『アパッチ砦』

連休中は、ブルーレイで『アパッチ砦』を見た。

アパッチ砦 Blu-ray

アパッチ砦 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: Blu-ray
1948年のアメリカ映画。
監督は、『怒りの葡萄』『わが谷は緑なりき』『荒野の決闘』『黄色いリボン』『幌馬車』『西部開拓史』の巨匠ジョン・フォード
製作は、『キングコング』『黄色いリボン』『幌馬車』のメリアン・C・クーパー。
主演は、『赤い河』『黄色いリボン』『ホンドー』『アラスカ魂』『史上最大の作戦』『西部開拓史』『大列車強盗(1973)』『マックQ』『オレゴン魂』の大スター、ジョン・ウェインと、『怒りの葡萄』『荒野の決闘』『戦争と平和(1956)』『間違えられた男』『十二人の怒れる男』『史上最大の作戦』『西部開拓史』『ウエスタン』の大スター、ヘンリー・フォンダ
共演は、『黄色いリボン』のジョン・エイガー、『007 ロシアより愛をこめて』のペドロ・アルメンダリス、『怒りの葡萄』『荒野の決闘』『幌馬車』『静かなる男』のワード・ボンド、『黄色いリボン』『静かなる男』のヴィクター・マクラグレン。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
勇ましいテーマ音楽。
画質は良くない。
荒野を走る馬車。
乗っているのはサースデイ中佐(ヘンリー・フォンダ)と、その娘フィラデルフィアシャーリー・テンプル)。
向かっているのはアパッチ砦。
サースデイは、南北戦争で失策を犯し、将軍から中佐に格下げされ、辺境のこの地に左遷されたのであった。
中継地点で、サースデイは馬を用意するように命じる。
しかし、娘がいるから馬は無理。
士官学校出の若いマイケル・オローク中尉(ジョン・エイガー)が同行することになる。
結局、馬車で移動することになったフィラデルフィアは、車内からずっとマイケルのことを見ている。
気に入ったのだ。
アパッチ砦では文明的な生活が送られていた。
サースディが到着すると、ダンス・パーティの真っ最中。
迎え出たヨーク大尉(ジョン・ウェイン)に、「何のパーティか?」と尋ねると、「ジョージ・ワシントン将軍の誕生パーティです。」
マイケルは、父親であるオローク軍曹(ワード・ボンド)と再会。
母親のメアリーは、息子のことを「まあ、立派になって!」と。
翌朝、マイケルはサースデイの家に挨拶に行くが、出迎えたのは娘のフィラデルフィア
マイケルが自分を訪ねて来たのではないと知って、フィラデルフィアは不機嫌になる。
マイケルは、ヨークから、「今日からお前は俺の部隊の所属だ」と言われる。
サースデイは士官を召集する。
辺境の地だから、服装も規律もたるんでいると叱責。
きちんとしているのは、(士官学校出の)オローク中尉だけだと。
サースデイは、アパッチ族を臆病な種族だと思っていた。
しかし、ヨークは「彼らは臆病ではない」と主張し、ヨークと対立する。
サースデイは、「こんな所へ流されたが、このままではおられん」と思っている。
物語は、ジョン・ウェインの作品らしく、ゆったりと進む。
フィラデルフィアは、家財道具が届かず、困って、母親の親友であるコリングウッド夫人を訪ねる。
コリングウッド夫人は、「オローク夫人に頼みましょう」と言う。
こうして、フィラデルフィアは、マイケルの母親とも知り合う。
マイケルは士官学校出だから厳しいが、誰も付いて行けない。
まず、兵士らしい恰好が出来ていない。
一方、フィラデルフィアはオローク夫人に手伝ってもらい、部屋をキレイにする。
スペイン語を話すお手伝いも雇った。
サースデイが帰宅したところに、グラント砦から警報が届く。
フィラデルフィアは、オローク家に夕食へ。
ヨークもいる。
家の前で歌う兵士。
うまい!
マイケルは、フィラデルフィアを馬の遠乗りに誘う。
翌朝、民間人兵士達を集めて乗馬の訓練が行われている。
鞍がない。
慣れない者が乗って、暴れて突っ走る馬達。
連中は馬にもうまく乗れない。
一方、マイケルはフィラデルフィアと遠乗り。
そこはアパッチ族の領域。
電信の線がよく切れるとフィラデルフィアに話すマイケル。
サースデイは、娘がマイケルと遠乗りに行ったと知って激怒。
マイケルは、アパッチ族に焼き討ちに合った馬車の残骸と遺体を発見し、フィラデルフィアに「見るな!」
急いで逃げ帰る二人。
サースデイに、馬車が焼き討ちに合ったと報告するマイケル。
サースデイは、軍人としてのマイケルの報告は完璧だと評価する。
しかし、「許可なく娘を連れ出すとは! 二度と娘を連れ出すな! 近付くことも許さん! 父親としての命令だ!」と厳命する。
まあ、僕も、結婚する前に現細君のご実家に電話をしてお父さんが出ると、いつもえらく冷たくあしらわれたからな。
今では、正月に実家に挨拶に行くと談笑しているが。
気持ちは分かる。
で、サースデイは、ヨークの意見も階級差を理由にことごとく却下。
こういう原理主義の上司はやりにくくてかなわんね。
今のウチの社長は現場主義で、こういう人とは真逆だから、非常にありがたいが。
サースデイは、焼き討ちされた馬車の遺体の回収と、電線の修理を命じる。
危険な任務なのに、小隊を出さず、数名の精鋭部隊で行けと言う。
もちろん、アパッチ族と対決するハメになるのだが。
さあ、これからどうなる?
ジョン・フォードの他の作品でも見られた馬が大河を渡るシーンは撮影が大変だっただろう。
例によって、馬が疾走するシーンはスゴイ迫力で、クロサワ映画の手本だ。
クライマックスの合戦シーンが、これまた素晴らしい。
サースデイは、「相手は未開の野蛮人だ」とか、「お前らは豚だ」とか、今なら絶対に審査を通らないような差別的なセリフを吐くが、これが、つい最近までの大多数のアメリカ白人の本音だろう。
ダンス・ウィズ・ウルブズ』なんていう、さも「反省しました」みたいな、ヒドイ偽善映画もあったが。
しかし、西部劇と言うと、僕が子供の頃、親父がよくテレビで見ていたが、酒場でならず者とガンマンがケンカして撃ち合うみたいなイメージが強いが、ジョン・フォードの作品にはそういう描写はない。
何と言うか、古典の風格がある。
まあ、しかし、似たようなキャストと内容の作品ばかりで、何本も見ると混乱する。
細君も、既に区別が付かないと言っている。
それにしても、ヘンリー・フォンダは、よくこんな気の毒なくらいの悪役を引き受けたな。

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