『星の王子さま』を原文で読む(第2回)

ANTOINE DE SAINT-EXUPÉRY

Antoine(固有)アントワーヌ(男子の名)
de(前)(起源・出身・貴族の姓)(英:of、from)
Saint-Exupéry(固有名詞)サン-テグジュペリ(Antoine de(1900-44)/作家)

Le Petit Prince

le(定冠詞)(普通名詞の前)あの、その、いつもの(すでに出た名詞かあるいは周囲の事情などによって明らかな人・物・事実をさす)(英:the)
petit(e)(形)(多くは名詞の前)幼い、小さな、年少の(英:small、little)
prince(名)王子、皇子、親王
(テキスト6ページ、1行目~)

À Léon Werth.

à(前)à+名詞・代名詞((動作)の対象)~に、に対して、への(英:to、at、in)
Léon(固有)レオン(男子の名)

Je demande pardon aux enfants d’avoir dédié ce livre à une grande personne.

je(人称代名詞)(母音または無音のhの前ではj'となる:J’aime)(主語)私は、私が(英:I)
demander(他)(demander A(à B))(Bに)Aを求める、頼む、願う(英:ask、request) ・demander pardon à ~ ~に許しを乞う
pardon(男)許し(英:pardon)
aux=à+les→à
à(前)(動詞の間接目的語)~に(英:to、at、in)
les(定冠詞le、laの複数形)
enfant(名)(男女同形)(大人に対する)子供、児童、(法律)未成年者(子供一般を指す場合は(男))(英:child)
d' deの省略形(前置詞・冠詞のdeに母音字または無音のhが続くときこの形をとる)
de(前)(de+不定詞)(de+名詞に相当するもの)
avoir(助動詞)avoir+過去分詞(全ての他動詞、大部分の自動詞の助動詞となり複合時制を作る)(英:have)
dédier(他)献呈する
ce(指示形容詞)この、その、あの(目の前にあるが前に話題になった人・ものを指して)(英:this、that)
livre(男)本、書物(英:book)
un(e)不定冠詞)(不特定の)ある、1つの、1人の(英:one、a)
grand(e)(形)大人になった、大きい(英:big、tall、great、large)
personne(女)人、人間(男女を問わず個人としての人間)(英:person)

J’ai une excuse sérieuse: cette grande personne est le meilleur ami que j’ai au monde.

ai avoirの直・現在・1・単
avoir(他)持つ、所有する(英:have)/(avoir+直接目的語+属詞(形容詞句、過去分詞))/(親族・人間関係)(肉親・友などが)いる、ある/(所有・所持・保有)/(心身の状態)
excuse(女)(過失などの)言い訳、弁解(の理由)
sérieux(形)まじめな(英:serious)
cette(指示形容詞)(女)→ce
est êtreの直・現在・3・単
être(自)(属詞を伴って)~である(英:be)
le(定冠詞)(形容詞・副詞・動詞などと共に)(最上級)
meilleur(e)(形)(定冠詞(所有形容詞)を付けて)(deの中で)最もよい、最も好ましい(bonの最上級)(英:better、best)
ami(e)(名)友人、友だち、仲間(英:friend)
que(関係代名詞)(母音または無音のhの前ではqu'となる)(性・数不要)(直接目的語)(先行詞は人でもものでもよい)~ところの~(英:that、whom、which)
au monde(tout、rien、seul、premierなど最上級・唯一性・序列を示す語を強調)

J’ai une autre excuse: cette grande personne peut tout comprendre, même les livres pour enfants.

un(e)不定冠詞)(不特定の)ある、1つの、1人の(英:one、a)
autre不定形容詞)別の、ほかの(英:other/another)/・un(e) autre ~(不特定の別のものを指す)
peut pouvoirの直・現在・3・単
pouvoir(他)(pouvoir+不定詞)(可能)~することができる、~しうる(英:can、be able to、may)
tout不定代名詞)(単数中性)(物を指す)すべて、すべてのもの(英:all)
comprendre(他)分かる、理解する(英:understand、include)
même(副)~さえ、~までも(英:same、even)
pour(前)(宛先・用途)~宛の、~向けの、~用の(英:for、towards、in order to)

J’ai une troisième excuse: cette grande personne habite la France où elle a faim et froid.

troisième(数形容詞)3番目の
habiter(他)(に)住む(英:live、inhabit)
la(定冠詞)(女性単数)→le
France(固有)(女)フランス(英:France)
(関係副詞)(先行詞は場所)そこで~するところの~(英:where、when)
elle(人称代名詞)(3人称女性形)(主格)彼女(たち)は(英:she/it)
a avoirの直・現在・3・単
faim(女)空腹、飢え、飢餓(英:hunger) ・avoir hunger 空腹である
et(接)(列挙)そして、と(英:and)
avoir froid 寒い、寒気を覚える、(体が)冷たい

Elle a bien besoin d’être consolée.

bien(副)(程度)非常に、大いに、大変
avoir besoin de+不定 ~する必要がある、~したい、~しないといけない
être(助動詞)(être+過去分詞)(受動態をつくる)(英:be)
consoler(他)慰める

Si toutes ces excuses ne suffisent pas, je veux bien dédier ce livre à l’enfant qu’a été autrefois cette grande personne.

si(接)(条件のsi)もし~ならば(英:if/so/yes)/(si+直説法現在または過去)(単なる仮定)
tout不定形容詞)(後に冠詞など(冠詞・指示(所有)形容詞を伴って)(複数)(全体・一般)すべての、全部の(英:all)
ces(指示形容詞)(複)→ce
ne(副)(動詞に伴い、これを否定する)(他の否定語と併用される場合)~ない(英:not)/・ne ~ pas ~ない
suffire(自)(主語がもの)十分である、足りる、間に合う
pas(副)(neと共に)~ない(英:not、no)/(ne+動詞+pas)
veux vouloirの直・現在・1(2)・単
vouloir bien ~(同意)承知する、同意する、喜んで~する
l'(定冠詞)le、laの母音字省略形
qu'=que(母音または無音のhの前で)
que(関係代名詞)(母音または無音のhの前ではqu'となる)(性・数不変)(属詞)(先行詞は(代)名詞・形容詞)(英:that、whom、which)
avoir(助動詞)avoir+過去分詞(全ての他動詞、大部分の自動詞の助動詞となり複合時制を作る)
été êtreの過去分詞
aufrefois(副)昔、かつて、以前(は)

Toutes les grandes personnes ont d’abord été des enfants.

ont avoirの直・現在・3・複
d’abord まず、何よりもまず
des不定冠詞)(複)(un、uneの複数形)いくつかの、いく人かの

(Mais peu d’entre elles s’en souviennent.)

mais(接)(対立)しかし、だが(英:but)
peu(副)(否定的)(動詞を修飾)ほとんど~ない、あまり~ない(英:little、few、not much)
de(前)(母音または無音のhの前ではd'となる)(部分)~のうちで(の)(英:of、from)
entre(前)(d'entre ~)~の中の(から)(英:between、among)
s' se、siの母音字省略形
se souvenir(代動)(se souvenir de ~)~を思い出す、覚えている(英:remember)(過分:souvenu)
en(中性代名詞)(deを伴うものに代わる)(enは普通は事物を受け、人の場合はde+強勢形人称代名詞または所有形容詞を用いる)(目的語にdeを要求する動詞句の目的語)それを(に、の)、それについて(英:some、any/of him(her、it、them))

Je corrige donc ma dédicace:

corriger(他)(誤りを)直す、訂正する(英:correct)
donc(副)それ故、従って(英:so、therefore、indeed
ma(所有形容詞)(女)→mon
mon(所有形容詞)(所有・関係)私の(英:my)
dédicace(女)献辞、サイン

À Léon Werth
quand il était petit garçon.

quand(接)~する時に、~すると(英:when)
il(人称代名詞)(主語)彼は(英:he、it)
était êtreの直・半過去・3・単
garçon(男)男の子、少年(英:boy、son)
【参考文献】
対訳 フランス語で読もう「星の王子さま」』小島俊明・訳注(第三書房)
クラウン仏和辞典 第7版』(三省堂
ロワイヤル仏和中辞典』(旺文社)

日本近代文学を文庫で読む(第3回)『浮雲』

今回は、二葉亭四迷の『浮雲』を取り上げます。
浮雲』は、言文一致体で書かれた最初の代表的な作品ということで、日本文学史上で極めて重要な位置を占めているのです。
『詳説日本史』(山川出版社)にも、本文中に次のような記述があります。

言文一致体で書かれた二葉亭四迷の『浮雲』は、逍遥の提唱を文学作品として結実させたものでもあった。

日本文学史上重要な作品なので、どの文学史のテキストでも、まとまった量の記述がなされています。
『田村の[本音で迫る文学史]』(大和書房)から引いてみましょう。

では、小説としての日本近代文学の出発点になった作品は何かというと、二葉亭四迷の『浮雲』である。
二葉亭四迷は、坪内逍遥の弟子で、その写実の理論をもっと徹底した『小説総論』という評論を書き、その実践として小説『浮雲』を著した。これは、失職して馬鹿にされながらも下宿先の娘への恋愛感情が断ち切れずに下宿を去りかねている男の内面を描いた作品で、未完に終わったものの、平凡な一市民を主人公に、心理のあるがままの揺れが表現されている成功作である。
なお、二葉亭四迷という名は、彼が文学をやりたいと父親に申し出たときに、“貴様のような奴は、くたばってしめぇ”と言われたので、その“くたばってしめぇ”をもじって付けたものだと言われているが、これは、その当時文学というものがまともな仕事として認められていなかったことを証する逸話である。そして、彼自身も、後年“文学は男子一生の仕事にあらず”として、文学の筆を折ってしまう。
また、二葉亭四迷については、ロシア文学の翻訳紹介の仕事も重要で、『あひびき』『めぐりあひ』などの作品がある。

なお、『小説総論』については、現在流通している紙の本はないようです。
また、『あひびき』は、『詳説日本史』の「おもな文学作品」に名前が載っていますが、こちらも現在流通している紙の本は見当たりません。
『精選 日本文学史 改訂版』(明治書院)にも、上の『田村の[本音で迫る文学史]』とほぼ同じようなことが書かれていますが、微妙に記述が違う部分もあるので、こちらも見ておきましょう。

新しい十九世紀ロシア文学を学んだ二葉亭四迷は、『小説総論』を書いた。「実相を借りて虚相を写し出す」のが写実だとする方法意識は、『小説神髄』における主張を更に深めたものであり、それは徹底を欠いていた『当世書生気質』への批判ともなっている。逍遥の励ましを受けて、二葉亭はその理論を『浮雲』に実作化した。

浮雲』の主人公内海文三は、近代的自我に目覚め、封建的な体制の中で苦悩する青年である。知識人の内面に目を向けた新しい人物像の造型と言文一致体による自由な表現の創始は、近代文学の行方を指し示した。
言文一致の口語体は、山田美妙が『夏木立』で試みているが、ツルゲーネフの『猟人日記』を口語訳した二葉亭の『あひびき』や『めぐりあひ』が、みごとな自然描写で多くの文学者に影響を与えた。

二葉亭四迷については、「ロシア文学を学んだ」ということと「言文一致」が重要だと思うのですが、それが『田村の[本音で迫る文学史]』には言及されていないので、こちらを引用しました。
ちなみに、山田美妙の『夏木立』も、現在入手可能な本はありません。
『精選 日本文学史 改訂版』には、二葉亭四迷について、脚注でごく簡単にまとめられているので、引いておきます。

元治元(一八六四)年―明治四十二(一九〇九)年。小説家・翻訳家。東京都生まれ。本名は長谷川辰之助。『あひびき』などロシア文学の翻訳のほか、『其面影』『平凡』もある。

ただ、これだけでは何のことだか、よく分かりませんね。
そこで、『浮雲』の新潮文庫版の「解説」を参考に、ちょっと補足します。
二葉亭四迷は元治元(1864)年、江戸で生まれました。
12歳になり、松江変則中学(現・島根県立松江北高校)に通う一方、漢学塾でも学びます。
15歳の頃、「ロシアから国を守ろう」という使命感を抱き、軍人になる決意を固めて陸軍士官学校を受験するも、三度も不合格の憂き目に。
そこで、「軍人が駄目なら外交官になってロシアの脅威に当たろう」と、東京外国語学校(廃校を経て現・東京外国語大学)の露語科に入学します。
明治14(1881)年、18歳の時でした。
当時の東京外国語学校は、英仏独語科は私費でしたが、露清韓語科は官費から授業料が出ました(このことは、『浮雲』の主人公・内海文三の回想の中でも示唆されています)。
ロシア語科では実用語学が教えられ、文学や文学史などの科目はありませんでした。
二葉亭自身にもロシア文学を学ぶ気はなかったのですが、ニコラス・グレイという亡命ロシア人教師が上級課程の作文の授業でツルゲーネフゴーゴリトルストイなどの小説を取り上げたのをきっかけに、ロシア文学に興味を持ちます。
彼は、常に主席を占めるほどの語学力があったので、図書館からロシアの小説や文芸批評を借りて読みふけりました。
特に、ドストエフスキイの『罪と罰』を徹夜で読んだ時の感動は強烈だったそうです。
ドストエフスキイを原書で読んで感動できるほどのロシア語力とは、ただただ畏れ入ります。
ロシア文学を読むことによって得た「インテリゲンチャ」の魂は、彼が慣れ親しんだ漢学の教養と結び付きました。
この辺り、英文学と漢文の素養を併せ持っていた夏目漱石と大いに通じるところがありますね。
けれども、明治18年9月(この時代の高等教育機関は秋入学でした)、外国語学校は廃校となり、英独仏語科は大学予備門(現・東京大学教養学部)に吸収され、露清韓語科は東京商業学校(現・一橋大学)に吸収されてしまいます。
二葉亭は、このことに強く反発し、翌19年1月19日、東京商業学校に退学届を出しました。
その五日後、彼は『小説神髄』の疑問のページに付箋を付けて、坪内逍遥の自宅を訪ねます。
以来、坪内逍遥と幾度もの文学談義を重ねる中で、日本近代文学史上に燦然と輝く名作『浮雲』が生まれたのでした。
それから、『浮雲』については、『精選 日本文学史 改訂版』の脚注には次のようにあります。

明治二十(一八八七)年―二十二(一八八九)年。第一編は坪内雄蔵の名で刊行された。第三編で中絶。

これも少し補足すると、第一篇が坪内雄蔵(逍遥)の名で刊行されたのは、無名の青年の名前では出版出来なかったからです。
本作は「初の言文一致体小説」として大評判を得ましたが、これは、二葉亭が文語文をうまく綴れる自信がなかったことによる苦肉の策なのだとか。
完成までに3年の歳月を要したものの、二葉亭自身が作品の出来栄えに納得が行かず、未完のまま放棄されました。
ついでに、「言文一致」については、『精選 日本文学史 改訂版』の脚注には次のようにあります。

話し言葉のとおりに文章を書くこと。二葉亭は「だ」調、美妙が「です」調、尾崎紅葉が「である」調を中心に試みた。

これは、高校の国語の授業で覚えさせられました。
しかし、「二葉亭が『だ』調」とか、そんなことを丸暗記しても、何の意味もありません。
それよりは、作品を読む方が余程大事だと思います。
浮雲』のあらすじについては、『はじめて学ぶ日本文学史』(ミネルヴァ書房)に一番詳しくまとめられているので、引いてみましょう。

下級官吏の内海文三が、叔父夫婦も認めていたお勢との恋仲を、人員整理による失職で、世渡り上手の同僚本田昇に奪われる恰好になる。お勢も「軽躁者」の本性をあらわし、文三の忠告を容れず昇についている。出ていけがしの母親お政や無定見な父親孫兵衛ともども、お勢一家の醜を目の前に、悶々とする文三を描いて作品は中絶しているが、個を圧殺する明治体制の歪みや、新旧思想の対立、疎外されるインテリの苦悩など、近代小説が捕捉すべき問題をとらえて、その嚆矢とされる歴史的評価を得た。前近代的な社会と自己の内面との相克を生きる知識人の造型は、懐疑派二葉亭の生涯とオーバーラップして関心を呼ぶが、ロシア文学に学んだ言文一致体の成功もあって、その後の文学界に大きな影響を残した。

本作のテーマは「人間は社会で生きてゆくためには、卑賤でなければならないのか」。
若いうちに読んでおくべきでしょう。
僕は中年に差し掛かってから、新潮文庫版と岩波文庫版で2回ずつ、計4回読みましたが、もっと早く読んでおけば良かったと後悔しました。
小説神髄』と違って、言文一致(つまり、口語体)なので、普通に読めます。
初めのうちこそ、江戸の戯作文学の名残りか、講談調の文体が強く残っていますが。
第三篇になると、言文一致は完成されていて、後の近代小説と同じトーンです。
本作は、言文一致体もさることながら、不器用な文三、世渡り巧みな本田、口うるさい叔母、進歩的なお勢というキャラクターが実に生き生きと描かれています。
セリフが本当にリアルで、ぐいぐいと読み手を引き込むのです。
それと共に、文三のウジウジと悩む心理描写の素晴らしさ。
これはまごうことなき近代小説です。
未完に終わったのが残念でしたが。
現在、新刊書店で入手可能な文庫の『浮雲』は、新潮版と岩波版があります。
新潮文庫

浮雲 (新潮文庫)

浮雲 (新潮文庫)

初版は昭和26年。
この版の本文は新漢字・新かなづかいに改められており、また、平成23年に改版されて文字が大きくなったため、非常に読み易くなっています。
それから、現在の日本語にはない「白ゴマ(句点と読点の中間)」と呼ばれる句読点が使われているのですが、その一部は残されているようです。
さらに、30ページ以上に渡り、十川信介氏による詳細な注解が付けられています。
解説は、文芸評論家の桶谷秀昭氏。
巻末には年譜も添えられています。
岩波文庫
浮雲 (岩波文庫)

浮雲 (岩波文庫)

初版は2004年ですが、これは以前出されていたものの改版です。
新しい版なので、岩波文庫にしては珍しく、活字も大きく、ふりがなを多くするなど、読み易くするための様々な工夫がなされています。
漢字、かなづかいなどは基本的に現代のものに改められました。
しかし、日本近代文学の黎明期を飾る作品なので、できるだけ当時の表記を残すように配慮もされています。
カギカッコ、句読点、カタカナ表記などは原文のままです。
また、初出本文は句読点が非常に少ないので、読み易くするために、現在ならば句読点を打つべき箇所を1字分あけてあります。
本文には、初版の挿絵を織り込んでいて、いいですね。
趣のある画風です。
さらに、60ページ以上に及ぶ詳細な注が付いています。
当時の風俗が一目で分かるように、随所にイラストが挿入されており(これを見ると、明治の一般庶民の生活は、江戸期を強く引きずっています)、更に東京の地図まで掲載されていて、親切ですね。
巻末には、岩波文庫旧版の中村光夫氏による解説(昭和16年)が採録されています。
本版の解説は十川信介氏。
【参考文献】
詳説日本史B 改訂版 [日B309] 文部科学省検定済教科書 【81山川/日B309】笹山晴生佐藤信五味文彦・著(山川出版社
田村の〈本音で迫る文学史〉 (受験面白参考書)』田村秀行・著(大和書房)
精選日本文学史』(明治書院
はじめて学ぶ日本文学史 (シリーズ・日本の文学史)』榎本隆司・編著(ミネルヴァ書房

『シラノ・ド・ベルジュラック』(1990)

この週末は、ブルーレイで『シラノ・ド・ベルジュラック』を見た。

1990年のフランス・ハンガリー合作映画。
日本公開は1991年。
僕は浪人中に、渋谷の文化村ル・シネマでこの映画を観た。
ル・シネマでは、この作品を数ヶ月間の超ロングラン(確か、新記録だったと思う)で上映していた。
僕は浪人中、100本以上の映画を映画館で観たが(勉強もせず)、その中でも、最も感銘を受けた作品の一つである。
その後も、ビデオで見返したことがある。
文化村ル・シネマは、正統派のフランス映画(シネマライズ渋谷とか六本木シネ・ヴィヴァンのようにとんがった作品ではなく)ばかり上映していたので、よく通ったものだ。
一つ、浪人中のことで白状すると、ジャン・ポール・ベルモンドが池袋の東京芸術劇場で『シラノ・ド・ベルジュラック』を上演するために来日するということで、僕は月給8万円の新聞奨学生の身でありながら、S席2万円のチケットを買ったんだな。
けれども、結局、食費がなくて払い戻したという。
今なら、もう少し懐に余裕があるから、絶対に観に行くんだが。
一生の後悔だ。
この映画の監督は、ジャン・ポール・ラプノー。
あのルイ・マルの『地下鉄のザジ』の脚本を書いた人だ。
脚本はジャン・クロード・カリエール
他にも、『昼顔』(ルイス・ブニュエル監督)や『ブリキの太鼓』(フォルカー・シュレンドルフ監督)など、映画史に残る作品の脚本を物している。
原作はエドモン・ロスタン。
僕は、原作は読んでいないが、『シラノ・ド・ベルジュラック』を初めて知ったのは、中学生の時だった。
僕は中学3年間、文化祭で演劇をやったが、その時に脚本の候補に誰かが持って来たのを読んだのだと思う。
もちろん、中学生向けの脚本なので、原作通りではないが。
なので、「鼻のシラノ」のあらすじはその時に知った。
なお、結局、その年、僕のクラスは『とりかへばや物語』を上演した(ちなみに、演出は僕)。
シラノ・ド・ベルジュラック』はフランスの国民的(嫌いな言葉だが)戯曲で、イギリスで言えば『ハムレット』、日本で言えば『忠臣蔵』あたりに相当するのだろうか。
これで、実に7回目の映画化だという。
ロミオとジュリエット』や『ハムレット』よりも多いんだな。
有名なのは、ホセ・フェラーが主演してアカデミー賞主演男優賞を獲った1950年版らしいが。
フランスの古典を英語で見せられてもなあ。
僕は本作しか見ていないが、主役の素晴らしさと、スケールの大きさから考えて、こちらが「決定版」と言えるのではないかと思う。
当時の宣伝では、製作費は日本円で約26億円。
あの、フランスから出資してもらったという、クロサワの『乱』と同じくらいである。
古典が原作ということと、アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞しているという点も共通している。
で、主役のシラノを演じたのは、フランスの大スター、ジェラール・ドパルデュー
僕は、前述のように、学生の頃、やたらフランス映画ばかり観ていたが、その大半に、ドパルデューかジャン・ユーグ・アングラードのどちらかが出ていた気がする。
『ジュ・テーム…』(セルジュ・ゲンズブール監督)、『隣の女』(フランソワ・トリュフォー監督)、『カミーユ・クローデル』(ブリュノ・ニュイッテン監督)、『さよならモンペール』(ジェラール・ロージェ監督)、『ハムレット(1996)』(ケネス・ブラナー監督)(※これはフランス映画じゃないか)…。
ドパルデューはスゴイ役者で、「フランスのロバート・デ・ニーロ」とも言える。
僕が学生時代、映画館でアルバイトをしていた時に、映画の大好きな先輩が『1900年』(ベルナルド・ベルトルッチ監督)を、「デ・ニーロとドパルデューの演技合戦が素晴らしい!」と絶賛していたが、残念ながら、今に至るまで未見。
この『シラノ・ド・ベルジュラック』は、ドパルデューの代表作の一つで、カンヌ国際映画祭の男優賞、セザール賞(フランスのアカデミー賞)の主演男優賞を受賞している。
剣の達人で、詩人。
全編暴れ回りながら詩的なセリフを喋りまくり、一方で、容姿にコンプレックスがあるので、愛する女性の前ではしゅんとするという、大変起伏の多い難しい役なので、相当な役者じゃないと務まらんだろう。
逆に言うと、主役が立派なら、それで成立する作品だと。
共演は、アンヌ・ブロシェとヴァンサン・ペレーズ
ヴァンサン・ペレーズの出演作は、『インドシナ』(レジス・ヴァルニエ監督)や『王妃マルゴ』(パトリス・シェロー監督)を文化村ル・シネマで観たような記憶がある。
で、『シラノ・ド・ベルジュラック』は、フランス映画界が威信を懸けて、総力を挙げて製作しただけあって、セットも衣装も豪華だし、エキストラもたくさん出て来るし、戦闘シーンもスゴイ迫力で、とにかくカネが掛かっている。
もちろん、上に書いたように、主役のシラノが完璧だから、それらの舞台装置も活きて来るのだが。
まあ、こういう映画は、もう二度と作れないだろう。
カラー、ワイド。
高らかなテーマ曲。
雨の中、走る人力車。
少年が降りて来て、劇場の中へ。
美男のクリスチャン(ヴァンサン・ペレーズ)はソワソワしている。
そこへ、美女ロクサーヌ(アンヌ・ブロシェ)がやって来る。
クリスチャンは、ロクサーヌに見とれて一目ぼれするが、そのためにスリに遭ってしまう。
シラノ・ド・ベルジュラックジェラール・ドパルデュー)は未だやって来ない。
役者が登場する。
すると、階上の観劇席の奥から、「失せろ!」と声が響く。
シラノだ!
場内は大騒ぎ。
シラノは、デブの大根役者が大嫌いであった。
剣で緞帳のロープを切り、芝居をブチ壊す。
そして、払い戻しの入場料として、自分の財布を投げ付ける。
ロクサーヌがシラノに手を振る。
彼女はシラノの従妹であった。
シラノは鼻が人並み外れてデカイ。
鼻を侮辱されて怒るシラノ。
「オレが相手をしよう!」
しかし、侮辱の言葉がほんの一言しかない。
「オレなら言えるぞ、色々とな!」と、次から次へとと詩的な言葉が飛び出す。
相手は青年貴族であった。
この貴族は、シラノに「マヌケ!」と言われて激昂し、ついに剣を抜く。
シラノは、詩を唱えながら、見事に剣をさばく。
彼は、詩人であり、剣の達人でもあった。
そして、とうとう貴族の腹をブスリと刺す。
それまでやんやの喝采を送っていた物見高い聴衆は、さっと引く。
その後、シラノは友人に、財布を投げて一文無しになってしまったと告白する。
シラノが大根役者を嫌う理由は、ロクサーヌに色目を使ったからであった。
シラノは、ロクサーヌに惚れていたのである。
だが、色恋は、大きな鼻のせいで諦めていた。
そこへ、「ロクサーヌが明日の夜、お会いしたい」と使いの者がやって来る。
心ときめくシラノ。
友人の詩人が、権力者であるギーシュ伯爵の女癖の悪さを揶揄する詩を書いたので、伯爵の手先の者が100名ほど、門の前で待ち伏せしていて、家に帰れないとシラノに打ち明ける。
「オレが相手にしてやる!」
血気盛んなシラノは、100人の男達を、バッサバッサと斬り捨てる。
翌日、パティシエのラグノーの店では、女房が彼の大切な本を破って、パンを包む袋にしたと言って大騒ぎ。
そこへ、シラノがやって来る。
ラグノーは、「昨晩の韻文の決闘は素晴らしかった」とシラノを称賛する。
シラノは、この店でロクサーヌと待ち合わせしているのであった。
ふとテーブルの上に置いてある鏡に目をやってしまい、そこに映った己の鼻の醜さに、思わず鏡を伏せるシラノ。
「手紙を渡して逃げるか」と悩んでいると、ロクサーヌがやって来る。
彼女はシラノに、「昨夜、あなたが見事に打ちのめした男をとある貴族が私の夫にと」と打ち明ける。
「ある人を愛しているの」という彼女の言葉に一瞬、色めき立つシラノだが、「その人の名はクリスチャン・ド・ヌヴィレット」と聞いて、落胆する。
「もし彼が俗物なら?」
「私、死ぬわ。」
最初は、「私は役に立てない」と言うシラノだったが、彼女の懇願で、仕方なく、「よろしい、彼を守ってあげよう」と答える。
ロクサーヌが去った後のシラノが切ない。
シラノは、自分の中隊に顔を出す。
昨晩の大立ち回りを知っている部下達は、大いに歓迎の意を表するが、シラノは「うるさい!」と一蹴。
そこへギーシュ伯爵がやって来る。
気分の悪いシラノは、伯爵にもぞんざいな態度を取る。
「私の専属詩人にならんか?」
「お断りします。」
しかし、これは伯爵の皮肉であった。
伯爵は、自分を揶揄する詩を書いた詩人を捕まえようと100人の手勢を送ったのだが、それをシラノに邪魔されて、激怒していたのである。
「君は私の計画を妨害した。」
シラノは、権力者に媚びるのが嫌いなのであった。
そこへ、今日から入隊することになったクリスチャンがやって来る。
兵士達は、新人のクリスチャンに「ここでは、『鼻』は禁句だ」と警告する。
ところが、シラノが部下達に昨晩の武勲を聴かせている所で、クリスチャンは「鼻」を連呼。
シラノは、それがロクサーヌの恋するクリスチャンだと知って黙ったものの、ついに怒り心頭、部下達を追い出し、すわ決闘か!
けれども、シラノが「私は彼女の従兄だ」と告げたので、急にクリスチャンが下手に出る。
シラノは、クリスチャンの顔を見て、「確かに美しい」と溜息を吐く。
だが、クリスチャンは見掛けだけで、黙っていればいいのだが、女性の前に出ると、うまく思いを伝えられなくなってしまうのであった。
「天は二物を与えんな」とシラノ。
そこで、シラノは「二人で一人。オレが弁舌を与えよう」と、自分の書いた見事な恋文をクリスチャンに渡し、「あとは署名をすればいい」。
これには、さっきまでの生意気な態度もどこへやら、クリスチャンは「Mon ami!」とシラノにすがり付く。
その手紙を受け取ったロクサーヌは、余りに美しい文面に、恍惚とした表情を浮かべる。
その後も、彼女の元には、何通もの手紙が届けられた。
ギーシュ伯爵がロクサーヌの所にやって来る。
伯爵は、美しいロクサーヌを愛人にしようと狙っていた。
「お別れです。戦争が始まる」と告げる伯爵。
戦争が始まると、シラノとクリスチャンも戦場へ赴かなければならない。
伯爵の狙いもそれであったが、ロクサーヌは逆に、「戦いに行けないことが最大の不名誉でしょう」と、彼らの中隊を戦闘に参加させないよう提案する。
彼女が自分に気があると勘違いした伯爵は、その提案を受け入れる。
ロクサーヌは、街でクリスチャンとばったり出くわす。
クリスチャンは逃げる。
もちろん、会っても何を話せば良いのかが分からないからだが。
困ったロクサーヌは、「手紙はくれるのに、姿は見えない」とシラノに訴える。
「彼を見付けて。今夜ぜひ会いたい。手紙の言葉を直接聞きたい。」
そこで、シラノはクリスチャンに、「オレの言うセリフを覚えろ」と言うが、浮かれトンチキな勘違い野郎は、「いやだ、自分の言葉で伝えたい!」
その夜、『ロミオとジュリエット』のような、ロクサーヌ邸のバルコニーの下。
「美しい愛の言葉を聞かせて」と言うロクサーヌに、下世話なセリフしか吐けないクリスチャン。
たちまち彼女は失望するが、シラノが船場吉兆の記者会見のように助け舟を出す。
そして、暗闇の中で、クリスチャンとシラノは入れ代わる。
シラノは、滔々と自分の想いを語る。
彼女がときめいているのを見て、「今だ!」と、クリスチャンはバルコニーに上る。
抱き合って、キスをする二人。
それを遠巻きから見て、落胆しながら帰るシラノ。
ああ、切ないねえ。
しかし、こんな真夜中にギーシュ伯爵の使いの者が手紙を届けに来る。
「どうしても会いたいので、今からあなたの所へ忍んで行く」とのこと。
シラノは、とっさにあるアイディアを思い付く。
伯爵が到着する前に、クリスチャンとロクサーヌに結婚式を挙げさせようというのだ。
とは言え、時間がない。
シラノは、鼻をマスクで隠し、「私は月から来た」などと頭のおかしなことを言って、伯爵の行く手を遮り、時間稼ぎをする。
ロクサーヌ邸に到着し、彼女が既に人妻となってしまったことを知った伯爵は激怒。
シラノ達に戦場へ赴くよう命じる。
「手紙を書いて」と抱き合いながらクリスチャンに懇願するロクサーヌ
かくして、シラノとクリスチャンは出陣した。
さあ、これからどうなる?
後半は、大合戦シーンのスペクタクルと、ドパルデューの独り舞台が見られる。
特に、ラストに至るまでの芝居が素晴らしい。
正に、独壇場だ。
本当に、泣きそうになる。
モリエールがシラノの詩を剽窃して、自分の戯曲の独白に使い、それが大当たりしたなんていう悪口もあるが、これは実話らしい。
シラノの最後のセリフは有名だ。
「C'est mon panache!」
日本語では、「俺の心意気だ」が定訳のようになっているが、どうだろうか。
細君も言っていたが、せっかくのフランス語のリズムも、日本語字幕にしてしまうと、かなり違った印象になってしまう。
かと言って、フランス語のまま理解出来るはずもないので、どうしようもないのだが。
まあ、しかし、ドパルデューの演技の力と、テンポの良い見せ場の数々で、2時間20分はあっという間に過ぎる。
カンヌ国際映画祭男優賞、アカデミー賞衣装デザイン賞受賞。

Cyrano de Bergerac Official Trailer #1 - GÉrard Depardieu Movie (1990) HD

『嵐が丘』を原書で読む(第24回)

(テキスト25ページ、5行目〜)

The hook was soldered into the staple, a circumstance observed by me, when awake, but forgotten.

hook(名)鉤(かぎ)、フック、自在鉤
solder(他)はんだづけする、はんだで修繕する
staple(名)(掛け金(hasp)、留め金(hook)などを受ける)輪形の受け金、ひじつぼ
circumstance(名)出来事、事実
observe(他)(~を)(観察によって)認める、目撃する(=notice)
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)

‘I must stop it, nevertheless!’ I muttered, knocking my knuckles through the glass, and stretching an arm out to seize the importunate branch: instead of which, my fingers closed on the fingers of a little, ice-cold hand!

must(助動)(いらだち・腹立たしさなどを表わして)~する必要がある
nevertheless(副)それにもかかわらず、それでも(=none the less)
mutter(他)低い声でぶつぶつ言う(+引用)
my(代)私の
knuckle(名)(通例the knuckles)(こぶしの)指関節部、げんこつ
through(前)(貫通・通過を表わして)~を突き破って
glass(名)窓ガラス
stretch(他)(手足などを)伸ばす、差し伸べる(出す)(out)
seize(他)(~を)(ぎゅっと・乱暴に)つかむ、握る、捕まえる
importunate(形)(人・要求など)うるさくせがむ、しつこい
branch(名)(木の)枝
instead of ~(前置詞的に)~の代わりに
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
close(自)(手・腕などが)握る、つかむ、抱く(on)
ice-cold(形)(氷のように)冷たい

The intense horror of nightmare came over me; I tried to draw back my arm, but, the hand clung to it, and a most melancholy voice sobbed,
‘Let me in — let me in!’

intense(形)(感情など)熱烈な、強烈な
horror(名)恐怖
nightmare(名)悪夢
come over(感情・夜気などが)~を襲う、支配する
try(他)(~を)努力する、やってみる、(~しようと)する(+to do)
draw back(~を)引き戻す
clung(動)clingの過去形・過去分詞
cling(自)(~に)くっつく、くっついて離れない、ぴったりつく
to(前)(接触・結合・付加を表わして)~に、~へ
most(副)(通例the を用いないで)はなはだ、非常に(この語が修飾する形容詞が名詞の単数形とともに用いられる時は不定冠詞を伴う/この意味のmostが修飾する形容詞・副詞は話者の主観的感情・判断を表わす)
melancholy(形)憂鬱な、陰気な、もの悲しい
sob(自)すすり泣く、涙にむせぶ
let in(~を)入れる、通す ・Please let me in. 中に入れてください。

‘Who are you?’ I asked, struggling, meanwhile, to disengage myself.

ask(他)(物事を)聞く、尋ねる(+引用)
struggle(自)もがく、あがく、努力する(+to do) ・struggle to escape 逃れようともがく
meanwhile(副)(一方)その間、そうしている間に
disengage(他)(~ oneselfで)離れる
myself(代)(再帰的に用いて)(再帰動詞の目的語に用いて)(再帰動詞とともに全体で自動詞的な意味になる)

‘Catherine Linton,’ it replied, shiveringly (why did I think of Linton? I had read Earnshaw twenty times for Linton)—‘I’m come home, I’d lost my way on the moor!’

Catherine(名)キャサリン(女性名/愛称Cathy、Kate、Kitty)
Linton(名)リントン
reply(他)(~と)答える(目的語には答える内容がくるので、人称代名詞やletterなどの名詞は用いられない)(+引用)
shiveringly(副)<shiver(自)(恐怖・寒さで)震える
do(助動)(be以外の動詞の疑問文に用いて)
think of ~(案など)を思いつく
Earnshaw(名)アーンショウ(Emily BrontëのWuthering Heightsに登場する、主人公Heathcliffの養家の名)
twenty(形)(基数の20)多数の
time(名)(複数形で)倍
for(前)(対応)~に対して
I'm I amの短縮形
come(自)(人・ものが)(ある場所に)到着する、やってくる
home(副)わが家へ ・come home 帰宅する
I'd I hadの短縮形
lose(他)(道を)見失う、(道に)迷う ・lose one's way 道に迷う
way(名)(通例単数形で)(the ~、one's ~)行く道 ・lose one's way 道に迷う
moor(名)(英)荒れ地、荒野、ムア(イングランドスコットランドでheatherの生えた通例泥炭質の土地/特に、ライチョウ(grouse)の狩猟場)

As it spoke, I discerned, obscurely, a child’s face looking through the window — Terror made me cruel; and, finding it useless to attempt shaking the creature off, I pulled its wrist on to the broken pane, and rubbed it to and fro till the blood ran down and soaked the bed-clothes: still it wailed, ‘Let me in!’ and maintained its tenacious gripe, almost maddening me with fear.

as(接)(時を表わして)~している時、~したとたんに
discern(他)(~が)かろうじて見える(聞こえる)、(~を)どうにか認める
obscurely(副)<obscure(形)(音・形など)はっきりしない、ぼんやりした
look through ~ ~を通して見る
terror(名)(非常な)恐怖
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
cruel(形)(人・行為など)残酷な、冷酷な、無慈悲な、じゃけんな
find(他)(~が)(~であると)知る、感じる、わかる(+目+補)
useless(形)役に立たない、無用(無駄)な(⇔useful/pointless)
attempt(他)(~を)試みる、企てる(結果的な失敗を含意することが多い)
creature(名)(通例修飾語を伴って)人、やつ、女、子
off(副)(分離を表わして)分離して、とれて
its(代)それの、あれの、その
wrist(名)手首
onto(前)~の上へ((英)ではon toとすることもある)
broken(形)壊れた、砕けた、破れた
pane(名)窓ガラス(の1枚)
rub(他)(もの・ものの表面を)手などでこする
to and fro あち(ら)こち(ら)に
till(接)(動作・状態の継続の期限を表わして)~まで(ずっと)
run down 流れ落ちる
soak(他)(液体が)(~を)ずぶぬれ(びしょぬれ)にする
bedclothes(名)(複)寝具、夜具(=bedcovers)(敷きぶとんを除きベッドに使うシーツ・毛布類)
still(副)それでも(やはり)、なお(=nonetheless)
wail(他)(~を)嘆く、嘆き悲しむ(+引用)
maintain(他)(~を)持続する、維持する(=preserve)
tenacious(形)しっかり握って離さない
gripe→grip(名)(通例単数形で)つかむ(握る)こと
almost(副)(動詞を修飾して)もう少しで、すんでのところで、~するばかりに
madden(他)(人を)発狂させる
with(前)(原因を表わして)~のせいで、~のゆえに、~のために ・with fear 怖くて

‘How can I!’ I said at length.

say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)
at length ついに、ようやく

‘Let me go, if you want me to let you in!’

let ~ go(~を)行かせる
want(他)(人が)(人に)(~することを)望む、(人に)(~して)ほしいと思う(+目+to do)

The fingers relaxed, I snatched mine through the hole, hurriedly piled the books up in a pyramid against it, and stopped my ears to exclude the lamentable prayer.

relax(自)(緊張・力などが)緩む
snatch(他)(通例副詞句を伴って)(ものを)ひったくる、ひっつかむ
mine(代)私のもの(さす内容によって単数または複数扱いとなる)
through(前)(貫通・通過を表わして)(戸口・経路など)を通り過ぎて、~から
hurriedly(副)大急ぎで、あわてて、あわただしく
pile up(~を)積み重ねる
in(前)(配置・形状をなして)~をなして、~になって
pyramid(名)ピラミッド形のもの
against(前)~に立てかけて
stop(他)(穴・出口などを)埋める、ふさぐ ・stop one's ears 耳をふさぐ
exclude(他)(~の)入ることを拒む
lamentable(形)悲しい、悲しむべき
prayer(名)(通例単数形で)嘆願

I seemed to keep them closed above a quarter of an hour, yet, the instant I listened again, there was the doleful cry moaning on!

seem(自)(~と)見える、思われる、(~)らしい(+to do)
keep(他)(~を)ずっと(~の状態に)しておく(+目+補)
closed(形)(ドア・窓・蓋など)閉じた、閉鎖した(⇔open)
above(前)(基準・数量など)~を越える(て)
yet(接)それにもかかわらず、しかしそれでも、それなのに
instant(名)(the ~/接続詞的に)~した(する)瞬間に、~するやいなや(=minute)
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
doleful(形)悲しげな、悲しい、憂いに沈んだ
cry(名)叫び(声)
moan(自)うめく、うなる
on(副)(動作の方向を表わして)前方へ、こちらの方に、~を先に向けて

‘Begone!’ I shouted, ‘I’ll never let you in, not if you beg for twenty years!’

begone(自)(命令法または不定法で)立ち去れ!
shout(他)(~を)大声で言う(+引用)
I'll I willの短縮形
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して~ない
not(副)(否定の文・動詞・節などの省略代用語として)
beg(自)(人に)(~してほしいと)懇願する
for(前)(時間・距離を表わして)~の間(ずっと)
twenty(形)(基数の20)20の、20個の、20人の

‘It's twenty years,’ mourned the voice, ‘twenty years. I’ve been a waif for twenty years!’

it's it isの短縮形
it(代)(非人称動詞(impersonal verb)の主語として)(特にさすものはなく、従って訳さないで文の形式的主語となる)/(時間・日時を漠然とさして)
mourn(他)悲しそうに言う
I've I haveの短縮形
waif(名)浮浪児、宿なし子
【参考文献】
Wuthering Heights (Penguin Classics)』Emily Brontë・著
嵐が丘(上) (光文社古典新訳文庫)小野寺健・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)

日本古典文学を原文で読む(第1回)ガイダンス

日本古典文学を学ぼう
僕は中学・高校時代、国語が得意科目でした。
定期試験で学年トップを獲ったことも何度かあります。
現代文が一番得意だったのですが、古文もまあまあでした。
実は、僕の実家が某巨大宗教団体の熱心な信者で、幼い頃から会合に連れて行かれては、日蓮の書いた文を原文で読むのを聞かされたりしていたので、古文にはなじみがあったのです。
中学時代は、学校の授業を聴いているだけで、特に他には何も勉強しなくても、古文のテストでは点を取れていたと思います。
高校に入ると、授業で本格的に古典文法を教わりました。
助動詞の活用は、無条件で丸暗記。
僕は英語も数学もさっぱりでしたが、国語は得意という自覚があったので、意地になって、完璧に覚えました(もちろん、今ではかなり忘れています)。
大学受験に関して、よく「学校の授業だけでは足りない」などと言われますが、古典文法に関しては、そんなことはないと思います。
今、僕の手元に、『精選 古典文法』(明治書院)という、高校の古典文法のテキストがありますが、ここに載っていることが、知識として必要な全てです。
考えてみれば、古典文法さえ学べば、1000年以上も昔の文学作品を原文で読めます。
古文は日本語ですから。
これは、スゴイことではないでしょうか。
例えば、高校の古典では、『源氏物語』を読みますが、諸外国では、普通の高校生が大昔の古典を学校で習うなどということは、なかなかないそうです。
僕の知り合いの、国文科出身の編集者は、「『源氏物語』くらい読めますよ。日本語ですから、何となく意味は分かります」と言っていました。
さて、僕も大学受験が近付いて来ると、人並みに「受験勉強をしなければ」という気分になります。
当時の僕は、駿台の参考書を集めるのにハマッており、古文も例外ではありませんでした。
今、僕の手元に、1990年、つまり、僕が高校3年生の時に発行された『古文入門』(駿台文庫)という参考書があります。
この本のカバーの袖に、当時刊行されていた駿台文庫の古文参考書の一覧が載っていますが、僕はそれを全部持っていました。
と言っても、「持っていた」だけで、「使った」訳ではありません。
当時の駿台の参考書全般に言えることですが、古文の参考書も、大学受験には高度過ぎました。
『古文入門』ですら、「入門」とはあるものの、難しく、僕は最初の数ページで放り出してしまったのです。
『古典文法入門』は最後まで読みましたが、練習問題は、動詞や助動詞の活用表を埋めるようなもので、この本に載っている程度のことは、学校の授業で習いました。
『古文読解教則本』も、ノートを作って、最後まで読み通したと思います。
助動詞・助詞・敬語を含んだ例文と現代語訳を362、並べたもので、英語で言うと、『基本英文700選』のような感じです。
これを全て覚えられれば、古典文法を全範囲、網羅出来ます。
ただ、暗記の苦手な僕は、覚えるところまでは行きませんでした。
これ以外の駿台の古文の参考書は、どれも趣味的な内容です。
国文科志望で、古文が大好きという受験生なら、入学後のことを考えて、目を通しておいてもいいのかも知れませんが。
普通の受験生は、私立文系でも、300点満点で、せいぜい30点位の配点しかない古文に、そこまで労力を割けるはずがありません。
例えば、『古典文学読解演習』という参考書があります。
その名の通り、古文の読解問題を集めた本ですが。
第一問の出典は、何と『古事記』と『日本書紀』です。
大学の国文科なら、『古事記』は必ず読むのでしょうが、大学入試で出題されるなんて、聞いたことがありません。
ただし、言い換えれば、古典文法さえ知っていれば、日本最古の文学作品も読めるということですが。
このように、余りにも受験を超越した内容なので、当時出版されていた駿台の古文の参考書は、現在では、いずれも絶版になっています(アマゾンの中古ではプレミアが付いていますが)。
唯一、生き残っているのが、『古文解釈の方法』という本です。
これは、当時の僕は持っていなくて、最近になって購入して、読んでいるのですが、非常に素晴らしい参考書だと思います。
古文が読めるということは、要するに、頭の中で現代語訳が出来るということです。
古文は日本語なので、現代語と共通の語や意味もたくさんあります。
問題になるのは、現代語とは違う部分です。
本書は、それを、どう見分ければ良いかが、具体的に解説されています。
考えてみれば、学校の授業では、助動詞の活用は丸暗記させられましたが、それを実際に文章を読む時にどう活用すれば良いかは、ほとんど教わりませんでした。
『古文解釈の方法』を読むと、それが分かります。
この本こそ、受験の時に読んでおけば良かったと、後悔しました。
文学史については、以前も書いたように、全く勉強しませんでした。
暗記が苦手なので。
同様に、古文単語も、全く覚えませんでした。
まあ、そんな調子でも、模試などではそれなりに点が取れていたので、何とかなったのです。
こうして、何とか大学受験を乗り切り、僕は第二志望だった都内の私大の文学部(夜間部)に進学しました。
この大学の文学部は、1年次は学科に分かれておらず、2年に進級する時に、自分の希望する学科に成績順で進学するというシステムでした。
1年次には、基礎科目で「国語」という必修科目がありました。
300ページくらいの、高校の国語の教科書のような共通テキストがあり、中身は、古代から近代までの日本文学のアンソロジーでした。
その中から、担当する先生の専門によって、授業で使う箇所が決められます。
僕は、1年生は一度留年していますが、その後、英文科に進級しているので、「国語」の単位も取っているはずです。
しかし、どんな先生で、どんな授業で、何の作品を読んだかなど、全く覚えていません。
何ということでしょう。
そのテキストも古本屋に売ってしまいました。
それを今、非常に後悔しています。
最近になって、英文学を学ぶ前に、その前提として、日本文学も一通り知っておくべきではないかという気持ちが、強く芽生えて来ました。
僕が在籍していた学部で、学科に進む前に、「国語」が必修だったのも、そういう意味があったのではないかという気がします。
実は先日、僕の行き付けの喫茶店で、そこのアルバイトの某難関大学在籍の女の子が、岩波文庫の『古事記』を読んでいるのを目撃して、大いに刺激されたというのも、多少はありますが。
(なお、世間では、新元号制定とやらで、やたら『万葉集』なんぞをありがたがって読み始める輩が急増しているようですが、僕はそういった連中に与するつもりは一切ありません。天皇制には、あくまで反対だからです。)
そこで、後悔しても仕方がないので、これから日本の古典文学を、少しずつ読んで行くことにしました。
テキストについて
文学史のテキストとしては、近代文学と同様、次のものを使うことにします。

はじめて学ぶ日本文学史 (シリーズ・日本の文学史)

はじめて学ぶ日本文学史 (シリーズ・日本の文学史)

初版は2010年。
編著者は榎本隆司氏(早稲田大学名誉教授)。
500ページ以上の大部の本ですが、1冊で上代から近代まで網羅されているのが特徴です。
通読するのは大変ですが、その都度、時代の概観や作家・作品の解説などを参照したいと思います。
ただし、この本はアンソロジー形式ではありません。
そこで、実際に読む原文は、別途調達します。
ここで読むのは、文庫で現在手に入るものに限ることにしました。
その方が入手し易いからです。
古典の代表的な作品の原文は、岩波文庫などから出ています。
と言っても、一つの作品を全部読んでいると、それだけで膨大な時間が掛かってしまうので、読むのは冒頭部分のみです。
読んで行く作品は、『詳説日本史』(山川出版社)に載っているものを基準にします。
何故、日本史の教科書かと言うと、文学史の教科書だと、細かくなり過ぎて、「代表作」でないものも多数、含まれるからです。
僕の細君は、大学受験の時に日本史を選択しましたが、国語の文学史の問題は、特に勉強はしなくても、日本史の知識だけで対応出来たと言っていました。
辞書について
古文は、現代文とは違うので、当然ながら、読むには古語辞典が必要です。
古語辞典には、大きく分けて、大人用(大学生以上)のものと、高校生向けのものがあります。
高校生向けのものは、現在では「全訳」(例文に全て現代語訳が付いている)が主流です。
ただ、僕が高校生の頃は、「全訳」は未だ、小学館の『全訳古語例解辞典』しか出ていませんでした。
僕の高校の推薦辞書は、この小学館の『全訳』と、角川の『古語辞典』でしたが、僕は両者のうち、特に深く考えず、角川の方を選びました。
この選択には、今でも後悔しています。
角川の古語辞典は、高校生にも一応配慮はしていますが、基本的には大人向けの辞書です。
高校生向けの「全訳」辞典と大人向けの古語辞典との最も大きな違いは、収録語数でしょう。
概ね、「全訳」は約2万語、大人向けの古語辞典は約4万語くらいです。
大学受験用の古文単語帳の一番語数の多いものでも、600語ほどしか載っていないので、高校生の古文学習に、そんなに語数の多い辞書が必要なはずがありません。
それよりも、例文に現代語訳が付いている方が、遥かに分かり易いでしょう。
古文を習い始めたばかりの高校生では、大人向けの辞書など使いこなせるはずがなく、ただ単語の意味を引くだけになってしまいます。
しかしながら、これから日本の古典文学を順番に読んで行くとなると、話しは別です。
なるべく語数の多い辞書でないと困ります。
昨今は、古典文学を取り巻く状況も厳しいのでしょうか。
僕が高校時代に使った角川の古語辞典は絶版になっています。
いや、それどころか、角川や小学館から出ていた『古語大辞典』も絶版です。
国文科の学生はどうするのでしょうか。
それはさておき、現状では、大人向けの語数の多い古語辞典で、高校生など初学者にも配慮しているのは、次の旺文社のものしかありません。
旺文社古語辞典 第10版 増補版

旺文社古語辞典 第10版 増補版

初版は1960年。
第十版増補版の発行は2015年。
編者は、松村明氏(東京大学名誉教授)、山口明穂氏(東京大学名誉教授)、和田利政氏(国学院大学名誉教授)。
売れ筋なのか、頻繁に改訂されているので、信用出来ます。
収録語数は4万3500。
巻頭の「この辞典のきまりと使い方」には、「この辞典は、高等学校における古典の学習に役だち、大学入試準備はもちろん、専門の大学生や古典に親しもうとする一般社会人にも利用しやすいように、編集したものである」とあります。
それでは、次回以降、具体的に作品を読んで行きましょう。
(なお、ネットの性質上、古文でも横書きになります。悪しからず、ご了承下さい。)
【参考文献】
精選古典文法』(明治書院
古文入門?探求・読解の着眼点 (駿台受験叢書)』桑原岩雄、関谷浩・共著(駿台文庫)
大学受験必修古典文法入門 (駿台受験シリーズ)』桑原岩雄、中島繁夫、関谷浩(駿台文庫)
古文読解教則本[改訂版]―古語と現代語の相違を見つめて (駿台受験シリーズ)』高橋正治・著(駿台文庫)
新・基本英文700選 (駿台受験シリーズ)』鈴木長十、伊藤和夫・共編(駿台文庫)
駿台受験叢書 古典文学読解演習 古典とともに思索を』高橋正治・著(駿台文庫)
古文解釈の方法 (駿台受験シリーズ)』関谷浩・著(駿台文庫)
詳説日本史B 改訂版 [日B309] 文部科学省検定済教科書 【81山川/日B309】笹山晴生佐藤信五味文彦、高埜利彦・著(山川出版社
全訳古語例解辞典』(小学館
角川新版古語辞典』(角川書店

『街の恋』

連休中は、ブルーレイで『街の恋』を見た。

1953年のイタリア映画。
監督は、フェデリコ・フェリーニミケランジェロ・アントニオーニ、カルロ・リッツァーニ、ディーノ・リージ、フランチェスコ・マゼッリ、チェーザレ・ザヴァッティーニアルベルト・ラットゥアーダ
音楽は、『アレキサンダー大王』のマリオ・ナシンベーネ
本作は、スター俳優を一切起用せずに、ドキュメンタリー・タッチやフィクションを交えて描かれたオムニバス映画である。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
華やかなテーマ曲(しかし、音は曇っている)。
ナレーション「ビルと人が行き交う大都会。240万の男女が苦悩と共に生き、愛し合う。生き方や運命は十人十色だ。」
「主役は大都市に住む市民たち。彼らの記録。」
「色んな人たちの恋愛模様。恋愛を基にした記事は売れる。我々は調査してみた。」
ここで言う「大都会」とは、イタリアなので、ローマのことだ。
第一話「お金で買う愛」
監督はカルロ・リッツァーニ。
娼婦の話しである。
「街に立つ女性たちから何人か話しを聞いた。」
彼女達は、街を一晩中歩き回りながら客を探す。
警察の巡回を避けて。
シングル・マザーや、男に捨てられたとか、ほとんどの女性が似たような境遇。
僕の知り合いに、日本の性風俗やらAVやらの記事で有名なライターがいるが、彼の本にも同じような境遇の女性ばかり出て来る。
時代が変わり、国が変わっても、変わらないということか。
第二話「自殺未遂」
監督はミケランジェロ・アントニオーニ
自殺を働いた人々の話し。
婚約者を待つ女性。
彼女は、婚約者から本を持っているだけで暴力を振るわれる。
今で言うDVだな。
ちなみに、彼女の読んでいた本はチェーホフだとか。
彼女は妊娠してしまう。
が、婚約者は去ってしまった。
絶望した彼女は、車に飛び込む。
しかし、彼が戻って来て病院へ。
でも、彼とは結局、別れてしまう。
自殺をするくらいだから、不幸な人達ばかり。
娼婦もそうだったけど、なかなか重い。
第三話「3時間のパラダイス」
監督はディーノ・リージ
舞台はダンス・ホール。
出会いを求める人達で溢れ返っている。
男女お互いに相手を物色し、踊りの合間に口説く。
これは、そんなに暗い話しじゃない。
まあ、これも、形は変わっても、出会いを求める男女の姿は、いつの時代も変わらんだろう。
第四話「結婚相談所」
監督はフェデリコ・フェリーニ
この話しの主人公は、結婚相談所に興味を持って、調査をするという。
相談所で話しを聞くと、ここに来る女性たちのことを「彼女たちは真剣なんです。どんなお相手でも受け入れる」という。
主人公は、「友人が狼男のような奇病を持っているが、結婚すれば快復すると医者に言われた」と、とんでもないウソを言って、相手を探すように依頼する。
結婚相談所というのは、カネが掛かるところのようで、何だかんだと理由を付けては集金する。
人は何故、結婚相談所に行くのか?
ところが、狼男と結婚したいという女性が現れるんだな。
しかも、相手は真剣だった。
ヒドイ話しだな、全く。
第五話「カテリーナの物語」
監督はフランチェスコ・マゼッリ。
主人公の女性は、シチリアからローマへ出て、不法入国で逮捕され、その後、父親の分からない子供を産む。
育てられないので、子供は人に預ける。
だが、そんなに長期間は預かってもらえない。
仕事に就こうにも、身分証がないと就けない。
公的な施設を訪ねても、身分証がないと保護を受けられない。
身分証を発行してもらうために警察に行くと、前歴を調べられて、強制送還になってしまうから行けない。
悩んだ彼女は、とうとう子供を置き去りにしてしまう。
未だおむつをしているような子供なのに。
この話しが一番重い。
かわいそうで見ていられない。
第六話「イタリア人は見つめる」
監督はアルベルト・ラットゥアーダ
これは、特にストーリーはない。
ひたすら街を歩く若い女性と、それを見つめる男達が映し出される。
中には、ストーカーまがいなのもいる。
まあ、目の保養になるようにということだろう。
一番脳天気な内容。
最後に、ナレーションで「我々が追い求めるのは、身近にある現実のみ。」
「かつてない映像表現を徹底的に追求したのだ。」
とは言うものの、全体的にまとまりはないし、出て来るのがやっぱりちょっと訳ありな人達ばかりだから、本当の市井の人々を描いたとも言えないような気がする。
リアリズムという点でもどうだろう。
「かつてない映像表現」は言い過ぎかなあ。
まあ、フェリーニやアントニオーニが初期に参加しているから、注目されているのではないか。
僕は、『道』とか『崖』とか『カビリアの夜』は大好きだけどね。

L'amore in città (1953), Antonioni, Fellini, Risi, Lattuada, Zavattini, Maselli by Film&clips

『セルピコ』

連休中は、ブルーレイで『セルピコ』を見た。

セルピコ [Blu-ray]

セルピコ [Blu-ray]

1973年のアメリカ・イタリア合作映画。
監督は、『十二人の怒れる男』『狼たちの午後』『評決』の社会派シドニー・ルメット
製作は、『戦争と平和(1956)』『天地創造』『バーバレラ』『バラキ』『キングコング(1976)』の大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス
脚本は、『真夜中のカーボーイ』のウォルド・ソルト
編集は、『ゴッドファーザー PART II』『地獄の黙示録』のリチャード・マークス。
主演は、『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザー PART II』『狼たちの午後』『スカーフェイス』『ゴッドファーザー PART III』の我らが大スター、アル・パチーノ
なお、僕は「好きな俳優は?」と訊かれたら、「アル・パチーノ」と答えることにしている(ちなみに、好きな女優はシャルロット・ゲンズブール)。
アル・パチーノは、『ゴッドファーザー』『セルピコ』『ゴッドファーザー PART II』『狼たちの午後』『ジャスティス』『ディック・トレイシー』『摩天楼を夢みて』でアカデミー賞にノミネートされているが、なかなか受賞出来なかった。
しかし、1993年、『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』で、ようやく念願の主演男優賞を獲得する。
僕は、この映画を、当時、僕のアパートの隣の部屋に住んでいた高校時代の友人と観に行った。
そして、観終わった後に、アル・パチーノの演技に感服したのであった。
彼は、出演作を選んでいる。
セルピコ』に話しを戻す。
共演は、『新・猿の惑星』『レッズ』のM・エメット・ウォルシュ。
僕は、本作を10年くらい前に一度、DVDで見ているが、内容はおぼろげにしか覚えていなかった。
今回、廉価版でブルーレイが出たので、購入し、再見することにしたのである。
パラマウント映画。
カラー、ワイド。
サイレンの音が聞こえる。
1971年2月、ニューヨーク市警の警官フランク・セルピコアル・パチーノ)が撃たれた。
同僚の警官のしわざだという。
セルピコは恨まれていたからな」と彼の上司。
雨の中、セルピコを乗せたタクシーは走り、救急病院へ。
希望と使命感に燃えて警察学校を卒業した時のセルピコの回想。
現在へ。
地区総監グリーンが病室に見舞いに来る。
再び回想。
セルピコは最初、ブルックリンの82分署に配属された。
出勤するセルピコ
目付きが鋭い。
彼は自分の考えを貫くタイプであった。
事件が起きても、先輩は担当地区じゃないと行こうとしない。
セルピコは黒人の集団レイプの現場に駆け付ける。
全力で、逃げようとした犯人の一人を捕まえる。
被害者の黒人女性が証言する。
セルピコの先輩刑事は、黒人レイプ犯のキンタマを蹴り上げる。
暴力三昧である。
今なら大問題になるだろう。
相手が黒人だしな。
「お前もやれ」と促されたセルピコだが、暴力は忌避した。
セルピコは、黒人レイプ犯と手錠ナシでコーヒーを飲み、仲間の名前を聞き出す。
そして、非番の時に連中を見付け出すが、「応援を寄越せ」と頼んでも断られる。
仕方がないので、私服で犯人を逮捕する。
後に、無断だったので、「俺達に任せろ」と怒られてしまう。
組織内で、早くも自分の理想と現実の間に苦しむセルピコの姿が映し出される。
まあ、僕は警察じゃないけど、会社でも、仕事をしないヤツなんて幾らでもいるから、ここは大いに感情移入出来るところだ。
セルピコは、友人の靴修理屋へ行くが、ここで、仕事が忙しくて、友人達と食事をする時間も取れないことが示される。
鑑識局の勤務になり、セルピコは上司から、「指紋一つに時間を掛け過ぎだ」と注意される。
セルピコは母親に会いに行く。
ここで交わされるのは、どうやらイタリア語のようだ。
母親は、何かの足しにと、セルピコに貯金通帳を手渡す。
母親というのはありがたいものだ。
ある日、セルピコが帰宅すると、家の前で女の子が子犬を売っていた。
彼は5ドルで子犬を引き取る。
この子犬は長毛種で、後には大きく成長して、最後まで彼のパートナーであり続ける。
と言うより、この子犬だけがパートナーとして残るのだが。
切ないね。
セルピコは、向上心を満足させることと息抜きを兼ねて、ニューヨーク大学に通うようになった。
まあ、こんな腐った組織にいりゃあ、外で勉強したいと思うわな。
で、おそらくスペイン文学の講義だろう、セルバンテスの『ドン・キホーテ』の話しを教授がしているクラスで見掛けた女子大生をナンパして、自分のバイクに乗せる。
いいのか、警官がノー・ヘルでバイクに二人乗りして。
彼女はレズリーといい、バレエ・ダンサーであった。
セルピコも、彼女の影響で、バレエの勉強を始める(ヘタクソだが)。
ある夜、セルピコが署でトイレに行くと、窓から双眼鏡でノゾキをしている同僚がいた。
そこへ、たまたまやって来た上司に、セルピコはホモと間違えられてしまう。
これが、後に禍根を残すのだが。
まあ、現在では一見、LGBTに対する理解が深まったように見えるが、根底には、差別意識が根強く残っていると思う。
セルピコは、「あそこにいても未来はない。転属したい」と強く望むようになる。
彼は、レズリーとパーティーへ出掛けた。
彼女が友人達にセルピコのことを「彼は刑事よ」と紹介すると、皆に引かれる。
余談だが、このパーティーの雑談の中で、ある女の子が「日本の文化や絵画は細かく様式化され過ぎ」と語る。
転属先で最初、セルピコは上司から「ヒゲを剃って髪を切れ」と言われるが、「俺達はもっと町へ出て話しをすべきだ。そのためには、この格好じゃないと溶け込めない」と言うと認められる。
セルピコは同僚に「俺は刑事になりたい」と語るが、「ウソだろ」と一笑に付される。
ある日、セルピコが黒人の泥棒を見掛けて、捕まえようとしたら、同僚に警告ナシで発砲される。
「俺は警官だ!」
「その格好で分かるかよ!」
発砲した警官は、問題になることを避けるため、「この犯人を自分が捕まえたことにしてくれ」とセルピコに頼む。
セルピコは仕方なく認める。
硬直した組織内の論理だな。
セルピコは、私服刑事になるための訓練を受け始める。
マリファナを嗅ぎ分けるために、試しに吸わせてみる講習会なんかがある。
そこで、ブレアというプリンストン大学出身の同僚と仲良くなる。
訓練が終わると、セルピコは93分署に、政治に関心があったブレアは、コネでニューヨーク市長直属の調査部に配属されることになった。
セルピコは、ブレアから「町を浄化するために、一緒に組まないか」と誘われる。
ある夜、セルピコはレズリーから「あなたが結婚すると言わないから、私は別の男と結婚する」と告げられる。
ブルックリン93分署に配属された初日、セルピコは、ユダヤ人のマックスからとして、現金300ドルを渡される。
どう処理したら良いか分からないので、ブレアに相談し、調査部長に報告すると、「このことは忘れろ」と言われる。
セルピコは、この件で転属を余儀なくされる。
何度も転属して、大変だ。
その頃、自宅の隣で働いていたローリーに声を掛け、恋人にする。
今度は、ブロンクスの第7分署へ。
ここで、昔の同僚と再会し、「ホシを挙げに行こう」と誘われる。
車の中で、セルピコは同僚から「お前はカネを受け取らないから、信用できない」と言われる。
この同僚は、ギャンブルの金を幾らか受け取っているのであった。
最初から、ワイロまみれの汚い職場であることが示される。
腐敗堕落している。
けしからん!
セルピコは、ローリーに「俺は警官に憧れていた。しかし、カネをもらわないと悪人か?」とグチる。
彼は新しい相棒と組まされ、集金の仕事を担当させられる。
要するに、ワイロの回収であった。
同僚は、黒人を車で追い回し、「ワイロを払わなければパクるぞ」と恐喝する。
そうして、そのワイロでいい部屋に住んでいた。
それを見て、セルピコは心底、呆れる。
そんな時、警察のトップから「信頼できる男が現われた。情報を署内で集めよ」という指令がセルピコに下される。
しかし、待てど暮らせど、委員長から連絡がない。
ここでは、足を洗おうとしても仲間から責められるので、誰もワイロを受け取ることを止められないのであった。
セルピコの立場は次第に孤立する。
しびれを切らしたセルピコとブレアは、市長に訴えようとするが、「警察を敵に回せない」として、相手にしてもらえなかった。
さあ、これからどうなる?
後半は、いよいよ大変な展開になる。
まあ、結末は最初に示されている通り、セルピコは同僚にハメられて、撃たれてしまうのだが。
市民を守るべき警察の内部が、ここまで腐り切っているのを見せられると、怒りがふつふつと沸いて来る。
正義を貫くセルピコが、この腐った組織の中では悪人なのだ。
告発するのは大変な勇気が要っただろうし、アル・パチーノ演ずるセルピコのヒーロー振りは、称賛せずにはいられない。
本作は実話の映画化である。
映画化された当時は、未だ記憶に新しい事件だったから、この映画自体を製作するのも大変だっただろう。
最後までぐいぐいと見せる、社会派映画の傑作である。
さすがシドニー・ルメットだ。

SERPICO - Trailer ( 1973 )

『スキーピオーの夢』を原文で読む(第22回)

(テキスト18ページ、17行目〜)

(29) Hanc tū exerce in optimīs rēbus!

hic hanc hoc(指示代名詞)これ、この人
(人称代名詞)(二人称)あなた、きみ、おまえ
exerceō -ēre -ercuī -ercitum(他)(権力などを)行使する
in(前)(+奪格)(空間的)~の中に、~において、~に
optimus(形)(最上級)最もよい(すぐれた)、最高の
rēs reī(女)仕事、業務

Sunt autem optimae cūrae dē salūte patriae, quibus agitātus et exercitātus animus vēlōcius in hanc sēdem et domum suam pervolābit,

sum esse fuī(自)(繋辞として)~である
autem(接)さらに、そのうえ
cūra -ae(女)注意、配慮、関心(de 物・事の奪格)
(前)(+奪格)(関連・限定)~に関して、~について
salūs -ūtis(女)無事、安全
patria -ae(女)祖国、故郷
quī quae quod(代)(関係代名詞)(連結詞として)=et is、sed isなど
agitō -āre -āvī -ātum(他)(反復)(あちこちへ)追いたてる
et(接)~と(そして)~
exercitō -āre -āvī -ātum(他)(反復)訓練する、鍛える
animus -ī(男)(corpus 肉体に対する)精神
vēlōciter(副)早く、速やかに
in(前)(+対格)(空間的)~へ、~に向かって、~の方へ、~の中へ
hic haec hoc(形)(指示詞)この、ここの、ここにある
sēdēs -is(女)住居、住まい、居所
domus -ūs(女)家、住居
suus -a -um(所有形容詞)(再帰)自分(たち)の、彼(彼女、それ、彼ら、それら)(自身)の
pervelō -āre -āvī -ātum(自)飛んで行く、飛びまわる(in 物・事の対格)

idque ōcius faciet, sī iam tum cum erit inclūsus in corpore, ēminēbit forās, et ea quae extrā erunt contemplans quam maximē sē ā corpore abstrahet.

is ea id(代)(指示詞)彼、彼女、それ
-que(前接辞)(2語を並列する場合、2番目の語に付ける/語群や文の場合はその先頭の語に付ける)~と~、また、そして
ōcior -ior -ius(形)(比較級)よりすばやい(迅速な)
faciō -cere fēcī factum(他)する、行なう
(接)もし~ならば/(+直説法)(単純な可能性)
iam→jam(副)すでに、もう
tum(副)その時(に)、その際(に)、その当時
cum(接)(+直説法)(真に時を示す)~の時に
inclūdō -ere -clūsī -clūsum(他)囲む、閉じ込める(+物・事の奪格 in 物・事の対格)
corpus -poris(中)身体、肉体
ēmineō -ēre -minuī(自)突出する
forās(副)戸外に、外に
contemplor -ārī -ātus sum(他)(形式受動相)熟考する、考察する
quam(副)(関係詞)(+最上級)できるだけ、なるべく
maximē(副)(最上級)非常に、きわめて ・quam maximē できるだけ多く、最大限に
suī再帰代名詞)(属格)(対格:sē)
ā(前)(+奪格)~から、~より
abstrahō -ere -traxī -tractum(他)(力ずくで)引き離す、ひったくる、引きずっていく(a 物・事の奪格)

Namque eōrum animī quī sē corporis voluptātibus dēdidērunt, eārumque sē quasi ministrōs praebuērunt, impulsūque libīdinum voluptātibus oboedientium deōrum et hominum iūra violāvērunt, corporibus ēlapsī circum terram ipsam volūtantur, nec hunc in locum nisi multīs exagitātī saeculīs revertuntur.”

namque(接)もちろん、確かに
voluptās -ātis(女)喜び、楽しみ、満足
dēdō -ere didī -ditum(他)引き渡す、ゆだねる(+人の与格+物・事の対格)
quasi(副)いわば
minister -trī(男)下僕、召使
praebeō -ēre -buī -bitum(他)差し出す、差しのべる
impulsus -ūs(男)押すこと、打撃、衝撃
libīdō -dinis(女)欲望、願望
oboediō -īre -īvī -ītum(自)服従する、従順である(+与格)
deus -ī(男)(複数与格:deōrum)神
homō -minis(男)(女)人、人間
jūs jūris(中)法、法律
violō -āre -āvī -ātum(他)(条約などを)破る、犯す
ēlābor -bī -lapsus sum(自)(形式受動相)すべり出る、すべり落ちる
circum(前)(+対格)~のまわりに
terra -ae(女)地球
ipse -a -um(強意代名詞)自ら、自身
volūtō -āre -āvī -ātum(他)(反復)転がす
nec(副)~でない(=non)
locus -ī(男)場所、位置
nisi(接)(もし)~でなければ
multus -a -um(形)多数の、多くの、豊富な
exagitō -āre -āvī -ātum(他)悩ます、苦しめる
saeculum -ī(中)世代
revertor -vertī -versus sum(自)(形式受動相)引き返す、帰る

Ille discessit; ego somnō solūtus sum.’

ille illa illud(代)(指示詞)あれ、それ、あの人、その人、彼、彼女
discēdō -ere -cessī -cessum(自)立ち去る、遠ざかる
egō(人称代名詞)(一人称)私
somnus -ī(男)睡眠、眠り
solvō -ere solvī solūtum(他)解放する、自由にする
【参考文献】
ラテン語を読む キケロ―「スキーピオーの夢」』山下太郎・著(ベレ出版)
羅和辞典 <改訂版> LEXICON LATINO-JAPONICUM Editio Emendata水谷智洋・編(研究社)

『カンタベリー物語』を原文で読む(第6回)

(テキスト6ページ、7行目~)

(The Prioress)

prioress(名)(しばしばPrioress)女子小修道院

Ther was also a Nonne, a Prioresse,
That of hir smylyng was ful symple and coy;
Hir gretteste ooth was but by Seint Loy;
And she was clepyd madame Eglentyne.

Ther→There
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)(beを述語動詞として)
Nonne→Nun
nun(名)修道女、尼僧
Prioresse→Prioress
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
hir→her(代)彼女の
smylyng→smiling
ful→full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に
symple→simple(形)純真な、無邪気な
coy(形)(若い娘・女の態度が)恥ずかしそうなふりをする(=demure)
gretteste→greatest
great(形)崇高な、深遠な
ooth→oath(名)誓い、誓約、誓言
but(副)ただ、ほんの、~だけ
by(副)(誓言・祈願を表わして)(神)のみ名にかけて、(神に)誓って
Seint→Saint
saint(名)聖人、聖徒、聖者(生前高徳であったため死後聖人の列に加えられた人、または殉教者などを呼ぶ尊称/しばしばまたは慣用的にSt.と略して名に冠しSt. Peter(聖ペテロ)、St. Thomas(聖トマス)のように用いる)
Loy→Eligius
clepyd→called
call(他)(人を)(~と)呼ぶ、称する(+目+補)
madame(名)夫人、奥様(フランスで通例既婚女性に、英国で外国人女性に対する呼び掛け/単独でまたはその姓・称号の前につけて用いる)
Eglentyne→Eglentine

Ful wel she soong the servyce dyvyne,
Entuned in hir nose ful semely;
And Frenssh she spak ful faire and fetisly,
After the scole of Stratford at the Bowe,
For Frenssh of Parys was to hire unknowe.

wel→well(副)上手に、うまく
soong→sang
sing(他)(~を)歌うように言う、唱える
servyce→service(名)礼拝(の式)、お勤め
dyvyne→divine(形)神聖な ・the divine service 礼拝式、勤行(ごんぎょう)
Entuned→Intoned
intone(自)詠唱する(=chant)
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った
semely→seemly(副)魅力的に
Frenssh→French(名)フランス語
spak→spake(動)(古)speakの過去形
speak(他)(国語を)話す、しゃべる
faire→fair(副)きれいに、りっぱに
fetisly→elegantly(副)上品に、優雅に
after(前)(模倣を表わして)~に従って、にならって、にちなんで、~の流儀の
scole→school(名)(生活などの)流儀
Stratford ストラトフォード
Bowe→Bow ボウ
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
Parys→Paris(名)パリ(フランスの首都)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~にとっては、~には
hire→her
unknowe→unknown(形)未知の、不明の、未詳の(to)

At mete wel ytaught was she with alle:
She leet no morsel from hir lippes falle,
Ne wette hir fyngres in hir sauce deepe;
Wel koude she carye a morsel and wel keepe
That no drope ne fille upon hir brist.

at(前)(時の一点を表わして)~に ・at dinner time 正餐(せいさん)時に
mete→meat(名)(古)食事
ytaught→taught
teach(他)(仕方を)~に教える、仕込む、ならす、身につけさせる
alle→all
with all→moreover(副)そのうえ、さらに(=furthermore、in addition)
leet→let(他)(容認・許可を表わして)(人・ものなどに)(~)させる(+目+原形)
morsel(名)(食物の)ひと口、一片
lippes→lips
lip(名)唇
falle→fall
ne→nor(接)(否定の節・文の後に用いて)~もまた~ない(「nor+動詞+主語」の倒置が起きる)
wette→wetted
wet(他)(~を)ぬらす、湿す
fyngres→fingers
in(前)(行為・動作の方向を表わして)~の中に
sauce(名)ソース
deepe→deep(副)不覚
koude→could
carye→carry
well(副)十分に、よく(=thoroughly)
keepe→keep(他)(~を)ずっと(~の状態に)しておく、保つ
that(接)(目的を表わして)~するように、~せんがために
dropedrop(名)(a ~/否定文で)少量、少し
fille→fell
brist→breast(名)胸

In curteisye was set ful muchel hir list.

in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
curteisye→courtesy(名)礼儀(正しさ)、丁重、いんぎん、親切
set(他)(~に)(価値を)置く
muchel→much(副)(動詞を修飾して)おおいに、たいそう、非常に
list(名)(古)望み、好み

Hir over-lyppe wyped she so cleene
That in hir coppe ther was no ferthyng seene
Of grece, whan she dronken hadde hir draghte.

over-lyppe→upper lip(名)うわくちびる、上唇
wyped→wiped
wipe(他)(~(の表面)を)ふく、ふいて(~に)する(+目+補) ・wipe ~ clean ~をきれいにふく
so(副)(程度・結果を表わして)(so ~ that ~で)(順送りに訳して)非常に~なので~
cleene→clean
that(接)(副詞節を導いて)(so ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
coppe→cup
ferthyng→farthing(名)(a ~/否定文に用いて)わずか、少し
seene→seen
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
grece→grease(名)(柔らかい)獣脂、脂(あぶら)
whan→when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
dronken→drunk
hadde→had
draghte→draft(名)ひと息に飲むこと(量)、ひと口 ・drink at a draft(ひと息に)ぐいと飲む

Ful semely after hir mete she raghte.

after(前)(目的・追求を表わして)~のあとを追って、~を求めて、~を追求して
meat(名)(古)(飲み物と区別して)食べ物
raghte→reached
reach(自)(副詞句を伴って)(ある目的で)手(腕)を伸ばす(=stretch)

And sikerly she was of greet desport,
And ful plesaunt, and amyable of port,
And peyned hire to countrefete chiere
Of court, and been estatlich of manere,
And to been holden digne of reverence.

sikerly→certainly
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の
greet→great(形)(能力・価値・重要性など)偉大な、すぐれた、卓越した
desport→deportment(名)(人前での)態度、ふるまい、行儀
plesant→pleasant(形)(人・態度など)快活な、陽気な
amyable→amiable(形)(人・気質など)愛想のよい、気だての優しい
port(名)態度、ふるまい
peyned→pained
pain(他)(人を)心痛させる、悲しませる
countrefere→counterfeit(他)模造する、まねる、似せる
chiere→cheer/manner(名)(複数形で)行儀、作法
court(名)宮廷、宮中、王室
estatlich→stately(形)威厳のある、堂々とした
manere→manner(名)(a ~、one's ~)態度、物腰、様子、挙動
holden→held
hold(他)(~と)思う、考える(+目+補)
digne→worthy(形)(~に)値して、ふさわしくて(⇔unworthy)
reverence(名)(深い尊敬・愛情をもった)崇敬、尊敬

But for to speken of hir conscience,
She was so charitable and so pitous
She wolde wepe, if that she sawe a mous
Caught in a trappe, if it weere deed or bledde.

for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
speken→speak
conscience(名)(廃)(心の中の)考え、気持 ・speak one's conscience 自分の考えを率直に話す
charitable(形)(人を判断するのに)寛大(寛容)な(⇔uncharitable)
pitous→piteous(形)(古)情け深い
wolde→would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在または未来の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~(する)だろう
wepe→weep(自)(涙を流して)泣く
if that→if
sawe→saw
see(他)(~を)見る、(~が)見える(+目+過分)
mous→mouse
trappe→trap(名)(鳥獣などを捕らえる)わな、落とし ・catch an animal in a trap わなで動物を捕らえる
weere→were
deed→dead
bledde→bled(動)bleedの過去形・過去分詞
bleed(自)出血する

Of smale houndes hadde she that she fedde
With rosted flessh, or mylk and wastel-breed.

of(前)(目的格関係を表わして)~を、~の
smale→small
houndes→hounds
hound(名)(通例複合語で)猟犬
feddefed
with(前)(材料・中身を表わして)~で
rosted→roasted
roast(他)(肉などを)(オーブンなどで輻(ふく)射熱を用いて)焼く、ローストする ・roast beef 牛肉を焼く
flessh→flesh(名)(人間・動物の)肉
mylk→milk
wastel-breed→expensive fine white bread
expensive(形)高価な、費用のかかる(⇔inexpensive)
fine(形)(品質の)上等な
white bread(名)白パン(精製した小麦粉で作る)

But soore wepte she if oon of hem were deed,
Or if men smoot it with a yerde smerte;
And al was conscience and tendre herte.

soore→sorely(副)ひどく、はなはだしく、非常に
wepte→wept(動)weepの過去形・過去分詞
oon→one(代)(単数形で)(特定の人(もの)の中の)一つ、1個、一人(of)
of(前)(部分を表わして)~の中の
hem→them
man(名)(無冠詞で総称的に)(動物と区別して)人、人間
smoot→smote(動)smiteの過去形
smite(他)(~を)(~で)打つ、強打する(with)
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
yerde→yard/stick
smerte→smartly(副)すばやく
al→all(代)(単数扱い)すべて(のもの)、万事
conscience(名)良心、道義心、善悪の観念
tendre→tender(形)(他人に対して)思いやりがあって優しい
herte→heart(名)(感情、特に優しい心・人情が宿ると考えられる)心、感情

Ful semely hir wympel pynched was,
Hir nose tretez, hir eyen greye as glas,
Hir mouth ful smal, and therto softe and reed.

wympel→wimple(名)(中世に女性が用いたが、現在では修道女が用いる)ベール
pynched→pinched/pleated
pleat(他)(~に)ひだをとる(つける)
tretez→shapely(形)(女性の体・脚が)かっこうのよい、姿のよい、均整のとれた
eyen→eyes
greye→grey/gleaming
gleam(自)きらめく
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
glas→glass
smal→small
thereto(副)なおそのうえに
softe→soft
reed→red

But sikerly she hadde a fair forheed;
It was almoost a spanne brood, I trowe;
For, hardily, she was nat undergrowe.

have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている
fair(形)(古)(女性が)美しい
forheed→forehead(名)額(ひたい)、前額部(=brow)(人間の感情・性格を示す部分とされている)
almoost→almost(副)(形容詞・副詞を修飾して)だいたい、ほとんど
spannne→span(名)スパン(親指と小指とを張った長さ/通例9インチ、23センチ)
brood→broad(形)(数量を示す語句を伴って)幅が~の ・5 feet broad 幅5フィート
trowe→believe(他)(~と)思う、信じる(+that)
hardily→certainly
nat→not
undergrowe→undergrown(形)発育不十分の

Ful fetys was hir cloke, as I was war.

fetys→elegant(形)(人・行動・服装・場所など)上品な、優雅な、しとやかな
cloke→cloak(名)(ゆったりとした)そでなしの外套(がいとう)、マント
as(代)(関係代名詞)(前後の主節全体を先行詞として、非制限的に用いて)それは~だが
war→aware(形)(~に)気づいて、(~を)知って(=conscious)(⇔unaware)(+that)

Of smal coral aboute hir arm she bar
A peyre of bedes, gauded al with greene,
And theron heeng a brooch of gold ful sheene,
On which was first writen a crowned A,
And after Amor vincit omnia.

coral(名)サンゴ
aboute→about(前)~の周りに、~を巡って
bar→bare(動)bearの過去形
bear(他)(武器・マーク・痕跡(こんせき)などを)身につける、帯びる
peyre→pair
bedes→beads
bead(名)ビーズ、ガラス玉、数珠(じゅず)玉 ・a string of beads 一連のビーズ
gauded→adorned
adorn(他)(美しい人・ものを)(さらに美しいもので)飾る、装飾する(with)
all(副)まったく、すっかり
greene→green
theron→thereon(副)そのうえに
heng→hung
hang(自)(副詞句を伴って)かかる、ぶら下がっている、垂れ下がる
brooch(名)ブローチ、襟止め、胸飾り
sheene→sheeny(形)ぴかぴかの、光沢(つや)のある
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
first(副)(序数の第1番)(second、third(第二(三)に)と列挙する時に文頭に用いて)まず第一に、最初に(=firstly)
writen→written
crowned(形)冠飾のある
A(名)エイ(英語アルファベットの第1字)
after(副)(順序を表わして)あとに
Amor vincit omniaラテン語)Love conquers all.
conquer(他)(競争相手などに)勝つ、勝利を得る

Another Nonne with hire hadde she,
That was hire chapeleyne, and preestes thre.

have(他)(ある関係を表わして)(肉親・友人など)いる、(~が)ある
chapeleyne→chaplain(名)来は移動勤務の牧師(大邸宅・学校・病院などの礼拝堂所属)
preestes→priests
priest(名)(特にカトリックの)司祭
thre→three(形)(基数の3)3の、3個の、3人の
【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)

『ヴェニスの商人』を原書で読む(第2回)

WILLIAM SHAKESPEARE

Shakespeare, William(名)シェイクスピア(1564-1616/英国の劇作家・詩人)

The Merchant of Venice

The Merchant of Veniceベニスの商人」(Shakespeare作の喜劇)
(テキスト3ページ、1行目~)

The Characters in the Play

character(名)(小説などの)人物、(劇の)役
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
play(名)劇、戯曲、脚本

The DUKE of Venice

duke(名)(しばしばDuke/称号にも用いて)公爵
Venice(名)ベニス、ベネチア(イタリア北東部の港市)

ANTONIO, a merchant of Venice

Antonio アントーニオー(Shakespeare, The Merchant of Veniceに登場する青年貿易商)
merchant(名)商人

BASSANIO, his friend, suitor of Portia

Bassanio バッサーニオ(Shakespeare, The Merchant of Veniceに登場する青年/Portiaに求婚する)
his(代)彼の
suitor(名)(男性の)求婚者
Portia(名)ポーシャ(Shakespeare作「ベニスの商人」の女主人公)

GRATIANO friends of Antonio and Bassanio
SALERIO
SOLANIO

Gratiano(名)グラシアーノ(Shakespeare, The Merchant of Venice中の、AntonioとBassanioの友人の一人でおしゃべりな男/Portiaの侍女Nerissaと結婚する)
Salerio(名)サレリオ(Shakespeare, The Merchant of Venice中の、AntonioとBassanioの友人の一人)
Solanio(名)ソラーニオ(Shakespeare, the Merchant of Veniceに登場する端役)

LORENZO, in love with Jessica

Lorenzo ロレンゾ(男子名)
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
love(名)(異性に対する)恋愛、恋
with(前)(感情・態度の対象を導いて)~に対して、~に
Jessica(名)ジェシカ(女性名)

LEONARDO, servant of Bassanio

Leonardo レオナード(男子名)
servant(名)召し使い、使用人(=domestic)

SHYLOCK, a Jew of Venice

Shylock(名)シャイロックShakespeareベニスの商人」中の冷酷なユダヤ人の金貸し)
Jew(名)ユダヤ

JESSICA, his daughter

TUBAL, a Jew of Venice, Shylock's friend

Tubal(名)テューバル(Shakespeare, The Merchant of Veniceに出てくるShylockの友人のユダヤ人)

LAUNCELOT Gobbo, servant of Shylock

Gobbo ゴッボー Launcelot ~(Shakespeare, The Merchant of Venice中の道化/苛酷なShylockを見捨ててBassanioのもとに走る)

Old GOBBO, father of Launcelot

PORTIA, the Lady of Belmont

Lady(名)(姓または領地名の前につけて)女侯爵(女伯爵、女子爵、女男爵)または侯爵(伯爵、子爵、男爵)夫人の略式の敬称
Belmont ベルモント

NERRISA, Portia's waiting-woman

Nerissa ネリッサ(Shakespeare, The Merchant of Veniceの中で、Gratianoと結婚するPortiaの侍女)
waiting(形)仕える ・a waiting maid 侍女、腰元

The Prince of MOROCCO suitors of Portia
The Prince of ARRAGON

prince(名)(しばしばPrince)(大国に守られた公国・小国の)王、君主、公
Morocco(名)モロッコ(アフリカ北西部の王国/首都Rabat)
Arragon→Aragon(名)アラゴン(スペイン北東部のフランスとの国境地方/もと王国)

BALTHASAR servants of Portia
STEPHANO

Balthasar→Balthazar(名)バルサザール(男子名)
Stephano(名)ステファノー(Shakespeare, The Merchant of Venice中の、Portiaの召使)

SERVINGMAN

servingman(名)(古)奉公人、従者

MESSENGER

messenger(名)使いの者、使者

Antonio's MAN

man(名)召し使い、下男

CLERK

clerk(名)(官庁・法廷の)書記、事務官、下院事務総長(=clerk of the House)

Magnificoes of Venice, officers of the Court of Justice, a gaoler, musicians, servants and other attendants

magnifico(名)(昔のベネチア共和国の)貴族
officer(名)(しばしば修飾語を伴って)(~)役人、(~)官、(~)吏
court(名)法廷、裁判所 ・a court of justice 法廷、裁判所
justice(名)司法、裁判
gaoler(名)(英)=jailer(名)(拘置所・刑務所の)看守
musician(名)音楽家、(特に)演奏家、ミュージシャン
attendant(名)付き添い人、随行
【参考文献】
The Merchant of Venice (Penguin classics) (English Edition)
新訳 ヴェニスの商人 (角川文庫)河合祥一郎・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)