『嵐が丘』を原書で読む(第11回)

(テキスト12ページ、8行目〜)

In the absence of clear proofs of his condition, I deemed it best to abstain from noticing his curious conduct, and, five minutes afterwards, the entrance of Heathcliff relieved me, in some measure, from my uncomfortable state.

in the absence of 〜 〜がない(いない)ときは(ので)
clear(形)(事が)明白な、明らかな、間違いようのない(=obvious)
proof(名)証拠
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)〜を、〜の
his(代)彼の
condition(名)(古)身分、地位、境遇
deem(他)(〜を)(〜と)思う(=consider)(+目+補)
it(代)(形式目的語としてあとにくる事実上の目的語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
abstain(自)(飲酒などを)慎む、控える、やめる(from doing)
from(前)(抑制・防止などを表わして)(doingを伴って)(〜すること)を(抑える、防ぐ)
notice(他)(〜に)注目する
curious(形)不思議な、奇異な、変な
conduct(名)行為、品行、行ない、ふるまい
five(形)(基数の5)5の、5個の、5人の
afterwards(副)(英)=afterward(副)のちに、あとで
entrance(名)入ること
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)〜が、〜の
Heathcliff ヒースクリフ(Emily Brontëの小説Wuthering Heights(1847)の主人公/復讐の鬼)
relieve(他)(人から)(苦痛・悩み・責任などを)除いて楽にしてやる(安心させる)
in(前)(範囲を表わして)〜において、〜内で
measure(名)(またa 〜)分量、度合い(=degree) ・in some measure 多少、いくぶん
from(前)(隔離・解放などを表わして)〜から
my(代)私の
uncomfortable(形)(事態など)困った、気詰まりな、やっかいな
state(名)(通例単数形で)状態、ありさま、様子

‘You see, sir, I am come according to promise!’ I exclaimed, assuming the cheerful; ‘and I fear I shall be weather-bound for half an hour, if you can afford me shelter during that space.’

You see ねえ(ご承知のとおり)、そら
sir(名)(男性への呼び掛け)あなた、先生、閣下、お客さん、だんな(見知らぬ人に、召し使いが主人に、生徒から先生に、店員からキャクに、目下から目上に、または議会で議長に対する敬称/日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い)
according to 〜(前置詞的に)〜に従って(応じて)、〜しだいで
promise(名)約束、契約
exclaim(他)(〜と)声高に言う
assume(他)(人が)(ある態度を)とる、身につける
fear(他)(よくない事態を気づかって)(〜ではないかと)思う、気づかう、恐れる(+that)
weather-bound(形)(船・飛行機が)悪天候のために出発できない
for(前)(時間・距離を表わして)〜の間(ずっと) ・for hours 何時間もの間
half(形)(冠詞またはone'sのついた名詞の前に置いて)〜の半分の
afford(他)(ものが)(便宜などを)与える
shelter(名)避難
that(形)(遠方の時・所をさして)あの、あちらの、その
space(名)(通例複数形で)(時の)間、時間

‘Half an hour?’ he said, shaking the white flakes from his clothes; ‘I wonder you should select the thick of a snow-storm to ramble about in. Do you know that you run a risk of being lost in the marshes? People familiar with these moors often miss their road on such evenings, and, I can tell you, there is no chance of a change at present.’

say(他)(人に)(〜と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)
flake(名)(雷・羽毛などの)片、ひらひら
wonder(他)(〜に)驚く(+that)
should(助動)(遺憾・驚きなどを表わす主節に続くthat節、またはI'm surprised、I regretなどに続くthat節に用いて)〜する(のは、とは)
select(他)(〜を)選ぶ、選び出す、選出(選抜)する
thick(名)(単数形で/通例the 〜)(戦いなどの)真っ最中(of)
snowstorm(名)吹雪
ramble(自)(副詞句を伴って)ぶらぶら歩く、あてもなく歩く
about(副)(通例動作を示す動詞に伴って)あちこちに、あちらこちらへ、方々に
in(副)(運動・方向を表わして)中に(へ)、内に(へ)(⇔out)
do(助動)(be以外の動詞の疑問文に用いて)
know(他)(〜を)知る、知っている、(〜が)わか(ってい)る(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(〜)ということ/(目的語節を導いて)/(主語節を導いて)
run(他)(危険などを)冒す、(〜に)身命などをかける ・run a risk 危険を冒す
of(前)(同格関係を表わして)〜という、〜の、〜である
lost(形)道に迷った ・get lost 道に迷う、迷い子になる
marsh(名)沼地、湿地(帯)、沼沢地(帯)
people(名)(通例修飾語またはtheを伴って)(特定の場所・階級・団体・職業・民族などに属する)住民、人々
familiar(形)(人が)(ものに)熟知して、精通して(with)
with(前)(接触・交際・結合などを表わして)〜と
moor(名)(しばしば複数形で)荒れ地、荒野、ムア(イングランドスコットランドでheatherの生えた通例泥炭質の土地)
miss(他)見(聞き)落とす、(〜に)気付かない
their(代)彼ら(彼女ら)の
on(前)(特定の日の朝(午後、夜)など)に ・on that evening その日の夕方に
tell(他)(人に)(〜を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+that)
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「〜がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
chance(名)(可能な)見込み、成算(of)
at present 現在、今は、目下(=at the moment)

‘Perhaps I can get a guide among your lads, and he might stay at the Grange till morning — could you spare me one?’

perhaps(副)(文修飾)もしかして、できましたら、よろしければ(質問・提案・批評などを和らげる)
can(助動)(許可を表わして)〜してもよい
get(他)(副詞句を伴って)(人・ものを)(ある場所・位置に(から))持って(連れて)いく、動かす、運ぶ
guide(名)(観光客・博物館・山などの)案内人、ガイド
lad(名)(the lads)(男の)仕事仲間、(遊び)友達、男(連中)、野郎ども ・my lads 諸君、君たち
might(助動)(仮定法過去)(条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で)(許可を表わして)〜してもよい
stay(自)(通例副詞句を伴って)滞在する、客となる(at)
grange(名)(しばしばGrangeで邸宅名に用いて)(いなかの)大地主の邸宅
could(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(許可・依頼を表わす疑問文で)〜していただけますか、〜してよいですか
spare(他)(時間・金などを)さく、与える(+目+目)
one(代)(既出の可算名詞の反復を避けて)(その)一つ、それ

‘No, I could not.’

no(副)(質問・依頼などに答えて)いいえ

‘Oh, indeed! Well then, I must trust to my own sagacity.’

oh(間)(しばしば直後にコンマや!などを従える)(驚き・恐怖・苦痛・願望・反応・了解などを表わして)ああ!、おお!、おや!
indeed(間)(反語的)まさか!
well(間)(安心・あきらめ・譲歩などを表わして)やれやれ、まあいいや
then(副)(通例文頭または文尾に用いて)それなら、(それ)では
must(助動)(いらだち・腹立たしさなどを表わして)〜する必要がある
trust(自)(〜を)当てにする、(〜に)頼る(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)〜に対して、〜に
sagacity(名)賢明、利口

‘Umph!’

Umph→Humph
humph(間)(疑い・軽蔑・不満を表わして)ふふん!、ふん!

‘Are you going to mak th' tea?’ demanded he of the shabby coat, shifting his ferocious gaze from me to the young lady.

be going to do 〜するつもりである、〜することにしている
mak→make(他)(人に)(〜を)用意してやる ・make a cup of tea お茶を1杯入れる
th'→the
demand(他)(〜を)要求する(+引用)
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)〜の
shabby(形)(衣服など)ぼろぼろの、着古した、みすぼらしい、粗末な
coat(名)上着、ジャケット
shift(他)(ものを)移動させる、移す、転じる ・shift one's gaze from 〜から目をそらす
ferocious(形)獰猛(どうもう)な、凶暴な
gaze(名)(単数形で)熟視、注視、凝視
to(前)(到達点を表わして)〜まで、〜に至るまで ・from A to B AからBまで

‘Is he to have any?’ she asked, appealing to Heathcliff.

be(助動)(be+to doで)(予定を表わして)〜することになっている、〜する予定だ(公式の予定に用いる)
have(他)(飲食物を)食べる、飲む
any(代)(疑問文・条件節でany of 〜の形か既出名詞の省略の形で用いて)何か、だれか
ask(他)(物事を)聞く、尋ねる(+引用)
appeal(自)(人に)(助力・同情などを)懇願する、哀願する(to)

‘Get it ready, will you?’ was the answer, uttered so savagely that I started.

get(他)(〜を)(〜の状態に)する、至らせる(+目+補) ・get 〜 ready 〜の用意をする
will(助動)(意志未来を表わして)(2人称を主語として命令を表わして)〜しなさい
utter(他)(声・言葉・うなり声・ため息などを)口から出す、発する
so(副)(程度・結果を表わして)(so 〜 that 〜で)(順送りに訳して)非常に〜なので〜
savagely(副)<savage(形)(批判・攻撃など)激しい、容赦ない、厳しい
that(接)(副詞節を導いて)(so 〜 thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)〜なので、〜(する)ほど
start(自)(〜に)びくっとする

The tone in which the words were said revealed a genuine bad nature.

tone(名)(単数形で)口調、語調、語気、論調
in(前)(人の能力・性格・才能を表わして)(人)の中に、〜には
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)〜する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
reveal(他)(隠されていたものを)見せる、現わす、示す(=show)
genuine(形)(人が)正にその名に値する、本物の
bad(形)(道徳的に)悪い、不良な、不正な
nature(名)(人・動物の)本性、天性、性質

I no longer felt inclined to call Heathcliff a capital fellow.

no longer もはや〜しないで(でない)
feel(自)(人が)(〜であると)感じる、(〜の)感じ(心地)がする(+補)
inclined(形)(〜する)気になって(+to do)
call(他)(〜を)(〜と)みなす、考える(+目+補)
capital(形)すばらしい、見事な、大変よい
fellow(名)(通例修飾語を伴って)男、やつ

When the preparations were finished, he invited me with —

when(接)〜する時に、〜時(時を表わす副詞節をつくる)
preparation(名)(通例複数形で)準備(したもの)
finished(形)(ものが)終わって、済んで

‘Now, sir, bring forward your chair.’

now(副)(間接的に、命令・要求・慰め・威嚇などを表わして)そら、さあ、まあ、おい
sir(名)(意見などをする時または皮肉に)君!、おい!、こら!
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の

And we all, including the rustic youth, drew round the table, an austere silence prevailing while we discussed our meal.

all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな(通例代名詞の場合に用いる)
including(前)〜を含めて、〜込みで(⇔excluding)
rustic(形)不作法な、粗野な
youth(名)若者、青年(通例男性/しばしば軽蔑的に用いる)
draw(自)(副詞句を伴って)寄り集まる ・draw round 〜の周りに集まる
round(前)〜の周囲に、〜をぐるりと取り巻いて(囲んで) ・sit round the table テーブルを囲んで着席する
austere(形)(人・性格など)(道徳的で)厳しい、厳格な
prevailing(形)優勢な、有力な、支配的な
discuss(他)(飲食物を)賞味する(=enjoy)
our(代)我々の、私たちの

I thought, if I had caused the cloud, it was my duty to make an effort to dispel it.

think(他)(〜と)思う、考える(+that)
cause(他)(〜の)原因となる
cloud(名)(疑惑・不満・悲哀などの)暗い影
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
duty(名)義務、本分
make(他)(目的語に動作名詞を伴って、動詞と同じ意味をなして)(〜を)する、行なう(同じ意味の動詞より、この表現のほうが1回だけの行為であることが強調される) ・make an effort 努力する
effort(名)努力、奮闘、骨折り ・make an effort 努力する
dispel(他)(心配事などを)払いのける

They could not every day sit so grim and taciturn, and it was impossible, however ill-tempered they might be, that the universal scowl they wore was their every day countenance.

could(助動)(条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で/婉曲的に)〜できるだろうに、〜したいくらいだ ・could not 〜するはずがない
every(形)(可算の単数名詞を伴って無冠詞で)毎〜、〜ごと(しばしば副詞句として用いる) ・every day 毎日
day(名)(副詞的に)〜日 ・every day 毎日
sit(自)座る、座っている(+補) ・sit still じっと座っている
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい
grim(形)(人・表情など)厳しい、いかめしい、険しい
taciturn(形)無口な、口数の少ない
impossible(形)とてもありえない、信じがたい
however(副)(譲歩の副詞節を導いて)どんなに(どんな方法で)〜でも(=no mattter how)
ill-tempered(形)怒りっぽい、気難しい
might(助動)(直説法過去)(譲歩を表わす副詞節において)たとえ〜であったにしても
universal(形)一般的な、普遍的な、例外なく当てはまる
scowl(名)しかめっつら、怖い顔
wear(他)(表情・態度などを)している ・Her face wore a frown. 彼女はしかめつらをしていた。
countenance(名)顔つき、表情
【参考文献】
Wuthering Heights (Penguin Classics)』Emily Brontë・著
嵐が丘(上) (光文社古典新訳文庫)小野寺健・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)