『ビッグケーヒル』

この週末は、ブルーレイで『ビッグケーヒル』を見た。

1973年のアメリカ映画。
監督はアンドリュー・V・マクラグレン
主演は、『史上最大の作戦』『西部開拓史』『大列車強盗』『オレゴン魂』のジョン・ウェイン
共演は、『暴力脱獄』『大空港』『大地震』のジョージ・ケネディ
音楽は、『十戒』『荒野の七人』『アラバマ物語』のエルマー・バーンスタイン
セット丸出しの夜の雪原から始まる。
雪は塩だろう。
近付く馬。
乗っているのは連邦保安官のケーヒルジョン・ウェイン
荒くれ者達が待ち受ける。
「逮捕するぞ」と言うが早いか、銃をぶっ放す。
早撃ちの保安官であった。
勇壮な音楽が流れる。
先程の荒くれ者を、ケーヒルは馬に乗せて連行する。
アメリカの荒野の中。
夜、ケーヒルの次男で11歳のビリー・ジョーが家を出て行く。
彼は馬を盗み、小屋に火をつける。
ケーヒルの長男で17歳のクローディーは、酔って騒いだとのことで拘置所に入れられていた。
同じ牢には、極悪人のフレイザージョージ・ケネディ)らの一味もいた。
ビリーは、秘かに拘置所に侵入し、兄やフレイザーらを牢から出す。
そして、彼らは銀行を襲った。
ビリーが起こした火事で町が大騒ぎの内に。
しかし、フレイザーら悪党は、保安官助手ともう一人を撃ち殺してしまう。
人殺しを咎めるケーヒル兄弟。
もちろん、悪党達は、そんなことに聞く耳を持たない。
襲撃は成功し、フレイザー達は、完全なアリバイを作るため、自ら牢に戻った。
そこへ、無法者達を追って町を出て以来、1年振りにケーヒルが帰って来る。
ビリーは学校に時々しか行っていない。
母親は既に死んでいる。
クローディーは、任務に忠実な余り家庭を顧みない父に反発していた。
それにしても、保安官の息子が、銀行強盗はイカンよ。
しかも、ケーヒルは、銀行強盗犯を追うために、クローディーを助手にする。
犯人が犯人を追うって。
何と言う皮肉。
ケーヒルは、混血インディアン(差別用語)のライトフートを道案内に雇う。
クローディーは、子供のクセに大変な人種差別主義者で、憎悪の言葉をライトフートに浴びせる。
ケーヒルは子供を放ったらかしだが、ライトフートは彼のことを信頼していた。
クローディーは、自分が銀行強盗を犯したことに良心の呵責がある。
そんな折、ケーヒル達は怪しい連中を発見する。
だが、彼らは昨晩の銀行強盗とは別件であった(ニューメキシコでカネを盗んだと言っている)。
でも、保安官助手が殺された恨みで、ケーヒル聞く耳を持たない。
一方、ビリーは銀行強盗で盗んだカネを秘かにどこかへ隠し、出獄したフレイザーから、「隠し場所を言わないと殺すぞ」と脅されていた。
ビリーは雨の中、必死で逃げる。
そのせいで、彼は肺炎に罹り、高熱を出して寝込んでしまった。
そこへ、フレイザーが訪ねて来る。
またも脅すが、兄が病気の弟を必死で庇った。
ケーヒルは、確かに「仕事、仕事」でいつも留守だった。
しかしながら、実は自分の息子達が銀行強盗に関わっていることもお見通しだったのである。
この後、人殺しとは関係のない悪党達が絞首刑になろうとし、ケーヒルの息子やフレイザー達がどう動くかが焦点になる。
話しは非常に分かり易い。
最後はご都合的だが。
まあ、家族愛の話しかな。
ジョン・ウェインと息子達の年齢が離れ過ぎていて、親子には見えないが。
ケーヒルの「カネは銀行のものだが、元は村人のなけなしの貯えだ」という言葉が印象に残った。