連休中は、ブルーレイで『アパッチ砦』を見た。
- 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
- 発売日: 2019/11/29
- メディア: Blu-ray
監督は、『怒りの葡萄』『わが谷は緑なりき』『荒野の決闘』『黄色いリボン』『幌馬車』『西部開拓史』の巨匠ジョン・フォード。
製作は、『キングコング』『黄色いリボン』『幌馬車』のメリアン・C・クーパー。
主演は、『赤い河』『黄色いリボン』『ホンドー』『アラスカ魂』『史上最大の作戦』『西部開拓史』『大列車強盗(1973)』『マックQ』『オレゴン魂』の大スター、ジョン・ウェインと、『怒りの葡萄』『荒野の決闘』『戦争と平和(1956)』『間違えられた男』『十二人の怒れる男』『史上最大の作戦』『西部開拓史』『ウエスタン』の大スター、ヘンリー・フォンダ。
共演は、『黄色いリボン』のジョン・エイガー、『007 ロシアより愛をこめて』のペドロ・アルメンダリス、『怒りの葡萄』『荒野の決闘』『幌馬車』『静かなる男』のワード・ボンド、『黄色いリボン』『静かなる男』のヴィクター・マクラグレン。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
勇ましいテーマ音楽。
画質は良くない。
荒野を走る馬車。
乗っているのはサースデイ中佐(ヘンリー・フォンダ)と、その娘フィラデルフィア(シャーリー・テンプル)。
向かっているのはアパッチ砦。
サースデイは、南北戦争で失策を犯し、将軍から中佐に格下げされ、辺境のこの地に左遷されたのであった。
中継地点で、サースデイは馬を用意するように命じる。
しかし、娘がいるから馬は無理。
士官学校出の若いマイケル・オローク中尉(ジョン・エイガー)が同行することになる。
結局、馬車で移動することになったフィラデルフィアは、車内からずっとマイケルのことを見ている。
気に入ったのだ。
アパッチ砦では文明的な生活が送られていた。
サースディが到着すると、ダンス・パーティの真っ最中。
迎え出たヨーク大尉(ジョン・ウェイン)に、「何のパーティか?」と尋ねると、「ジョージ・ワシントン将軍の誕生パーティです。」
マイケルは、父親であるオローク軍曹(ワード・ボンド)と再会。
母親のメアリーは、息子のことを「まあ、立派になって!」と。
翌朝、マイケルはサースデイの家に挨拶に行くが、出迎えたのは娘のフィラデルフィア。
マイケルが自分を訪ねて来たのではないと知って、フィラデルフィアは不機嫌になる。
マイケルは、ヨークから、「今日からお前は俺の部隊の所属だ」と言われる。
サースデイは士官を召集する。
辺境の地だから、服装も規律もたるんでいると叱責。
きちんとしているのは、(士官学校出の)オローク中尉だけだと。
サースデイは、アパッチ族を臆病な種族だと思っていた。
しかし、ヨークは「彼らは臆病ではない」と主張し、ヨークと対立する。
サースデイは、「こんな所へ流されたが、このままではおられん」と思っている。
物語は、ジョン・ウェインの作品らしく、ゆったりと進む。
フィラデルフィアは、家財道具が届かず、困って、母親の親友であるコリングウッド夫人を訪ねる。
コリングウッド夫人は、「オローク夫人に頼みましょう」と言う。
こうして、フィラデルフィアは、マイケルの母親とも知り合う。
マイケルは士官学校出だから厳しいが、誰も付いて行けない。
まず、兵士らしい恰好が出来ていない。
一方、フィラデルフィアはオローク夫人に手伝ってもらい、部屋をキレイにする。
スペイン語を話すお手伝いも雇った。
サースデイが帰宅したところに、グラント砦から警報が届く。
フィラデルフィアは、オローク家に夕食へ。
ヨークもいる。
家の前で歌う兵士。
うまい!
マイケルは、フィラデルフィアを馬の遠乗りに誘う。
翌朝、民間人兵士達を集めて乗馬の訓練が行われている。
鞍がない。
慣れない者が乗って、暴れて突っ走る馬達。
連中は馬にもうまく乗れない。
一方、マイケルはフィラデルフィアと遠乗り。
そこはアパッチ族の領域。
電信の線がよく切れるとフィラデルフィアに話すマイケル。
サースデイは、娘がマイケルと遠乗りに行ったと知って激怒。
マイケルは、アパッチ族に焼き討ちに合った馬車の残骸と遺体を発見し、フィラデルフィアに「見るな!」
急いで逃げ帰る二人。
サースデイに、馬車が焼き討ちに合ったと報告するマイケル。
サースデイは、軍人としてのマイケルの報告は完璧だと評価する。
しかし、「許可なく娘を連れ出すとは! 二度と娘を連れ出すな! 近付くことも許さん! 父親としての命令だ!」と厳命する。
まあ、僕も、結婚する前に現細君のご実家に電話をしてお父さんが出ると、いつもえらく冷たくあしらわれたからな。
今では、正月に実家に挨拶に行くと談笑しているが。
気持ちは分かる。
で、サースデイは、ヨークの意見も階級差を理由にことごとく却下。
こういう原理主義の上司はやりにくくてかなわんね。
今のウチの社長は現場主義で、こういう人とは真逆だから、非常にありがたいが。
サースデイは、焼き討ちされた馬車の遺体の回収と、電線の修理を命じる。
危険な任務なのに、小隊を出さず、数名の精鋭部隊で行けと言う。
もちろん、アパッチ族と対決するハメになるのだが。
さあ、これからどうなる?
ジョン・フォードの他の作品でも見られた馬が大河を渡るシーンは撮影が大変だっただろう。
例によって、馬が疾走するシーンはスゴイ迫力で、クロサワ映画の手本だ。
クライマックスの合戦シーンが、これまた素晴らしい。
サースデイは、「相手は未開の野蛮人だ」とか、「お前らは豚だ」とか、今なら絶対に審査を通らないような差別的なセリフを吐くが、これが、つい最近までの大多数のアメリカ白人の本音だろう。
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』なんていう、さも「反省しました」みたいな、ヒドイ偽善映画もあったが。
しかし、西部劇と言うと、僕が子供の頃、親父がよくテレビで見ていたが、酒場でならず者とガンマンがケンカして撃ち合うみたいなイメージが強いが、ジョン・フォードの作品にはそういう描写はない。
何と言うか、古典の風格がある。
まあ、しかし、似たようなキャストと内容の作品ばかりで、何本も見ると混乱する。
細君も、既に区別が付かないと言っている。
それにしても、ヘンリー・フォンダは、よくこんな気の毒なくらいの悪役を引き受けたな。
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