『フレンチ・カンカン』

この週末は、ブルーレイで『フレンチ・カンカン』を見た。

フレンチ・カンカン Blu-ray

フレンチ・カンカン Blu-ray

1954年のフランス映画。
監督は、フランスの巨匠ジャン・ルノワール
ちなみに、彼は画家のルノワールの息子である(常識?)。
主演は、フランスの大スター、ジャン・ギャバン
共演は、『軽蔑』のミシェル・ピコリ
テクニカラー、スタンダード・サイズ。
華やかなテーマ音楽。
タイトル・バックの絵の色は非常に鮮やかだ。
本作の色使いは独特で、テクニカラーに映えている。
セットを多用した撮影も特徴。
舞台は19世紀末のパリ。
興行師ダングラール(ジャン・ギャバン)の経営する寄席「シナ屏風」。
裸みたいな衣装で女性が踊っている。
ダングラールに見出されて、この寄席のスターになったロラ(マリア・フェリックス)だ。
舞台裏にはダングラールがいるが、彼は客席に出て、客に次々と挨拶をする。
数人で食事に出掛けるダングラール達。
モンマルトルの「白い女王」というキャバレーへ。
ロラと踊るダングラール。
二人は深い関係のようだ。
そこで、ダングラールはニニ(フランソワーズ・アルヌー)という若い娘と踊る。
この娘は、カンカン踊りに興じていた。
家に帰って、ダングラールが寝ていると、突然、自宅に家具の差し押さえが入る。
ロラに付きまとっている「シナ屏風」の出資者ヴァルテル男爵(ジャン・ロジェ・コシモン)の差し金であった。
翌日、ダングラールはニニをスカウトする。
彼女は洗濯屋で働いていた。
そして、恋人のポオロはパン屋の店員だった。
要するに、底辺階級だ。
ニニは、ダングラールにダンスの先生の所へ連れて行かれる。
先生は「カンカンは時代遅れだ」と言う。
ダングラールは、それなら新しいカンカンをやろうと言って、「フレンチ・カンカン」を提案する。
で、彼は「白い女王」を買うことにした。
ヴァルテル伯爵も、家具を返すと言って来た。
ダンス・レッスンには、底辺階級からの脱却を夢見る若い女性が多数、押し掛けて来た。
ダングラールは、前の店を売って、カネを作る。
レッスンで、高々と足を上げる女性達。
まあ、フレンチ・カンカンだからな。
新しい店の名前は「ムーラン・ルージュ(赤い風車)」と決まった。
恥ずかしながら、僕は今まで、ムーラン・ルージュの意味を知らなかった。
工事を始める時には、大臣まで見学にやって来た。
で、まあ、要するに、ダングラールが若い娘にご執心だから、それに嫉妬したロラがニニにケンカを仕掛け、大乱闘になった。
僕から見ると、若干年上でも、ロラの方が余程美人だと思うのだが。
ニニは足にケガをしてしまう。
更に、ニニをチャラい世界に行かせたくない恋人のポオロが、そこへ押し掛けて来る。
まあ、アイドルにスカウトされた彼女を連れ戻しに来る彼氏みたいなもんだな。
今の日本でもありそうだ。
三鷹の事件を思い出した。
ダングラールは、「ここを家庭的な店にしたいんだ!」と叫ぶが、過って、工事の穴に落ちてしまう。
更に、大乱闘の知らせを聞いて、警察がやって来て、ポオロを始め、何人かの男をしょっ引いて行った。
重傷を負ったダングラールが退院すると、ロラにそそのかされたヴァルテル男爵が出資を中止したという。
工事は中断され、ダングラールは部屋代も払えなくなった。
仕方なく、部屋を出て行くダングラール。
どうでもいい話だが、彼のトランク・ケースはルイ・ヴィトンだ。
で、ニニと愛し合うダングラール。
何という年の差なんだ。
今なら、児童ポルノ法違反で逮捕されそうである。
で、ニニに思いを寄せていた近東の某国のアレクサンドル王子が現れ、店に出資をするという。
何という身分違いの恋だ。
この時代、踊りを観るというのが、大変な大衆娯楽であったことはよく分かる。
それにしても、ダングラールは、某国民的(とマスコミが勝手に呼んでいる)アイドル・グループA◯BのA元プロデューサーみたいだ。
最後に、またも色恋沙汰でニニが嫉妬して、ダングラールが完全に開き直るのがスゴイ。
フランスは自由恋愛の国なんだな。
日本人には、この感覚は理解出来ないだろう。
で、ニニは踊りたくないと言うんだけど、AKBと同じで、別に前田敦子がいなくても成立すると思うんだが。
大人数だからね。
でも、必死で説得する。
最後に、例の曲が流れて、大団円。
ドリフのコントでもよく使われた、あの曲だ。
エディット・ピアフを始め、多数の歌手が出演しているというのだが、この辺は、音楽に疎い僕には余り引っ掛からなかった。
音楽はにぎやかではあった。
色彩感覚には見るべき点が多々あるが、ストーリーには疑問点が多い。
コメディーというのも、ちょっと違う。