『クリスマス・キャロル』を原書で読む(第10回)

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Foggier yet, and colder!

foggy(形)霧(もや)の立ちこめた
yet(副)(比較級を強めて)まだ(さらに)いっそう

Piercing, searching, biting cold.

piercing(形)(寒さ・風など)身にしみる
searching(形)(寒さなど)身にしみる ・a searching cold 身にしみる寒さ
biting(形)(寒風など)身を切るような(=piercing)
cold(名)寒さ、冷気(⇔heat)

If the good Saint Dunstan had but nipped the Evil Spirit’s nose with a touch of such weather as that, instead of using his familiar weapons, then indeed he would have roared to lusty purpose.

if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(過去の事実に反する仮定を表わす場合)(if節中では過去完了を用い、帰結の主節には通例助動詞の過去形+have+過去分詞の形が用いられる)
good(形)(道徳的に)良い、善良な、有徳な(⇔evil)
saint(名)聖人、聖徒、聖者(生前高徳であったため死後聖人の列に加えられた人、または殉教者などを呼ぶ尊称/しばしばまたは慣用的にSt.と略して名に冠しSt. Peter(聖ペテロ)、St. Thomas(聖トマス)のように用いる)
Dunstan(Saint)聖ダンスタン(924-988)(Canterbury大司教(959-988)/祝日5月19日/鍛冶屋の守護聖人
but(副)ただ、ほんの、~だけ
nip(他)(人・ものを)はさむ、つねる
evil(形)(道徳的に)悪い、よこしまな、邪悪な ・an evil spirit 悪霊、悪魔
spirit(名)(天使・悪魔などの)超自然的存在 ・evil spirits 悪魔
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
touch(名)(a ~)気味、ちょっぴり(of)
such(形)(種類・範囲を表わして)(such ~ asで)~のような
as(代)(関係代名詞)(such、the sameまたはasを先行詞に含んで、制限的に用いて)~のような
that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと
instead of ~(前置詞的に)~しないで、~するどころか(doing)
his(代)彼の
familiar(形)よく知っている、見(聞き)慣れている(⇔unfamiliar)
weapon(名)武器、兵器、凶器
then(副)(通例文頭または文尾に用いて)それなら、(それ)では
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(would have+過分で/過去の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~しただろう
roar(自)(ライオンなど猛獣が)ほえる
to(前)(結果・効果を表わす句を導いて)・to no purpose むなしく
lusty(形)(声など)元気いっぱいの、高い
purpose(名)効果、適切

The owner of one scant young nose, gnawed and mumbled by the hungry cold as bones are gnawed by dogs, stooped down at Scrooge’s keyhole to regale him with a Christmas carol: but at the first sound of —

 ‘God bless you merry gentleman!
  May nothing you dismay!’

owner(名)持ち主、所有者、オーナー
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
scant(形)乏しい、わずかな、不十分な
gnaw(他)(~を)かじる
mumble(他)(食べ物を)もぐもぐかむ
hungry(形)食欲を起こさせる
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
bone(名)骨
stoop(自)かがむ(down)
down(副)(高い位置から)低いほうへ、下へ(に)(⇔up)
at(前)(方向・目標・目的を表わして)~を(ねらって)、~に(向かって)
Scrooge スクルージ(Dickens, A Christmas Carolの主人公/守銭奴だったが、クリスマスの精霊の導きで改心し、人から愛される慈悲深い人物になる)
keyhole(名)かぎ穴
regale(他)(人を)(~で)大いに楽しませる(with)
Christmas carol(名)クリスマスの祝歌、クリスマスキャロル
at(前)(感情の原因を表わして)~に(接して)、~を見て、聞いて、考えて
sound(名)音、音響(of)
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
God(名)(感嘆・のろい・祈願などに用いて)
bless(他)(神が)(人などに)恵みを授ける、祝福する ・God bless you! あなたの上に神のみ恵みがあらんことを。
merry(形)陽気な、笑いさざめく
gentleman(名)(manに対するていねいな代用語として)男のかた、殿方
may(助動)(祈願・願望・のろいを表わして)願わくは~ならんことを、~させたまえ(mayは常に主語の前に置く)
dismay(他)(人を)(心配・恐怖などで)うろたえさせる、狼狽させる、(人の)度を失わせる

Scrooge seized the ruler with such energy of action, that the singer fled in terror, leaving the keyhole to the fog and even more congenial frost.

seize(他)(~を)(ぎゅっと・乱暴に)つかむ、握る、捕まえる
ruler(名)定規、物差し
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
such(形)(程度を表わして)(such ~ thatで)非常に~なので
energy(名)力、勢い
action(名)行動、働き、活動、実行
that(接)(副詞節を導いて)(such ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
singer(名)歌う人、歌手、声楽家
fled(動)fleeの過去形・過去分詞
flee(自)逃げる、逃走する
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
terror(名)(非常な)恐怖 ・in terror 怖くて、恐ろしくなって
leave(他)(副詞句を伴って)(人に)(もの・判断などを)任せる、預ける、託す(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
fog(名)(濃い)霧、濃霧
more(副)もっと、いっそう
congenial(形)同性質(同精神、同趣味)の、気象の合った
frost(名)霜が降りるほどの寒気

At length the hour of shutting up the counting-house arrived.

at length ついに、ようやく
hour(名)(特定の)時、折(of)
shut up(店などを)閉店する
countinghouse(名)(昔の貴族・商人の家の)執務部屋、帳場
arrive(自)(時が)到来する

With an ill-will Scrooge dismounted from his stool, and tacitly admitted the fact to the expectant clerk in the Tank, who instantly snuffed his candle out, and put on his hat.

ill will(名)悪意、反感、憎悪、恨み(=hostility)
dismount(自)(馬・自転車などから)下りる(from)
stool(名)スツール(ひじ掛け・背のない腰掛け)
tacitly(副)<tacit(形)言葉に表わさない、無言の
admit(他)(弁解・証拠などを)認める(=confess)
expectant(形)期待している、待ち設けている
tank(名)(水・油・ガスなどの)タンク
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
instantly(副)直ちに、即座に
snuff(他)(ろうそくを)消す(out)
candle(名)ろうそく
out(副)(ろうそく・火など)消えて
put on(帽子などを)かぶる

‘You’ll want all day to-morrow, I suppose?’ said Scrooge.

you'll you willの短縮形
will(助動)(主語の意志を表わして)(願望・主張/固執・拒絶などを示して)(~しようと)欲する、(あくまでも)~しようとする
all day 一日中、終日
suppose(他)(知っていることから)推測する、思う、考える(+that)
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)

‘If quite convenient, sir.’

convenient(形)(もの・時間など)(人に)都合がよい
sir(名)(男性への呼び掛け)あなた、先生、閣下、お客さん、だんな(見知らぬ人に、召し使いから主人に、生徒から先生に、店員から客に、目下から目上に、または議会で議長に対する敬称/日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い)

‘It’s not convenient,’ said Scrooge, ‘and it’s not fair. If I was to stop half-a-crown for it, you’d think yourself ill used, I’ll be bound?’

it's it isの短縮形
fair(形)公正な、公平な(⇔unfair)
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(現在の事実に反する仮定を表わす場合)(if節中では過去形を用い、帰結の主節には通例would、shouldなど助動詞の過去形が用いられる)
be(助動)(be+to doで)(予定を表わして)~することになっている、~する予定だ(公式の予定に用いる)
stop(他)(給与・積立金などから)(~を)差し引く
half(形)(冠詞またはone'sのついた名詞の前に置いて)~の半分の(一般的にはhalf a mile、half an hourの語順をとるが、またa half mile、a half hourともなる)
crown(名)(英)(旧通貨制度の)クラウン(5シリング銀貨(現行通貨の25ペンス相当)/1551-1946に使用)
for(前)(対象)(報償・返報を表わして)(好意・成果など)に対して、~の返報として
you'd you wouldの短縮形
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在または未来の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~(する)だろう
think(他)(~を)(~だと)思う、みなす(+目+補)
yourself(代)(再帰的に用いて)あなた自身を(に)/(一般動詞の目的語に用いて)
ill-use(他)(~を)虐待(酷使)する(しばしば受身)
I'll I will(shall)の短縮形
bound(形)確かに(~する)はずで

The clerk smiled faintly.

clerk(名)(銀行・会社の)事務員、社員、行員
smile(自)(人・顔・目などが)微笑する、ほほえむ、にっこりする、ほほえみかける
faintly(副)力なく、弱々しく

‘And yet,’ said Scrooge, ‘you don’t think me ill used, when I pay a day’s wages for no work.’

yet(副)(andまたはbutに伴って)それにもかかわらず、それなのに、しかもなお
don't do notの短縮形
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
pay(他)(報酬・賃金・代金などを)支払う(for)
wage(名)(しばしば複数形で)(肉体労働による時間・日・週決めの)賃金、労賃

The clerk observed that it was only once a year.

observe(他)(~と)述べる、言う(+that)
only(副)ただ~だけ、~にすぎない
a(冠)(不定冠詞)(単語を表わす語につけて)~につき、~ごとに(=per)(前置詞の働きをし、また、訳さないこともある)・once a day 日に1回

‘A poor excuse for picking a man’s pocket every twenty-fifth of December!’ said Scrooge, buttoning his great-coat to the chin.

poor(形)(やり方の)下手な、まずい
excuse(名)弁解、言い訳(for)
for(前)(cause、reason、ground、motive、foundationなどの後で用いて)~に対しての、~すべき
pick a person's pocket(人の懐中を)する、すりを働く
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
every(形)(可算の単数名詞を伴って無冠詞で)毎~、~ごと(しばしば副詞句として用いる)
twenty(形)(基数の20)20の、20個の、20人の
fifth(名)(序数の第5番)(通例the ~)(月の)5日(いつか)・the fifth of May 5月5日
button(他)(~に)ボタンをかける
greatcoat(名)(兵士などの)厚地の大外套(がいとう)
to(前)(到達点を表わして)~まで、~に至るまで
chin(名)あご、あご先、おとがい

‘But I suppose you must have the whole day. Be here all the earlier next morning!’

must(助動)(当然の推定を表わして)~にちがいない、~に相違ない、きっと~だろう
have(他)(~を)得る、もらう、受ける
whole(形)(時間・距離など)まる~、ちょうど~(単数普通名詞にはaをつける)・a whole day まる1日
all(副)(the+比較級の前に用いて)それだけ、ますます
next(形)(時間が)(通例the ~)(過去・未来の一定時を基準にして)その次の、翌~
morning(名)(副詞的に)朝に、午前中に

The clerk promised that he would; and Scrooge walked out with a growl.

promise(他)(人に)(~を)約束する(+that)
would(助動)(時制の一致により従属節内でまた間接話法で用いて)(意志未来を表わして)~しよう
walk out 突然立ち去る(退席する)(不満を示すためなど)
growl(名)(人の)いがみ声、どなり声

The office was closed in a twinkling, and the clerk, with the long ends of his white comforter dangling below his waist (for he boasted no great-coat), went down a slide on Cornhill, at the end of a line of boys, twenty times, in honour of its being Christmas-eve, and then ran home to Camden Town as hard as he could pelt, to play at blindman’s-buff.

close(他)(店・役所・港などを)閉じる、休業する
in a twinkling またたく間に、あっという間に
with(前)(付帯状況を表わす句を導いて)~して、~したまま、~しながら(名詞の後に前置詞付きの句・副詞・形容詞・分詞などの補足的要素を従える)
end(名)(細長いものの)端、末端、先端
white(形)白色の
comforter(名)ウールの長いスカーフ
dangle(自)ぶら下がる
waist(名)(人体の)ウエスト(肋骨(ribs)とヒップ(hips)の間の胴のくびれた部分)
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
boast(他)(誇りとして)もつ、有する
go down ~ ~を(下りて)行く
slide(名)滑走場
Cornhill(名)コーンヒル(LondonのCityで一番高い丘/不正な取引をした者をさらしものにするところとして有名であった/39番地はThomas Grayの生家跡/Leigh Hunt、Thackeray、Mrs. Gaskel、Brontë姉妹とその弟などもここに住んでいた)
line(名)(順番を待つ)行列
time(名)(頻度を表わし、通例副詞句をなして)回、度
honour(名)(英)=honor
in honor of ~ ~に敬意を表して、~を祝して、を記念して
Christmas Eve(名)クリスマスイブ、クリスマスの前夜(日)(12月24日)
then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
home(副)わが家へ
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
Camden Town カムデンタウン(Londonの北西にある地/アイルランドからの移民やキプロスギリシア人が洋服屋靴屋・カフェの経営者などとして住みついた/Dickensが少年時代を過ごした場所)
as ~ as one can できるだけ
hard(副)一生懸命に、骨を折って、熱心に
pelt(自)(副詞句を伴って)走る、急ぐ
blindman's buff(名)目隠し遊び
【参考文献】
Penguin English Library a Christmas Carol (The Penguin English Library)』Charles Dickens・著
クリスマス・キャロル (角川文庫)』越前敏弥・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)