この週末は、ブルーレイで『クリスマス・キャロル』を見た。
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: Blu-ray
監督は、『ポセイドン・アドベンチャー』のロナルド・ニーム。
撮影は、『ナバロンの要塞』『ロリータ』『屋根の上のバイオリン弾き』のオズワルド・モリス。
美術は、『ドクトル・ジバゴ』『遠すぎた橋』のテレンス・マーシュ。
音楽は、『夢のチョコレート工場』のレスリー・ブリッカス、『ジーザス・クライスト・スーパースター』のハーバート・スペンサー。
主演は、名優アルバート・フィニー。
『オリエント急行殺人事件』のエルキュール・ポアロだな。
共演は、『マダムと泥棒』『戦場にかける橋』『アラビアのロレンス』『ローマ帝国の滅亡』『ドクトル・ジバゴ』『スター・ウォーズ』の名優アレック・ギネス、『史上最大の作戦』のケネス・モア、『大脱走』のゴードン・ジャクソン。
アルバート・フィニーとアレック・ギネスの共演とはスゴイ!
さすが、有名古典は気合いを入れて映画化するな。
なお、アカデミー賞の歌曲賞、衣装デザイン賞、美術賞、主題歌賞にノミネートされている(受賞には至らず)。
本作はミュージカルである。
西洋では、クリスマスは歌ったり踊ったりのお祭りだから、ミュージカルに向いている素材だと言えるだろう。
カラー、シネスコ・サイズ。
明るいコーラスから始まる。
雪が積もった冬の街頭。
子供達が家々の前で歌っては小遣いをもらう。
しかし、スクルージ(アルバート・フィニー)はケチなので、追い払う。
スクルージの甥が事務所を訪ねて来る。
しかし、スクルージは「クリスマスなんかくだらん!」と言い放つ。
事務所には金庫がある。
事務員のボブ・クラチットは甥に同意するが、スクルージは「今度言ったらクビだ!」と怒鳴り付け、甥も追い返す。
夜7時になった。
ボブはスクルージに給料の支払いを求める。
週給なのだろう。
ボブは「出来れば明日(クリスマス)は休みたい」と頼むが、スクルージに嫌味を言われる。
ボブが帰ろうとすると、街に自分の子供達がいる。
ボブは「何が欲しい?」と尋ねる。
子供達は「どうせ買えないから」と諦め顔。
ボブが歌い出す。
要するに、給料を貰ったばかりだから、少しはカネがあるんだな。
七面鳥がぶら下がっているので、小さいのを買う(後半の伏線)。
僕は『クリスマス・キャロル』の研究を始めてから、七面鳥が気になって仕方がないのだが、おいしいのだろうか?
我が家は僕と細君の二人しかいないので、毎年、クリスマス・イブには、スーパーで半額になったもものチキンを買う。
それだって、結構なボリュームだ。
一度は、一羽丸々焼いたのを食べてみたいのだが、細君に怒られそうで買えない。
今年こそ買うぞ!
帰宅するボブと子供達。
余談だが、ボブの役者は若く見えるが、奥さんが老けていて、夫婦に見えない。
まるで親子みたいだ。
ということは、ボブの小さい子供達は、この奥さんの孫みたいに見える。
で、スクルージも事務所を後にする。
寄付のお願いをされるが、断る。
「施設があるだろ」「余計な人口が減るだろ。死んでしまえ」と悪態を吐く。
スクルージは道を歩いては、出会った人達に借金の督促をする。
「I hate people」と歌いながら。
子供達に紙芝居を見せている最中の紙芝居屋にも容赦なく取り立て。
子供達は、「世界でいちばんケチな男」とスクルージのことを歌う。
子供達はスクルージの帽子を取るが、スクルージが取り返す。
スープをタダで差し上げますので、借金の返済を2週間延ばしてというスープ屋にも、「ダメだ、1週間だけだ」と告げ、しかし、スープは持って帰る。
スクルージが帰宅。
ドアに元相棒のマーレイ(アレック・ギネス)の顔が浮かぶ。
暖炉に火を入れ、スープをすするスクルージ。
家中の鈴が鳴り始める。
ろうそくの火が消える。
マーレイの亡霊が現われる。
「私を信じてないな」というマーレイに、「信じる」と応えるスクルージ。
マーレイは鎖を体に巻いている。
マーレイはスクルージを慰めない。
マーレイと一緒に空をさまよう。
亡霊がいっぱいいる。
夢じゃない。
マーレイは、「これから3人の幽霊が訪れる」と告げて、去る。
なお、本作の主要登場人物の中で、マーレイだけが歌わない。
アレック・ギネスは、歌は苦手なのだろうか。
午前1時になり、幽霊が現われる。
過去の幽霊だ。
「改心させるためよ」とはっきり言う。
本作のスクルージは、割合、最初から素直に幽霊の言うことを信じて、改心しようとする。
が、最初はもっと頑迷さを持っていた方が、後半が生きて来るのではないか。
馬車に乗った子供達がクリスマス・キャロルを歌っている。
なお、僕は無神論者で、実家はS価学会だったため、クリスマスの文化がない環境で育った。
なので、クリスマス・キャロルと聞いても、稲垣潤一の曲しか浮かばない。
ちなみに、稲垣潤一のコンサートには3回行った。
で、スクルージの幼い妹ファンもいる。
少年スクルージはいつも学校で独りぼっちだった。
年月を経て、父の許しが出たと言って、妹が迎えに来る。
妹は、子供(つまり、スクルージの甥)を一人残して、若くして亡くなった。
青年スクルージが奉公していたフェジウィグの爺さんは、「今宵はクリスマス・イブ。仕事はもうおしまいだ。家内や娘たちが酒を持ってやって来る」と大はしゃぎ。
ミュージカルなので、みんなここぞとばかりに歌い、踊る。
スクルージは踊れない。
フェジウィグは使用人の給料から天引きしたカネでワイワイ騒いでいるのだが、そんなことは構わない。
フェジウィグの娘イザベルと踊るスクルージ。
昔の恋人を思い出して歌う現在のスクルージ。
森でデートする二人。
どうでもいい話しだが、イザベルの女優も老けている。
ボートに乗りながら歌う二人。
アーチェリーを楽しむ二人。
馬車に乗る二人。
若くてカネがないと言いながら、結構カネの掛かりそうなデートをしている。
現在のスクルージは「彼女のことを愛してた」とさびしく歌う。
事務所で仕事をしている青年スクルージをイザベルが訪ねて来る。
「さよなら」と。
お金を私の代わりに愛するあなた。
あなたは変わった。
と言いながら、指輪を返すイザベル。
何も言えないスクルージ。
彼女は行ってしまう。
追い掛けない。
その時のことを激しく後悔する現在のスクルージ。
目に涙を浮かべながら、さびしく歌う。
いつの間にか、スクルージは寝床に戻っている。
「わしはバカだ」とメソメソ。
さあ、これからどうなる?
84年版より製作にカネが掛かっている印象。
まあ、劇場版だからだろう。
ちょっと原作を省略している箇所が多い。
それから、原作にない箇所も多い。
アレック・ギネスが出過ぎ。
でも、歌わない。
最後の方はスクルージが大盤振る舞い。
大騒ぎをして大団円を迎える。
まあ、ミュージカルだから、これでいいのかも知れないが。
全体的に、ミュージカル向けのシーンを集めて作った印象。
ちょっと、登場人物の人物描写が弱い。
細君は、「84年版の方が良かった」と。
僕もそう思うが、まあ、ミュージカルというところに本作の価値はあるのだろう。
SCROOGE 1970 - Theatrical Trailer