『嵐が丘』を原書で読む(第28回)

(テキスト29ページ、3行目〜)

There was such anguish in the gush of grief that accompanied this raving, that my compassion made me overlook its folly, and I drew off, half angry to have listened at all, and vexed at having related my ridiculous nightmare, since it produced that agony; though why, was beyond my comprehension.

there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
such(形)(程度を表わして)(such ~ thatで)非常に~なので
anguish(名)(心身の激しい)苦痛、苦悶(くもん)、苦悩
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
gush(名)(感情の)ほとばしり ・a gush of enthusiasm ほとばしり出るような熱意
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の
grief(名)(死後・後悔・絶望などによる)深い悲しみ、悲痛
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
accompany(他)(事物が)(~に)(同時に)伴う
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
rave(自)わめく、どなる
that(接)(副詞節を導いて)(such ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
my(代)私の
compassion(名)(切実な)同情(心)、哀れみ
make(他)(強制的に非強性的にも)(~に)(~)させる(+目+原形)
overlook(他)(過ち・欠点などを)大目に見る、見逃す
its(代)それの、あれの、その
folly(名)愚かさ、愚劣
draw off(後ろへ)下がる
half(副)半ば、半分(だけ)
at all(肯定文で)ともかく、本当に
vexed(形)いらいらして、困って
at(前)(感情の原因を表わして)~に(接して)、~を見て、聞いて、考えて
relate(他)(話・経験などを)話す、物語る
ridiculous(形)ばかげた、ばかばかしい、おかしい(=absurd)
nightmare(名)悪夢
since(接)(理由)~だから、~のゆえに
produce(他)(~を)引き起こす、招来する
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの(⇔this)
agony(名)(心・体の)激しい苦痛、もだえ苦しみ、苦悩
why(名)理由、わけ、原因
beyond(前)(程度・到達などを表わして)~の範囲を越えて
comprehension(名)理解、会得

I descended cautiously to the lower regions and landed in the back-kitchen, where a gleam of fire, raked compactly together, enabled me to rekindle my candle.

descend(自)(通例副詞句に伴って)下(くだ)る、下りる(=go down/⇔ascend)(to)
cautiously(副)<cautious(形)用心深い、慎重な、周到な
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
lower(形)(場所・地位など)より低い(⇔upper)
region(名)(しばしば複数形で)(天地を上下に区分した)部分、境、域
land(自)(~に)(やっと)到着する、着く
back(形)背後の、後方の(⇔front) ・a back room 奥の部屋
where(副)(関係副詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてそこに(で)
gleam(名)(通例単数形で)(きらりと見える)微光、薄光
fire(名)(暖房・料理用の)火、炉火、炭火、たき火
rack(他)引っ張る、ねじ曲げる
compactly(副)ぎっしりと、密集して
together(副)合わせて、結合して
enable(他)(物事を)(人を)(~することが)できるようにする(+目+to do)
rekindle(他)(~に)再び点火する

Nothing was stirring except a brindled, grey cat, which crept from the ashes, and saluted me with a querulous mew.

stir(自)(かすかに)動く
brindled(形)(牛・猫など)まだらの、ぶちの
grey(形)=gray(形)灰色の、ねずみ色の、グレーの
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
crept(動)creepの過去形・過去分詞
creep(自)(通例副詞句を伴って)こっそりと(そっと)進む(歩く)、忍び足に行く
ash(名)(複数形で)灰殻、燃え殻
salute(他)(頭を下げたり、帽子を上げたりして)(人に)あいさつする、会釈する(with)
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
querulous(形)ぶつぶつこぼす、不平たらたらの、ぐちっぽい
mew(名)ニャーニャー(の鳴き声)

Two benches, shaped in sections of a circle, nearly enclosed the hearth; on one of these I stretched myself, and Grimalkin mounted the other.

two(形)(基数の2)2の、2個の、二人の
bench(名)ベンチ、長腰掛け(通例二人以上が座れる長いす)
shaped(形)(~の)形をした
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った
section(名)(ものの)部分、断片(of)
circle(名)円
enclose(他)(場所を)取り囲む、囲む
hearth(名)炉床(炉の火をたく床)
one(代)(単数形で)(特定の人(もの)の中の)一つ、1個、一人(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
these(代)(指示代名詞)これら(のもの、人)(⇔those)
stretch(他)(~oneselfで)大の字になる
myself(代)(再帰的に用いて)(再帰動詞の目的語に用いて)(再帰動詞とともに全体で自動詞的な意味になる)
grimalkin(名)年とったネコ
mount(他)(山・階段・王位に)登る
other(代)(the ~)(二つのうちの)ほかの一方(の人)、他方

We were both of us nodding, ere any one invaded our retreat; and then it was Joseph, shuffling down a wooden ladder that vanished in the roof, through a trap, the ascent to his garret, I suppose.

both(代)(同格に用いて)両者とも、両方とも
nod(自)こっくりする、うとうとする、居眠りする
ere(古)(接)~する前に、~しないうちに
anyone(代)=anybody(代)(否定文で用いて)だれも
invade(他)(他国を)侵略する
our(代)我々の、私たちの
retreat(名)静養先、隠れ家、避難所、潜伏場所
then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
it(代)(it is(was)~thatの構文で文の主語・(動詞または前置詞の)目的語・副詞語句を強調して)(このitの次にくるbeの時制は通例clause内の動詞の時制と一致し、clause内の動詞の人称は直前の名詞・代名詞に一致する)
Joseph(名)ジョーゼフ(男性名/愛称Jo、Joe)
shuffle(自)(副詞句を伴って)足を引きずって(のろのろ)歩く
down(前)(移動を表わして)(高所から)~を下って、~の下方に
wooden(形)木製の、木の
ladder(名)はしご(はしごの下を通るのは不吉であるという迷信があるが、これは昔、はしごが絞首刑や火刑の道具の一つとして使われ、死を暗示したことによるといわれる) ・climb down a ladder はしごを下りる
vanish(自)(目に見えていたものが)(突然)消える、見えなくなる(in)
through(前)(戸口・経路など)を通り過ぎて、~から
trap(名)(屋根・天井・床・舞台などの)はねぶた、揚げぶた
ascent(名)(通例単数形で)上り坂(道)
his(代)彼の
garret(名)屋根裏部屋(通例暗くてみすぼらしい小さな部屋)
suppose(他)(知っていることから)推測する、思う、考える(+that)

He cast a sinister look at the little flame which I had enticed to play between the ribs, swept the cat from its elevation, and bestowing himself in the vacancy, commenced the operation of stuffing a three-inch pipe with tobacco; my presence in his sanctum was evidently esteemed a piece of impudence too shameful for remark.

cast(他)(人に)(視線を)注ぐ ・He cast a quick look at his friend. 彼はちらっと友人を見やった。
sinister(形)悪意のある、邪悪な
look(名)(通例単数形で)一見、ひと目(at)
at(前)(方向・目標・目的を表わして)~を(ねらって)、~に(向かって) ・look at ~を見る
flame(名)炎、火炎
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
entice(他)(~を)そそのかして(~)させる(=lure)(+目+to do)
play(自)(通例副詞句を伴って)(光・笑いなどが)(~に)ゆらゆら(ちらちら)する、きらめく
rib(名)肋骨状のもの
swept(動)sweepの過去形・過去分詞
sweep(他)(副詞句を伴って)(~を)(~に)さっと動かす
elevation(名)小高い所、丘
bestow(他)(古)しまう、置く
himself(代)(再帰的に用いて)(一般動詞の目的語に用いて)
vacancy(名)空間
commence(他)開始する、始める
operation(名)作業、業務、活動
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
stuff(他)(~に)(~を)詰め込む(=cram)(with)
three(形)(基数の3)3の、3個の、3人の
inch(名)インチ(長さの単位/=1/12 foot、2.54 cm)
pipe(名)(刻みたばこ用の)パイプ、きせる
with(前)(材料・中身を表わして)~で
tobacco(名)(紙巻きたばこ(cigarette)・葉巻き(cigar)と区別して)たばこ、刻みたばこ ・pipe tobacco(パイプ用)刻みたばこ
presence(名)存在、ある(いる)こと、現存(⇔absence)
sanctum(名)神聖な場所、聖所
evidently(副)(文修飾)明らかに
esteem(他)(~を)(~と)考える、思う(+目+補)
piece(名)(通例a piece of ~で)(動作・性質などの)一例
impudence(名)ずうずうしさ、厚かましさ、生意気
too(副)(形容詞・副詞の前に置いて)(~には)あまりに~すぎる(for)
shameful(形)けしからぬ、不届きな
for(前)(主にtoo+形容詞・副詞+for、またはenough+forの形で)~にとっては、~するには
remark(名)注意、注目

He silently applied the tube to his lips, folded his arms, and puffed away.

silently(副)<silent(形)声(音)を出さない、無言の
apply(他)(ものを)(~に)当てる、塗る、つける、用いる
tube(名)(金属・ガラス・ゴムなどの)管、筒
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
lip(名)(複数形で)(発声器官としての)口
fold(他)(両手・両腕などを)組む、組み合わせる
puff(自)(たばこなどを)スパスパ吹かす、パッパッと吹き続ける(away)
away(副)(行動の連続を表わして)絶えず、せっせと

I let him enjoy the luxury, unannoyed; and after sucking out the last wreath, and heaving a profound sigh, he got up, and departed as solemnly as he came.

let(他)(容認・許可を表わして)(人・ものなどに)(~)させる、(人・ものなどに)(~することを)許す(+目+原形)
luxury(名)ぜいたく、おごり
un-(接頭)動詞につけてその「逆」の動作を表わす
annoyed(形)いらいらした、怒った
suck(他)(副詞句を伴って)(液体・空気などを)吸い込む、吸い取る
out(副)最後まで
wreath(名)(煙・雲などの)輪、渦巻き
heave(他)(人が)(嘆声・うなり声を)苦しそうに出す、あげる ・heave a sigh ため息をつく
profound(形)(眠り・沈黙など)深い
sigh(名)ため息、吐息 ・heave a sigh ため息をつく
get up(床などから)立ち上がる
depart(自)(人・列車などが)出発する
as(副)(通例as ~ as ~で、形容詞・副詞の前に置いて)(~と)同じ程度に、同様に、同じくらい(as ~ as ~で前のasが指示副詞、後のasは接続詞)
solemnly<solemn(形)厳粛な、まじめな、重々しい、荘重な、荘厳な、謹厳な
as(接)(as ~ as ~で同程度の比較を表わして)~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど

A more elastic footstep entered next, and now I opened my mouth for a ‘good morning,’ but closed it again, the salutation unachieved; for Hareton Earnshaw was performing his orisons, sotto voce, in a series of curses directed against every object he touched, while he rummaged a corner for a spade or shovel to dig through the drifts.

more(副)もっと、いっそう
elastic(形)しなやかな
footstep(名)歩み、足どり
enter(自)(~から)入る
next(副)(場所・時間・程度などを表わして)次に、次いで
now(副)(物語の中で)今や、そのとき、それから、次に
open(他)(ドア・目・容器・包み・手紙などを)あける、開く(⇔close、shut)
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
good morning(間)(午前中のあいさつに用いて)(会った時)おはよう!、こんにちは!
close(他)(ドア・窓・目・口などを)閉じる、閉める、とざす、ふさぐ(⇔open)
salutation(名)あいさつ(の言葉)
unachieved(形)仕遂げない、成就し(てい)ない
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
Earnshaw(名)アーンショウ(Emily BrontëのWuthering Heightsに登場する、主人公Heathcliffの養家の名)
perform(他)(儀式などを)執り行なう
orison(名)(古)祈り
sotto voce(副)小声で
in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して
series(名)(~の)ひと続き、(~の)連続(of)
curse(名)のろいの言葉、悪態、毒舌
direct(他)(副詞句を伴って)(注意・努力などを)(~に)向ける、注ぐ
object(名)(知覚できる)物、物体
rummage(他)(~を)くまなく捜す
corner(名)隅(すみ)、くま
for(前)(目的)(獲得・追求・期待の対象を表わして)~を得るために(の)、~を(求めて)
spade(名)踏みすき、スペード
shovel(名)(長柄で幅広の刃のついた)スコップ、シャベル(土・砂・石炭などをすくって他の場所に移すのに用いられる)
dig(自)(道具・手などで)土(穴など)を掘る(through)
drift(名)(雪・土砂などの)吹き寄せ、吹きだまり

He glanced over the back of the bench, dilating his nostrils, and thought as little of exchanging civilities with me as with my companion, the cat.

glance(自)(副詞句を伴って)(~を)ちらりと見る、ひと目見る(over)
over(前)(動作動詞とともに)~を越えて(across)
back(名)(いすの)寄りかかり、背(of)
dilate(他)(体の一部分を)広げる、ふくらませる ・dilate one's nostrils 鼻孔をふくらませる
nostril(名)鼻の穴、鼻孔
think of ~ ~のことを考える
little(副)(know、think、care、suspectなどの動詞の前に置いて)まったく~しない(=not at all)
exchange(他)(言葉・あいさつなどを)交わす、取り交わす(目的語は通例複数名詞を用いる)
civility(名)(通例複数形で)ていねいな言葉(ふるまい) ・exchange civilities ていねいな言葉であいさつを交わす
with(前)(接触・交際・結合などを表わして)~と
companion(名)連れ

I guessed by his preparations that egress was allowed, and, leaving my hard couch, made a movement to follow him.

guess(他)(なんとなく)(~だと)思う(+that)
by(前)(判断の尺度・標準を表わして)~によって、~に従って
preparation(名)準備(すること)、用意
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
egress(名)(特に囲いの中から)出て行くこと(⇔ingress
leave(他)(場所を)去る、出る、出発する
hard(形)硬い、固い(⇔soft)
couch(名)寝いす、カウチ、ソファー(=settee、sofa)
make(他)(目的語に動作名詞を伴って、動詞と同じ意味をなして)(~を)する、行なう
movement(名)動くこと、動き、運動、活動
follow(他)(人などを)追う

He noticed this, and thrust at an inner door with the end of his spade, intimating by an inarticulate sound, that there was the place where I must go, if I changed my locality.

notice(他)(~に)気がつく、(~を)認める
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
thrust(自)突く、突きかかる(at)
inner(形)内(側)の、内部の(⇔outer)
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
end(名)(細長いものの)端、末端、先端
intimate(他)(~ということを)それとなく知らせる、ほのめかす、暗示する
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
inarticulate(形)(言葉など)(発音の)不明瞭な、言葉にならない
sound(名)(単数形で/通例修飾語句を伴って)声、調子
where(副)(関係副詞)(制限的用法で)~する、~した(場所、場合など)(「場所」「場合」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
change(他)(場所・立場などを)転じる
locality(名)(ある)場所
【参考文献】
Wuthering Heights (Penguin Classics)』Emily Brontë・著
嵐が丘(上) (光文社古典新訳文庫)小野寺健・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)