『悪魔のシスター』

この週末は、ブルーレイで『悪魔のシスター』を見た。

悪魔のシスター [Blu-ray]

悪魔のシスター [Blu-ray]

1973年のアメリカ映画。
監督はブライアン・デ・パルマ
後に、『キャリー』『スカーフェイス』『アンタッチャブル』等を撮る。
本作は、素人目にもヒッチコックの影響を受けているのが分かる。
音楽はバーナード・ハーマン
『めまい』『北北西に進路を取れ』『サイコ』『鳥』等ヒッチコック作品の外、『市民ケーン』『華氏451』『タクシードライバー』等も手掛けている。
本作は、ブルーレイなのに画質があまり良くない。
胎児のアップから始まる。
ホラー映画なので、不気味である。
音楽は『サイコ』のよう。
冒頭から思わせ振りである。
『ピーピング・トム』というTVの人気クイズ番組。
番組に出演していた美しいモデル・ダニエル(マーゴット・キダー)と黒人青年のフィリップ(ライスル・ウィルソン)。
二人は番組終了後、食事に出掛ける。
ダニエルは酔っ払ってしまった。
何故か、彼女の元夫エミール(ビル・フィンレー)が隣の席に座っている。
ストーカーか。
ここはニューヨーク。
二人は郊外の島へ渡り、彼女のアパートへ行く。
途中、ダニエルには亡くなった妹がいたことが明かされる。
しかし、エミールがアパートの下で見張っている。
ダニエルのセリフは、かなりのフランスなまりである。
彼女はフランス系カナダ人だ。
フィリップがエミールを追い払いに行く。
そして、戻って来て、彼女と抱き合う。
ダニエルの腰には大きな傷跡が。
不気味な音楽。
なかなか展開が読めない。
翌朝、ダニエルは洗面所で薬を飲む。
その後、フランス語で誰かと口論する。
驚いて、寝ていたフィリップは目を覚ます。
死んだと言っていた妹だろうか。
妹は、ダニエルが他の男と付き合うと怒るらしい。
彼女達は双子で、今日は誕生日。
フィリップは、ダニエルに頼まれて薬を買いに行く。
ダニエルのアパートでは、薬が切れた彼女が洗面所で苦しんでいる。
エミールは、またアパートの外で見張っている。
フィリップは薬を買い、誕生日ケーキも買って帰る。
ダニエルの部屋に戻ると、ベッドに寝ていた彼女がいきなりフィリップを刺す。
ナイフを振り上げる女のシルエット。
『サイコ』みたいだ。
フィリップは、はふはふの体で窓のそばに行き、助けを求めようとするが、息絶える。
その様子を、向かいのマンションの女グレース(ジェニファー・ソールト)が見ていた。
今度は、洗面所で倒れていたダニエルが起き上がる。
そこに、エミールが入って来る。
彼女は元夫に「殺人を犯したのは妹のドミニク」だと言う。
何だ、妹は死んだんじゃなかったのか。
更に、元夫とは険悪なはずでは?
何だか訳が分からない。
フィリップは死んだ。
エミールとダニエルは、折り畳み式のソファ・ベッドにフィリップの死体を隠す。
グレースが呼んだ刑事がアパートの下までやって来た。
ここから、証拠を隠滅するダニエル達と、刑事を部屋へ連れて行こうとするグレースの様子が、マルチ画面で同時進行する。
緊迫感のある展開だ。
刑事はグレースに聴き取りをしている。
彼女は新聞記者で、警察の腐敗を暴く記事を書いたことがあるので、刑事に信用されていない。
エミールは、片付けた大きなゴミ袋を持って部屋の外へ。
入れ違いに刑事が部屋へ。
元夫は、まんまと危機を免れて外に出る。
刑事はドミニクを取り調べる。
グレースが殺人の様子を語るが、ドミニクはシラを切る。
証拠も消えている。
凶器のナイフは、エミールが持ち去った。
部屋の中を探しても、何も出て来ない。
そこへ、エミールが戻って来る。
グレースは、「この姉妹は双子だ。その証拠に、二人の名前が書かれた誕生日ケーキを見付けた」と主張するが、そのケーキを落として壊してしまう。
刑事は怒って帰る。
彼女の主張は認められなかった。
警察は、被害者が黒人だから、人種差別をしているのだろう。
グレースは、例のケーキ屋へ行き、裏を取る。
彼女はの執念の調査が始まる。
調べて行く内に、姉妹はシャム双生児であることが分かった。
グレースは、次第に核心に迫って行く。
しかし…。
さあ、この後どうなるだろうか?
登場人物が一々ヘンだ。
後半は、予想外の展開となる。
そして、かなり不気味だ。
ドンデン返しもある。
ラストは、ちょっとユーモラスで笑える。
如何にも低予算な、昔のB級映画である。
けれども、昨今のCDしか見るところのない映画とは違って、随所に工夫が見られる。
ホラーの嫌いな細君も、「気持ち悪い」とは言いつつも、作品の出来については珍しくほめていた。