『巴里祭』

この週末は、ブルーレイで『巴里祭』を見た。

1933年のフランス映画。
監督・脚本は、フランスの名匠ルネ・クレール
音楽は、『舞踏会の手帖』『北ホテル』『旅路の果て』の巨匠モーリス・ジョベール。
主演はアナベラ。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
明るい合唱曲が流れる。
このブルーレイは4Kリマスタリングらしいが、音はヒドイ。
「7月13日、巴里祭の準備に忙しいパリ」という字幕。
あちこちのアパートの窓から国旗が掲げられる。
花売り娘のアンナが歯を磨いているのが見える。
タクシーの運転手をしているジャンは、窓越しに彼女に目配せをする。
ガキどもがジャンの車に乗ってイタズラ。
ジャンが注意する。
ジャンの部屋には、かつて同棲していたポーラという女の写真が未だ残されていた。
勝手にそれを見て、噂話を繰り広げるお手伝い女達。
ジャンは車の前でアンナとケンカをする。
が、結局、ジャンとアンナはデートの約束を。
アンナは子供達と遊んでいる。
夜、踊っている人々。
アンナはレストランで花売りをしている。
ジャンは、もう一人のタクシー運転手と大ゲンカ。
もう一人のタクシー運転手の客である酔っ払いは、気前良く100フランを払って、「釣りは要らない」と言う。
この酔っ払いは、アンナにセクハラをする。
しかし、当時は女性に対する人権意識がなかったのであろう。
アンナは店主から「謝れ」と強要され、断ってクビになる。
アンナはジャンにそのことを訴える。
客としてタクシーに乗り込もうとして来たその酔っ払いを、ジャンは断る。
ジャンともう一人の運転手とアンナは、仕事終わりに落ち合う。
ジャンとアンナは踊る。
演奏している人達は、何と酒を飲みながら演奏している。
アンナは、曲が何度も途中で途切れるので、「今夜は踊りが途切れてばかり」と不機嫌になる。
ジャンとケンカになる。
一方、例の酔っ払いがいつの間にかタクシーに乗り込んでいて、またもセクハラを働く。
アンナは、ジャンとではなく、もう一人のタクシー運転手と踊る。
例の酔っ払いがタクシー運転手にケンカを売る。
酔っ払いは、何故かその場にいた二人組のスリに上着を預けてしまう。
しかし、たまたまサイフは下に落ちて助かる。
そこに雨が降って来る。
雨宿りをするアンナとジャン。
二人、キスをする。
「雨がやんだ。踊ろう」とジャン。
アンナはもう一人の運転手に「さっきとは違うの」と告げる。
女心は変わり易い。
二人は「おやすみ」と言いつつ、明日も踊りに行くという約束をする。
そして、キスをして別れる。
ジャンが部屋に戻ると、何故か昔の恋人ポーラがいる。
「出て行け。もうお前を愛していない」とジャンは言うが、居座るポーラ。
言っちゃあ悪いが、あんまりタチのいい女じゃなさそうだ。
面倒臭いね。
仕方がないので、ジャンは「明日までは泊める」と告げ、自分は「散歩に行く」と言って部屋を出る。
その頃、アンナは母親の具合が悪かった。
そして、ポーラとお手伝いは揉めている。
実は、ポーラは先に登場した二人組のスリ達と仲間であった。
アンナは、「今夜、母が病気で踊れない」とジャンに伝えるために、彼の部屋へ行く。
すると、何と他の女がいる痕跡があった。
ショックを受けるアンナ。
そこへ、ポーラが戻って来る。
お手伝い達は噂話をして面白がっているが、アンナにとってはたまったものじゃない。
そこへ、タイミング悪く戻って来るジャン。
アンナは怒っている。
大ゲンカになる。
さあ、二人の恋の行方や如何に?
この時代のフランスには、既にジュークボックスがあったという驚き。
それから、かまやつひろしの歌ではないが、ゴロワーズが出て来る。
そして、フランス人は日本人と違って、仕事をする気が全くない。
まあ、何ということのないラブ・ロマンスだが、いい映画だった。
特に、後半の展開。
昔の映画は味があっていいね。

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