『コンボイ』

この週末は、ブルーレイで『コンボイ』を見た。

1978年のアメリカ映画。
監督は、バイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパー(『ワイルドバンチ』『ゲッタウェイ』『戦争のはらわた』)。
主演は、『天国の門』のクリス・クリストファーソン
共演は、『ある愛の詩』『ゲッタウェイ』のアリ・マッグロー、『チャイナタウン』『ロッキー』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のバート・ヤング、『ワイルドバンチ』『ポセイドン・アドベンチャー』のアーネスト・ボーグナイン
ロック風の音楽が流れる。
アリゾナ州
広大な砂漠の中の一本道を走る巨大なタンクローリー
『激突』みたいだな。
運転しているのはラバー・ダック。
キレイな姉ちゃん(アリ・マッグロー)のオープン・カーがタンクローリーの横に並ぶ。
真っ黒に日焼けして、髪の毛もチリチリなので、最初は誰だか分からなかった。
彼らは運悪く、パトカーの前を通り過ぎる。
保安官ライル(アーネスト・ボーグナイン)がスピード違反で罰金を取る。
女の車を追って走り去るパトカー。
ラバー・ダックの仲間のトラック。
ピッグ・ペン(バート・ヤング)のトラックはブタさんをたくさん載せている。
黒人のトラックもいる。
彼らは無線を使って他愛無い会話を楽しんでいる。
再び保安官ライルのパトカーに捕まってしまう。
この保安官は悪徳野郎で、トラックの運ちゃん達に難癖を付けては、罰金という名目でカネをふんだくるのであった。
何という腐敗堕落した警官だ!
許せない!
彼は、以前からラバー・ダックを目の敵にしていた。
ラバー・ダック達は食事をするために飲食店に立ち寄る。
そこには、さっきのオープン・カーの姉ちゃんメリッサもいた。
彼女に声を掛けるラバー・ダック。
彼女は、オープン・カーを乗り捨てたらしい。
「オレのタンクローリーに乗せてやる」と。
そこへライルがやって来る。
コイツは、トラック仲間達の無線を盗み聞きしているのであった。
ストーカーみたいな野郎だな。
悪徳保安官は、またカネをむしり取ろうとする。
払えなければ、逮捕すると。
黒人の運ちゃんは、奥さんが出産間近だから、ブタ箱送りだけは勘弁してくれと。
で、トラック野郎達は頭に来て、思わず保安官を殴ってしまうんだな。
お巡りの仲間も応援に来て、トラック野郎達との大乱闘が始まる。
サム・ペキンパーの得意なスローモーション。
とは言え、音楽はコミカルなので、ドリフのコントを見ているよう。
トラック野郎達は怒りに任せて、警官達のピストルを抜き取り、手錠を奪って、椅子や柱に縛り付ける。
更に、パトカーを破壊。
見事な公務執行妨害だ。
そして、逃亡。
ライルは、何とか手錠を外し、駐車場でイチャついていたカップルの車を奪って、トラックを追う。
トラック野郎達は無線で声を掛け合い、いつの間にか仲間のトラックが増えて来る。
で、カーブを曲がり切れず、黒人未亡人の運転するトラックが転倒。
それから、ライルの車が『西部警察』ばりのダイブ。
まあ、撮影は大変そうである。
ライルは州警察の応援を呼ぶ。
未舗装の岩道で、猛烈な砂煙を上げながら爆走するトラックとパトカー。
パトカーが1台、脱落する。
走行シーンがオーバー・ラップするが、これがちょっとクドイ。
道路を走りながら、2台のトラックでパトカーを左右からはさみうち。
ライルは、ニューメキシコの警察に応援を頼む。
州越え。
更に、トラック野郎達にも仲間がどんどん加勢して来る。
ゾロゾロと走るトラック。
アメリカのトラックはデカイ。
スゴイ台数になって来た。
その数、50台以上か。
ただし、スピードはそんなに早くない。
バニシング・ポイント』のように、カー・チェイスを見せる映画ではない。
先頭はラバー・ダック。
ライルはヘリからトラックに停止命令を発する。
しかし、もちろん聞かない。
「停まらなければ射殺するぞ!」
狂った警察。
だが、ラバー・ダックのタンクローリーには、1万ガロンのニトロが積まれているのであった。
下手に撃つと大爆発だ。
警察はバリケードを築いていたが、爆発物にビビった奴らは、一目散に逃げる。
バリケード突破。
彼らは街へ向かっていた。
今や、トラックの台数は100を超えている。
さあ、これからどうなるか。
本作には、体制批判的な要素も盛り込まれている。
でも、どうも中途半端に思える。
かと言って、アクションが見せ場という訳でもない。
クライマックスの爆発シーンは大迫力だが。
イマイチ焦点が絞れていないんだな。
本作が日本でヒットしたのは、『トラック野郎』シリーズが流行っていたからではないだろうか。
1978年洋画興行収入5位(ちなみに、1位は『スター・ウォーズ』。邦画の1位は『野性の証明』)。