この週末は、ブルーレイで『七年目の浮気』を見た。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2017/12/02
- メディア: Blu-ray
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監督は、『サンセット大通り』『麗しのサブリナ』『アパートの鍵貸します』のビリー・ワイルダー。
音楽は、『イヴの総て』『西部開拓史』『大空港』のアルフレッド・ニューマン。
撮影は、『イヴの総て』『めぐり逢い(1957)』『西部開拓史』『続・猿の惑星』のミルトン・クラスナー。
主演は、『イヴの総て』のマリリン・モンローと、トム・イーウェル。
共演は、『風と共に去りぬ』のイヴリン・キース、『戦争と平和(1956)』のオスカー・ホモルカ。
昔、ヒロシ&キーボーの「3年目の浮気」というデュエット曲があった。
当時、僕は小学校4年生だったが、小学生でも口ずさめるくらい大ヒットした。
僕は、未だに歌詞を全部覚えている。
カラオケでも何度も歌った。
一人で男声と女声をオクターヴを変えて歌うとウケる。
で、その「3年目の浮気」のタイトルは、もちろん、この映画からパクったのである。
マリリン・モンローのスカートがめくれ上がるシーンで有名だ(ただし、パンツは見えない。)
20世紀フォックス。
カラー、シネマ・スコープ。
華やかなテーマ曲。
カラーのモザイク模様のタイトル・バック。
マンハッタン島。
島の名前は先住民に由来。
彼らは、暑くなると、女子供は涼しい所に出掛け、男は島に残るという。
島に残った男は皆、若くてキレイな娘を追い掛ける。
時代は違えど、やることは同じ。
500年後の現代のニューヨーク。
三流出版社に勤めるリチャード(トム・イーウェル)は、駅で避暑に出掛ける妻子を見送る。
一人になると、キレイな女性を見ると追い掛けたくなるが…。
「ダメ、抑えて」と心の声。
タバコもダメ、酒もダメ。
健康のために菜食レストランで夕食を済ませ、自宅のアパートに戻る。
彼の部屋は1階だが、2階の部屋に、若くて可愛い娘(マリリン・モンロー)がいる。
2階の部屋の夫婦が夏の間、留守にするので、その間、部屋を借りたのだという。
リチャードは結婚してから7年目だが、この間、一度も浮気はしていない。
リチャードは、自分ではモテると思っている(しかし、これは妄想)。
避暑にも、入院した時の看護婦にも、妻の親友にも(もちろん、妄想)。
しかし、彼は強い理性も持っている(と思っている)。
夜10時になると、リチャードの元へ妻ヘレン(イヴリン・キース)から電話が掛かって来る。
こんなに監視され、酒もタバコも禁止されたら、そりゃストレスも貯まるだろう。
その時、2階から庭にトマトの鉢が落ちて来る。
最初は怒ったリチャードだが、落としたのが例の美女だと知って、デレデレになる。
「こっちで1杯どう?」と彼女を誘う。
「今夜だけ」と自分で言い訳しながら、リチャードは酒もタバコも解禁する。
ものすごくソワソワするリチャード。
BGMはラフマニノフ。
やがて部屋に来る彼女。
マリリン・モンローはタバコを吸っている。
現代では、若いスター女優が映画の中でタバコを吸うことは、まず考えられない。
そこへ、タイミング悪く、管理人が絨毯を取り替えにやって来る。
「奥さんに頼まれた」のだという。
そんなことはどうでもいいから、明日にしろと追い返す。
管理人は、セルジュ・ゲンズブールみたいな、見るからにむさ苦しいオッサンだ。
そして、彼女がやって来る。
「酒はザル」だという。
リチャードは、彼女に対して「僕は独身」とウソをつく。
リチャードの部屋にはエアコンがある。
1955年のアメリカの中流家庭には、エアコンがあったのか!
我が家にエアコンが入ったのは1984年、僕が小学6年生の時だ。
もっとも、我が家は中流階級とは言い難かったが。
で、2Fのエアコンは壊れていると言って、無防備に涼む彼女。
リチャードはゴクリと唾を飲む。
人間は理屈通りには行かない。
彼女は、クラブを追い出され、モデルをし、今はCMモデルをしているという。
TVで歯磨きのCMだとか。
彼女が自分の部屋からシャンパンを持って来る。
つまみはポテチって、そんな組み合わせありか?
そこへ奥さんから電話。
「酔ってる?」と追求されるリチャード。
僕も細君によく聞かれる。
そういう時、男は必ず「酔ってないよ」と、明らかに酔っ払った口調で答え、それが火に油を注ぐのである。
そこへ、彼女がドレスに着替えてくる。
何度も着替える女だな。
まあ、この映画は、要するにマリリン・モンローのファッション・ショーなのだが。
「シャンパンにズボンは合わない」って。
シャンパンにポテチの方が合わないような気がするが。
リチャードは、シャンパンの栓を抜こうとして指が瓶の口にはまり、結婚しているのが(指輪で)彼女にバレてしまう。
しかしながら、彼女はむしろ既婚者の方が安心出来るという。
「私を見る(独身の)男声は、みんな変なことを考える。」
彼女は結婚したくないのだという。
そんな彼女に、リチャードは必死で妻帯者の利点を説く。
リチャードは、ラフマニノフのレコードをかける。
彼女は、音楽には全く疎いのだという。
で、シャンパンにポテチをつまみながら、二人でピアノを弾く。
たまらず、リチャードは彼女にキスをしようとして、失敗。
でも、彼女は気にしていない。
だが、耐えられないリチャードは彼女を帰らせる。
後悔。
さあ、これからどうなる?
本作はコメディーである。
男の浮気心をからかっている。
まあ、気持ちは分からんでもない。
しかし、細君と一緒に鑑賞したので、気まずい。
そして、お色気映画である。
男の願望として、こういう頭のちょっと弱くて、ユルそうな(要するに、やらせてくれそうな)女の子が好きなんだというのが前提。
そんなことは初めから分かっている。
それ以上に、何か価値のある映画とも思えなかった。
余談だが、本作の中では、オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』に言及される。
また、リチャードが彼女と一緒に観に行った映画は『大アマゾンの半魚人』である。
今も昔も、デートで観るのは、怪物の出る映画が定番なのか。