『嵐が丘』を原書で読む(第21回)

(テキスト22ページ、1行目〜)

‘Hindley hurried up from his paradise on the hearth, and seizing one of us by the collar, and the other by the arm, hurled both into the back-kitchen; where, Joseph asseverated, “owd Nick” would fetch us as sure as we were living; and, so comforted, we each sought a separate nook to await his advent.

hurry up 急ぐ
his(代)彼の
paradise(名)(a 〜)楽園、パラダイス
on(前)(近接を表わして)〜に接して、〜に面して
hearth(名)炉床(炉の火をたく床)
seize(他)(〜を)(ぎゅっと・乱暴に)つかむ、握る、捕まえる ・The policeman seized the suspect by the neck. 警官は容疑者の首をむずとつかんだ。
one(代)(単数形で)(特定の人(もの)の中の)一つ、1個、一人(of)
of(前)(部分を表わして)〜の中の
by(前)(動作を受ける体・衣服の部分を表わして)(人・ものの)〜を(catch、hold、leadなどの動詞とともに用い、目的語に「人・もの」を用い、さらにby以下によってその部分を示す/byの後の名詞にはtheがつく) ・He held the boy by the collar. 彼はその少年の襟もとをつかまえた。
collar(名)(衣服の)カラー、襟
other(代)(the 〜)(二つのうちの)ほかの一方(の人)、他方
hurl(他)(副詞句を伴って)(〜を)強く投げつける
both(代)(複数扱い)両者、両方、双方
back(形)背後の、後方の(⇔front)
where(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてそこに(で)
Joseph(名)ジョーゼフ(男性名/愛称Jo、Joe)
asseverate(他)(〜だと)断言する、強く言明する(+that)
owd→old
Old Nick(名)悪魔
fetch(他)(ものを)取って(取りに)くる、(人を)呼んで(呼びに)くる
as(副)(通例as 〜 as 〜で、形容詞・副詞の前に置いて)(〜と)同じ程度に、同様に、同じくらい
sure(副)確かに
as(接)(as 〜 as 〜で同程度の比較を表わして)〜と同じく、〜と同様に、〜のように、〜ほど
living(形)生きている(⇔dead)
so(副)(程度を表わして)(強意的に)とても、非常に、大変
comfort(他)(人を)慰める
each(代)(複数代名詞の同格に用いて)それぞれ
sought(動)seekの過去形・過去分詞
seek(他)(古)(〜を求めて)(場所へ)行く
separate(形)別の、同じでない、異なる、独自の(=different)
nook(名)(部屋などの)隅(=corner)
await(他)(人が)(〜を)待つ、待ち受ける
advent(名)(the 〜)(重要な人物・事件などの)出現、到来

‘I reached this book, and a pot of ink from a shelf, and pushed the house-door ajar to give me light, and I have got the time on with writing for twenty minutes; but my companion is impatient and proposes that we should appropriate the dairy woman's cloak, and have a scamper on the moors, under its shelter. A pleasant suggestion — and then, if the surly old man come in, he may believe his prophecy verified — we cannot be damper, or colder, in the rain than we are here.’

reach(他)(手を伸ばして)(〜から)(ものを)取る(from)
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
pot(名)ポット(丸くて深い陶器・金属・ガラス製のつぼ・鉢・かめ・深なべなど/取っ手のあるものもないものもある/日本語で「魔法瓶」を「ポット」と言うが、その意味は英語にはない)
from(前)(分離・除去などを表わして)〜から(離して) ・take A from B BからAを取る
shelf(名)棚
push(他)(〜を)押して(〜の状態に)する(+目+補) ・push the door open ドアを押してあける
house(形)家の
ajar(形)(ドアが)半開きで
give(他)(人に)(ものを)与える、あげる(+目+目)
get(他)(〜を)(〜から)(努力して)得る、手に入れる
time(名)(またa 〜)(ある一定の長さの)期間、間
on(副)(動作の継続を表わして)どんどん、絶えず、ずっと
with(前)(原因を表わして)〜のせいで、〜のゆえに、〜のために
writing(名)書くこと、執筆
for(前)(時間・距離を表わして)〜の間(ずっと)
twenty(形)(基数の20)20の、20個の、20人の
my(代)私の
companion(名)仲間、友
impatient(形)いらいらしている、我慢できない
propose(他)(〜を)提案する(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(〜)ということ/(目的語節を導いて)
should(助動)(仮定法で)(命令・要求・主張・意向などを表わす主節に続く名詞節に用いて)〜する(ように) ・propose that A should do Aがすべきだと提案する
appropriate(他)私用に供する、着服する、盗む
dairy(形)酪農の
cloak(名)(ゆったりとした)それなしの外套(がいとう)、マント
have(他)(通例動作・行為などを表わす不定冠詞付きの名詞を目的語として)(〜)する、(〜を)行なう
scamper(名)はね回る(かけ回る)こと ・have a scamper(子供・犬などが)はね回る、かけ回る
moor(名)(しばしば複数形で)荒れ地、荒野、ムア(イングランドスコットランドでheatherの生えた通例泥炭質の土地/特に、ライチョウ(grouse)の狩猟場)
its(代)それの、あれの
shelter(名)保護、庇護(ひご)、擁護
suggestion(名)提案(すること)
then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
surly(形)(意地悪く)不機嫌な
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性
come in 入る、入場する
may(助動)(不確実な推量を表わして)〜かもしれない、おそらく〜であろう
believe(他)(〜と)思う、信じる(+目+補)
prophecy(名)予言
verify(他)(事実・出来事などが)(予言・約束などを)実証する(しばしば受身)
can(助動)(可能性・推量を表わして)(否定文で)〜はずがない
damp(形)湿気のある、じめじめした、しめっぽい
in(前)(環境を表わして)〜の中で(を) ・in the rain 雨の中で

I suppose Catherine fulfilled her project, for the next sentence took up another subject; she waxed lachrymose.

suppose(他)(知っていることから)推測する、思う、考える(+that)
Catherine(名)キャサリン(女性名/愛称Cathy、Kate、Kitty)
fulfil(他)(命令・条件などを)果たす、実行する
her(代)彼女の
project(名)(大規模な)計画、企画
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は〜だから(=as、since)
next(形)(通例the 〜)(順序・配列が)次の ・the next chapter 次の章
sentence(名)文、文章
take up(問題を)取り上げる
another(形)別の、ほかの
wax(自)(人が)次第に(〜に)なる
lachrymose(形)涙もろい

‘How little did I dream that Hindley would ever make me cry so!’ she wrote.

how(副)(感嘆文に転用して)まあ何と、いかに
little(副)(aをつけないで否定的用法で)(know、think、care、suspectなどの動詞の前に置いて)まったく〜しない(=not at all)
do(助動)(強調・釣り合いなどのため述語(の一部)を文頭に置く時に)
dream(他)(否定文、過去形で)(〜ということを)夢にも思わない(+that)
ever(副)(否定文で)決して(〜ない)
make(他)(強制的にも非強制的にも)(〜に)(〜)させる(+目+原形)
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい
write(他)(本などの中で)(〜と)書いて(言って)いる(+that)

‘My head aches, till I cannot keep it on the pillow; and still I can't give over. Poor Heathcliff! Hindley calls him a vagabond, and won't let him sit with us, nor eat with us any more; and, he says, he and I must not play together, and threatens to turn him out of the house if we break his orders.

ache(自)(歯・頭・心などが)(ずきずき)痛む、うずく ・My head aches. 頭痛がする
till(接)(結果・程度を表わして)(〜して)ついに、(〜する)ほどに
keep(他)(ものを)取っておく、捨てないでおく
pillow(名)まくら(通例羽毛・綿などを入れた柔らかいもので、日本のような硬いまくらはない)
still(副)それでも(やはり)、なお(=nonetheless)
can't cannotの短縮形
give over(〜を)やめる
poor(形)哀れな、不幸な、気の毒な(話し手の気持ちからpoorと言っているので、訳の時には「気の毒に」と副詞的に訳すとよい)
Heathcliff ヒースクリフ(Emily Brontëの小説Wuthering Heights(1847)の主人公/復讐の鬼)
call(他)(人を)(〜と)呼ぶ、称する(+目+補)
vagabond(名)(特に、無為従食の)放浪者、無宿人
won't will notの短縮形
will(助動)(主語の意志を表わして)(願望・主張/固執・拒絶などを示して)(〜しようと)欲す、(あくまでも)〜しようとする
let(他)(容認・許可を表わして)(人・ものなどに)(〜)させる、(人・ものなどに)(〜することを)許す(+目+原形)
eat(自)食事をする
any(副)(通例比較級またはdifferent、tooとともに用いて)(否定文で用いて)少しも(〜ない)
more(副)そのうえ、なおまた ・not 〜 any more もうこれ以上〜ない
say(他)(人に)(〜と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+that)
must(助動)(否定文で禁止を表わして)〜してはいけない
threaten(他)(処罰・仕返しなどを)するぞと脅す(+to do)
turn a person out of 〜(人を)〜から追い出す、追い払う
break(他)(法律・規則・約束などを)破る、犯す
order(名)(しばしば複数形で)命令、指令

‘He has been blaming our father (how dared he?) for treating H. too liberally; and swears he will reduce him to his right place — ’

blame(他)(〜のことで)(人を)非難する、とがめる(for doing)
our(代)我々の、私たちの
how(副)(理由を尋ねて)どうして(まあ)、なぜ
dare(助動)(否定・疑問・条件文に用いて)あえて〜する、思い切って(恐れずに、生意気にも)〜する
for(前)(原因・理由)〜の理由で、〜のため(=because of)
treat(他)(様態の副詞(句・節)を伴って)(人・動物などを)(〜に)待遇する、取り扱う
too(副)(形容詞・副詞の前に置いて)非常に
liberally(副)気前よく、寛大に
swear(他)(〜を)誓う、宣誓する(+that)
reduce(他)(人の)(地位・階級などを)(〜に)下げる、引き下げる(to)
right(形)適当な、適切な ・the right place 適所
place(名)(社会的な)地位、身分

I began to nod drowsily over the dim page; my eye wandered from manuscript to print.

begin(他)(〜し)始める、(〜し)だす(+to do)
nod(自)こっくりする、うとうとする、居眠りする
drowsily(副)眠そうに、うとうとと
over(前)(動作動詞とともに)〜を越えて(=across)
dim(形)(姿が)よく見えない、ぼやけた
wander(自)(通例副詞句を伴って)(目・視線が)きょろきょろ見回す ・wander A from B(視線が)AからBへと移る
manuscript(名)原稿、手稿(手書きまたはタイプしたもの)
print(名)印刷の字体、活字

I saw a red ornamented title ...

ornament(他)(〜を)飾る
title(名)(本・映画・絵などの)表題、題名

‘Seventy Times Seven, and the First of the Seventy-First. A Pious Discourse delivered by the Reverend Jabes Branderham, in the Chapel of Gimmerden Sough.’

seventy(名)(基数の70)(通例無冠詞)70
time(名)(複数形で)(前置詞的に)〜かける ・Four times two is eight. 4×2=8
seven(名)(基数の7)(通例無冠詞)7(神秘的な数として完全または多数の意味を表わすことがある)
first(名)(序数の第1番)(通例the 〜)第1(番目)(of)
seventy(形)(基数の70)70の、70個の、70人の
pious(形)敬虔(けいけん)な、信心深い(⇔impious)
discourse(名)講話、講演
deliver(他)(演説・説教などを)する
reverend(形)(the Reverend/聖職者の敬称または呼び掛けに用いて)〜師(聖職者に対する敬称としては、姓と名をつけるのがていねいな用法)
Jabes→Jabez ジェーベズ
chapel(名)(キリスト教の)礼拝堂、チャペル(教会の礼拝堂のほか、学校・病院・大邸宅などに設けられたものを言う)

And while I was, half consciously, worrying my brain to guess what Jabes Branderham would make of his subject, I sank back in bed, and fell asleep.

half(副)半ば、半分(だけ)
consciously(副)意識して、意識的に、わざと
worry(他)(人を)(〜で)苦しめる、悩ます
brain(名)脳、脳髄
guess(他)(十分知らないで、また十分考えないで)推測する(+wh.)
what(代)(疑問代名詞)(不定数量の選択に関して用いて)何、どんなもの(こと)、何もの、何事/(間接疑問の節や+to doの形で)
would(助動)(話し手の過去についての推測を表わして)〜だったろう
make(他)(材料から)(ものを)作る、造る(ofは通例材料の形が製作物にとどまっている場合) ・make A of B BでAを作る
of(前)(材料を表わして)〜で(作った)、〜から(成る)
sink(自)(〜に)(ぐったりと)腰を下ろす(back)(in)
back(副)あお向けに
fall asleep 寝入る、眠り込む

Alas, for the effects of bad tea and bad temper! what else could it be that made me pass such a terrible night?

alas(間)(悲嘆・憂慮などを表わして)ああ!、悲しいかな!
effect(名)(原因から直接引き起こされる)結果(⇔cause)
bad(形)(味・においなど)不快な、いやな
bad(形)不愉快な
temper(名)気分、機嫌 ・a bad temper 不機嫌
could(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で/婉曲的に)〜できるだろうに、〜したいくらいだ
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(〜する(である))ところの(先行詞がもの・人を表わす場合で、最上級の形容詞、all the、the only、the same、the veryなどの制限的語句を含む時、および、先行詞が疑問代名詞やall、much、little、everything、nothingなどの時に多く用いられる傾向があるが、絶対的なものではない)/(主語として)
pass(他)(時間などを)過ごす、つぶす
such(形)(程度を表わして)(形容詞や名詞の前で/副詞的に)あれほど(これほど)の、あんな(そんな)に、このように

I don't remember another that I can at all compare with it since I was capable of suffering.

don't do notの短縮形
remember(他)(〜を)思い出す、思い起こす(⇔forget) ・cannot remember 思い出せない
another(代)別のもの(人)
can(助動)(能力を表わして)(感覚動詞およびrememberとともに用いて)〜している(進行形と同じ意味になる) ・can't remember 思い出せない
at all(否定文に用いて)少しも(〜でない)
compare(他)(〜を)比較する ・compare A with B AをBと比較する
with(前)(比較・同等の対象を導いて)〜と ・compare A with B AをBと比較する
capable(形)(人が)有能な、(〜の)能力(才能)がある(⇔incapable)(of doing)
suffer(自)(〜に)苦しむ、悩む
【参考文献】
Wuthering Heights (Penguin Classics)』Emily Brontë・著
嵐が丘(上) (光文社古典新訳文庫)小野寺健・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)