『ホンドー』

この週末は、ブルーレイで『ホンドー』を見た。

ホンドー リマスター版 [Blu-ray]

ホンドー リマスター版 [Blu-ray]

1953年のアメリカ映画。
監督はジョン・V・ファロー。
主演は、『アラスカ魂』『史上最大の作戦』『西部開拓史』『大列車強盗(1973)』『オレゴン魂』の大スター、ジョン・ウェイン
共演は、『放射能X』のジェームズ・アーネス。
ワーナー・ブラザース
カラー(ワーナー・カラー)、ワイド。
本作は、元々3D映画として作られたらしい(そのためか、不自然に立体感を強調するようなシーンが時々ある)。
画質は、ブルーレイとしては、かなり甘い。
やや雄大なテーマ音楽。
時代は、南北戦争後(19世紀後半)。
騎兵隊の将校ホンドー・レーン(ジョン・ウェイン)が犬を連れて、水飲み場へやって来る。
幼い少年ジョニー・ロウは、急いで家へ帰り、若い母親アンジー(ジェラルディン・ペイジ)に、見知らぬオッサンがやって来たと告げる。
ホンドーは、先住民との闘いから逃れ、途中で馬を失ったのであった。
それにしても、ジョン・ウェインが若いね。
なお、本作の字幕では、インディアンのことを「先住民」と訳している。
まあ、そういう時代だろう。
ホンドーは、アンジーに「水をくれ」「馬を売ってくれ」と頼む。
更に、食事ももらった。
連れて来た犬のサムは、なかなか気高く、孤高であった。
この犬が演技派でね。
アンジーの馬は、とんでもない暴れ馬だった。
ホンドーは、それを調教する。
この暴れ馬の演技もスゴイね。
こういう映画は、動物を思い通りに動かすのが大変だろう。
ホンドーは、切れ味の鈍っていた斧の刃を研いでやる。
アンジーの夫のエドは留守であった。
エドは幼い頃、先住民に両親を殺され、アンジーの父親が引き取ったのだ。
「夫はすぐに戻って来る」とアンジーは言うが、ホンドーは、それがウソだと見抜く。
馬の蹄鉄が着いていないし、斧も研いでいない。
本作の音楽は、ややメロドラマ調である。
まあ、作品自体もメロドラマ調なのだが。
実は、アンジーの夫は、長らく家を留守にしているのであった。
ホンドーは「夫はアパッチ(族)のしわざか?」と言う。
白人はアパッチ族との協定を破った。
アパッチは、ウソを絶対に許さない。
いずれ母子もやられるから、オレと一緒にここを出ようと、アンジーに提案する。
が、もちろん、夫の帰宅を信じているアンジーは拒否する。
夜になって、砂嵐が吹き荒れている。
ホンドーは、泊めてもらうことになった。
彼のライフルには、「優勝:ホンドー・レーン」という銘が付いていた。
それを見て、アンジーは、彼が有名な(人殺しの)ガンマンだと気付く。
アンジーは、思わずホンドーに銃を向けるが、弾が入っていなかった。
で、結局、彼女はホンドーに「行かないで」と頼む。
朝になった。
ホンドーは、自分の身の上を語る。
彼はアパッチ族と5年間一緒に暮らした。
アパッチ族の妻もいた。
でも、彼女は死んでしまった。
で、「君は妻に似ている」と言って、ホンドーはアンジーにいきなりキスをする。
案の定、「私には夫がいるのよ!」
ホンドーは出発した。
後から着いて行くワンコ。
彼が出て行った後に、この家にアパッチ族が集団でやって来た。
馬で家の周りを取り囲む。
アパッチの族長ヴィットロは「この地を去れ」と言う。
何故か、彼だけ英語が話せる。
ジョニー(6歳)は、母を守るために立ち向かった。
ヴィットロはジョニーの勇敢さに感動し、兄弟の契りを交わす。
そして、「この地に住んでいい」ということになった。
一方、ホンドーは国境監視所に着いた。
同僚バッファロー・ベイカー(ワード・ボンド)から、「C隊はアパッチにやられた」と聞かされる。
ホンドーが酒場に行くと、カード賭博が行われていた。
そこで、仲間を連れ出そうとしたホンドーは、連中の一人と大ゲンカになる。
殴った相手こそ、エド・ロウ、つまり、アンジーの夫であった。
その頃、ジョニーはアパッチ族と仲良くなっていた。
狩りの仕方を教えてもらった。
一人前の戦士になるには父親が必要だと、アパッチが父親代わりになろうとする。
ヴィットロは、アンジーに「男を選べ」と、若いアパッチの男を何人も連れて来た。
アンジーは拒むが、ヴィットロは「次の雨が降るまでに夫が戻らなかったら、アパッチの男と結婚しろ」と告げる。
で、その頃、ホンドーは水飲み場でアパッチに襲われた白人を助けるが、逆に襲い掛かられて、その白人を撃ってしまう。
その男の遺品には、ジョニーの写真があった。
何と、ホンドーはアンジーの夫を殺してしまったのだ。
ヒドイね。
こんなに殺人が日常茶飯な時代はイヤだね。
更に、ホンドーはアパッチも撃ち殺したから、彼らを敵に回してしまった。
アパッチ族の大群がホンドーを馬で追い掛けてくる。
ホンドーは、ガケを馬に乗ったまま降りる(このシーンはスゴイ!)が、大立ち回りも虚しく、アパッチ族に捕らえられてしまった。
さあ、これからどうなる?
ここで、「INTERMISSION」。
84分の映画なのに休憩があるのは、当時の3D映画が、技術が未熟なため、連続して観ると目が疲れるからだったそうな。
この時代は第一次立体映画ブームで、『大アマゾンの半魚人』なんかもそうだったらしい。
赤と青のセロファンのメガネを掛けるヤツかな。
僕が覚えている立体映画ブームは80年代前半で、『ジョーズ3』を劇場で観た。
未だ小学生だったが。
これは、赤と青のセロファンではなく、グレーの偏光レンズが付いたメガネを着けて観た記憶がある。
休憩はなかったと思うが、頭は痛くなった。
ちょっと前にも立体映画ブームがあったが(『アバター』とか)、劇場で観ていないので、知らん。
今は大分、技術も進歩しているんだろう。
それでも、立体映画はキワモノの域を出ない。
本作には、動物虐待シーンがある。
それから、児童虐待シーンもある。
クライマックスの決戦シーンは、なかなかの迫力。
だが、結局はご都合なメロドラマ。
それに、結局は白人目線。
映画としては微妙。
ジョン・ウェインのファンなら見れば? という感じ(僕は、別にファンでもない)。