『イントレランス』

あけましておめでとうございます。
今年も拙ブログをよろしくお願いします。
さて、新年最初のブルーレイ鑑賞は『イントレランス』。

1916年のアメリカ映画。
監督は、『國民の創生』のD・W・グリフィス
助監督は、『魔人ドラキュラ』のトッド・ブラウニング
あの『フリークス』の監督だな。
さらに、『國民の創生』(助監督)のW・S・ヴァンダイク、『國民の創生』(助監督)のジャック・コンウェイ、『オズの魔法使い』『風と共に去りぬ』(いずれも監督)のヴィクター・フレミング、『國民の創生』『サンセット大通り』のエリッヒ・フォン・シュトロハイム
主演は、『國民の創生』のリリアン・ギッシュ
共演は、『國民の創生』のメエ・マーシュ、『國民の創生』のエルマー・クリフトン、『國民の創生』のウォーレス・リード、『國民の創生』『わが谷は緑なりき』のドナルド・クリスプ。
これも『國民の創生』と並んで、いつかは見なければと思っていた作品だが、ようやく見ることが出来た。
グリフィスの代表作としては、こちらの方が有名だろう。
多分、映画史の教科書の1ページ目に出て来るのではないか。
『國民の創生』以上に、撮影・編集技術が確立されている。
クローズ・アップも多数ある。
エイゼンシュテインは、本作の影響を受けて、モンタージュ理論を組み立てたという。
ドローンなんかもちろんない時代に、気球を使って俯瞰撮影をしたらしい。
語り草になっているバビロンのセットの巨大さたるや。
はっきり言って、ハリウッド映画のスペクタクルは、100年前に既にやり尽くされているから、今の映画は、CGでごまかす以外に能がない。
この作品は、舞台が四つの時代に分かれている。
ゆりかごが狂言回しと言うか、場面転換の合図になっている。
リリアン・ギッシュは主演ということになっているが、このゆりかごの傍にいる母親の役なので、四つのストーリーのいずれにも絡まない。
僕は、1950~60年代に作られたハリウッド製の歴史スペクタクル映画を結構見たが、その中でいちばんスゴイと思ったのは『クレオパトラ』だ。
カネが掛かり過ぎて、映画会社が倒産の危機に瀕したという曰く付きの作品だが、『イントレランス』のスケールは、『クレオパトラ』を遥かに凌駕する。
もっとも、『イントレランス』は、四つの時代を並行して進めるという、当時としては余りにも斬新な構成に観客が付いて行けず、興行的には大惨敗だったらしい。
確かに、最初の方は時代背景の説明が多く、一度に四つの時代について頭に入れないといけないため、やや退屈である。
世界史の知識が多少ないと、固有名詞がわずらわしいかも知れない。
実際、受験で日本史を選択した細君は、「よく分からないから、眠くなる」と言っていた。
が、それも次第に慣れ、特に後半になると、見事な展開に目が離せなくなる。
本作を見ていると、映画はやはり視覚だと思う。
つまり、トーキーでなくても、作品としては十分に成立する。
本作の現代編では、労働者のデモに発砲するシーンがある。
「現代」と言っても、100年前なので、今では考えられないだろう。
50年前の『いちご白書』では、催涙ガスを学生に対して撒き散らしていたが。
本作は、当然ながら、キリスト教が背景にある。
あと、現代編では、未だ禁酒法の時代でもないのに、酒に対する風当たりが非常に強い。
警察が、一般庶民が飲んでいる酒を没収したりする。
そんなことが許されるのか。
活動家の胡散臭さも指摘されている。
本作に登場する女性活動家は、勝手に幸せな家庭を定義して、赤ん坊を「育児放棄だ」としてさらって行ったりする。
立派な誘拐だろう。
バビロンの大戦闘シーンは本当にスゴイ。
首切りシーンもある。
城壁に攻め入るのは、『北京の55日』みたいだが、もちろん、こちらがパクッているのだろう。
戦車の疾走シーンは『ベン・ハー』だな。
ベン・ハー』と言えば、チャールトン・ヘストン主演、ウィリアム・ワイラー監督作品が有名だが、実はフレッド・ニブロ監督のサイレント版の方がスゴイ。
ガレー船が炎上するシーンで、火の回りが早過ぎて逃げ遅れたエキストラが数十名、(船を漕ぐ奴隷の役だったので)鎖につながれたまま溺死している。
本当に、サイレント時代の大作は、命懸けで撮っている。
エキストラの数もスゴイ。
バビロンの戦闘シーンは1万6000人のエキストラを使ったという。
これだけの人数を演出するのは、本当に大変だっただろう。
もっとも、『ガンジー』の葬儀のシーンのエキストラは4万人だと聞いたことがあるが。
今なら、全てCG処理だろう。
映画が堕落する訳だ。
現代編は理不尽極まりない展開である。
一応、最後に救いはあるが。
この時代のアメリカには、未だ絞首刑があったんだな。
僕は死刑反対だが、こういうこともあるから、人間が人間を裁くことは難しいと感じる。
第一次大戦中の作品だからか、平和を願うトーンだ。
クライマックスのたたみ掛けるような疾走感溢れるシーンの編集は素晴らしい。
四つの時代はそれぞれ、はっきりしたストーリーがある訳ではないが、何となく言いたいことは分かる。
それから、余談だが、本作では、キリストの顔は隠さずに、そのまま出している。
まあ、古典を見ることの大事さを痛感させられる。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
画質は悪くない。
「この作品は4つの異なる時代の異なる人々の物語から成る。それぞれの物語は憎悪と不寛容がいかに人間愛と慈善をさまたげたかを物語る。従って、同じ主題が展開するにつれて4つの話の1つから次の話へと移ってゆく。『たえまなく揺れるゆるかごから』」
「昨日も今日も揺れ続けて、人間の情熱、喜び、悲しみをもたらす。」
「不寛容(イントレランス)」
「第1話 現代のゆりかご」
「西部のある町に人間性向上のために団結した意欲的な女性たちがいた。」
「改革運動にも資金がいる。『ミス・ジェンキンスに出資を頼もう。』」
「ワンマンな工場主の妹メアリー・ジェンキンス主催のパーティー
「若者たちが互いに惹かれるのを見て自分は若くないという辛い事実に気づく。」
「この物語の娘の父はジェンキンス工場で働いている。父の日給は2ドル75だが、4羽のメンドリとガチョウを飼い、幸せに暮らしている。」
「可愛い娘」
「可愛い娘といずれ出会う青年も同じ工場で雇われている。」
「青春と笑いには過酷な時代。向上運動家たちはミス・ジェンキンスを訪ねる。」
「人のためになる法律が必要です。」
「カフェで踊るなんて。」
「今度は昨日のゆりかごから出てきた古代の人々の物語。彼らの生活はわれわれの時代とかけ離れているが、希望や困難はよく似ている。」
「黄金の町、古代エルサレムの人々はわれわれに崇高な理想を与えてくれた。ベツレヘムの大工の家からは不寛容と闘うお方が生まれた。」
「ヤッファ門の近く」
ガリラヤのカナの家」
「パリサイ人の偽善者たち。注:パリサイ人とはユダヤ教の一派で、のちに偽善者のレッテルを貼られた。」
「パリサイ人は祈る時、すべての行為を停止させる。」
「神よ、私はあなたに選ばれし者なり。」
「アーメン。」
「過去における別の時代。1572年のパリ、そこは不寛容の温床。カトリーヌ・ド・メディチと彼女の息子シャルル9世の時代。」
「弟のダンジュー公、国王に謁見。」
「ダンジュー公はひ弱で、ペットとオモチャを愛する。」
「カトリーヌ・ド・メディチは偉大なカトリックを隠れ蓑にユグノー派を弾圧する。注:ユグノー派とは当時のプロレスタント派。」
ユグノー派の最高指導者、コリニー提督」
「コリニーが旧教徒なら素晴らしいのに。」
「国王が新教徒なら素晴らしいのに。」
「国王のコリニーの寵愛は反対派の不満を呼ぶ。」
「不寛容の地に平和をもたらすために、国王の妹マルグリットはユグノー派のアンリと婚約する。」
「マルグリット」
「アンリ公」
ユグノー派の娘ブラウン・アイズと彼女の恋人ラトゥール」
「1人の傭兵がブラウン・アイズに恋を。」
「現代の話に戻る。ミス・ジェンキンスは現代のパリサイ人たちに加担し、向上運動家たちに協力を約束する。」
「労働者の娯楽」
「『いかなる者にも悲しい時と楽しい時がある。人生は美しい。』旧約聖書 第三章」
「可愛い娘も楽しんでいる。」
「ストローいる?」
「ミス・ジェンキンスは兄から資金を得る。」
「工場主は工員を視察に。」
「10時だ。工員は寝ないと、明日の仕事にさしさわる。」
「不寛容と闘う人間愛の物語4つめは、地球上のすべての民族がバビロンに集まっていた遠い昔にさかのぼる。」
「紀元前539年、ベルシャザール時代。バビロンの城門、インガール・ベル。商人や農夫らに混じって町を偵察するペルシャ人。」
「スイザナ山から降りてきた山の娘」
「ベル教司祭の従者で吟遊詩人の戦士ラプソード」
「バビロンの最高神ベル・マーダックの司祭は競争相手の女神イシュタールの像が町に運ばれてくるのを嫉妬深く見ている。」
「いとしい人、私の裏庭の灰の山に小さな花が、7輪のユリが咲くだろう。君が少しでも私を愛してくれるなら。」
「愛の女神イシュタールよ、7の7倍おじぎします。彼女にこのキスを受けとらせてください。」
「大城壁の上を行列するベルシャザール王子。名君ナボニドス王の息子。注:バビロン城壁のセットは高さ90メートルで馬車も通れる。」
ベルシャザールの忠実な番兵、両刃の男。立派な、素晴らしい男。」
「ベル教の司祭はイシュタール神への崇拝を見て、自分の宗教的権威の失墜を悟り、宗教の再建を決意する。」
「敵の侵入を防ぐインガール・ベルの門」
「イシュタール神殿の侍女たち」
「ハーレムのスギの香りがする黄金の間。ベルシャザール最愛の姫がいる。」
「王子から贈られた愛の花も姫の美しさには負ける。」
「山の娘の兄は気性の激しい妹とささいなことで争い、その問題を法廷に持ちこむ。」
「世界初の正義の法廷。注:ハムラビ法典にもとづくバビロンの法律は弱者を強者より守る。」
「兄は妹がわがままだと訴える。」
「良き夫を結婚市場で見つけよと裁判長は申し渡す。」
「ゆりかごはたえまなく揺れ、過去と未来を結ぶ。悲しみと喜びを歌いあげながら。」
「再び現代の話に戻る。工場の配当金では資金が不足とミス・ジェンキンスは兄に訴える。そのため、兄は無茶な行動を。」
「賃金を10%カットだ。」
ストライキが起こる。」
「奴らはわれわれから絞り取った金でわれわれの生活を改善し、自己宣伝しようとしている。」
「仕事にあぶれた者たち」
「敷地内から締め出せ。」
「運命のいたずらか、青年の父は死ぬ。」
ジェンキンスの犠牲になっていた多くの者が働き口を見つけるべく近くの都市へ向かう。青年もその1人だ。」
ストライキの結果、娘は孤独に…。」
「可愛い娘と父も町を去る。」
「彼ら4人は同じ土地へ。」
「青年は仕事が見つからず…。」
「孤独な娘はスラムのボスの口車に乗る。」
「再びバビロンに戻る。」
「結婚市場。誰もが夫を得て幸せになれるよう、女性には持参金が与えられる。」
「赤く染めた唇に、アイラインを引いた目。注:ヘロドトスによると、現在の浮浪者に相当する女性。」
「競売人」
「こら! こんな所でタマネギを食うんじゃない。」
「娘の番だ。近代と手順は変わらないだろう。」
「遠いニネベに、結婚市場に出されている娘を手に入れられるならば、死んでも構わないと思っている男。」
「この可愛い野バラとなら、誰でも幸せになれる。」
「スカートにさわったらひっかくよ。」
「荒い気性と乱暴な言葉。このバラにはトゲがある。」
「3分の1ポンドの金を。」
「シラミ野郎、私をこばむの? 私はバビロンで1番優しい。」
「新王ベルシャザール
「偉大なる支配者、王の中の王よ。この男たちは私を妻にしてくれない。私は悲しい。」
「この印章は結婚してもしなくてもよい自由を、恋愛してもしなくてもよい自由を与える。」
「ラプソードはベル神を心から崇拝するよう、不信心な者たちに共同住宅で説法している。」
「めめしい男ね。香水にアシイヌの衣なんておよし。私は兵士しか愛さないの。」
「感動した山の娘はベルシャザールに永遠の忠誠を誓う。」
「聖なる命の炎をつかさどる乙女たち」
「王は姫に異国の故郷と同じような美しい町を造ると約束する。」
「そなたのふくいくたる肉体の神秘は人生の神秘にまさる。」
「バビロンの若き王ベルシャザールと最愛の姫。ハーレムの美女の中で最も魅力的。あでやかな舞姫。」
ストライキの結果、新たな境遇に陥った可愛い娘。だがしかし、優しい心と夢は変わっていない。」
「希望のジェラニウム」
「あんな風に歩けばいいのね。」
「近所には孤独な娘もいる。」
「スラムのボスもいる。」
「青年は悪の道に走り、今やボスの手下。」
「町の女の歩き方をマネてみる。」
「青年の新聞売店。仕事はそっちのけで…。」
「歩き方の効果は抜群。」
「ねえちゃん、俺のイロになんな。」
「許しを乞え。」
「可愛い娘の父は不遇のうちに早すぎる死を迎える。」
「たえまなく揺れるゆりかごからナザレに救世主現る。ガリラヤのカナで結婚式が挙げられた。ヨハネ伝 第2章1節」
「花嫁に食片を。」
「従順であれ。」
「軽べつし、無視する男たち」
聖母マリア
「いつの世にもうるさ型はいた。近頃は享楽的な風潮が強すぎる。」
「ブドウ酒が底をつき、新郎新婦は恥辱を受ける。」
「最初の奇跡。水がブドウ酒に変わる。注:ブドウ酒を神に捧げるのはユダヤ教のしきたり」
「ここしばらくは神の愛がわずかだが力強く人々を包む。」
「ブラウン・アイズと彼女の一家は不寛容のクモの巣が張りめぐらされているのに気づかない。」
「愛は語らずとも…」
「傭兵は恋するあまり…」
「素晴らしい夏の一日。可愛い娘は日を重ねるにつれ、悲しみをいやす。」
「休日の終わり…」
「夜、時間を持てあますと、俺は女友だちの部屋へ行く。」
「強い女になりたい。」
「前に言ったでしょ。マリアさまと父に誓ったの。この部屋には決して男の人を入れないと。」
「そんなこと言うなら、二度と会わないぞ。」
「結婚するなら俺を入れてくれるかい。」
「おやすみのキスを。約束のしるしだ。」
ジェンキンスから与えられた莫大な資金を『慈善』に投じたことで、向上運動家たちは社会で不動の地位を占めていった。」
「ほかの時代にも、同じような不寛容の偽善が。」
「大食漢と大酒飲みは罪人の友なり。マタイ伝 第11章19節」
「姦通を働いた女」
「モーゼいわく、『そのような者は石を投げ追放せよ』。あなたは何と言われますか。」
「あなた方の中で罪を犯してない者が彼女に石を投げるべし。」
「私もあなたをとがめない。二度と罪を犯すな。」
「現代編で次に起こるキリスト教の精神の手本をどう解釈すべきか。17委員会は町を浄化したと報告する。」
「静かになりました。」
「もう誰も踊らないわ。」
「警察の手入れをあなたも見たでしょ。」
「女性が媚びなくなると、男性はやむなく改革主義者になる。」
「委員会は知らないが…」
「ワインやビールの代わりに男たちは蒸留酒を造っている。」
「可愛い娘の信頼に勇気づけられ、青年は一緒に正しい道を歩き始める。」
「青年はボスに、もう銃は要らないと言う。悪の道から足を洗うのだ。」
「ほかの子分の手前、ボスは仲間の助けを借りて、青年を罪におとしいれる。」
「時に、不寛容の場となる所」
「盗品を持っていたことと不寛容な悪評のために、青年は服役を。」
「愛の巣は抜け殻。ひとりぼっちの可愛い娘。」
ジェンキンス家では、向上運動家たちが改革の成功を祝う。」
「バビロンでは、ベル教の司祭が人々の尊敬を集めようとしている。」
「司祭はイシュタール崇拝の風潮に腹を立て、精神的堕落とバビロン崩壊を予言する。」
ベルシャザールの父は3200年前に建てられたナラム・シン神殿の礎石を発掘した。」
「宿敵キュロスがバビロンに兵を進めていると、ベルシャザールは父に伝える。」
「イシュタール神よ、キュロスを討ったら、われわれはあなたの町を造ります。」
ペルシャ陣営。世界征服をめざすキュロスはバビロンとの激烈な戦いにそなえ、ひそかにベル教の司祭と手を結ぶ。注:陣営のある場所はユーフラテス川とエジプトに通じる道の中間。」
「司祭はキュロスから知らせを受ける。」
「太陽神の前に立つキュロス。」
「キュロスの軍制。メジア人とペルシャ人が教練を受けている。注:全員が毎日訓練するよう義務づけられていた。」
エチオピア人」
「未開人たち」
「たえまなく揺れるゆりかごから赤ん坊の手が希望をこめて差し出される。」
「母となった可愛い娘は青年が帰る日を待ちわびている。」
「運動家は子供の問題に関して、矛先を『育児放棄』の母親に向ける。」
「カゼをひいた可愛い娘は、禁止されても多くの医者が使っていた昔ながらの薬をもらう。」
「向上運動家が調査に。『悪い環境、犯罪者の父』」
ウイスキーね。」
「あなたは母親として失格よ。」
「調査報告」
「何人かは反対したが、赤ん坊を保護する決定が。」
「優しい隣人がビールの差し入れを。」
「見た? 男が訪ねてきたのよ。」
「赤ん坊を保護します。」
「子供たちを私のもとへ」
「赤ん坊をひと目見ようと。『このほうが赤ん坊も幸せかも。』」
「臨時の母たちは怠慢ではない…。」
「他人の幸せを見ることで気をまぎらす。」
「過酷な時代、忘れがたき不寛容」
ユグノー派が国中で挑戦的な姿勢をと、カトリーヌに報じられる。」
「彼女は、ある事件を例にとり、反プロテスタントをあおる。」
「覚えておいでか、ニームの事件を。ユグノー派の手でカトリック教徒が殺された。」
「彼らを根絶しなければ、私たちの生きる道はない。目には目を、歯には歯を…。」
「キュロスはつるぎを手にバビロンへ進軍する。強力な武器が不寛容の炎で鍛えられている。」
ベルシャザールは迎え撃つ。」
「陛下、真珠のように涙を銀の小箱に収めます。親指をかみ、腰帯を叩きます。陛下が戻らぬ時は、私も死の間アラートへ。」
「姫が祈っている間に、山の娘はベルシャザールのために戦いに行く。」
「城門を閉じる。」
「戦いの太鼓とラッパ」
「われベルシャザールは城壁の上から敵を迎え撃つ。」
「牛皮を張った攻城塔」
「城壁の中では」
「古代の兵器。投石器、破城づち、いし弓、灯油」
「神殿では祈りが捧げられ、乳香がたかれている。」
「供物を火にくべる。」
「イシュタール神よ、許したまえ。燃えるつるぎを受けよ。」
「町は四方から攻撃される。」
「キュロスみずから先鋒に。」
「キュロスは『殺せ』と何度も叫びつつ、神には終わりなき栄光の御代をと。」
「イシュタール神、お助けを。」
「大都市バビロンが陥落する。」
「神よ、われらを救いたまえ。」
「姫は恐怖におののきつつ、戦いを見る。」
「巨大な丸太で塔を倒す。」
「夜」
「イシュタール、闘って。」
「女たちも。」
「朝になると、新たな攻撃が。」
ベルシャザールの勇猛な部下は押しよせる敵と戦う。」
「新式の火をはく破壊車がキュロス軍の塔を焼き払おうと。」
「キュロス軍を撃退す。」
「勝利を感謝する歌」
「偉大なるベルシャザール
以下、第2部。
さあ、これからどうなる?

INTOLERANCE Movie Trailer [HD]

『カンタベリー物語』を原文で読む(第22回)

(テキスト22ページ、11行目~)

(The Reeve)

reeve(名)(昔の町・地方の)執事、代官

The Reve was a sclendre coleryk man.

Reve→Reeve
sclendre→slender(形)ほっそりした、すらっとした
coleryk→choleric(形)かんしゃく持ちの、怒りっぽい ・a man of choleric temper 怒りっぽい気性の男
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性

His beerd was shave as neigh as ever he kan;
His heer was by his eerys ful rownd yshorn;
His top was dokked lyk a preest biforn.

his(代)彼の
beerd→beard(名)あごひげ
shave→shaven(形)(しばしば複合語で)そった
kan→can
as ~ as ever ~ can できるだけ
neigh→nigh(副)(古)=near(形)近い、短い
heer→hair
by(前)(場所・位置を表わして)~のそばに(で)、のかたわらに(の)、の手元に
eerys→ears
ful→full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に
rownd→roundly(副)丸く、円形に
yshorn→shorn(形)刈り込んだ
top(名)頭
dokked→docked
dock(他)(尾・耳・毛などを)短く切る
lyk→like(前)~のように、~に似た
preest→priest's
priest(名)(特にカトリックの)司祭
byforn→before(副)(位置を表わして)前に、前方に

Ful longe weere his legges and ful leene,
Ylik a staf ― ther was no calf yseene.

Ful→Full
longe→long
weere→were
hise→his
legges→legs
leene→lean(形)(人・動物が)(ぜい肉がなく引き締まって)やせた、細い(⇔flabby)
Ylik→Like
staf→staff(名)つえ、棒、こん棒
ther→there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
calf(名)ふくらはぎ、こむら
yseen→seen

Wel koude he keepe a gerner and a bynne;
Ther was noon auditour koude on hym wynne.

Wel→Well
well(副)上手に、うまく
koude→could
keepe→keep(他)(商店・学校などを)経営する、管理する
gerner→garner(名)穀倉
bynne→bin(名)(石炭・穀物・パンなどの貯蔵用)置き場
Ther→There
noon→no
auditour→auditor(名)監査役
on(前)(動作の対象を表わして)~に対して、~に当てて
hym→him
wynne→win(自)勝つ、勝利を得る

Wel wiste he by the droghte and by the reyn
The yeldynge of his seed and of his greyn.

well(副)十分に、よく(=thoroughly)
wiste→wist(動)(古)witの過去形・過去分詞
wit(他)(古)知る、知っている
by(前)(原因を表わして)~のために
droghte→drought(名)旱魃(かんばつ)、日照り、水がれ
reyn→rain
yeldynge→yielding
yield(他)(作物・製品などを)産する(=produce)
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
seed(名)種、種子(大量の種に言及する時には不可算扱いが一般的)
greyn→grain(名)(集合的に)(特に小麦などの)穀物、穀類

His lordes sheep, his neet, his dayerye,
His swyn, his hors, his stoor, and his pultrye
Was hoolly in this Reves governynge,
And by his covenant yaf the rekenynge,
Syn that his loord was twenty yeer of age.

lordes→lord's
lord(名)(封建時代の)領主、君主
sheep(名)羊、めん羊(柔順・臆病(おくびょう)者のイメージがあり、羊飼いと羊の関係は支配する者とされる者、牧師と信者の関係を象徴する)
neet→neat(名)(古)牛
dayerye→dairy(名)=dairy cattle(複)乳用牛、乳牛
swyn→swine(名)豚
hors→horse
stoor→store/livestock(名)(複数扱い)(牛・馬・羊などの)家畜
pultrye→poultry(名)(複数扱い)家禽(かきん)(鶏・七面鳥・アヒル・ガチョウ、時にはハト・キジなども含める)
hoolly→wholly(副)まったく、完全に
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)(⇔that)
Reves→Reeve's
governynge→governing
govern(自)統治する、支配する、管理する
by(前)(判断の尺度・標準を表わして)~によって、~に従って
covenant(名)契約、盟約、誓約
yaf→gave
rekenynge→reckoning(名)(古)勘定書
Syn that→Since
loord→lord
twenty(形)(基数の20)20の、20個の、20人の
yeer→years
year(名)(数詞の後で)~歳 ・She's twenty years of age. 彼女は20歳です。
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について ・He's twenty years of age. 彼は20歳だ。

Ther koude no man brynge hym in arrerage.

man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
brynge→bring(他)(~を)(ある状態に)もってくる、至らせる
arrerage→arrearage(名)延滞

Ther nas baillyf, hierde, nor oother hyne,
That he ne knew his sleyghte and his covyne;
They weere adrad of hym as of the deeth.

nas→ne was
ne(副)(古)=not
baillyf→bailiff(名)土地(農場)管理人
hierde→herder(名)牛飼い、羊飼い
oother→other
hyne→hind(名)(農業技術にすぐれた)作男
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
sleyghte→sleight(名)策略
covyne→covin(名)(古)詐欺
adrad→afraid
of(前)(形容詞に伴って)~を
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
deeth→death

His wonyng was ful faire upon an heeth;
With greene trees shadwed was his place.

wonyng→wonning(名)(廃)住みか、住居、住所(=dwelling)
faire→fair(形)(廃)望ましい(=desirable)、けっこうな、りっぱな(=reputable)
heeth→heath(名)(ヒースの茂る)荒れ地、荒野
with(前)(材料・中身を表わして)~で
greene→green
shadwed→shadowed
shadow(他)(~を)陰にする、陰でおおう、暗くする ・The mountain is shadowed by clouds. その山は雲の陰になっている。
place(名)(通例単数形で/one's ~)家、住まい

He koude bettre than his lord purchace.

bettre→better(副)(wellの比較級)(~より)いっそうよく(than)
purchase(自)(廃)富をたくわえる

Ful riche he was astoored pryvely.

riche→richly(副)豊富に、豊かに、十分に
astoored→stored
store(他)(~を)蓄える、備蓄する(=keep)
pryvely→privily(副)<privy(形)(古)秘密の

His lord wel koude he plesen subtilly,
To yeve and leene hym of his owene good,
And have a thank, and yet a coote and hood.

plesen→please
subtilly→subtly(副)<subtle(形)巧みな、巧妙な
yeve→give
lean→lend
owene→own
good(名)(複)財産、所有物、(特に金・証券以外の)動産(=movables)
have(他)(~を)得る、もらう、受ける ・You have my sympathy. あなたに同情します。
thank(名)感謝、謝辞
yet(副)(andまたはbutに伴って)それにもかかわらず、それなのに、しかもなお
coote→coat(名)上着、ジャケット
hood(名)(コートなどの)フード、ずきん

In youthe he lerned hadde a good mister:

in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中
youthe→youth(名)青年時代、青春(期)、若いころ ・in youth 若いころに
lerned→learned
hadde→had
good(形)上手な、有能な、うまい、巧みな(⇔poor)
mister(名)(廃)工芸、職業

He was a wel good wrighte, a carpenter.

wel→well(副)非常に(=very)、超 ・well good とてもいい
wrighte→wright(名)(大工などの)職人
carpenter(名)大工

This Reve sat upon a wel good stot,
That was a pomely gray and highte Scot.

sit(他)(馬に)乗る、乗りこなす
on(副)(接触などを表わして)上に、乗って
stot→horse
pomely→dapple(形)まだらの、ぶちの
gray(名)灰色の動物(特に葦毛の馬やコククジラ
highte→hight(形)(古)(と)呼ばれた
Scot(名)スコット

A long surcote of pers upon he haade,
And by his syde he baar a rusty blaade.

surcote→surcoat(名)(中世騎士の鎖かたびらの上に着た)陣羽織
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の
pers→perse(名)濃青(紫)色の(服地)
haade→had
have on(着物・帽子・靴などを)身につけている、着て(かぶって、はいて)いる
syde→side
by a person's side ~のそばに、~の近くに
baar→bore
bear(他)(武器・マーク・痕跡(こんせき)などを)身につける、帯びる
rusty(形)さびた、さびついた
blaade→blade(名)刃、刀身

Of Northfolk was this Reve of which I telle,
Bisyde a town men clepyn Baldeswelle.

of(前)(起源・出所を表わして)~から、~の ・be of ~の出である
Northfolk→Norfolk(名)ノーフォーク州(イングランド東岸の州/州都Norwich)
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
Bisyde→Beside
beside(前)~のそばに(で)
clepyn→call(他)(人を)(~と)呼ぶ、称する(+目+補)
Baldeswelle→Bawdswell

Tukked he was as is a frere aboute,
And evere he rood the hyndreste of oure route.

Tukked→Tucked
tuck(他)(副詞句を伴って)(衣服・シーツなどの)端を(~に)押し込む、はさみ込む
as(代)(関係代名詞)(前後の主節全体を先行詞として、非制限的に用いて)それは~だが
frere→friar(名)(托鉢(たくはつ))修道士
aboute→about(副)ぐるりと(回って)
evere→ever(副)いつも、常に、始終
rooderode
ride(他)馬(自動車)で(道・場所などを)通る(渡る、越す)
hyndreste→hindmost(形)いちばん後ろの、最後尾の
oure→our(代)我々の、私たちの
route→rout(名)(古)群れ、団、隊
【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)

『カンタベリー物語』を原文で読む(第21回)

(テキスト21ページ、20行目~)

(The Manciple)

manciple(名)(大学・修道院などの)食料品仕入係、賄い方

A gentil Maunciple was ther of a temple,
Of which achatours myghte take exemple
For to been wyse in byynge of vitaille;
For wheither that he payde or took by taille,
Algate he wayted so in his achaat
That he was ay biforn and in good staat.

gentil→gentle(形)(家柄が)りっぱな、良家の
Maunciple→Manciple
ther→there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
temple→Inn of Court
the Inns of Court(弁護士(barrister)任命権を占有するLondonの)法学院(会館)(the Inner Temple、the Middle Temple、Lincoln Inn、Gray's Innの四つ)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
achatours→purchasers
purchaser(名)買い手、購入者(=buyer)
myghte→might(助動)(直説法過去)(主に間接話法の名詞節中で、時制の一致により)(許可を表わして)~してもよい
exemple→example
take example by ~ ~の例にならう、~を手本にする、見習う
for(前)(目的・意向を表わして)~のために、~を目的として
been→be
wyse→wise
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
byynge→buying
buy(自)物を買う、買い物をする
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
vitaille→victuals
victual(名)(複数形で)食物、食料
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
wheither that→whether(接)(or ~と相関的に譲歩の副詞節を導いて)~であろうとなかろうと(いずれにせよ)
payde→paid
pay(自)金を支払う
take(他)(ものを)買う
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
taille→tally(名)割り符、合い札(昔、貸借関係者が棒切れに刻み目をつけて負債・支払いの金額を表わし、それを縦に二つに割ってそれぞれが所有し、後日の証拠とした)
Algate→Always
wayted→took care
take care 注意する、木をつける
so(副)(程度・結果を表わして)(順送りに訳して)非常に~なので~
his(代)彼の
achaat→purchase(名)買い入れ、購入
that(接)(副詞節を導いて)(so ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
ay(副)(古)永久に、常に
biforn→before(副)(決められた時よりも)早く、前に
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
staat→state(名)状態、ありさま、様子

Now is nat that of God a ful fair grace
That swich a lewed mannes wit shal pace
The wysdom of an heep of lerned men?

now(副)(接続詞的に、話題を変える時などに文頭で用いて)さて、ところで、では
nat→not
that→it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
ful→full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に
great(形)(能力・価値・重要性など)偉大な、すぐれた、卓越した
grace(名)神の恵み、恩寵 ・the grace of God 神の恩寵
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(主語節を導いて)(しばしばthat節は先行のitで代表される)
swich→such
lewed→lewd(形)(廃)卑俗(下劣、邪悪、無知、無節操)な
mannes→man's
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性
wit(名)(また複数形で)理知、知力
shal→shall
pace→pass(他)(~を)追い越す、追い抜く
wysdom→wisdom(名)賢いこと、賢明、知恵
heep→heap(名)(通例a heap of ~またはheeps of ~で)たくさん、どっさり
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
lerned→learned(形)学問(学識)のある、博学な、博識な ・a learned man 学者

Of maistres hadde he mo than thryes ten,
That weeren of lawe expert and curious,
Of whiche ther weere a dozeyne in that hous
Worthy to been stywardes of rente and lond
Of any lord that is in Engelond,
To make hym lyve by his propre good
In honour dettelees but if he weere wood,
Or lyve as scarsly as hym lyst desire;
And able for to helpen al a shire
In any caas that myghte falle or happe.

maistres→masters
master(名)(特殊な技芸の)師匠
hadde→had
have(他)(ある関係を表わして)(肉親・友人などが)いる、(~が)ある
mo→more
more than ~ ~より多い、~を越える
thryesthrice(副)三たび、3倍
ten(代)(複数扱い)10個(人)
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
weeren→were
lawe→law
expert(名)専門家(=specialist/⇔layman)
curious(形)(廃)巧みな、熟練した
of(前)(部分を表わして)~の中の
whiche→which
weere→were
dozeyne→dozen(名)(数詞とmany、several(someを除く)などの後では単数形を用いる)ダース、12(個)
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの(⇔this)
house(名)(特定の目的のための)建物
worthy(形)(~に)値して、ふさわしくて(⇔unworthy)(+to do)
been→be
stywardes→stewards
steward(名)執事、家令
rente→rent(名)(廃)収益、収入
lond→land(名)(所有物としての)土地、地所
lord(名)(封建時代の)領主、君主
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in London ロンドンで(に)
Engelond→England(名)イングランド(Great Britain島のScotlandとWalesを除いた部分)
make(他)(強制的にも非強制的にも)(~に)(~)させる(+目+原形)
hym→him
lyve→live(自)(~で、~に頼って)暮らしを立てていく(by)
propre→proper(形)(古)自分の
good(名)(複)財産、所有物、(特に金・証券以外の)動産(=movables)、家財
honour(名)(英)=honor(名)面目、体面
dettelees→debtless
debt(名)借金、負債、債務
-less(接尾)「形容詞語尾」名詞について「~のない、~を欠く」
but if ~(廃)~でなければ(=unless、if ~ not)
wood(古)(形)気が狂っている
as(副)(通例as ~ as ~で、形容詞・副詞の前に置いて)(~と)同じ程度に、同様に、同じくらい(as ~ as ~で前のasが指示副詞、後のasは接続詞)
scarsly→scarcely<scarce(形)(廃)けちな、しみったれた、倹約な
lyst→list(古)(他)(人が)(~することを)望む、欲する(to do)
desire(他)(~を)強く望む、欲求する、望む
able(形)(~することが)できて、(~し)えて(⇔unable)(+to do)
helpen→help
al→all
shire(名)州(正式な名称はcountryで、shireは今は主に州名の語尾として用いる)
caas→case
might(助動)(仮定法過去)(条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で)(現在の推量を表わして)~するかもしれない
falle→fall(自)(偶然に)到来する
happe→happen

And yet this Maunciple sette hir aller cappe.

yet(副)(andまたはbutに伴って)それにもかかわらず、それなのに、しかもなお
this(形)(指示形容詞)この/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
sette→set
hir→their(代)彼らの
aller→all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな(通例代名詞の場合に用いる)
cappe→caps
set one's cap→make a fool of ~(人)をばかにする、笑い者にする
【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
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『カンタベリー物語』を原文で読む(第20回)

(テキスト20ページ、29行目~)

(The Miller)

miller(名)粉屋、水車屋、製粉業者

The Millere was a stout carl for the nones;
Ful byg he was of brawen, and eek of bones.

Millere→Miller
stout(形)じょうぶな、頑丈な(=sturdy)
carl→churl(名)粗野な男、育ちの卑しい人
for the nonesindeed
Ful→Full
full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に
byg→big
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
brawen→brawn(名)筋肉(=muscle)
eek→eke(副)(古)また、さらに、そのうえ
bone(名)(複数形で)骨格

That proeved wel, for overal ther he cam,
At wrastlynge he wolde have alwey the ram.

that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと(⇔this)
proeved→proved
prove(他)(~を)証明する、(~の)真実であることを示す(+that)
wel→well(副)十分に、よく(=thoroughly)
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
overal→oveall
ther→there
overall there→wherever(接)(譲歩節を導いて)どこに(へ)~しようとも(=no matter where)
cam→came
at(前)(従事・従事の対象を表わして)~に従事中で(の)、~して
wrestlynge→wrestling(名)レスリン
wolde→would(助動)(過去の習慣・動作などの反復についての回想を表わして)~したものだった、よく~した
have(他)(~を)得る、もらう、受ける
alwey→always
ram(名)(去勢しない)雄羊

He was short-shuldred, brood, a thikke knarre;
Ther was no dore that he noolde heve of harre,
Or breke it at a rennynge with his heed.

short-shuldred→short-shouldered/bullnecked(形)(人が)(雄羊のように)首の太い
brood→broad(形)幅の広い、広々とした(⇔narrow)
thikke→thickset(形)(人(の体格)が)がっしりした
knarre→man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性
Ther→There
there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
dore→door
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(他動詞・前置詞の目的語として)
noolde→ne wolde
ne(古)(副)=not
have of haare→heave off its hinge
heave(他)(副詞句を伴って)(力を入れて)(重いものを)持ち上げる
off(副)(分離を表わして)分離して、とれて
its(代)それの、あれの、その
hinge(名)(戸・ふた・二枚貝などの)ちょうつがい ・The gates were off their hinges. その門扉はちょうつがいがはずれていた。
breke→break
rennynge→running(名)走ること
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
his(代)彼の
heed→head

His beerd as any sowe or fox was reed,
And therto brood, as thogh it weere a spaade.

beerd→beard(名)あごひげ
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
sowe→sow(名)雌豚
reed→red
therto→thereto(副)なおそのうえに
thogh→though
as though=as if まるで~であるかのように(as if節の中では仮定法を用いる)
weere→were
spaade→spade(名)踏みすき、スペード(spadeは通例幅広い刃のついたシャベル状の農具で、足で押して土を掘るのに用いる)

Upon the cop right of his nose he haade
A werte, and theron stood a tuft of heerys,
Reede as the bristles of a sowes eerys;
Hise nosethirles blake weere and wyde.

cop(名)(丘などの)てっぺん
right(副)(副詞・前置詞句の前において)ちょうど、まさしく、きっかり
haade→had
have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている
werte→wart(名)いぼ
theron→thereon(副)そのうえに
stand(自)(副詞句を伴って)(ものが)立てて(置いて)ある
tuft(名)(毛髪・糸・羽毛などの)房(ふさ)(of)
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
heerys→hairs
hair(名)(1本の)毛
Reede→Red
bristle(名)(動物、特に豚の)剛毛、荒毛
sowes→sow's
eerys→ears
Hise→His
nosethirles→nostrils
nostril(名)鼻の穴、鼻孔
blake→black
wyde→wide

A swerd and bokeler baar he by his syde.

swerd→sword(名)剣、刀
bokeler→buckler(名)(左手に持つ小型の)円盾(まるたて)
baar→bare(動)(古)bearの過去形
bear(他)(武器などを)身に着ける
syde→side
by a person's side ~のそばに、~の近くに

His mouth as greet was as a greet fourneys.

as(副)(通例as ~ as ~で、形容詞・副詞の前に置いて)(~と)同じ程度に、同様に、同じくらい(as ~ as ~で前のasが指示副詞、後のasが接続詞)
greet→great
as(接)(as ~ as ~で同程度の比較を表わして)~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど
fourneys→furnace(名)(工場などの)炉、かまど

He was a janglere and a golyardeys.

janglere→jangler(名)<jangle(自)騒々しく言う、わめく
golyardeys→goliad(名)(12-3世紀の)遊歴書生(ラテン語の諷刺詩を作り、王侯の間で吟遊詩人・道化の役をした)

And that was moost of synne and harlotryes.

moost→mostly(副)たいてい(は)
synne→sin(名)(宗教・道徳上の)罪、罪業
harlotryes→harlotries
harlotry→obscenity(名)(通例複数形で)わいせつ行為

Wel koude he stelen corn and tollen thryes;
And yet he hadde a thombe of gold, pardee.

Wel→Well
koude→could
stelen→steal
corn(名)穀物、穀類(小麦・大麦・オート麦など)
tollen→toll(自)tollを取る
toll(名)粉ひき賃としてとる穀物の一部
thryesthrice(副)三たび、3倍
yet(副)(andまたはbutに伴って)それにもかかわらず、それなのに、しかもなお
hadde→had
thombe→thomb(名)(手の)親指
of(前)(材料を表わして)~で(作った)、~から(成る)
pardee→pardie(間)(古)まことに、全く、本当に

A whit coote and a blew hood wered hee.

whit→white
coote→coat(名)上着、ジャケット
blew→blue
hood(名)(コートなどの)フード、ずきん
wered→wore
hee→he

A baggepipe wel koude he blowe and sowne,
And therwithal he broghte us out of towne.

baggepipe→bagpipe(名)バグパイプスコットランド高地人が愛用する皮袋で作った楽器)
blowe→blow(他)(笛・らっぱなどを)吹く、吹奏する
sowne→sound(他)(らっぱなどを)鳴らす
therwital→therewithal(副)(古)それとともに
broghte→brought
out of(前)~の中から外へ、~の外へ(⇔into)
towne→town
【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
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『高慢と偏見』を原書で読む(第45回)

(テキスト48ページ、9行目〜)

“Nay,” cried Bingley, “this is too much, to remember at night all the foolish things that were said in the morning. And yet, upon my honour, I believe what I said of myself to be true, and I believe it at this moment. At least, therefore, I did not assume the character of needless precipitance merely to shew off before the ladies.”

nay(副)(古)否、いや(=no/⇔yea、aye)
cry(他)(~を)大声で叫ぶ、どなる(+引用)
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
too much(人には)手に負えないもの、とてもかなわないもの
remember(他)(~を)思い出す、思い起こす(⇔forget)
at night 夜に、夜間(に)
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
foolish(形)(物事が)ばかげた、ばかばかしい
thing(名)考え、意見、観念 ・say the right thing 適切なことを言う
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの(先行詞がもの・人を表わす場合で、最上級の形容詞、all the、the only、the same、the veryなどの制限的語句を含む時、および、先行詞が疑問代名詞やall、much、little、everything、nothingなどの時に多く用いられる傾向があるが、絶対的なものではない)/(主語として)
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)
in(前)(時間を表わして)~(のうち)に、~の間、~中 ・in the morning 午前に
yet(副)(andまたはbutに伴って)それにもかかわらず、それなのに、しかもなお
honour(名)(英)=honor
on my honor 名誉にかけて、誓って
believe(他)(~と)思う、信じる(+目+to be 補)
what(代)(関係代名詞)(~する)もの(こと)(which、who、thatなどと異なり、意味上先行詞を含む関係代名詞で名詞節を導く)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
myself(代)(再帰的に用いて)(前置詞の目的語に用いて)私自身を(に)
at this moment さしあたり、当座は、今は(=for now)
at least(前言より正確に言い直して)少なくとも
therefore(副)それゆえに、従って、それ(これ)によって(=consequently)
assume(他)(~の)ふりをする、(~を)装う(=put on)
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)~の
needless(形)不必要な、むだな
precipitance(名)=precipitancy(名)軽率、早計
merely(副)単に(~すぎない)
shew→show
show off(自分の力量・学問などを)見せびらかす、人目を引くようなことをする
before(前)(位置・場所などを表わして)~の面前(眼前)に

“I dare say you believed it; but I am by no means convinced that you would be gone with such celerity. Your conduct would be quite as dependent on chance as that of any man I know; and if, as you were mounting your horse, a friend were to say, ‘Bingley, you had better stay till next week,’ you would probably do it, you would probably not go―and, at another word, might stay a month.”

I dare say おそらく~だろう、たぶん(that節(thatは常に省略)または文尾に主文と並列的に用いる)
by no means 決して~しない(でない)
convinced(形)(~を)確信して(⇔unconvinced)(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(条件節の内容を言外に含め陳述を婉曲(えんきょく)にして)~であろう、~でしょう
gone(形)(人が)いなくなった、行ってしまった
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
celerity(名)(行動の)敏速、機敏
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
conduct(名)行為、品行、行ない、ふるまい
quite(副)(程度を表わさない形容詞・動詞または最上級の形容詞などを修飾して)まったく、すっかり、完全に(=completely)
as(副)(通例as ~ as ~で、形容詞・副詞の前に置いて)(~と)同じ程度に、同様に、同じくらい(as ~ as ~で前のasが指示副詞、後のasは接続詞)
dependent(形)(~に)左右されて、(~)次第で(=contingent)(on)
on(前)(影響を表わして)~に
chance(名)偶然、運、めぐり合わせ(=luck)
as(接)(as ~ as ~で同程度の比較を表わして)~と同じく、~と同様に、~のように、~ほど
that(代)(指示代名詞)(反復の代名詞として)(~の)それ(oneと違ってthe+名詞の代用で通例of ~などの前置詞句が伴う)
as(接)(時を表わして)~している時、~したとたんに
mount(他)(馬・自転車などに)乗る、またがる
be(助動)(were+to doで実現性の乏しい仮定を表わして)仮に~だとしたら
had better do ~すべきだ、~するのがよい、~したほうがよい
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在または未来の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~(する)だろう
at(前)(命令・要求などに)対して、受けて
word(名)(口で言う)言葉
might(助動)(仮定法仮定)(現在の仮定や仮定の結果を表わす節で)(現在の推定を表わして)~するかもしれない(のだが)

“You have only proved by this,” cried Elizabeth, “that Mr. Bingley did not do justice to his own disposition. You have shown him off now much more than he did himself.”

only(副)ただ~だけ、~にすぎない
prove(他)(~を)証明する、(~の)真実であることを示す(+that)
by(前)(原因を表わして)~のために
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
Elizabeth(名)エリザベス(女性名/愛称Bess、Bessie、Bessy、Beth、Betty、Eliza、Elsie、Lily、Lisa<Liz、Liza、Lizzie、Lizzy)
do justice to ~(認めるべき点は認めて)~に正当な取り扱いをする、人(もの)を公平に評する
his(代)彼の
disposition(名)(通例単数形で)性質、気質、性癖
shewn→shown
show off 引き立てる、よく見せる
now(副)(現在完了とともに)今ではもう(すでに)
much(副)(形容詞・副詞の比較級を修飾して)はるかに、ずっと、断然
more than ~ ~より多い、~を越える
do(他)(代動詞としてbe以外の動詞の反復を避けるのに用いて)
himself(代)(再帰的に用いて)(一般動詞の目的語に用いて)

“I am exceedingly gratified,” said Bingley, “by your converting what my friend says into a compliment on the sweetness of my temper. But I am afraid you are giving it a turn which that gentleman did by no means intend; for he would certainly think the better of me, if under such a circumstance I were to give a flat denial, and ride off as fast as I could.”

exceedingly(副)非常に、きわめて(=extremely)
gratified(形)満足した、喜んだ
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
convert(他)(~を)(~に)変える、転換する(into)
my(代)私の
into(前)(変化・結果を表わして)~に(する、なる)(通例ある物が別の物に形や状態を変えることを表わす)
compliment(名)賛辞、ほめ言葉(on)
on(前)(関係を表わして)~について、~に関する
sweetness(名)優しさ
temper(名)気質、気性
afraid(形)(I'm ~、I am ~で、よくない事・心配な事を表現するとき、語気をやわらげるのに用いて)(~であることを)残念に思う、(~と)思う(+that)
give(他)(感情・状態・性質などを)生じさせる、添える(+目+目)
turn(名)(a ~)(情勢の)変化、成り行き
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの
gentleman(名)(manに対するていねいな代用語として)男のかた、殿方
do(助動)(肯定文を強調して)
intend(他)(行為などを)意図する、もくろむ
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
think of ~ ~のことを考える
better(副)(wellの比較級)いっそう大いに、もっと
under(前)(~の条件・事情)のもとに
circumstance(名)(周囲の)事情、状況、環境
give(他)(~に)(事実・情報・名前・意見などを)伝える、告げる、教える
flat(形)きっぱりした、率直な、まったくの ・give a flat denial まっこうから否認する
denial(名)拒否、拒絶
ride(自)(しばしば副詞句を伴って)馬に乗る、乗馬する
off(副)(移動・方向を表わして)離れて、去って、走り出て
as ~ as one can できるだけ
fast(副)速く、急速に、急いで ・as fast as one can できるだけ速く

“Would Mr. Darcy then consider the rashness of your original intention as atoned for by your obstinacy in adhering to it?”

Darcy ダーシー(Jane Austen, Pride and Prejudice中のElizabeth Bennetの恋人で、prideに当たる)
then(副)それなら、(それ)では
consider(他)(~を)(~だと)みなす、考える(+as 補)
rashness(名)<rash(形)気の早い、早まった、無謀な(=hasty)
original(形)最初の、もともとの、起源の
intention(名)意図、以降
as(前)(動詞の目的補語を導いて)~と、~だと(あとに名詞のみならず形容詞や分詞が用いられることもある)
atone(自)(罪などを)償う、(~の)罪滅ぼしをする(for)
for(前)(対象)(報償・返報を表わして)(好意・成果など)に対して、~の返報として
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
obstinacy(名)がんこな行動(態度)
in(前)(行為・活動・従事を表わして)~して、~に従事して
adhere(自)(規則・原則・含意事項などに)忠実に従う、つき従う、遵守する、(考え・信仰などを)(忠実に)支持(信奉)する(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に

“Upon my word I cannot exactly explain the matter, Darcy must speak for himself.”

on(前)(関係を表わして)~について、~に関する
word(名)(口で言う)言葉
exactly(副)正確に、厳密に
for oneself 自ら、自分で

“You expect me to account for opinions which you chuse to call mine, but which I have never acknowledged. Allowing the case, however, to stand according to your representation, you must remember, Miss Bennet, that the friend who is supposed to desire his return to the house, and the delay of his plan, has merely desired it, asked it without offering one argument in favour of its propriety.”

expect(他)(~を)(当然のこととして)期待する、予期する、待つ(+to do)
account for ~(人が)~の理由を説明する
opinion(名)意見、見解
chuse→choose(他)(~しようと)決める(+to do)
call(他)(~を)(~と)みなす、考える(+目+補)
mine(代)私のもの(さす内容によって単数または複数扱いとなる)
but(接)(従位接続詞)~のほかに(は)、~を除いて(は)
never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して~ない
acknowledge(他)(~の)事実(存在)を認める、(~を)認める
case(名)場合、状況
stand(自)(~に賛成(反対)の)態度をとる
according to ~(前置詞的に)~に従って(応じて)、~しだいで
representation(名)表現、描写
remember(他)(~を)覚えておく、心に留めておく(+that)
Bennet ベネット(Jane Austen, Pride and Prejudiceに登場する一家)
who(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(人)(通例「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主格の場合)
supposed(形)(~する(である))ことになっていて、ことが当然とされていて(+to do)
desire(他)(~を)強く望む、欲求する、望む
return(名)(単数形で)帰り、帰還、帰宅(to)
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
delay(名)遅滞、遅延
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
merely(副)単に(~にすぎない)
ask(他)(人に)(物事を)頼む、要請する、求める
without(前)(主に動名詞を伴って)~せずに
offer(他)(こうしたらどうかと)(意見・案などを)提案する、申し出る
argument(名)(賛否の)論、論拠、論点、言い分、主張、理由
favour(名)(英)=favor
in favor of ~ ~に賛成して、に味方して(⇔against)
its(代)それの、あれの、その
propriety(名)適当
【参考文献】
Pride and Prejudice (Penguin Classics)』Jane Austen・著
自負と偏見 (新潮文庫)小山太一・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)

『クリスマス・キャロル』を原書で読む(第10回)

(テキスト9ページ、1行目~)

Foggier yet, and colder!

foggy(形)霧(もや)の立ちこめた
yet(副)(比較級を強めて)まだ(さらに)いっそう

Piercing, searching, biting cold.

piercing(形)(寒さ・風など)身にしみる
searching(形)(寒さなど)身にしみる ・a searching cold 身にしみる寒さ
biting(形)(寒風など)身を切るような(=piercing)
cold(名)寒さ、冷気(⇔heat)

If the good Saint Dunstan had but nipped the Evil Spirit’s nose with a touch of such weather as that, instead of using his familiar weapons, then indeed he would have roared to lusty purpose.

if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(過去の事実に反する仮定を表わす場合)(if節中では過去完了を用い、帰結の主節には通例助動詞の過去形+have+過去分詞の形が用いられる)
good(形)(道徳的に)良い、善良な、有徳な(⇔evil)
saint(名)聖人、聖徒、聖者(生前高徳であったため死後聖人の列に加えられた人、または殉教者などを呼ぶ尊称/しばしばまたは慣用的にSt.と略して名に冠しSt. Peter(聖ペテロ)、St. Thomas(聖トマス)のように用いる)
Dunstan(Saint)聖ダンスタン(924-988)(Canterbury大司教(959-988)/祝日5月19日/鍛冶屋の守護聖人
but(副)ただ、ほんの、~だけ
nip(他)(人・ものを)はさむ、つねる
evil(形)(道徳的に)悪い、よこしまな、邪悪な ・an evil spirit 悪霊、悪魔
spirit(名)(天使・悪魔などの)超自然的存在 ・evil spirits 悪魔
with(前)(道具・手段を表わして)~を用いて、~で
touch(名)(a ~)気味、ちょっぴり(of)
such(形)(種類・範囲を表わして)(such ~ asで)~のような
as(代)(関係代名詞)(such、the sameまたはasを先行詞に含んで、制限的に用いて)~のような
that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと
instead of ~(前置詞的に)~しないで、~するどころか(doing)
his(代)彼の
familiar(形)よく知っている、見(聞き)慣れている(⇔unfamiliar)
weapon(名)武器、兵器、凶器
then(副)(通例文頭または文尾に用いて)それなら、(それ)では
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(would have+過分で/過去の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~しただろう
roar(自)(ライオンなど猛獣が)ほえる
to(前)(結果・効果を表わす句を導いて)・to no purpose むなしく
lusty(形)(声など)元気いっぱいの、高い
purpose(名)効果、適切

The owner of one scant young nose, gnawed and mumbled by the hungry cold as bones are gnawed by dogs, stooped down at Scrooge’s keyhole to regale him with a Christmas carol: but at the first sound of —

 ‘God bless you merry gentleman!
  May nothing you dismay!’

owner(名)持ち主、所有者、オーナー
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
scant(形)乏しい、わずかな、不十分な
gnaw(他)(~を)かじる
mumble(他)(食べ物を)もぐもぐかむ
hungry(形)食欲を起こさせる
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
bone(名)骨
stoop(自)かがむ(down)
down(副)(高い位置から)低いほうへ、下へ(に)(⇔up)
at(前)(方向・目標・目的を表わして)~を(ねらって)、~に(向かって)
Scrooge スクルージ(Dickens, A Christmas Carolの主人公/守銭奴だったが、クリスマスの精霊の導きで改心し、人から愛される慈悲深い人物になる)
keyhole(名)かぎ穴
regale(他)(人を)(~で)大いに楽しませる(with)
Christmas carol(名)クリスマスの祝歌、クリスマスキャロル
at(前)(感情の原因を表わして)~に(接して)、~を見て、聞いて、考えて
sound(名)音、音響(of)
of(前)(同格関係を表わして)~という、~の、~である
God(名)(感嘆・のろい・祈願などに用いて)
bless(他)(神が)(人などに)恵みを授ける、祝福する ・God bless you! あなたの上に神のみ恵みがあらんことを。
merry(形)陽気な、笑いさざめく
gentleman(名)(manに対するていねいな代用語として)男のかた、殿方
may(助動)(祈願・願望・のろいを表わして)願わくは~ならんことを、~させたまえ(mayは常に主語の前に置く)
dismay(他)(人を)(心配・恐怖などで)うろたえさせる、狼狽させる、(人の)度を失わせる

Scrooge seized the ruler with such energy of action, that the singer fled in terror, leaving the keyhole to the fog and even more congenial frost.

seize(他)(~を)(ぎゅっと・乱暴に)つかむ、握る、捕まえる
ruler(名)定規、物差し
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
such(形)(程度を表わして)(such ~ thatで)非常に~なので
energy(名)力、勢い
action(名)行動、働き、活動、実行
that(接)(副詞節を導いて)(such ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
singer(名)歌う人、歌手、声楽家
fled(動)fleeの過去形・過去分詞
flee(自)逃げる、逃走する
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
terror(名)(非常な)恐怖 ・in terror 怖くて、恐ろしくなって
leave(他)(副詞句を伴って)(人に)(もの・判断などを)任せる、預ける、託す(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
fog(名)(濃い)霧、濃霧
more(副)もっと、いっそう
congenial(形)同性質(同精神、同趣味)の、気象の合った
frost(名)霜が降りるほどの寒気

At length the hour of shutting up the counting-house arrived.

at length ついに、ようやく
hour(名)(特定の)時、折(of)
shut up(店などを)閉店する
countinghouse(名)(昔の貴族・商人の家の)執務部屋、帳場
arrive(自)(時が)到来する

With an ill-will Scrooge dismounted from his stool, and tacitly admitted the fact to the expectant clerk in the Tank, who instantly snuffed his candle out, and put on his hat.

ill will(名)悪意、反感、憎悪、恨み(=hostility)
dismount(自)(馬・自転車などから)下りる(from)
stool(名)スツール(ひじ掛け・背のない腰掛け)
tacitly(副)<tacit(形)言葉に表わさない、無言の
admit(他)(弁解・証拠などを)認める(=confess)
expectant(形)期待している、待ち設けている
tank(名)(水・油・ガスなどの)タンク
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
instantly(副)直ちに、即座に
snuff(他)(ろうそくを)消す(out)
candle(名)ろうそく
out(副)(ろうそく・火など)消えて
put on(帽子などを)かぶる

‘You’ll want all day to-morrow, I suppose?’ said Scrooge.

you'll you willの短縮形
will(助動)(主語の意志を表わして)(願望・主張/固執・拒絶などを示して)(~しようと)欲する、(あくまでも)~しようとする
all day 一日中、終日
suppose(他)(知っていることから)推測する、思う、考える(+that)
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)

‘If quite convenient, sir.’

convenient(形)(もの・時間など)(人に)都合がよい
sir(名)(男性への呼び掛け)あなた、先生、閣下、お客さん、だんな(見知らぬ人に、召し使いから主人に、生徒から先生に、店員から客に、目下から目上に、または議会で議長に対する敬称/日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い)

‘It’s not convenient,’ said Scrooge, ‘and it’s not fair. If I was to stop half-a-crown for it, you’d think yourself ill used, I’ll be bound?’

it's it isの短縮形
fair(形)公正な、公平な(⇔unfair)
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(現在の事実に反する仮定を表わす場合)(if節中では過去形を用い、帰結の主節には通例would、shouldなど助動詞の過去形が用いられる)
be(助動)(be+to doで)(予定を表わして)~することになっている、~する予定だ(公式の予定に用いる)
stop(他)(給与・積立金などから)(~を)差し引く
half(形)(冠詞またはone'sのついた名詞の前に置いて)~の半分の(一般的にはhalf a mile、half an hourの語順をとるが、またa half mile、a half hourともなる)
crown(名)(英)(旧通貨制度の)クラウン(5シリング銀貨(現行通貨の25ペンス相当)/1551-1946に使用)
for(前)(対象)(報償・返報を表わして)(好意・成果など)に対して、~の返報として
you'd you wouldの短縮形
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在または未来の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~(する)だろう
think(他)(~を)(~だと)思う、みなす(+目+補)
yourself(代)(再帰的に用いて)あなた自身を(に)/(一般動詞の目的語に用いて)
ill-use(他)(~を)虐待(酷使)する(しばしば受身)
I'll I will(shall)の短縮形
bound(形)確かに(~する)はずで

The clerk smiled faintly.

clerk(名)(銀行・会社の)事務員、社員、行員
smile(自)(人・顔・目などが)微笑する、ほほえむ、にっこりする、ほほえみかける
faintly(副)力なく、弱々しく

‘And yet,’ said Scrooge, ‘you don’t think me ill used, when I pay a day’s wages for no work.’

yet(副)(andまたはbutに伴って)それにもかかわらず、それなのに、しかもなお
don't do notの短縮形
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
pay(他)(報酬・賃金・代金などを)支払う(for)
wage(名)(しばしば複数形で)(肉体労働による時間・日・週決めの)賃金、労賃

The clerk observed that it was only once a year.

observe(他)(~と)述べる、言う(+that)
only(副)ただ~だけ、~にすぎない
a(冠)(不定冠詞)(単語を表わす語につけて)~につき、~ごとに(=per)(前置詞の働きをし、また、訳さないこともある)・once a day 日に1回

‘A poor excuse for picking a man’s pocket every twenty-fifth of December!’ said Scrooge, buttoning his great-coat to the chin.

poor(形)(やり方の)下手な、まずい
excuse(名)弁解、言い訳(for)
for(前)(cause、reason、ground、motive、foundationなどの後で用いて)~に対しての、~すべき
pick a person's pocket(人の懐中を)する、すりを働く
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
every(形)(可算の単数名詞を伴って無冠詞で)毎~、~ごと(しばしば副詞句として用いる)
twenty(形)(基数の20)20の、20個の、20人の
fifth(名)(序数の第5番)(通例the ~)(月の)5日(いつか)・the fifth of May 5月5日
button(他)(~に)ボタンをかける
greatcoat(名)(兵士などの)厚地の大外套(がいとう)
to(前)(到達点を表わして)~まで、~に至るまで
chin(名)あご、あご先、おとがい

‘But I suppose you must have the whole day. Be here all the earlier next morning!’

must(助動)(当然の推定を表わして)~にちがいない、~に相違ない、きっと~だろう
have(他)(~を)得る、もらう、受ける
whole(形)(時間・距離など)まる~、ちょうど~(単数普通名詞にはaをつける)・a whole day まる1日
all(副)(the+比較級の前に用いて)それだけ、ますます
next(形)(時間が)(通例the ~)(過去・未来の一定時を基準にして)その次の、翌~
morning(名)(副詞的に)朝に、午前中に

The clerk promised that he would; and Scrooge walked out with a growl.

promise(他)(人に)(~を)約束する(+that)
would(助動)(時制の一致により従属節内でまた間接話法で用いて)(意志未来を表わして)~しよう
walk out 突然立ち去る(退席する)(不満を示すためなど)
growl(名)(人の)いがみ声、どなり声

The office was closed in a twinkling, and the clerk, with the long ends of his white comforter dangling below his waist (for he boasted no great-coat), went down a slide on Cornhill, at the end of a line of boys, twenty times, in honour of its being Christmas-eve, and then ran home to Camden Town as hard as he could pelt, to play at blindman’s-buff.

close(他)(店・役所・港などを)閉じる、休業する
in a twinkling またたく間に、あっという間に
with(前)(付帯状況を表わす句を導いて)~して、~したまま、~しながら(名詞の後に前置詞付きの句・副詞・形容詞・分詞などの補足的要素を従える)
end(名)(細長いものの)端、末端、先端
white(形)白色の
comforter(名)ウールの長いスカーフ
dangle(自)ぶら下がる
waist(名)(人体の)ウエスト(肋骨(ribs)とヒップ(hips)の間の胴のくびれた部分)
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
boast(他)(誇りとして)もつ、有する
go down ~ ~を(下りて)行く
slide(名)滑走場
Cornhill(名)コーンヒル(LondonのCityで一番高い丘/不正な取引をした者をさらしものにするところとして有名であった/39番地はThomas Grayの生家跡/Leigh Hunt、Thackeray、Mrs. Gaskel、Brontë姉妹とその弟などもここに住んでいた)
line(名)(順番を待つ)行列
time(名)(頻度を表わし、通例副詞句をなして)回、度
honour(名)(英)=honor
in honor of ~ ~に敬意を表して、~を祝して、を記念して
Christmas Eve(名)クリスマスイブ、クリスマスの前夜(日)(12月24日)
then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
home(副)わが家へ
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に
Camden Town カムデンタウン(Londonの北西にある地/アイルランドからの移民やキプロスギリシア人が洋服屋靴屋・カフェの経営者などとして住みついた/Dickensが少年時代を過ごした場所)
as ~ as one can できるだけ
hard(副)一生懸命に、骨を折って、熱心に
pelt(自)(副詞句を伴って)走る、急ぐ
blindman's buff(名)目隠し遊び
【参考文献】
Penguin English Library a Christmas Carol (The Penguin English Library)』Charles Dickens・著
クリスマス・キャロル (角川文庫)』越前敏弥・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)

『國民の創生』

この週末は、ブルーレイで『國民の創生』を見た。

1915年のアメリカ映画。
監督は、「映画の父」D・W・グリフィス
助監督は、『サンセット大通り』(出演)のエリッヒ・フォン・シュトロハイム、『わが谷は緑なりき』(出演)のドナルド・クリスプ。
主演はリリアン・ギッシュ
共演は、『わが谷は緑なりき』のドナルド・クリスプ、『カラミティ・ジェーン』(監督)のデイヴィッド・バトラー、『怒りの葡萄』『わが谷は緑なりき』『荒野の決闘』『逃亡者』『アパッチ砦』『黄色いリボン』『幌馬車』『西部開拓史』(以上全て監督)のジョン・フォード、『サンセット大通り』のエリッヒ・フォン・シュトロハイム
後に大活躍する偉大な映画人が、助監督やエキストラとして多数、本作に参加している。
サイレント映画である。
そして、アメリカ映画史上最初の長編映画
以前から「いつかは見なければ」と思っていたが、ようやく見ることが出来た。
驚くのは、エイゼンシュテイン以前に撮影・編集による映画の文法が確立されていることである。
もちろん、サイレント映画の語り口はトーキーとは違うが、それは見ているうちに慣れる。
巨大なセット、戦闘シーン、群衆シーンなど、映画スペクタクルの要素も、既に完成した形で盛り込まれている。
ものすごくカネが掛かっただろう。
ラブ・ストーリーも組み込まれている。
お陰で、3時間を超える長編にもかかわらず、大ヒットしたらしい。
最近で言えば(既に全く最近ではないが)、『タイタニック』みたいな感じか。
ジョン・フォードやクロサワ映画でお馴染みの馬の疾走シーンも、本作で既に完成している。
合成シーンもある。
内容的には、人種差別的で大きな問題がある。
KKKクー・クラックス・クラン)がヒーローだし、ローレンス・オリヴィエのオセローのように、白人が顔を黒く塗って黒人を演じている。
今の日本で言えば、ネトウヨのヘイト・スピーチみたいなものだ。
まあ、こういう人達がトランプを支持していたのだろう。
リンカーンは悪者で、奴隷解放は悪として描かれている。
とは言え、技術面で映画史上に残した功績は極めて大きい。
要するに、我々が知っている劇映画の原形は、100年以上前までさかのぼれるのである。
新しいアイディアと思っても、大抵は既に誰かが考え付いている。
何事も、歴史を知ることの大切さを痛感させられる。
南北戦争が舞台なので、これに色を着けて、音を入れれば、『風と共に去りぬ』だな。
愛し合う二人が北部と南部に分かれてしまうのは、『ロミオとジュリエット』か。
なお、本ディスクには、特典映像として、淀川長治の解説が収録されている。
モノクロ、スタンダード。
画質は悪くない。
「本作品の芸術に関する抗弁 我々は検閲を恐れるものではないが、歴史の闇と光の面に光明を投ずる権利を主張する。シェイクスピア作品や聖書にその権利が与えられたように。本作品によって戦争の悲惨さを伝えることが出来たなら、我々の努力は報われたことになる。米国分裂の危機は黒人に由来する。」
奴隷解放を要求する奴隷解放信者。」
1860年、オースティン・ストーンマンは米国大陸で勢力を拡大しつつあった。娘のエルシーとワシントンの彼女のアパートでくつろぐオースティン。」
ペンシルバニアのストーンマン家。エルシーと兄たち。」
「(手紙)親愛なるベン、約束どおり弟と一緒にピードモンドの君の家を次の金曜に訪ねる。金曜日を楽しみに…。」
サウスカロライナ州、ピードモンドのキャメロン家。ここでは南部の古風な生活が残っていた。長男のベン・キャメロン、長女のマーガレット。古き良き礼儀作法を身につけた南部の女性。」
「キャメロン夫人と可愛い末の娘。」
「キャメロン家の優しい主。」
「対立。」
「(手紙)ピードモンドの君の家を次の金曜に訪ねる。」
「ストーンマン兄弟が南部の友人を訪ねる。親友同士。北部人と南部人。」
「『帽子が似合わないぞ。』プランテーションを越えて綿畑へ。」
「『愛の谷』を通る2人。」
「ベンは親友の妹エルシーの写真を見て、会わぬうちから恋に落ちる。」
「奴隷地区にて。彼らは朝の6時から晩の6時まで働く。」
「嵐の予感。1781年、英国軍の降服によって成立した連邦は新たな危機を迎えていた。」
「(新聞)大統領選後、南部は分裂か。」
「ワシントンのストーンマン家の長男にチャールズ・サムナー上院議員が訪問に来る。」
「家政婦のリディア。」
「黒人との混血の彼女は奴隷解放を夢見る。」
「国の運命は彼の手に。」
「また会う約束をして別れる親友同士。」
「フィルはマーガレットに永遠の愛を誓う。」
「75,000人の義勇兵召集の布告書に署名するリンカーン大統領。」
「歴史上初めてリンカーン義勇兵召集を行い、分裂諸州に対して連邦の支配を強化しようとした。」
「ストーンマン兄弟が軍に入隊する。」
「ブルランの戦いの後、ピードモンドでは前線に出征する兵士のために送別の舞踏会が催された。」
「祝いのかがり火。」
「若者が夜通し踊る一方で子供と年寄りはまどろむ。」
「ブルランの戦いの勝利を祝って南部連合の旗がなびく。」
「翌朝、兵士の出発の時が迫る。」
「集合ラッパ。」
「彼らの州の旗。南部の旗。」
「勝利か死か、征服あるのみ。我らに正義あり。」
「キャメロンの3人の息子も戦場へと旅立つ。」
「エルシーはワシントンに戻り、父に兄たちの出征を報告する。」
「2年半後、ベンの元に妹からの手紙が届く。」
「~兄さんは口ひげを生やしたそうね。私も随分大きくなったから見分けがつかないわよ。キスを送ります。大きな妹より。」
「兄からの手紙を読むのにドレスで正装する妹。」
「ピードモンドを北正規軍のゲリラが襲う。最初の黒人部隊はサウスカロライナで召集された。」
「ならず者の白人に率いられた黒人兵たち。」
「南軍の救援。」
「救援後。」
「故郷を思うキャメロン大佐。」
「戦争は過酷な犠牲を強いる。約束どおり親友同士は再会した。」
「三男の訃報。」
「悲報は別の家にも届く。」
「最後の貴重品も大義のために売られた。」
「エルシーは看護師として軍の病院へ。」
「勝利の行進をする征服者。」
「燃え上がるアトランタ攻撃と敗走。」
「キャメロン家、次男の死。」
「敗色濃い連合軍。糧食は乾燥トウモロコシ。」
「頼みの食糧部隊は道に迷い、北軍の戦線に孤立してしまった。」
リー将軍は食糧部隊を救うべく、突破命令を出す。援護のため砲撃と側面攻撃が開始される。」
「砲撃は夜明け前に始まった。」
「キャメロン大佐にも攻撃命令が下る。」
「敵対する両軍の塹壕はわずか数キロしか離れていない。」
「隠された砲台。」
「野戦砲。」
「追撃砲。」
「フィル・ストーンマン大尉率いる連合軍に捨て身の突撃を仕掛けるキャメロン大佐。」
「多大な犠牲を出して2つの塹壕を奪うが、前進は更に続けられた。」
「最後の突撃を前にキャメロン大佐は倒れた敵を救う。」
喝采する連合軍。」
「死が人々の闇を歩む間、戦況は一進一退を続け、戦闘は夜も続いた。」
「永遠の安らぎ。」
北軍の大勝利。」
「次男の死と長男重傷の知らせが届く。」
「憎しみ。」
「女性の役割。」
「キャメロン大佐はエルシーが看護師として働く病院に収容された。」
「(手紙)お前の病院に入院している僕の学友キャメロン大佐に出来るだけ便宜を図ってほしい。愛を込めて。フィル。」
「会うのは初めてだが、ずっと君と一緒にいたんだ。」
「キャメロン夫人が面会に来る。」
「私は息子に会います。撃つなら撃ちなさい。」
「軍医が内緒で漏らす、大佐に絞首刑が宣告されたと。」
「大統領に慈悲を。」
「母の懇願。」
「大統領の恩赦だよ。」
「失意の夫を支えるべく、夫人は故郷へ帰る。」
「朗報。」
「1865年4月9日午後、調印が行われたマクリーン邸の様子を忠実に再現している。」
「分裂の時は終わりを告げた。古のウェブスターの魂がアメリカに呼びかける。『1つにして不可分な自由と連邦よ、永遠に。』」
「同じ日、キャメロン大佐は退院した。」
「祝いのごちそうにトウモロコシとサツマイモ。」
「生の綿で精一杯のおしゃれ。」
「兄の帰郷。」
リンカーンの温情政策に急進派のリーダーが抗議する。」
「指導者は絞首刑にして南部の領土を占有すべきです。」
「私は分離前と同じ扱いをするつもりだ。」
リンカーンの保護のもと、南部は再建の道を歩みだす。」
「恐怖の日々が終わり平和が訪れようとした矢先、運命の1865年4月14日の夜がやってきた。」
「劇場へ。」
リー将軍降服を記念して劇場は大統領の出席を迎えることになっていた。ストーンマン兄妹も観劇に出かける。当夜のフォード劇場の様子を細部に至るまで再現した。」
「出しものは『我らがアメリカのいとこ』。」
「8時30分、大統領一行が到着する。」
リンカーンボディガードは大統領席の外に陣取る。」
「劇を見ようとボディガードが持ち場を離れる。」
「10時13分、第3幕2場。」
「ジョン・ウィルクス・ブース。」
「この専制君主め!(ラテン語)」
「暗殺を知ったストーンマン。」
「権力はあなたの手に。」
「ニュースは南部にも。」
「(新聞)リンカーン大統領暗殺 スーアード長官も命を狙われる」
「我々の運命はどうなるのか!」
「第1部終了」
さあ、これからどうなる?

Birth of a Nation by D.W. Griffith - Trailer (1915)

『クリスマス・キャロル』を原書で読む(第9回)

(テキスト8ページ、1行目~)

‘It’s not my business,’ Scrooge returned.

it's it isの短縮形
my(代)私の
business(名)(通例one's ~で)(やるべき)仕事、職務、務め、本分
Scrooge スクルージ(Dickens, A Christmas Carolの主人公/守銭奴だったが、クリスマスの精霊の導きで改心し、人から愛される慈悲深い人物になる)
return(他)(~に対して)(返事を)する、答える(+引用)

‘It’s enough for a man to understand his own business, and not to interfere with other people’s. Mine occupies me constantly. Good afternoon, gentlemen!’

it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
enough(形)十分な、不足のない(+for+名+to do)
for(前)(不定詞の主語関係を示して)~が(~する)
man(名)(男女を問わず一般に)人、人間
his(代)彼の
not(副)(不定詞・分詞・動名詞の前に置いてそれを否定して)(~し)ない
interfere(自)(人・物事が)妨げる、じゃまをする(with)
with(前)(感情・態度の対象を導いて)~に対して、~に
mine(代)私のもの(さす内容によって単数または複数扱いとなる)
occupy(他)(人の)注意(努力など)を必要とする
constantly(副)絶えず、いつも
good afternoon(間)(午後のあいさつに用いて)(別れる時)さようなら!
gentleman(名)(複数形で/男の聴衆への呼び掛けに用いて)諸君!(⇔lady)

Seeing clearly that it would be useless to pursue their point, the gentlemen withdrew.

seeing(接)(しばしばthatを伴って)~である点から見ると、~であるから(には)
clearly(副)明らかに、疑いもなく
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
useless(形)役に立たない、無用(無駄)な(⇔useful/pointless)
pursue(他)(問題などを)追求する、(目的などを)達成しようと努める(=strive for)
their(代)彼ら(彼女ら)の
point(名)(通例否定または疑問文で)(行為などの)目的、意味
gentleman(名)紳士(育ちがよく他人に対して礼儀正しく名誉を重んじる男子/⇔lady)(イギリス紳士の典型は、山高帽(bowler)をかぶりダークスーツを着て、天気に関係なく細くきちんと巻いた傘をステッキ代わりに持ち歩くとされているが、今では少ない)
withdraw(自)(~から)(~へ)引き下がる、引っ込む、退出する

Scrooge resumed his labours with an improved opinion of himself, and in a more facetious temper than was usual with him.

resume(他)(~を)再び始める、再開する
labour(名)(英)=labor(名)仕事
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
improved(形)改良(改善)された、向上した
opinion(名)(an ~)(善悪の修飾語を伴って)(善悪の)判断、評価(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
himself(代)(再帰的に用いて)(前置詞の目的語に用いて)
in(前)(方法・形式を表わして)~で、~をもって
more(副)(主に2音節以上の形容詞・副詞の比較級をつくって)(~より)もっと
facetious(形)ふざけた、冗談めかす
temper(名)気分、機嫌 ・in a good temper 上機嫌で
with(前)(処置・関係の対象を導いて)~に対して、~について、~にとっては

Meanwhile the fog and darkness thickened so, that people ran about with flaring links, proffering their services to go before horses in carriages, and conduct them on their way.

meanwhile(副)(一方)その間、そうしている間に
fog(名)(濃い)霧、濃霧
darkness(名)暗やみ
thicken(自)厚く(太く、濃く)なる、濁る、繁くなる
so(副)(程度・結果を表わして)(順送りに訳して)非常に~なので~
that(接)(副詞節を導いて)(so ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
about(副)(通例動作を示す動詞に伴って)(~し)回る、回す ・go about 歩き回る
with(前)(所持・所有を表わして)~を持って(た)、~のある
flaring(形)めらめら燃える
link(名)(昔の)たいまつ
proffer(他)(~を)申し出る、提供する
service(名)(また複数形で)勤務、奉職、勤め、勤続
before(前)(位置・場所などを表わして)~の前に
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)(乗り物など)に乗って
carriage(名)(特に、自家用)四輪馬車
conduct(他)(副詞句を伴って)(~を)案内する、(~の)ガイドを務める
on one's way(~へ)行く道で

The ancient tower of a church, whose gruff old bell was always peeping slily down at Scrooge out of a gothic window in the wall, became invisible, and struck the hours and quarters in the clouds, with tremulous vibrations afterwards, as if its teeth were chattering in its frozen head up there.

ancient(形)昔の、往古の
tower(名)塔、タワー
church(名)(キリスト教の)教会(堂)、聖堂
whose(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてそのものの
gruff(形)(声が)(しばしば不機嫌で)しわがれた、どら声の
old(形)古い
bell(名)鐘、釣り鐘
peep(自)のぞき見する、のぞく(=peek)
slily(副)=slyly(副)こっそりと、内証で(=secretly)
at(前)(方向・目標・目的を表わして)~を(ねらって)、~に(向かって)
out of(前)~の中から外へ、~の外へ(⇔into)
Gothic(形)ゴシック(様)式の
wall(名)(石・れんがなどの)塀、外壁
become(自)(~に)なる(+補)
invisible(形)目に見えない
struck(動)strikeの過去形・過去分詞
strike(他)(時計が)(時を)打つ、打って報じる
hour(名)(the ~)正時(しょうじ)(「~時00分」のこと)・This clock strikes the hours. この時計は毎正時に時を告げる。
quarter(名)15分 ・The clock strikes the quarters. その時計は15分ごとに時を打つ。
cloud(名)雲
with(前)(材料・中身を表わして)~で
tremulous(形)震える、おののく ・in a tremulous voice 震え声で
vibration(名)震動(する(させる)こと)、震え、震動
afterwards(副)(英)=afterward(副)その後、以後
as if まるで~であるかのように(as if節の中では仮定法を用いる)
its(代)それの、あれの、その
chatter(自)(歯・機械などが)ガチガチ(ガタガタ)音を立てる
in(前)(特定の部分を表わして)~の、~に関して
frozen(形)凍った
up(副)細かに、切れ切れに

The cold became intense.

cold(名)(通例the ~)寒さ、冷気(⇔heat)
intense(形)(光・温度など)激しい、強烈な

In the main street, at the corner of the court, some labourers were repairing the gas-pipes, and had lighted a great fire in a brazier, round which a party of ragged men and boys were gathered: warming their hands and winking their eyes before the blaze in rapture.

in(前)(場所・位置・方向などを表わして)~において、~で ・in the street 通りで
main street(名)(小都市の)大(本町)通り
court(名)(英)(周囲に建物のある裏町の)路地、袋小路
labourer(名)(英)=laborer(名)(力仕事をする)労働者、人夫
repair(他)(~を)修理する、修繕する
gas pipe ガス管
light(他)(火を)たきつける、燃やす ・light a fire 火をつける
fire(名)(暖房・料理用の)火、炉火、炭火、たき火 ・light a fire 火を起こす
brazier(名)(金属製の石炭用の)火鉢(ひばち)
round(前)~の周囲に、~をぐるりと取り巻いて(囲んで)
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
party(名)(集合的/単数または複数扱い)(ある目的で集まった)一行、一回、一隊
ragged(形)(人が)ぼろを着た ・ragged children ぼろを着た子供たち
man(名)(修飾語句を伴って)(特定の仕事・性格などの)男性
warm(他)(~を)温める、温かくする
wink(他)(目を)まばたきする
blaze(名)(単数形で)(激しい)炎、火炎
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
rapture(名)(また複数形で)有頂天、狂気、歓喜 ・in raptures 有頂天になって

The water-plug being left in solitude, its overflowings sullenly congealed, and turned to misanthropic ice.

water plug 消火栓(=fireplug)
leave(他)(副詞句を伴って)(人・ものを)(~に)置いていく
solitude(名)ひとりでいること、孤独 ・in solitude ひとりで
overflow(自)あふれる、こぼれる
sullenly(副)<sullen(形)むっつりした、不機嫌な
congeal(自)凍らせる
turn(自)(~に)変じる、転化する ・The rain soon turned to sleet. 雨はまもなくみぞれに変わった。
to(前)(限度・程度・結果などを表わして)~に至るまで、~するほどに
misanthropic(形)人間嫌いの、厭世(えんせい)的な

The brightness of the shops where holly sprigs and berries crackled in the lamp-heat of the windows, made pale faces ruddy as they passed.

brightness(名)明るさ
where(副)(関係副詞)(制限的用法で)~する、~した(場所、場合など)(「場所」「場合」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)
holly(名)(植)セイヨウヒイラギ(ヨーロッパ産のモチノキ科の常緑低木/暗緑色の葉を赤い実のついた枝をクリスマスの飾りに用いる)
sprig(名)小枝、若枝
berry(名)(通例複合語で)(植)ベリー、液果、漿果(しょうか)(核のない果肉の柔らかな食用小果実)
crackle(自)パチパチ(パリパリ)音をたてる
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った
lamp(名)(電気・ガス・灯油などの)ランプ、明かり
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
pale(形)(人・顔が)青白い、青ざめた
ruddy(形)(人・顔など)健康で赤い、血色のよい
as(接)(時を表わして)~しながら
pass(自)(通例副詞句を伴って)通過する、通っていく

Poulterers’ and grocers’ trades became a splendid joke: a glorious pageant, with which it was next to impossible to believe that such dull principles as bargain and sale had anything to do.

poulterer(名)(英)=poultryman(名)家禽商、鳥肉や
grocer(名)食料雑貨商(コーヒー・砂糖・小麦粉・缶詰・瓶詰・干した野菜・乳製品のほか、通例せっけん・ろうそく・マッチ・たばこ・新聞・雑誌などの家庭用品を扱う)・a grocer's 食料雑貨店
trade(名)職業、商売
splendid(形)すばらしい、すてきな
joke(名)冗談、ジョーク
glorious(形)壮麗な
pageant(名)華やかな見もの
have something(nothing、little、etc.)to do with ~ ~と少し関係がある(全然、ほとんど(など)関係がない)
next to ~(否定語の前に用いて)ほとんど~(=almost)・It's next to impossible. ほとんど不可能だ。
impossible(形)不可能な(+to do)
believe(他)(~と)思う、信じる(+that)
such(形)(種類・範囲を表わして)(such ~ asで)~のような
dull(形)(商売など)活気がない、沈滞した、不振の(⇔brisk)
principle(名)(定まった)やり方、定石(じょうせき)、秘訣(ひけつ)
as(代)(関係代名詞)(such、the sameまたはasを先行詞に含んで、制限的に用いて)~のような
bargain(名)特価品、バーゲン(日本語で「バーゲンセール」というが、英語では普通saleといい、bargainは「特価品」の意で用いる)
sale(名)特売、安売り、セール

The Lord Mayor, in the stronghold of the mighty Mansion House, gave orders to his fifty cooks and butlers to keep Christmas as a Lord Mayor’s household should; and even the little tailor, whom he had fined five shillings on the previous Monday for being drunk and blood-thirsty in the streets, stirred up to-morrow’s pudding in his garret, while his lean wife and the baby sallied out to buy the beef.

Lord Mayor(名)(the ~)(英)(特に)ロンドン市長(名誉職で任期は1年)
stronghold(名)とりで、要塞
mighty(形)巨大な
mansion house(名)(the Mansion House)ロンドン市長公邸
give(他)(人に)(言葉・返事・命令・あいさつなどを)述べる、言う ・give orders to do ~せよとの命令を出す
order(名)(しばしば複数形で)命令、指令(+to do)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
fifty(形)(基数の50)50の、50個の、50人の
cook(名)料理人、コック、板前(=chef)
butler(名)執事、使用人頭(酒宴・食器などを管理する)
keep(他)(儀式・習慣などを)行なう、祝う ・keep Christmas クリスマスを祝う
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
household(名)(集合的/単数または複数扱い)世帯、所帯/(雇い人も含めて一軒の家に住んでいる人々)
tailor(名)仕立屋、テーラー(主に男子服を注文で作る/婦人服の仕立屋には通例dressmakerを用いる)
whom(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人(たち)を(に)
fine(他)(~のかどで)(人に)(ある額の)罰金を科する、科料に処する(for doing)
five(形)(基数の5)5の、5個の、5人の
shilling(名)シリング(Norman Conquest以降1971年2月まで続いた英国の通貨単位/1ポンドの1/20、12旧ペンス)
on(前)(日・時・機会を表わして)~に ・on Monday 月曜日に
previous(形)先行する、その前の、すぐ前の(⇔following)
for(前)(対象)(報償・返報を表わして)(好意・成果など)に対して、~の返報として ・He was fined for speeding. 彼はスピード違反で罰金を科せられた。
drunk(形)酔って、酔っぱらって
bloodthirsty(形)血に飢えた、殺伐とした、残忍な
stir(他)(液体・火などを)(~で)かき回す、かき混ぜる(up)
up(副)しっかりと、ぎっしりと
pudding(名)プディング(小麦粉などに果実・牛乳・卵などを入れオーブンで焼いたり蒸したりした菓子または料理)
garret(名)屋根裏部屋(通例暗くてみすぼらしい小さな部屋)
while(接)(主節の後方に置き、対照を表わして)ところが一方、しかるに
lean(形)(人・動物が)(ぜい肉がなく引き締まって)やせた、細い(⇔flabby)
sally(自)さっそうと(勇み立って)出ていく(out)
beef(名)牛肉、ビーフ
【参考文献】
Penguin English Library a Christmas Carol (The Penguin English Library)』Charles Dickens・著
クリスマス・キャロル (角川文庫)』越前敏弥・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『カンタベリー物語』を原文で読む(第19回)

(テキスト20ページ、11行目~)

(The Plowman)

plowman(名)農夫

With hym ther was a Plowman, was his broother,
That hadde ylad of donge ful many a foother;
A trewe swynkere and a good was he,
Lyvynge in pees and parfit charitee.

hym→him
ther→there(副)(thereは形式上主語のように扱われるが、動詞の後に通例不特定のものや人を表わす主語が続く/「そこに」の意味はなく、日本語ではthere isで「~がある」の意になる)/(beを述語動詞として)
his(代)彼の
broother→brother
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
hadde→had
ylad→laden/carried
carry(他)(~を)(他の場所へ)(持ち)運ぶ、運搬する
of(前)(分量・内容を表わして/数量・単位を表わす名詞を前に置いて)~の
donge→dung(名)(牛馬などの)ふん
ful→full(副)(形容詞・副詞を修飾して)まったく、非常に ・full many a ~ あまた(数々)の~
many(形)(many aに単数形の名詞・動詞を伴って/単数扱い)数々の、多数の
foother→cartload(名)荷車1台の荷(of)
trewe→true(形)忠実な、誠実な
swinkere→swinker(名)<swink(自)(古)骨折る、汗水たらして働く(=toil)
good(形)(道徳的に)良い、善良な、有徳の(⇔evil)
Lyvynge→Living
live(自)(様態の副詞句を伴って)(~に)生活する、暮らす ・live in ease 楽に(左うちわで)暮らす
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
pees→peace(名)平穏、無事
parfit→perfect(形)完全な、完璧な
charitee→charity(名)(古)慈愛、思いやり

God loved he best with al his hoole herte
At alle tymes, thogh hym gamed or smerte,
And thanne his neighebore right as hymselve.

love(他)(神などを)敬愛する、崇敬する
best(副)(wellの最上級)最もよく、いちばん
al→all
hoole→whole
herte→heart
with all one's heart=with one's whole heart 心から喜んで
alle→all
tymes→times
at all times 常に、どんな時にも
thogh→though(接)たとえ~でも、よし~にせよ
gamed→pleased
smerte→pained
pain(他)(人を)心痛させる、悲しませる
thanne→then(副)(しばしばandを伴って)そのうえ、さらにまた
neighebore→neighbour
right(副)(副詞・前置詞句の前に置いて)ちょうど、まさしく、きっかり
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
hymselve→himself(代)(強調に用いて)彼自身/(he、himの代わりに用いて/as、like、thanの後で)

He wolde thresshe, and therto dyke and delve,
For Cristes sake, for every povre wight,
Withouten hyre, if it laye in his myght.

wolde→would(助動)(過去の習慣・動作などの反復についての回想を表わして)~したものだった、よく~した
thresshe→thresh(自)からざおで打つ、脱穀する
thereto(副)なおそのうえに
dyke(他)~に溝を設けて排水する
delve(自)(古)鋤(すき)で掘る(=dig)
Cristes→Christ's
sake(名)(for the sake of ~、for ~'s sakeで)~のための(に)(目的・利益を表わす)
Christ(名)キリスト(救世主(the Savior)となって出現したJesusの称号)
povre→poor
wight(名)(古)人、人間
Withouten→Without
hyre→hire(名)賃金、報酬(=wages)
laye→lay
lie(自)(副詞句を伴って)(原因・力・本質などが)(~に)ある、存する
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で ・in one's power 勢力範囲に、力の限りに
myght→might(名)力、勢力、権力、実力

His tythes payde he ful faire and wel,
Bothe of his propre swynk and his catel.

tythes→tithes
tithe(名)十分の一税(教会維持のため教区民が毎年主に農作物の10分の1を納めた/今は廃止)
payde→paid
faire→fair(副)公正に
wel→well(副)適切に、ふさわしく
Bothe→Both
both(副)(both ~ and ~で相関接続副詞として)~も~も(両方とも)
of(前)(起源・出所を表わして)~から、~の
propre→proper(形)(古)自分の
swynk(名)(古)骨折り、労働(=toil)
catel→cattle/property(名)財産、資産

In a tabard he rood upon a mere.

in(前)(着用を表わして)~を着て、身につけて
tabard(名)(中世の小作農が着たような)袖なしのゆったりした上衣(ケープ)
roodrode
mere→mare(名)(特に)雌馬

There was also a Reve, and a Millere,
A Somonour, and a Pardoner also,
A Maunciple, and myself―ther weere namo.

Reve→Reeve
reeve(名)(昔の町・地方の)執事、代官
Millere→Miller
miller(名)粉屋、水車屋、製粉業者
Somonour→Summoner
summoner(名)(古)(法廷の)召喚係
pardoner(名)(中世の)免罪符売り
Maunciple→Manciple
manciple(名)(大学・修道院などの)食料品仕入係、賄い方
myself(代)(強調に用いて)私自身/(and ~でI、meの代わりに用いて)
weere→were
namo→no more それ以上(もはや、二度と)~しない
【参考文献】
原文対訳「カンタベリィ物語・総序歌」』苅部恒徳、笹川寿昭、小山良一、田中芳晴・編・訳・注(松柏社
カンタベリー・テールズ市河三喜、松浪有・編注(研究社)
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)

『Disney's クリスマス・キャロル』

この週末は、ブルーレイで『Disney's クリスマス・キャロル』を見た。

2009年のアメリカ映画。
監督は、『ベオウルフ/呪われし勇者』のロバート・ゼメキス
製作は、『ベオウルフ/呪われし勇者』のスティーヴ・スターキー。
主演は、『ダーティハリー5』のジム・キャリー
共演は、『未来世紀ブラジル』のボブ・ホスキンス、『ベオウルフ/呪われし勇者』のロビン・ライト・ペン
他にも、ゲイリー・オールドマンコリン・ファースなど、演技派の豪華キャストを揃えている。
本作は、『ベオウルフ/呪われし勇者』と同じで、要するに、モーション・キャプチャーを使ったCGアニメである。
役者は一人で何役も演じ分け、主演のジム・キャリーは、何と一人七役だ。
まあ、CGアニメだからこそ出来るのだろう。
カラー、シネスコ・サイズ。
華やかな音楽。
本を開くと、「第1節 マーレイの亡霊」。
ただし、目次が出るのはここだけ。
マーレイ(ゲイリー・オールドマン)の遺体が棺に入って横たわっている。
共同経営者のスクルージジム・キャリー)が書類にサイン。
スクルージはケチで、お布施を出し渋り、亡骸の瞼に置かれた冥銭を持ち去る。
ただし、こんなシーンは原作にはない。
外はクリスマス。
雪の街には様々な階層の人々がいる。
スクルージは事務所へ戻る。
7年後のクリスマス・イブ。
事務所で働く書記のボブ・クラチット(ゲイリー・オールドマン)は寒さにろうそくで手をあぶる。
スクルージの甥のフレッド(コリン・ファース)が訪ねて来る。
スクルージは「クリスマスなどくだらん!」と言い放つ。
クリスマスの意義を懇々と説くフレッド。
思わず、拍手をするボブ。
スクルージは「今度やったらクビだ!」とボブを怒鳴り付け、フレッドを追い返す。
そこへ、寄付のお願いにやって来た二人の紳士。
「貧乏人は救貧院へ行け」と、更には、「死ね」とまで言うスクルージ
当然、彼らも追い返す。
明日はクリスマスなので休みたいと言うボブを給料泥棒扱いするスクルージ
ここまでのセリフは原作に忠実である。
メイキング映像では、監督が「原作に忠実だ」と豪語していた。
こんなにゆったり進むと、後半はかなり駆け足だろうなと思っていたら、案の定、大幅な省略が始まる。
帰宅するスクルージ
家は、街中なのに、立派な屋敷である。
ドアにマーレイの顔が浮かぶ。
おののくスクルージ
広い屋敷で一人きりのクリスマス。
突然、鐘が一斉に鳴る。
マーレイの亡霊が現われる。
長い長いたくさんの鎖につながれている。
これは、この世での無慈悲な行いの結果だと言うマーレイ。
そして、同じような鎖がスクルージにもあるという。
マーレイは、もっと人に尽くすべきだったと後悔している。
これから、3人の精霊が現われるという。
これまで見た映画化作品では、精霊は同じ日に順番に現われることになっているが、本作では、1日に一人ずつ現われることになっている。
これは原作通りである。
そして、マーレイが去る。
しかし、上映時間が96分しかないので、すぐに一人目の精霊が現われる。
炎のような精霊。
スクルージと一緒に過去へ飛ぶ。
本作は、異様に飛行シーンが長い。
CG技術を目いっぱい見せたいのだろう。
昨今のCG映画全般に言えることであるが、技術を無駄遣いしているとしか思えない。
スクルージの故郷へ。
のどかな道を馬車が走っている。
学校の同級生が乗っている。
でも、学校ではいつも一人ぼっちのスクルージ少年。
すぐにスクルージは青年に成長する。
妹のファン(ロビン・ライト・ペン)が迎えに来る。
父親の許しを得られたのだという。
その後、妹は若くして亡くなる。
残された一人息子がスクルージの甥のフレッドだ。
スクルージ青年が奉公していたフェジウィッグ(ボブ・ホスキンス)の店へ。
クリスマスなので、「仕事は終わりだ」と宣言するフェジウィッグ。
女性達の賑やかなダンスが始まる。
そして、パーティー
スクルージ青年は、お気に入りの若い娘イザベル(ロビン・ライト・ペン)と踊り、恋に落ちる二人。
そこから、一気に物語を省略して、「私よりお金が大事なのね」とスクルージ青年に別れを告げるイザベル。
展開が早過ぎて、あらすじを見ているみたいだ。
「当時は若かったんだ」と述懐する現在のスクルージ
しかし、結局、イザベルは結婚の約束を解消する。
それを見ていた現在のスクルージは、「もう耐えられない」と、精霊の頭から火消し帽を被せて、精霊の姿を消す。
長い飛行の後、現在へ戻るスクルージ
とにかく、飛行シーンがやたら長い。
さあ、これからどうなる?
最初は確かに原作通りだが、その後は省略が甚だしいし。
子供向けに分かり易くしたつもりかも知れないが、原作の一番深い部分が犠牲になっている。
CG満載な上に、演出過剰で、とにかく、ジム・キャリーがずっと「ウォー!」とか「ギャー!」とかわめいている印象。
特に、ラスト近くの馬車に追い掛けられるシーンはヒドイ。
ジェットコースターのような単なるCG紙芝居を10分も20分も見せられる。
如何にもディズニー映画だ。
まあ、現代風だとは言える。
しかし、これでいいのか。
当然ながら、昨今の映画なので、エンドロールが異様に長い。
96分の上映時間のうち、一体どれだけが本編なのか。
監督は、これまでの映画では表現出来なかった部分を表現したと言っていたが、ディケンズが表現したかったのはこんな世界なのか。
細君は見終わって、「ドッと疲れが出た」と言っていた。
クリスマス・キャロル』の映画化を3本見たが、84年のジョージ・C・スコット主演版が、今のところ一番良く出来ているかな。

Jim Carreys A Christmas Carol Official Trailer