merchant of Venice (Penguin classics) (English Edition)
新訳 ヴェニスの商人 (角川文庫)河合祥一郎・訳
ヴェニスの商人 (対訳・注解研究社シェイクスピア選集 (3))』大場建治・編注訳(研究社)
ヴェニスの商人 (大修館シェイクスピア双書)』喜志哲雄・編注(大修館書店)
ヴェニスの商人 (研究社小英文叢書 (53))』岩崎民平・注釈(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)