『サイコ4』

連休中は、ブルーレイで『サイコ4』を見た。

サイコ4 [Blu-ray]

サイコ4 [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: Blu-ray
1990年のアメリカ映画。
監督はミック・ギャリス。
脚本は、『サイコ』のジョセフ・ステファノ。
主演は、『サイコ』『審判』『サイコ2』『サイコ3/怨霊の囁き』のアンソニー・パーキンス
共演は、『E.T.』のヘンリー・トーマスと、『ロミオとジュリエット(1968)』『ナイル殺人事件』のオリヴィア・ハッセー
本作はTV映画らしい。
4作目って…「よくやるよ」といった感じだ。
ユニバーサル。
カラー、ワイド。
例の音楽から始まる。
今日は、ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)の誕生日。
彼は、何と結婚している。
何人も女性を殺した殺人犯と結婚するような奇特な女性がこの世にいるのか。
それ以前に、アメリカは刑期が可算されて、懲役何十年とかになるのではないのか。
何故、シャバにいるんだ。
それはさておき、ラジオで「母親殺し」の特集番組を放送している。
専門家の博士(精神科医?)は、30年前に母親を殺した男に会ったことがあるという。
それがノーマンなのだが。
で、ラジオ番組に匿名の男から電話が掛かって来る。
それも、実はノーマンなのだが。
で、彼は「今また殺人を犯す気だ」と告げた上で、自分の経験を話し始める。
ここから、少年時代のノーマン(ヘンリー・トーマス)を回想。
未だキレイなベイツ・モーテル。
最初に殺したのは、僕を犯そうとした女性。
若い娘がベイツ・モーテルにやって来て、ノーマンを誘惑する。
その夜は花火。
「花火を部屋から観たい」と言いながら、娘はノーマンの目を盗んで母屋の彼の母親の部屋へ。
「母さんの部屋に何の用だ?」
ベッドに誘う娘。
「アバズレを追い返しなさい」とノーマンに告げる母親(実はミイラ)。
ノーマンは母親のヅラを剥がし、女装する。
そして、娘を刺し殺す。
再び、ラジオ番組に電話をするノーマン。
母親がどんな人だったのかを尋ねられる。
う~ん。
バラエティー番組なら分かるが、こんな重いテーマの番組で、突然番組に電話をして来た匿名のリスナーにここまで番組を委ねるだろうか。
まあ、しかし、これはあくまでストーリー展開のための狂言回しだと割り切って、先に進む。
ノーマンの父親が死んだのは6歳の時。
顔中をハチに刺されたのだという。
続いて、ノーマン少年は母(オリヴィア・ハッセー)の恋人も殺したという。
それはノーマンが15歳の時。
母親は雷が怖い。
雷が鳴っているので、寝室にノーマンを呼び、「服を脱げ」と言って、自分のベッドに潜らせ、「抱き締めて」と言う。
かなり頭がおかしい。
そして、ボッキするノーマン。
恥ずかしがって、ベッドから飛び出す。
母親はノーマンの部屋でエロ本を発見し、ノーマンを罵倒。
雷雨の中、ノーマンに裸のまま、外のゴミ箱まで捨てに行かせる。
こういう母親を殺すような人は、やはり性的なトラウマがあるということか。
かなり偏見に満ちているが。
ある日、ノーマンが、父親が開けたという例のノゾキ穴から母親の部屋を覗くと、彼女が半狂乱になっている。
何か、『ポゼッション』の時のイザベル・アジャーニを思い出した。
ジュリエットまで演じた女優に、こんな演技をさせて、可哀想に。
その年は、例年より暑い夏。
母親はノーマンに自分の身体を拭くように命じる。
やはり、頭がおかしい。
近親相姦的と言うか、性的に倒錯している。
こんなのテレビで放映出来るのか。
で、裸で母親とじゃれ合うノーマン。
突然、ボッキしてしまう。
狂乱する母親。
無理矢理、女装させられるノーマン。
これが、後の女装の始まりなのか。
「チンチンはオシッコのためだけに付いているのよ!」と、スゴイことを言う母親。
その頃、ラジオのスタジオでは、博士が調べて、電話の主はノーマンだと判明していた。
ノーマンは次に誰を殺すつもりなのか。
と言うよりも、とっとと警察に連絡しろよ。
まあ、警察も、実際に事件を起こさないと、手出しは出来ないだろうが。
いや、アメリカの警察なら、その前に射殺するか。
で、回想に戻って、少年ノーマンは1年後、母親を殺す。
ノーマンに罵詈雑言を浴びせる母親。
ノーマン少年は内心、「殺せば良かった」と思うが、この時点では未だ殺さない。
もう、この母親は狂っている。
一方、現在のノーマンは、自分の誕生日を祝うために、もうすぐ戻って来る妻を自宅で待っているのだった。
ラジオ・アナウンサーから「母親をどんな風に殺したのか?」と訊かれたノーマンは、「slowly(ゆっくりと)」と答える。
それは、母が恋人を家に連れて来た時のことだった。
さあ、これからどうなる?
それにしても、殺人事件を、番組でエンターテインメントのネタにしてもいいのだろうか。
で、本作だが、ストーリーとしては成立している。
しかし、本作は怖くない。
サスペンスでもスリラーでもホラーでもない。
そもそも、サスペンス映画に種明かしが必要だろうか。
分からないから怖いのではないか。
主役と設定と舞台が同じというだけで、何とか4作つくったが。
これが続編の限界か。
ラストは、「何だかなあ」という感じ。
如何にも、更なる続編を匂わせるような終わり方。
アンソニー・パーキンスが死んだから、実現しなかったのだろう。
だが、ご丁寧にも、リメイクまであるという。

Psycho IV: The Beginning - Trailer (HD)