『シェイクスピア物語』を原書で読む(第15回)

The Tempest(第11回)
(テキスト17ページ、3行目~)
(※赤字は大学受験レベルの語)

‘My quaint Ariel,’ said Prospero to the little sprite when he made him free, ‘I shall miss you; yet you shall have your freedom.’

my(代)(呼び掛け語に添えて親しみを表わして)
quaint(形)(特に、古くて)風変わりでおもしろい、古風で趣のある
Ariel(名)エーリエル(空気の精/Shakespeareの「あらし」に出てくる)
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(to)(+引用)
Prospero プロスペロ(Shakespeare, The Tempestの主人公/弟の策略で追放されて無人島に漂着し、魔法を体得したMilanの公爵)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
sprite(名)妖精、小妖精
when(接)~する時、~時(時を表わす副詞節をつくる)
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
miss(他)(~が)ない(いない)のを惜しむ、ない(いない)ので寂しく思う(困る)・We shall miss you badly. 君がいないとどんなに寂しいことだろう。
yet(接)それにもかかわらず、しかしそれでも、それなのに
shall(助動)(意志未来を表わして)(2、3人称を主語とする平叙文または従属節に用い、話者の意志を表わして)~させてやる
have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
freedom(名)自由 ・have freedom 自由がある

‘Thank you, my dear master,’ said Ariel; ‘but give me leave to attend your ship home with prosperous gales, before you bid farewell to the assistance of your faithful spirit; and then, master, when I am free, how merrily I shall live!’

master(名)主人、雇い主
give(他)(人などに)(時間・機会・許可・休息などを)認める、許す(+目+目)
leave(名)許し、許可(=permission)(+to do)
attend(他)(召し使いなどの)世話をする、(人に)随行する
home(副)自国へ、故国へ
with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
prosperous(形)好都合の、順調な
gale(名)大風、疾風
before(接)~より前に、(~する)に先だって、~しないうちに
bid(他)(人に)(あいさつ・別れなどを)述べる、告げる ・bid farewell to ~にお別れをする
farewell(名)いとまごい、告別、別れ ・bid farewell to ~に別れを告げる
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
assistance(名)手伝い、助力、援助
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
faithful(形)忠実な、信義に厚い、誠実な
spirit(名)(修飾語を伴って)(~の性格(気質)を持った)人、人物
then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
when(接)~ならば、~とすると
how(副)(疑問詞)(感嘆文に転用して)まあ何と、いかに
merrily(副)楽しく
live(自)(様態の副詞句を伴って)(~に)生活する、暮らす

Here Ariel sang this pretty song:

‘Where the bee sucks, there suck I;
In a cowslip's bell I lie:
There I couch when owls do cry.
On the bat's back I do fly
After summer merrily.
Merrily, merrily, shall I live now
Under the blossom that hangs on the bough.’

here(副)(文頭に用いて)この点で、ここで
sing(他)(歌などを)歌う
this(形)(指示形容詞)(これから述べたり掲示しようとする物事をさして)
pretty(形)見事な、うまい
where(接)~する(した)所に(へ、を)
bee(名)(昆)ハチ
suck(自)(~を)吸う、すする
cowslip(名)(植)キバナノクリンザクラ(春に芳香のある黄色い花が咲くサクラソウの一種)
bell(名)鐘形の花
lie(自)(副詞句を伴って)(人・動物が)横たわる、横になる
couch(自)(特に獣が)横たわる、休む
owl(名)(鳥)フクロウ(ギリシア神話で知恵の神であるアテナ(Athena)の象徴がフクロウであったことから「知恵」「賢明」のシンボルとされている)
do(助動)(肯定)(法律文乃の常套的表現や詩・詩的散文での虚辞として)
cry(自)(鳥獣が)泣き叫ぶ
bat(名)(動)コウモリ
fly(自)(通例副詞句を伴って)(鳥・虫などが)飛ぶ
after(前)(順序・場所を表わして)~のあとに、~の後ろに続いて
summer(名)夏、夏季(天文学的には、夏至(げし)から秋分まで/通俗には北半球では6、7、8月、南半球では12、1、2月)
shall(助動)(意志未来を表わして)(1人称を主語として、義務的感覚または強い決意を表わして)きっと~する
now(副)(間投詞的に、命令・要求・慰め・威嚇などを表わして)そら、さあ、まあ、おい
blossom(名)(特に果樹の)花
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
hang(自)(副詞句を伴って)かかる、ぶら下がっている、垂れ下がる(on)
bough(名)(木の)大枝

Prospero then buried deep in the earth his magical books, and wand, for he was resolved never more to make use of the magic art.

bury(他)(~を)始める、埋蔵する(+目+補)・He buried it deep in the ground. 彼はそれを地中深くに埋めた。
deep(形)(時間的・空間的に)(~に)遠く離れて ・deep in the ground 地中深く
earth(名)(通例the ~)(天空に対して)地、地表、地上
his(代)彼の
magical(形)魔法の、魔術の
wand(名)(魔法使い・手品師・妖精などが使う細くてしなやかな)棒、つえ
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
resolved(形)(~しようと)決心して、断固として(=determined)(to do)
never(副)(notよりも強い否定を表わして)決して~ない
more(副)そのうえ、なおまた
make use of ~ ~を利用する
magic(形)魔法の、魔法のような、不思議な ・the magic arts 魔法
art(名)(専門の)技術、(特殊な)技芸

And having thus overcome his enemies, and being reconciled to his brother and the king of Naples, nothing now remained to complete his happiness, but to revisit his native land, to take possession of his dukedom, and to witness the happy nuptials of his daughter Miranda and prince Ferdinand, which the king said should be instantly celebrated with great splendour on their return to Naples.

thus(副)このように、かように
overcome(他)(敵・悪癖・困難などに)打ち勝つ、(~を)負かす
reconcile(他)(人と)(人を)仲直りさせる、和解させる(しばしば受身で用いる)
Naples(名)ナポリ(イタリア南部の港市)
now(副)(過去時制の動詞とともに)(物語の中で)今や、そのとき、それから、次に
remain(自)残る、残存する、存続する、生き残る
complete(他)(~を)完成させる、完全なものにする、完結する
happiness(名)幸福、満足、喜び
but(前)(no one、nobody、none、nothing、anythingやall、every oneまたはwhoなどの疑問詞などのあとに用いて)~のほかに(の)、~を除いて(た)(=except)
revisit(他)(~を)再び訪問する、再び訪れる
native(形)出生地の、自国の、本来の ・one's native land 故郷
land(名)国、国土 ・one's native land 故国
take possession of ~ ~を手に入れる、所有する
dukedom(名)公爵領、公国(=duchy)
witness(他)(~を)目撃する、見る
happy(形)(物が)幸福な、楽しい
nuptial(名)(複数形で)結婚式(=wedding)
Miranda(名)ミランダ(Shakespeare, The Tempestの中で、Naplesの王子Ferdinandと恋し合うProsperoの娘)
Ferdinand(名)ファーディナンドShakespeare, The Tempestの中でMirandaに恋するNaplesの王子)
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
should(助動)(時制の一致で従節内に用いて/意志未来の場合)(話者の強い意向・決意を表わして)~するぞ
instantly(副)直ちに、即座に
celebrate(他)(儀式・式典を)挙行する
splendour(名)葬儀、堂々たること
on(前)(日・時・機会を表わして)~に
their(代)彼ら(彼女ら)の
return(名)(単数形で)帰り、帰還、帰宅
to(前)(方向を表わして)(到達の意を含めて)~まで、~へ、~に

At which place, under the safe convoy of the spirit Ariel, they after a pleasant voyage soon arrived.

which(形)(関係形容詞)そして(だが)その
under(前)(状態を表わして)(~の支配・監督・影響など)のもとに
convoy(名)護衛、護送
spirit(名)妖精(=sprite、elf)
pleasant(形)(人に喜びを与える意味で)(物事が)楽しい、愉快な、気持ちのよい、快適な(⇔unpleasant)
voyage(名)(船・飛行機・宇宙船による)旅、船旅、航海、航行、飛行
【参考文献】
Tales from Shakespeare (Penguin Classics) (English Edition)』Charles and Mary Lamb・著
シェイクスピア物語 上 (岩波文庫)』安藤貞雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)
中学基本英単語1200』赤尾好夫・編(旺文社)
英語基本単語集』赤尾好夫・編(旺文社)
試験にでる英単語―実証データで重大箇所ズバリ公開 (青春新書)森一郎・著(青春出版社

『ピクニック』(1936)

この週末は、ブルーレイで『ピクニック』を見た。

1936年のフランス映画。
監督・脚本は、『素晴らしき放浪者』『フレンチ・カンカン』の巨匠ジャン・ルノワール
あの喫茶店のマッチで有名なルノワールの息子である。
助監督を、何と若き日のジャック・ベッケル(『幸福の設計』『モンパルナスの灯』)やルキノ・ヴィスコンティ(『若者のすべて』『イノセント』)が務めている。
主演はシルビア・バタイユ
本作は未完なので、40分しかない。
このディスクに収録されているのは、2013年のデジタル修復リマスター版。
穏やかで力強い音楽から始まる。
「この映画はやむをえぬ事情で未完に終った。滞米中のジャン・ルノワール監督に代って、私達は作品と登場人物のイメージを失わないように配慮し、あるがままお見せする。話の筋がわかるように字幕を2ヵ所挿入した」という字幕。
1860年の夏の日曜日、パリの金物商デュフール氏は妻と義母と娘と未来の婿養子アナトールを連れて隣の牛乳屋から借りた馬車でピクニックに出かけた」という字幕。
画質は非常に良い。
野原の中の一本道を走る馬車。
レストランの前を通り掛かる。
魚のシチューとフライで2フラン50。
「高くないわ。」
今の日本円で換算すると、幾らくらいなんだろう?
家族は馬車から降りる。
おばあちゃんは耳が遠い。
レストランのガラの悪そうな若い男の店員が、「近頃の川魚は油臭い。パリジャンに食わせろ」と言う。
要するに、ノコノコと田舎に遊びに来る都会人を嫌っているのであった。
結婚を控える娘アンリエット(シルビア・バタイユ)はブランコを漕ぐ。
この時のカメラの動きが独特で、酔いそうだ。
家族は「ウサギのソテー」を注文した。
どんな食い物なんだろう?
想像も付かん。
レストランで食事をしている地元の若い男二人組・ロドルフとアンリは、窓の外でブランコを漕ぐ若い娘のスカートがめくれるのを楽しみにしている。
まあ、若い頃の男は皆そんなもんだ。
そして、話すのは女のことばかり。
アンリエットと母は、サクランボの木の下に腰掛ける。
デュフール氏とアナトールは釣りに出掛ける。
アナトールがアンリエットとその母を大声で呼ぶ。
「すごい舟があるぞ!」
アンリエットは、そちらに向かう時に、サクランボの木の下に帽子を忘れる。
ロドルフとアンリは釣りに行く。
アンリエットが落とした帽子を見付ける。
この小道具を使って娘を引っ掛けようと企んだらしい。
彼らは、サクランボの木の下に寝転がる。
家族4人はボートに乗ろうとするが、結局乗らない。
「おばあさんを呼んで来て。」
サクランボの木の下に男二人がいるから、場所を変えようとする家族。
ロドルフがアンリエットに帽子を届ける。
親切なフリを装うのだ。
ロドルフとアンリはとりあえず、その場を去る。
デュフール一家は、サクランボの木の下に陣取る。
とにかく、若い男二人は、アンリエットを引っ掛けることしか考えていない。
ばあさんは子猫をなでている。
デュフール夫妻はワインで乾杯。
アンリエットはサクランボをつまむ。
次第に、雲行きが怪しくなって来る。
レストランの娘が空模様を気にして、デュフール一家を呼びに来る。
しかし、都会人は天気を気にしない。
ワインで酔っ払って寝ているデュフール氏。
さあ、これからどうなる?
まあ、ここから恋の鞘当てが始まるのだが。
何せ、未完なので、これから展開しそうな所で終わる。
まあ、続きは大変気になるが。
どうでもいいが、フランスの若い男は守備範囲が広いな。
娘でも、その母親でも、どちらも恋愛対象になる。
母親だって、結婚して子供もいて、家族でピクニックに来ているのに、若い男に口説かれて、まんざらでもない。
フランス人は恋多き民族だな。
名前を聞かれた母親が「ジュリエット」と答えると、相手の男は「じゃあ、僕はロミオ」と言う。
シェイクスピアはヨーロッパ全体の一般常識なんだな。
ストーリーは何とも言えない。
現存している40分間だけだと、他愛もない話しだ。
批評家は、「印象派の絵画のように美しい」と本作を絶賛する。
まあ、景色がキレイなのかも知れない。
しかし、巨匠の初期の作品だから、知っておいても損はない。

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『シェイクスピア物語』を原書で読む(第14回)

The Tempest(第10回)
(テキスト16ページ、1行目~)
(※赤字は大学受験レベルの語)

‘No, sir,’ answered Ferdinand, smiling to find his father had fallen into the same mistake that he had done when he first saw Miranda, ‘she is a mortal, but by immortal Providence she is mine; I chose her when I could not ask you, my father, for your consent, not thinking you were alive. She is the daughter to this Prospero, who is the famous duke of Milan, of whose renown I have heard so much, but never saw him till now: of him I have received a new life: he has made himself to me a second father, giving me this dear lady.’

no(副)(質問・依頼などに答えて)いいえ(⇔yes)
sir(名)(男性への呼び掛け)あなた、先生、閣下、お客さん、だんな(見知らぬ人に、召し使いから主人に、生徒から先生に、店員から客に、目下から目上に、または議会で議長に対する敬称/日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い)
answer(他)(人・質問・手紙などに)答える(+引用)
Ferdinand(名)ファーディナンドShakespeare, The Tempestの中でMirandaに恋するNaplesの王子)
find(他)(~が)(~であると)知る、感じる、わかる(+that)
his(代)彼の
fall(自)(好ましくない状態に)落ち込む、陥る(into)
same(形)(the ~/as、that、who、whereなどと相関的に用いて)(質・量・程度・種類など)(~と)同じ、同種の、同一の ・I have the same watch that you have. 君と同じ時計を持っている。
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの(先行詞がもの・人を表わす場合で、最上級の形容詞、all the、the only、the same、the veryなどの制限的語句を含む時、および、先行詞が疑問代名詞やall、much、little、everything、nothingなどの時に多く用いられる傾向があるが、絶対的なものではない)(他動詞・前置詞の目的語として)
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
first(副)(通例動詞の前に用いて)初めて ・when I first visited Kyoto 初めて京都を訪れたとき
see(他)(人に)会う、面会する
Miranda(名)ミランダ(Shakespeare, The Tempestの中で、Naplesの王子Ferdinandと恋し合うProsperoの娘)
mortal(名)(普通の)人間(human(being))
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
immortal(形)神の
Providence(名)(またa ~)摂理、神意、神慮、天佑神助 ・by divine Providence 神の摂理
mine(代)私の家族(手紙、責務(など))
when(接)~なのに、~とはいえ
could(助動)(過去形の主節の時制の一致により従属節中のcanが過去形に用いられて)~できる、~してよい
ask(他)(人に)(物事を)頼む、要請する、求める(for)/(+目+目)
my(代)私の
for(前)(目的)(獲得・追求・期待の対象を表わして)~を得るために(の)、~を(求めて)
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
consent(名)(~への)承諾、同意
not(副)(不定詞・分詞・動名詞の前に置いてそれを否定して)(~し)ない
think(他)(~と)思う、考える(+that)
alive(形)生きて(⇔dead)
to(前)(付属・関連・関係を表わして)~の、~に(とっての)・brother to the king 王の子
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
Prospero プロスペロ(Shakespeare, The Tempestの主人公/弟の策略で追放されて無人島に漂着し、魔法を体得したMilanの公爵)
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
duke(名)(欧州の公国または小国の)君主、公
Milan(名)ミラノ(イタリア北部の都市)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
whose(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人(たち)の
renown(名)名声、命名
hear(自)(~について)(消息を)聞く、聞いて知る
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい
much(副)(動詞を修飾して)おおいに、たいそう、非常に
till(前)(否定語の後に用いて)~までは(~しない)、~になって初めて(~する)
now(名)今、目下、現在(通例前置詞の後に用いる)・till now 今までのところ
of(前)(起源・出所を表わして)~から、~の
life(名)(個人の)命、生命
make(他)(~を)(~に)する(+目+補)
himself(代)(再帰的に用いて)(一般動詞の目的語に用いて)
second(形)第2(番目)の
give(他)渡す、任す、委託する ・give one's daughter in marriage 娘を嫁にやる

‘Then I must be her father,’ said the king; ‘but oh! how oddly will it sound, that I must ask my child forgiveness.’

then(副)(通例文頭または文尾に用いて)それなら、(それ)では
must(助動)(当然の推定を表わして)~にちがいない、~に相違ない、きっと~だろう
her(代)彼女の
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる(+引用)/(+that)
oh(間)(しばしば直後にコンマや!などを従える)(驚き・恐怖・苦痛・願望・反応・了解などを表わして)ああ!、おお!、おや!
how(副)(疑問詞)(感嘆文に転用して)まあ
oddly(副)奇妙に、奇異に
will(助動)(話し手の推測を表わして)~だろう
it(代)(非人称動詞(impersonal verb)の主語として)(特にさすものはなく、従って訳さないで文の形式的主語となる)(seem(appear, happen, etc.)that ~の主語として)
sound(自)(~に)聞こえる、見える、思われる(+補)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(主語節を導いて)/(目的語節を導いて)
forgiveness(名)(罪などの)許し、容赦

‘No more of that,’ said Prospero: ‘let us not remember our troubles past, since they so happily have ended.’

no more それ以上(もはや、二度と)~しない
that(代)(指示代名詞)(前に言及しているか、場面上了解されている物事をさして)そのこと
let(他)(通例let's、時にlet usで勧誘・提案を表わして)~しよう(ではないか)
our(代)我々の、私たちの
trouble(名)紛争、争い、もめごと、ごたごた
since(接)(理由)~だから、~のゆえに
so(副)(程度を表わして)(強意的に)とても、非常に、大変
happily(副)うまく
end(自)(物事が)(結果として)(~に)終わる、帰する

And then Prospero embraced his brother, and again assured him of his forgiveness; and said that a wise, over-ruling Providence had permitted that he should be driven from his poor dukedom of Milan, that his daughter might inherit the crown of Naples, for that by their meeting in this desert island it had happened, that the king's son had loved Miranda.

then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
embrace(他)抱き締める(=hug)
assure(他)(人に)(~を)保証する、請け合う(=guarantee)(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
wise(形)(人・行動など)賢い、賢明な、思慮深い、分別のある(⇔foolish)
overrule(他)(決定・提案・異議などを)くつがえす、却下する、無効にする(=override)
permit(他)(~を)許す、許可する、認める
drive(他)(副詞句を伴って)追い出す ・They drove the enemy from the country. 彼らは敵を国外へ追い払った。
dukedom(名)公爵領、公国(=duchy)
that(接)(副詞節を導いて)(目的を表わして)~するように、~せんがために
might(助動)(直説法過去)(時制の一致により副詞節中で)~するために、~できぬように
inherit(他)(財産などを)受け継ぐ、相続する
crown(名)(the ~)帝王の身分、帝(王)位
Naples(名)ナポリ(イタリア南部の港市)
for that(古)(接)~という理由で、~であるから、~なので(=because)
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
their(代)彼ら(彼女ら)の
meeting(名)(通例単数形で)出会い、面会、遭遇
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(近くの時・所をさして)
desert island(名)(熱帯の)孤島、無人
happen(自)(非人称のitを主語として)たまたま(~で)ある(+that)
love(他)(人などを)愛する、かわいがる、大事にする

These kind words which Prospero spoke, meaning to comfort his brother, so filled Antonio with shame and remorse, that he wept and was unable to speak; and the kind old Gonzalo wept to see this joyful reconciliation, and prayed for blessings on the young couple.

kind(形)親切な、優しい、思いやりのある(⇔unkind、nasty)
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
speak(他)(人に)(言葉を)話す
mean(他)(~する)つもりである(+to do)
comfort(他)(人を)慰める
so(副)(程度・結果を表わして)(so ~ that ~で)(順送りに訳して)非常に~なので
fill(他)(感情で)(人(の心)を)満たす(with)
Antonio アントーニオー(Shakespeare, The Tempestの登場人物/Prosperoを領土から追放したその弟)
with(前)(材料・中身を表わして)~で ・fill A with B AにBを満たす
shame(名)恥ずかしい思い、恥ずかしさ
remorse(名)(過ちに対する良心の呵責(かしゃく)、自責(の念)(=regret)
that(接)(副詞節を導いて)(so ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
wept(動)weepの過去形・過去分詞
weep(自)(涙を流して)泣く
unable(形)(~することが)できないで(+to do)
Gonzalo(名)ゴンザーロー(Shalkespeare, The Tempestに登場するNaplesの誠実な老顧問官で、Prosperoの友)
joyful(形)喜ばしい、うれしい、楽しい
reconciliation(名)若い、調停
pray(自)祈る(for)
for(前)(獲得・追求・期待の対象を表わして)~を得るために(の)、~を(求めて)
blessing(名)(神からの)恩恵、天恵
on(前)(動作の対象を表わして)~に対して、~に当てて
couple(名)男女ひと組

Prospero now told them that their ship was safe in the harbour, and the sailors all on board her, and that he and his daughter would accompany them home the next morning.

now(副)(過去時制の動詞とともに)(物語の中で)今や、そのとき、それから、次に
tell(他)(人に)(~を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+that)
safe(形)無事な、安全な
harbour(名)(英)=harbor(名)港 ・be in the harbor 寄港する
sailor(名)船員、船乗り、水夫
all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな
on board 船上(船内、機内)に(の)
would(助動)(時制の一致により従属節内でまた間接話法で用いて)(意志未来を表わして)~しよう
accompany(他)(人が)(別の人に)同行する、ついていく
home(副)自国へ、故国へ
next(形)(時間が)(通例the ~)(過去・未来の一定時を基準にして)その次の~、翌~
morning(名)(副詞的に)朝に、午前中に

‘In the meantime,’ says he, ‘partake of such refreshments as my poor cave affords; and for your evening's entertainment I will relate the history of my life from my first landing in this desert island.’

in the meantime それまでは
partake(自)(~を)食べる、飲む(of)
such(形)(種類・範囲を表わして)(such ~ asで)~のような
refreshment(名)(通例複数形で)(軽い)飲食物、軽食、茶菓
as(代)(関係代名詞)(such、the sameまたはasを先行詞に含んで、制限的に用いて)~のような
cave(名)ほら穴、洞窟(どうくつ)
afford(他)(人が)(金・時間などに)余裕がある
for(前)(資格・属性を表わして)~(だ)として、~と
entertainment(名)娯楽
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
relate(他)(話・経験などを)話す、物語る
history(名)経歴、来歴、沿革、由来
from(前)(空間・時間などの起点を表わして)~から
landing(名)上陸

He then called for Caliban to prepare some food, and set the cave in order; and the company were astonished at the uncouth form and savage appearance of this ugly monster, who (Prospero said) was the only attendant he had to wait upon him.

call for ~ ~を求めて叫ぶ
Caliban キャリバン(Shakespeare,The Tempestに登場する半獣人)
set(他)(~を)(~の状態に)する、させる(+目+補)
in order 整理して
company(名)(集合的/単数または複数扱い)一行、一団、一隊
astonished(形)驚いた、びっくりした ・be astonished at ~に驚く
at(前)(感情の原因を表わして)~に(接して)、~を見て、聞いて、考えて
uncouth(形)(古)未知の、慣れない、異様な、見慣れない
form(名)姿、姿態、外観
savage(形)(動物・人・性格など)獰猛(どうもう)な、残忍な、残酷な(=brutal)
appearance(名)(人・ものの)外観、見かけ
ugly(形)醜い、見苦しい、醜悪な(=unattractive/⇔beautiful)
monster(名)(想像上の)怪物、化け物
attendant(名)付添人、随行員、侍者、お供
have(他)(使用人などを)置いている、(動物を)飼っている
wait on ~ ~に仕える

Before Prospero left the island, he dismissed Ariel from his service, to the great joy of that lively little spirit; who, though he had been a faithful servant to his master, was always longing to enjoy his free liberty, to wander uncontrolled in the air, like a wild bird, under green trees, among pleasant fruits, and sweet-smelling flowers.

before(接)~より前に、(~する)に先だって、~しないうちに
leave(他)(場所を)去る、出る、出発する
dismiss(他)(人を)(~から)解雇する、免職する(from)
Ariel(名)エーリエル(空気の精/Shakespeareの「あらし」に出てくる)
from(前)(隔離・解放などを表わして)~から
service(名)(また複数形で)勤務、奉職、勤め、勤続
to(前)(結果・効果を表わして)(通例to a person'sに感情を表わす名詞を伴って)~したことには、~にも ・to my joy うれしいことには
great(形)大の、大変な
joy(名)喜び、うれしさ ・to my joy うれしいことには
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
that(形)(指示形容詞)(対話者同士がすでに知っているもの・人・量をさして)あの(⇔this)
lively(形)元気な、活発な
spirit(名)妖精(=sprite、elf)
faithful(形)忠実な、信義に厚い、誠実な
servant(名)召し使い、使用人(=domestic)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~にとっては、~には
master(名)主人、雇い主
long(自)(~したいと)熱望する(+to do)
liberty(名)(束縛のない)自由
wander(自)(副詞句を伴って)(あてもなく)歩き回る、さまよう
uncontrolled(形)制御(抑制)されていない、自由な(=unchecked)
in the air 空中に(で)
like(前)~らしく、~同様に
green(形)緑におおわれた、青々とした
pleasant(形)(人に喜びを与える意味で)(物事が)楽しい、愉快な、気持ちのよい、快適な(⇔unpleasant)
sweet(形)香りのよい ・This rose smells sweet. このバラはいい香りがする。
smell(自)(ものが)(~の)においがする(+補)
【参考文献】
Tales from Shakespeare (Penguin Classics) (English Edition)』Charles and Mary Lamb・著
シェイクスピア物語 上 (岩波文庫)』安藤貞雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)
中学基本英単語1200』赤尾好夫・編(旺文社)
英語基本単語集』赤尾好夫・編(旺文社)
試験にでる英単語―実証データで重大箇所ズバリ公開 (青春新書)森一郎・著(青春出版社

『コンチネンタル』

この週末は、ブルーレイで『コンチネンタル』を見た。

1934年のアメリカ映画。
監督は、『トップ・ハット』のマーク・サンドリッチ
音楽は、『キング・コング(1933)』『トップ・ハット』『風と共に去りぬ』『カサブランカ』『三つ数えろ』『キー・ラーゴ』の巨匠マックス・スタイナー
主演は、『トップ・ハット』『イースター・パレード』『バンド・ワゴン』『パリの恋人』『タワーリング・インフェルノ』の大スター、フレッド・アステアと、『トップ・ハット』のジンジャー・ロジャース
共演は、『トップ・ハット』のエリック・ブロア。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
にぎやかな音楽から始まる。
しかし、古い音源なので、音がヒドイ。
画質もイマイチ。
夜の街。
ショーで踊る女性達。
ここはレストランだろうか。
席には米国人のガイ・ホールデンフレッド・アステア)と友人の弁護士エグバートがいる。
格式の高いレストランではフランス語を使うらしい。
会計の段になって、二人ともサイフをなくしたことに気付いた。
二人はパリからロンドンへの移動中。
エグバートはガイのことをギャルソンに「有名なダンサーだ」と説明するが、証明するものがない。
「踊ったら本人と証明できる」と言って、ガイが踊る。
まあ、ミュージカル映画のお約束というか、要するにアステアのタップ・ダンスを見せたいのだろう。
しかし、エグバートのサイフが見付かり、事なきを得る。
続いて、豪華客船が港に着く。
アメリカ人の中年女性ホーテンス(アリス・ブラディ)は、税関でパリの買い物をめちゃくちゃにされたと立腹。
国家権力の強権発動はけしからん。
彼女は姪のミミ(ジンジャー・ロジャース)を待っていた。
ミミがやって来る。
彼女は、純情のアフィリア(女性アイドル・グループ)の雨森セナさんに似ている。
まあ、言っても、ほとんどの人は分からんだろうが。
ホーテンスが大きなトランクのフタを閉じた時、ミミのスカートの裾が挟まれてしまう。
取れない。
助けを求めるも、周りに人がいない。
そこへ、ガイが通り掛かる。
ミミのドレスを引っ張ってトランクから外そうとするが、誤って破けてしまう。
破けたドレスを隠そうと、ガイが自分のトレンチ・コートを彼女に掛ける。
コートの裏地を見ると、イギリスの名門バーバリーである。
彼女はこれからロンドンへ向かうという。
「自分もロンドンへ行く」と、ガイは彼女に自分の連絡先を渡す。
まあ、要するに、彼はミミに一目惚れしてしまって、何とか彼女と連絡を取りたかった訳だ。
後日、ホテルのガイの部屋にミミからコートが送り返されて来る。
しかし、手紙の一枚も入っていない。
それどころか、彼女の名前すら聞いていなかった。
それでも、恋の力か、ガイは「彼女を捜す」という。
「ロンドンには一体何百万人の女がいると思っているのか」と呆れるエグバート。
ロンドンの街を歩いてミミを捜し求めるガイ。
それから、オープンカーに乗っていると若い女性の車に追突する。
その女性は何と、ミミだった。
後を追うガイ。
クラシック・カーでカー・チェイスが繰り広げられる。
それにしても、この時代に、若い女性が一人で車を運転しているとは。
ガイは先回りして道路を通行止めにし、待ち伏せ
諦めて車を降りたミミに向かって、いきなり「結婚してくれ。」
「無理よ。ずっと友達と住んでるの。一体どういうつもり?」
ガイは自分の電話番号を紙に書いて、ミミに渡す。
「電話を待っているよ。」
そして、ようやく彼女の名前だけ聞き出す。
ホーテンスがミミを連れて、エグバートを訪ねる。
ミミは実は既婚者であった。
結婚して2年になるのに、ほとんど夫と会ったことがない。
そこで、離婚させるために、策を練って、ホテル・ベラビスタへミミを行かせることにする。
ガイが惚れている女性がミミであることなど知る由もないエグバートは、ガイに「急いで海辺のホテルへ行くんだ」と告げる。
ミミからの電話が来ないと待っているガイであったが、とりあえずエグバートの道連れになる。
本作はミュージカルなので、ガイはとにかくタップを踊る。
踊りながらも、ミミを捜している。
彼の決めゼリフは「チャンスとは本当は運命だ。」
これが、後々のストーリーに重要な意味を持つのだが。
海辺のカフェで、ガイは部屋に戻り、エグバート一人になる。
そこへ、ミミとホーテンスがやって来る。
エグバートは彼女を離婚させるために編み出した策を告げる。
「あなたがご主人以外の誰かといてもらわないと。ある男を用意しています。」
要するに、ミミが他の男といるところを彼女の夫に目撃させて、夫を怒らせ、離婚させようというのである。
エグバートは、そのためにトネッティというイタリア人のジゴロを用意していた。
ミミがトネッティと会う時、合い言葉として、「チャンスの真実は運命」と言うように、エグバートはミミに伝える。
シェイクスピア?」とホーテンス。
「私が考えたんだ」とエグバート。
本当は、ガイがつぶやいたのをいただいたのだが。
ちなみに、トネッティ役のエリック・ローズは『トップ・ハット』にも出ている。
と言うより、見たような顔ばかり出ているぞ。
で、ガイは、ミミとホーテンスがレストランにいるところを見付ける。
逃げるミミを追い掛ける。
追い付く。
口説く。
しかし、連れない彼女。
「夜も昼も」が流れる。
僕は音楽には全く疎いのだが、有名な曲だ。
いつの間にか、一緒に踊り出すガイとミミ。
運命の糸で結ばれていると思い始める二人。
しかし、不意にガイが「チャンスの真実は運命なんだ」とミミに告げると。
彼女は、ガイが実は弁護士に雇われたジゴロなんだと勘違いしてしまう。
一気に現実に引き戻されるミミ。
仕事の依頼なので、ミミはガイに「12時に216号室に来て」と告げる。
突然のことに戸惑うガイ。
さあ、これからどうなる?
『トップ・ハット』もそうだったが、本作も「勘違い」を軸にした脚本。
後半、長い大ダンス・シーンがある。
一気に撮っているので、演出は大変そうだ。
とにかく、ずっと踊っている。
余談だが、後半、ウェイターが「大英帝国の歴史は500万年」と言うが、そんなはずなかろう。
人類の歴史だって500万年もない。
なお、ウェイターを演じたエリック・ブロアも『トップ・ハット』に出ていた。
ラストは、古典的なオチが着く。
本作は、僕がこれまで見た中では、最も古いミュージカル映画である。
アカデミー賞主題歌賞受賞。

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『シェイクスピア物語』を原書で読む(第13回)

The Tempest(第9回)
(テキスト15ページ、5行目~)
(※赤字は大学受験レベルの語)

The king of Naples, and Antonio the false brother, repented the injustice they had done to Prospero: and Ariel told his master he was certain their penitence was sincere, and that he, though a spirit, could not but pity them.

Naples(名)ナポリ(イタリア南部の港市)
Antonio アントーニオー(Shakespeare, The Tempestの登場人物/Prosperoを領土から追放したその弟)
false(形)(人が)不誠実な、不実の、不貞の
repent(他)(過ちなどを)後悔する
do a person an justice 人を不当に扱う
to(前)(行為・作用の対象を表わして)(間接目的語に相当する句を導いて)~に
Prospero プロスペロ(Shakespeare, The Tempestの主人公/弟の策略で追放されて無人島に漂着し、魔法を体得したMilanの公爵)
Ariel(名)エーリエル(空気の精/Shakespeareの「あらし」に出てくる)
tell(他)(人に)(~を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+that)
his(代)彼の
master(名)主人、雇い主
certain(形)(~を)確信して、確かだと思って(+that)
their(代)彼ら(彼女ら)の
penitence(名)後悔、懺悔(ざんげ)
sincere(形)(人が)うそ偽りのない、言行一致の、正直な、誠実な(⇔insincere)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(形容詞・自動詞などに続く節を導いて)(文法的に副詞節とも考えられるが、意味上他動詞相当句と考えて名詞節に入れる)/(目的語節を導いて)
spirit(名)妖精(=sprite、elf)
cannot but do ~しないではいられない、~するほかはない、~せざるをえない
pity(他)(人を)(~のことで)かわいそう(気の毒)に思う

‘Then bring them hither, Ariel,’ said Prospero: ‘if you, who are but a spirit, feel for their distress, shall not I, who am a human being like themselves, have compassion on them? Bring them, quickly, my dainty Ariel.’

then(副)(通例文頭または文尾に用いて)それなら、(それ)では
hither(副)ここへ、こちらへ
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(to)(+引用)
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
but(副)ただ、ほんの、~だけ
feel(自)(人に)同情する(for)
for(前)(感情・趣味・適性などの対象を表わして)~を支援して(した)、~のために、~に味方して(⇔against)
distress(名)(心身の)苦悩、苦痛、悲痛、悲嘆
shall(助動)(話者の意志に関係なく未来の出来事を表わして)(疑問文で)~でしょうか、~だろうか
human being(名)人間(動物・妖精・神・幽霊など人間以外のものを対比して用いる)
like(前)~のような、~に似た
themselves(代)(強調に用いて)彼ら(彼女ら、それら)自身/(they、themの代わりに用いて/as、like、thanの後で)
have(他)(感情・考えなどを)(心に)抱いている
compassion(名)(切実な)同情(心)、哀れみ ・have compassion 同情を寄せる
on(前)(動作の対象を表わして)~に対して、~に当てて
quickly(副)速く、急いで
my(代)私の
dainty(形)きゃしゃな、かわいらしい ・a dainty girl きゃしゃな女の子

Ariel soon returned with the king, Antonio, and old Gonzalo in their train, who had followed him, wondering at the wild music he played in the air to draw them on to his master's presence.

with(前)(同伴・同居を表わして)~を連れて
Gonzalo(名)ゴンザーロー(Shakespeare, The Tempestに登場するNaplesの誠実な老顧問官で、Prosperoの友)
in a person's train 人のあとに続いて
wonder(自)(~を)不思議に思う、(~に)驚く(at)
at(前)(感情の原因を表わして)~に(接して)、~を見て、聞いて、考えて
wild(形)(風・夜など)激しい、荒い、騒々しい
play(他)(曲を)(楽器で)演奏する
in the air 空中に(で)
draw(他)(副詞句を伴って)(ものを)(ある方向に)引き寄せる(onto)
onto(前)~の上へ
presence(名)面前、人前

This Gonzalo was the same who had so kindly provided Prospero formerly with books and provisions, when his wicked brother left him, as he thought, to perish in an open boat in the sea.

same(代)(the ~)同一のもの(こと、人)
who(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(人)(通例「人」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主格の場合)
so(副)(程度を表わして)(強意的に)とても、非常に、大変
kindly(副)親切に(も)、心温かく、優しく
provide(他)(人に)(~を)供給する、提供する、与える(with)
formerly(副)以前(は)、昔(は)(=previously)
with(前)(処置・関係の対象を導いて)~に対して、~について、~にとっては
provision(名)(複数形で)食料、糧食(=supplies)
when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
wicked(形)(人・言行など)(道徳的に)邪悪な、不思議な、不正な
leave(他)(副詞句を伴って)置き去りにする
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
think(自)考える
perish(自)(突然または非業な死に方で)死ぬ
in(前)(場所・位置・方向などを表わして)(乗り物など)に乗って
open(形)(船が)無甲板の

Grief and terror had so stupefied their senses, that they did not know Prospero.

grief(名)(死別・後悔・絶望などによる)深い悲しみ、悲痛
terror(名)(非常な)恐怖
so(副)(程度・結果を表わして)(so ~ that ~で)(順送りに訳して)非常に~なので~
stupefy(他)(人を)ぼうっとさせる、(人の)感覚を鈍くする
sense(名)(one's senses)正気、意識
that(接)(副詞節を導いて)(so ~ thatの形で程度・結果を表わして)(非常に)~なので、~(する)ほど
do(助動)(be以外の動詞の否定文を作って)
know(他)(~を)見分ける、見て(~と)わかる

He first discovered himself to the good old Gonzalo, calling him the preserver of his life; and then his brother and the king knew that he was the injured Prospero.

first(副)(何はさておいても)まず
discover(他)(古)(秘密などを)明かす(=disclose)・discover oneself to somebody 人に名のる、名のり出る
himself(代)(再帰動詞の目的語に用いて)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に
good(形)(道徳的に)良い、善良な、有徳の(⇔evil)
call(他)(人を)(~と)呼ぶ、称する(+目+補)
preserver(名)保有者、保護者
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
life(名)(個人の)命、生命
then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+that)
injured(形)負傷した、けがをした

Antonio with tears, and sad words of sorrow and true repentance, implored his brother's forgiveness, and the king expressed his sincere remorse for having assisted Antonio to depose his brother: and Prospero forgave them; and, upon their engaging to restore his dukedom, he said to the king of Naples, ‘I have a gift in store for you too’; and opening a door, showed him his son Ferdinand, playing at chess with Miranda.

with(前)(様態の副詞句を導いて)~を示して、~して
tear(名)(通例複数形で)涙 ・with tears 涙を浮かべて
word(名)(しばしば複数形で)(口で言う)言葉
of(前)(of+名詞で形容詞句をなして)
sorrow(名)悲しみ、悲哀、悲痛、悲嘆
true(形)純種の、純粋な
repentance(名)後悔、悔恨、悔い改め
implore(他)(許し・慈悲などを)懇願(嘆願、哀願)する
forgiveness(名)(罪などの)許し、容赦
express(他)(思想などを)(言葉で)表現する、言い表わす
sincere(形)(感情・行動など)心からの、偽らぬ、本当の(=genuine)
remorse(名)(過ちに対する)良心の呵責(かしゃく)、自責(の念)(=regret)
for(前)(対象)(感情・趣味・適性などの対象を表わして)~に対して(する)、~を理解する
assist(他)(人を)手伝う、援助(助力)する(+目+to do)
depose(他)(人を)(高位から)退ける(=oust)
forgive(他)(人・罪などを)許す、大目に見る
on(前)(時間の接触を表わして)~するとすぐに、~と同時に(動作名詞または動名詞に伴う)
engage(他)(~することを)約束する、保証する(+to do)
restore(他)(失くしたもの・盗まれたものを)(~に)返す、返還する(=return)
dukedom(名)公爵領、公国(=duchy)
have(他)(通例副詞句を伴って)(~を)持っている、所有する、身につけている(in)
gift(名)贈り物、寄贈品、進物
in store 蓄えて、用意して ・have ~ in store ~を蓄えておく
open(他)(ドア・目・容器・包み・手紙などを)あける、開く(⇔close、shut)
show(他)(人に)(ものを)見せる、示す
Ferdinand(名)ファーディナンドShakespeare, The Tempestの中でMirandaに恋するNaplesの王子)
play(自)(~と)ゲーム(トランプ、チェス(など))をする
at(前)(従事・従事の対象を表わして)~に(取り組み)、~を
chess(名)チェス(盤上に白黒それぞれ16個、計32個のこまを動かし二人でするゲーム/「将棋」と異なり、一度捕獲されたこまは使えない/こまの種類はking、queen、rookまたはcastle、bishop、knight、pawn)・play at chess チェスをする
with(前)(敬称を表わして)~を相手に、~と
Miranda(名)ミランダ(Shakespeare, The Tempestの中で、Naplesの王子Ferdinandと恋し合うProsperoの娘)

Nothing could exceed the joy of the father and the son at this unexpected meeting, for they each thought the other drowned in the storm.

exceed(他)(~より)まさる
joy(名)喜び、うれしさ
of(前)(主格関係を表わして)(動作の行為者、作品の作者を表わして)~が、~の
this(形)(指示代名詞)この(⇔that)/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
unexpected(形)予期しない、意外な、突然の
meeting(名)(通例単数形で)出会い、面会、遭遇
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
each(代)(複数代名詞の同格に用いて)それぞれ
think(他)(~と)思う、考える(+that)
other(代)(the ~)(二つのうちの)ほかの一方(の人)、他方
drown(自)おぼれ死にする、溺死(できし)する
in(前)(環境を表わして)~の中で(を)
storm(名)あらし、暴風(雨)、大しけ

‘O wonder!’ said Miranda, ‘what noble creatures these are! It must surely be a brave world that has such people in it.’

O(間)(常に大文字で、直後にコンマまたは!は用いない)(驚き・恐怖・苦痛・願望などを表わして)ああ!、おお!、おや!
what(形)(疑問形容詞)(感嘆文に用いて)何という
noble(形)高潔な、気高い、崇高な
creature(名)(通例修飾語を伴って)人、やつ、女、子 ・What a low creature! 何という卑劣なやつだ。
these(代)(指示代名詞)これら(のもの、人)(⇔those)
it(代)(it is ~ thatの構文で文の主語・(動詞または前置詞の)目的語・副詞語句を強調して)(このitの次にくるbeの時制は通例clause内の動詞の時制と一致し、clause内の動詞の人称は直前の名詞・代名詞に一致する)
must(助動)(当然の推定を表わして)~にちがいない、~に相違ない、きっと~だろう
surely(副)きっと、必ずや
brave(形)りっぱな、すばらしい ・a brave new world すばらしい新世界(しばしば皮肉で/Shakespeare「あらし」から)
that(代)(関係代名詞)(It is ~ that ~の形で名詞(相当語句)を強調して)~のは
have(他)(ある関係を表わして)(肉親・友人などが)いる、(~が)ある

The king of Naples was almost as much astonished at the beauty and excellent graces of the young Miranda as his son had been.

almost(副)(形容詞・副詞を修飾して)だいたい、ほとんど
as much ~ as ~ ~と同じ程度に~
astonished(形)驚いた、びっくりした(at)
excellent(形)優れた、一流の、すばらしい
grace(名)(人を引きつける)美点、魅力、たしなみ

‘Who is this maid?’ said he; ‘she seems the goddess that has parted us, and brought us thus together.’

maid(名)(古)娘、少女
seem(自)(~と)見える、思われる、(~)らしい(通例話し手の推量をこめた見方・判断を示す語で、文法上の主語と判断の主体は一致しないことが多く、時に判断の主体を示すのにto a personを従えることがある)(+補)
goddess(名)(神話などの)女神
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(主語として)
part(他)(~から)(~を)引き離す、切り離す
bring together(人・ものを)呼び(寄せ)集める
thus(副)このように、かように
【参考文献】
Tales from Shakespeare (Penguin Classics) (English Edition)』Charles and Mary Lamb・著
シェイクスピア物語 上 (岩波文庫)』安藤貞雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
中学基本英単語1200』赤尾好夫・編(旺文社)
英語基本単語集』赤尾好夫・編(旺文社)
試験にでる英単語―実証データで重大箇所ズバリ公開 (青春新書)森一郎・著(青春出版社

『オペラハット』

この週末は、ブルーレイで『オペラハット』を見た。

1936年のアメリカ映画。
監督は、『我が家の楽園』『スミス都へ行く』の巨匠フランク・キャプラ
主演は、大スター、ゲイリー・クーパー
共演は、『我が家の楽園』『スミス都へ行く』のジーン・アーサー、『1941』のライオネル・スタンダー。
コロンビア映画
モノクロ、スタンダード・サイズ。
画質は良い。
華やかな音楽から始まる。
走っていた車がガードレールを飛び越えて落下。
大富豪が死んだらしい。
2000万ドルの遺産が残された。
この当時の2000万ドルって、どんな価値だろう。
今でも、約20億円だから、相当な大金だが。
遺産相続人は、甥に当たる、マンドレーク・シティのロングフェロー・ディーズ(ゲイリー・クーパー)。
ディーズは詩人であった。
と言っても、絵ハガキに詩を書いているだけである。
弁護士のジョン・シーダーが訪ねて来る。
しかし、ディーズは、遺産相続には全く興味がなかった。
ああ、如何にもフランク・キャプラが好きそうな設定である。
ディーズは独身で、チューバを吹くのが趣味であった。
彼は、伯父の死でニューヨークに住むことになった。
彼を見送るため、駅に町中の人が集まって来る。
ディーズは、自分が見送られる立場なのに、何と、楽団と一緒にチューバを吹いていた。
列車が出発する。
この場面はスクリーン・プロセス。
乗っているのはコンパートメント(と言うより、偉そうな個室)。
そして、この時代なのに、列車を牽引しているのは電気機関車であった。
シーダーは、50万ドルを横領していたので、帳簿の不正を何とか誤魔化そうとするが、ディーズには通用しない。
ディーズの相続に反対する内縁の妻の代理人
まあ、下手にカネを持っていると、色んなヤツがタカリに来て、面倒だろうな。
新聞社はディーズにインタビューしようとするが、面会謝絶で会えない。
各紙は必死で彼のネタを探そうとする。
女性記者ベイブ・ベネット(ジーン・アーサー)は上司に、ディーズを取材出来たら1ヶ月の有給休暇を得るという条件を認めさせる。
一方、ディーズの周辺はカネに群がる連中ばかり。
18万ドルもの赤字を出しているオペラ事業を、ディーズの遺産で補填して続けようとする。
彼は会議の議長に選ばれたが、形だけの議長で、別の者が進行しようとするのを看破する。
シーダーは、本来は700万ドルを相続する権利があるという内縁の妻について、100万ドルで良いとディーズに持ち掛ける。
が、ディーズはかえって怪しいと思う。
シーダーは、自分はディーズの顧問弁護士を引き受けたと主張するが、ディーズは、そんなものを頼んだ覚えはない。
突然金持ちになったディーズは、自由に行動出来ない。
外出にもボディガードが着いて来ようとするので、ロッカーに閉じ込めてしまった。
ベイブは、散歩に出掛けたディーズの前で、わざと倒れる。
何という古典的な手だろう(まあ、本作は古典だが)。
ディーズは、放っておけないので、彼女を助ける。
と言っても、ジーン・アーサーは1900年生まれだから、もう30歳代半ばだ。
今更そんな手を使えるような年齢でもなかろうに。
けれども、純粋なディーズはそんなことは露とも知らない。
彼は、ベイブを文壇レストランへ連れて行く。
何とか、彼女にいいところを見せたいのだろう。
二人で食事。
「君に出会ったのが一番嬉しい。」
文壇レストランだけあって、有名な詩人がたくさん来ている。
絵ハガキ詩人のディーズは、今や財産相続で顔を知られていた。
年配の文豪達は「ちょっと絵ハガキ詩人をからかってやろう」と不敵な笑みを浮かべる。
笑い者にされて激怒するディーズ。
そりゃそうだろう。
人間として最低だ。
で、ディーズは、この作家連を殴ってしまう。
更に、酔っ払いの大作家と夜の街を観光する。
もちろん、ベイブはこの一部始終を見ていた。
自宅に帰ってから、必死で面白い記事を書く彼女。
翌朝、ディーズのことを「シンデレラ男」と名付けた記事が出た。
ベイブも笑っている。
ディーズは、二日酔いで、昨夜のことを何も覚えていない。
まあ、僕も若い頃は、こういうことがよくあった。
昨夜、ディーズはパンツ1枚で「自然に帰れ!」と叫んでいたらしい。
それを新聞記事で知って、ビックリ!
何か、某元国民的アイドル・グループとやらの公然ワイセツという破廉恥な犯罪で逮捕・家宅捜索された草◯某みたいだな(個人を特定されてジ○ニ○ズ・オタクから攻撃されては堪らないので、伏せ字にしておく)。
愕然としたディーズは、「もう彼女としか話しをしない」と決める。
記事を書いたのが彼女だとも知らずに。
「あの記事を書いたヤツをぶっ飛ばしてやる!」
さあ、これからどうなる?
クライマックスの裁判のシーンは、如何にもフランク・キャプラである。
そして、これまたフランク・キャプラらしい大団円。
彼は、人間を信じているんだろうな。
現代人の目から見れば、甘過ぎる気もするけれども、こういう作品を受け入れられないのは、心が汚れてしまっているからだろうか。
本作には多数のエキストラが登場する群衆シーンがあるが、今なら一気に感染が拡がるだろう。
余談だが、本作にはロングフェローとかベネットとか、如何にも文学的な役名が幾つも登場する。
アカデミー賞監督賞受賞。

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『シェイクスピア物語』を原書で読む(第12回)

The Tempest(第8回)
(テキスト14ページ、7行目~)
(※赤字は大学受験レベルの語)

At this Prospero smiled, and nodded his head, as much as to say, ‘This goes on exactly as I could wish; my girl will be queen of Naples.’

at(前)(感情の原因を表わして)~に(接して)、~を見て、聞いて、考えて
this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
Prospero プロスペロ(Shakespeare, The Tempestの主人公/弟の策略で追放されて無人島に漂着し、魔法を体得したMilanの公爵)
nod(他)(承知・あいさつなどを示して)(頭を)うなずかせる ・nod one's head うなずく
his(代)彼の
as much as to say ~ ~といわぬばかりに
go on(仕事などが)(うまく)進む
exactly(副)まさに、ちょうど(=just)
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
wish(自)(省略的構文で)(そう)望む、願う
my(代)私の
girl(名)(しばしばone's ~)(年齢に関係なく)娘
will(助動)(単純未来を表わして)~だろう、~でしょう
queen(名)王妃
Naples(名)ナポリ(イタリア南部の港市)

And then Ferdinand, in another fine long speech (for young princes speak in courtly phrases), told the innocent Miranda he was heir to the crown of Naples, and that she should be his queen.

then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
Ferdinand(名)ファーディナンドShakespeare, The Tempestの中でMirandaに恋するNaplesの王子)
in(前)(道具・材料・表現様式などを表わして)~で、~でもって、~で作った
another(形)別の、ほかの
fine(形)(言葉・文章など)華麗な、ひどく飾りたてた
long(形)(時間・過程・行為など)長い、長期にわたる
speech(名)話すこと、発言
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
courtly(形)優雅な、奥ゆかしい
phrase(名)語法、言い回し、言葉づかい
tell(他)(人に)(~を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+that)
innocent(形)無邪気な、純真な、あどけない(=naive)
Miranda(名)ミランダ(Shakespeare, The Tempestの中で、Naplesの王子Ferdinandと恋し合うProsperoの娘)
heir(名)(財産・地位などの)相続人、法定相続人(to)
to(前)(付属・関連・関係を表わして)~の、~に(とっての)
crown(名)(the ~)帝王の身分、帝(王)位
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
should(助動)(可能性・期待を表わして)きっと~だろう、~のはずである

‘Ah! sir,’ said she, ‘I am a fool to weep at what I am glad of. I will answer you in plain and holy innocence. I am your wife, if you will marry me.’

ah(間)(喜び・悲しみ・驚き・苦痛・軽蔑・哀れみ・嘆きなどを表わして)ああ!、おお!
sir(名)(男性への呼び掛け)あなた、先生、閣下、お客さん、だんな(見知らぬ人に、召し使いから主人に、生徒から先生に、店員から客に、目上から目下に、または議会で議長に対する敬称/日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い)
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)/(+that)
fool(名)ばか者(=idiot)
weep(自)(涙を流して)泣く(at)
what(代)(関係代名詞)(~する)もの(こと)(which、who、thatなどと異なり、意味上先行詞を含む関係代名詞で名詞節を導く)
glad(形)うれしくて、喜ばしくて(⇔sad)(of)
of(前)(目的格関係を表わして)(形容詞に伴って)~を
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
answer(他)(人・質問・手紙などに)答える
in(前)(状態を表わして)~の状態に(で)
plain(形)(人・言動など)率直な、腹蔵のない、飾り(ごまかし)のない
holy(形)神聖な、聖なる
innocence(名)純潔、純真
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
will(助動)(意志未来を表わして)(条件文のif-clause中で主語(相手)の好意を期待して)~してくださる

Prospero prevented Ferdinand's thanks by appearing visible before them.

prevent(他)(~を)防ぐ、妨げる
thank(名)(複数形で)感謝、謝辞(=gratitude)
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
appear(自)(~(のよう)に)見える、(~と)思われる(+補)
visible(形)(目に)見える
before(前)(位置・場所などを表わして)~の面前(眼前)に

‘Fear nothing, my child,’ said he; ‘I have overheard, and approve of all you have said. And, Ferdinand, if I have too severely used you, I will make you rich amends by giving you my daughter. All your vexations were but my trials of your love, and you have nobly stood the test. Then as my gift, which your true love has worthily purchased, take my daughter, and do not smile that I boast she is above all praise.’

fear(他)(~を)恐れる、怖がる
child(名)(親に対して)子(息子・娘)
overhear(他)(気づかれずに)ふと耳にする
approve(自)(~に)賛成する、満足の意を表わす、(~を)満足に思う(of)
of(前)(関係・関連を表わして)~の点において、~に関して、~について
all(代)(単数扱い)(関係詞節を従えて)(~の)すべてのこと(関係代名詞に通例省かれる)
too(副)(形容詞・副詞の前に置いて)~すぎる
severely(副)厳しく
use(他)遇する、扱う、あしらう
make(他)(人に)(~を)する(+目+目)
rich(形)豊かな、たくさんな、潤沢な
amends(名)(複)(時に単数扱い)償い ・make amends 償う、埋め合わせをする
give(他)(人に)(ものを)与える、あげる(+目+目)
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
vexation(名)(しばしば複数形で)苦しみ、(悩み)の種、腹の立つこと、ままならぬこと
but(副)ただ、ほんの、~だけ
trial(名)(良否・性能などの)試み、試験、ためし
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
nobly(副)りっぱに、堂々と
stand(他)(人が)(~を)我慢する、耐える、辛抱する
test(名)ためすもの、試金石、試練
then(副)そういうわけで、結果として、つまり
as(前)~として
gift(名)贈り物、寄贈品、進物
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)/(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
true(形)本物の、正真正銘の
worthily(副)りっぱに
purchase(他)(古)(努力または犠牲を払って)(~を)得る
take(他)(妻を)めとる
do(助動)(否定の命令語を作って)
smile(他)(~と)ほほえんで言う、(承諾・感謝などを)ほほえんで表わす
boast(他)(~だと)自慢する、豪語する(+that)
above(前)(通例be動詞の補語として)~を超越して ・His bravity is above all praise. 彼の勇敢さは称賛の言葉がない。
all(形)(修飾的強意表現として補語または同格に用いて)(抽象名詞を修飾して)まったく~そのもので
praise(名)称賛、ほめる(られる)こと

He then, telling them that he had business which required his presence, desired they would sit down and talk together, till he returned; and this command Miranda seemed not at all disposed to disobey.

tell(他)(人に)(~を)話す、告げる、語る、言う、述べる(+目+that)
have(他)((~すべき(できる))用事・時間などを)もっている、与えられている
business(名)(やるべき)仕事、職務、務め、本分
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(主格の場合)
require(他)(あることを)必要とする
presence(名)出席、参列
desire(他)(~であるように)要望する(+that)
down(副)座って ・sit down 座る
till(接)(動作・状態の継続の期限を表わして)~まで、~になるまで、に至るまで(ずっと)
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
command(名)(権威をもった)命令、言いつけ
seem(自)(~と)見える、思われる、(~)らしい(通例話し手の推量をこめた見方・判断を示す語で、文法上の主語と判断の主体は一致しないことが多く、時に判断の主体を示すのにto a personを従えることがある)(+補)
at all(否定文に用いて)少しも(~でない)
disposed(形)(~したい)気がして、気を起こして(=inclined)(+to do)
disobey(他)(人・命令などに)従わない、違反する、そむく(=defy)

When Prospero left them, he called his spirit Ariel, who quickly appeared before him, eager to relate what he had done with Prospero's brother and the king of Naples.

when(接)~する時に、~時(時を表わす副詞節をつくる)
call(他)(~を)呼び出す、呼び寄せる、呼ぶ、招く
spirit(名)妖精(=sprite、elf)
Ariel(名)エーリエル(空気の精/Shakespeareの「あらし」に出てくる)
who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例コンマが置かれる)そしてその人は
quickly(副)速く、急いで
appear(自)(ものが)姿を見せる、出現する、現われる(⇔disappear)
eager(形)(~を)しきりに求めて、熱望(切望)して(+to do)
relate(他)(話・経験などを)話す、物語る
what(代)(関係代名詞)(不定数量の選択に関して用いて)何、どんなもの(こと)、何もの、何事/(目的語の場合)
do with ~(疑問代名詞whatを目的語として)(どのように)~を処置する ・What have you done with my book? 私の本をどうしましたか。

Ariel said, he had left them almost out of their senses with fear, at the strange things he had caused them to see and hear.

leave(他)(人・ものを)(~の状態に)しておく(+目+補)
almost(副)(形容詞・副詞を修飾して)だいたい、ほとんど
out of(前)~がなくて、~を失って
their(代)彼ら(彼女ら)の
sense(名)(one's senses)正気、意識 ・out of one's senses 正気を失って
with(前)(原因を表わして)~のせいで、~のゆえに、~のために ・with fear 怖くて
thing(名)(無形の)こと、事(柄)、事件 ・a strange thing 不思議な事件
cause(他)(人・ものに)(~)させる(+目+to do)
see(自)見える
hear(自)(耳が)聞こえる

When fatigued with wandering about, and famished for want of food, he had suddenly set before them a delicious banquet, and then, just as they were going to eat, he appeared visible before them in the shape of a harpy, a voracious monster with wings, and the feast vanished away.

fatigued(形)疲れ(果て)て ・I was fatigued with sitting up all night. 徹夜して疲れていた。
wander(自)(副詞句を伴って)(あてもなく)歩き回る、さまよう
about(副)(通例動作を示す動詞に伴って)(~し)回る、回す
famished(形)空腹で(=starving)
for want of ~ ~の不足のため
delicious(形)(食物など)とてもおいしい、うまい
banquet(名)(大勢の人が出席しての正式の)宴会
as(接)(時を表わして)~している時
be going to do(まさに)~しようとするところだ、~しかかっている
eat(自)食事をする
in the shape of ~ ~の姿をした
harpy(名)ハーピー、パルピュイア(顔と体が女で鳥の翼とつめを持った貪欲な怪物の一つ)
voracious(形)むさぼり(がつがつ)食う、がつがつしている
monster(名)(想像上の)怪物、化け物
with(前)(所持・所有を表わして)~を持って(た)、~のある
feast(名)(手の込んだ)ごちそう
vanish(自)(今まで存在していたものが)なくなる、消滅する
away(副)(消失・除去を表わして)なくなって、(消え)去って

Then, to their utter amazement, this seeming harpy spoke to them, reminding them of their cruelty in driving Prospero from his dukedom, and leaving him and his infant daughter to perish in the sea; saying, that for this cause these terrors were suffered to afflict them.

to(前)(結果・効果を表わして)(通例to a person'sに感情を表わす名詞を伴って)~したことには、~にも
utter(形)まったくの、完全な、徹底的な(=total)
amazement(名)驚き、驚嘆 ・to one's amazement 驚いたことには
seeming(形)見せかけの、もっともらしい(=apparent)
remind(他)(人・ものが)(人に)思い出させる、気づかせる、注意する(of)
cruelty(名)残虐、残虐性、むごたらしさ
in(前)(性質・能力・芸などの分野を限定して)~において、~が
drive(他)(副詞句を伴って)追い出す ・They drove the enemy from the country. 彼らは敵を国外へ追い払った。
dukedom(名)公爵領、公国(=duchy)
leave(他)(~する)ままにしておく(+目+to do)
infant(形)幼児の、小児の ・one's infant daughter 幼い娘
perish(自)(突然または非業な死に方で)死ぬ
for(前)(原因・理由)~の理由で、~のため(=because of)
cause(名)原因、もと(⇔effect)
terror(名)恐怖の種(的)、恐ろしい人(もの)
suffer(他)(古)(人に)(~することを)許す、(黙って)(人に)(~)させる(+目+to do)
afflict(他)(人を)(精神的・肉体的に)苦しめる、悩ます(=affect)
【参考文献】
Tales from Shakespeare (Penguin Classics) (English Edition)』Charles and Mary Lamb・著
シェイクスピア物語 上 (岩波文庫)』安藤貞雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)
中学基本英単語1200』赤尾好夫・編(旺文社)
英語基本単語集』赤尾好夫・編(旺文社)
試験にでる英単語―実証データで重大箇所ズバリ公開 (青春新書)森一郎・著(青春出版社

『シェイクスピア物語』を原書で読む(第11回)

The Tempest(第7回)
(テキスト13ページ、1行目~)
(※赤字は大学受験レベルの語)

‘I have not indeed,’ answered Ferdinand; and not knowing that it was by magic he was deprived of all power of resistance, he was astonished to find himself so strangely compelled to follow Prospero; looking back on Miranda as long as he could see her, he said, as he went after Prospero into the cave, ‘My spirits are all bound up, as if I were in a dream; but this man's threats, and the weakness which I feel, would seem light to me, if from my prison I might once a day behold this fair maid.’

have(他)(部分・属性として)(特徴・性質・能力などを)もっている
answer(他)(人に)(~と)答える、答えて言う(+引用)
Ferdinand(名)ファーディナンドShakespeare, The Tempestの中でMirandaに恋するNaplesの王子)
not(副)(不定詞・分詞・動名詞の前に置いてそれを否定して)(~し)ない
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+that)
that(接)(名詞節を導いて)(~)ということ/(目的語節を導いて)
it(代)(形式主語としてあとにくる事実上の主語の不定詞句・動名詞句・that節などを代表して)
magic(名)魔法、魔術
deprive(他)(~から)(ものを)奪う、拒む(of)
of(前)(分離・剥奪を表わして)(動詞とともに用いて)(~から)~を(~する)・deprive A of B AからBを奪う
power(名)力(of)
resistance(名)抵抗、反抗
astonished(形)驚いた、びっくりした(+to do)
find(他)(find oneselfで)(自分が)(~の状態(場所)に)いるのに気づく(+目+補)
himself(代)(再帰的に用いて)(再帰動詞の目的語に用いて)
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい
strangely(副)奇妙に、変に
compel(他)(~に)(~するように)強(し)いる、無理に(~)させる(+目+to do)
Prospero プロスペロ(Shakespeare, The Tempestの主人公/弟の策略で追放されて無人島に漂着し、魔法を体得したMilanの公爵)
look back 振り返って見る
on(前)(動作の対象を表わして)~に対して、~に当てて
Miranda(名)ミランダ(Shakespeare, The Tempestの中で、Naplesの王子Ferdinandと恋し合うProsperoの娘)
as ~ as one can できるだけ
long(副)長く、長い間、久しく
say(他)(人に)(~と)言う、話す、述べる、(言葉を)言う(+引用)
as(接)(時を表わして)~しながら
go after ~ ~を追いかける、(異性など)のあとを追い回す
cave(名)ほら穴、洞窟(どうくつ)
my(代)私の
spirit(名)心(=soul)
all(代)(複数扱い)(同格にも用いて)だれも、みな
bound(形)bindの過去形・過去分詞
bind(他)(ものを)縛る、くくる、(~に)縛りつける
up(副)しっかりと、ぎっしりと
as if まるで~であるかのように(as if節の中では仮定法を用いる)
threat(名)脅し、脅迫
weakness(名)優柔不断、軟弱、気の弱さ
which(代)(関係代名詞)(制限的用法で)~する(した)(もの、事)(通例「もの」を表わす名詞を先行詞とする形容詞節をつくる)/(目的格の場合)
feel(他)(喜び・悲しみ・怒りなどを)感じる、覚える
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(現在または未来の事柄について帰結節で無意志の仮定を表わして)~(する)だろう
seem(自)(~と)見える、思われる、(~)らしい(通例話し手の推量をこめた見方・判断を示す語で、文法上の主語と判断の主体は一致しないことが多く、時に判断の主体を示すのにto a personを従えることがある)/(to+代名+補)
light(形)(病気・誤り・罪などが)軽微な、些細な
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~にとっては、~には
if(接)(仮定・条件を表わして)もしも~ならば、~とすれば/(現在の事実に反する仮定を表わす場合)(if節中では過去形を用い、帰結の主節には通例would、shouldなど助動詞の過去形が用いられる)
from(前)(視点・観点を表わして)~から(見ると)
might(助動)(仮定法仮定)(現在の仮定や仮定の結果を表わす節で)(許可を表わして)~してもよい(のなら)
a(前)(単位を表わす語につけて)~につき、~ごとに(=per)
behold(他)(異常なものなどを)見る
fair(形)(古)(女性が)美しい ・a fair woman 美人
maid(名)(古)娘、少女

Prospero kept Ferdinand not long confined within the cell: he soon brought out his prisoner, and set him a severe task to perform, taking care to let his daughter know the hard labour he had imposed on him, and then pretending to go into his study he secretly watched them both.

keep(他)(人を)(~の状態に)引き留めておく(+目+補)
not(副)(述語動詞・文以外の語句を否定して)~でなく
confine(他)(~を)閉じ込める(通例受身)
within(前)~の内に、~の中に
cell(名)(隠遁者や行者の)ひとり住まいの小屋、庵(いおり)
bring out(人・ものを)持ち(連れ)出す
his(代)彼の
prisoner(名)捕らえられた
set(他)(人を)(部署などに)配置する
severe(形)(仕事・試験など)困難な、難しい、骨の折れる(=stiff)
task(名)(つらくて骨の折れる)仕事 ・set a person a task 人に仕事を課する
perform(他)(任務・機能・命令・約束などを)果たす、実行する
take care 注意する、気をつける(+to do)
let(他)(使役を表わして)(人に)(働きかけて)(~)させる(+目+原形)(原形はknow、hear、seeなどに限られる)
know(他)(~を)知る、知っている、(~が)わか(ってい)る(+that)/(+wh.)
labour(名)(英)=labor
hard labor(名)(刑罰としての)重労働
impose(他)(義務・罰・税などを)(人に)負わせる、課する、賦課する(on)
then(副)(しばしばandを伴って、前に続くことを示して)それから、その後で
pretend(他)(~の)ふりをする(+to do)
go into ~ ~に入る
study(名)書斎、研究室
secretly(副)隠れて、こっそりと、ないしょで
watch(他)(~を)監視する、見張る
both(代)(複数扱い)両者、両方、双方

Prospero had commanded Ferdinand to pile up some heavy logs of wood.

command(他)(権力・権限のある者が)(~を)命令する、命じる(+目+to do)
pile(他)(副詞句を伴って)(ものなどを)積み重ねる
log(名)丸太

Kings' sons not being much used to laborious work, Miranda soon after found her lover almost dying with fatigue.

much(副)(過去分詞を修飾して)大変に、非常に、大いに
used(形)(~に)慣れて(to)
to(前)(行為・作用の対象を表わして)~に対して、~に ・talk to ~と話をする
laborious(形)(仕事など)骨の折れる、困難な、面倒な
after(副)(時を表わして)あとに、後に ・soon after すぐあとに
find(他)(~を)(偶然)見つける、ふと見つける(+目+doing)
her(代)彼女の
lover(名)恋人、愛人
almost(副)(形容詞・副詞を修飾して)だいたい、ほとんど
dying(形)死にかかっている、瀕死(ひんし)の
with(前)(原因を表わして)~のせいで、~のゆえに、~のために
fatigue(名)疲労、疲れ

‘Alas!’ said she, ‘do not work so hard; my father is at his studies, he is safe for these three hours: pray, rest yourself.’

alas(間)(悲嘆・憂慮などを表わして)ああ!、悲しいかな!
work(自)働く、仕事をする
so(副)(程度を表わして)それ(これ)ほど、そんな(こんな)に、これくらい
at(前)(従事・従事の対象を表わして)~に(取り組み)、~を
study(名)(複数形で)(従事している)研究、学業
for(前)(時間・距離を表わして)(予定期間として)~の間(は)・for hours 何時間もの間
three(形)(基数の3)3の、3個の、3人の
pray(副)どうぞ、どうか、願わくは(=please)
rest(他)(rest oneselfで)休息する
yourself(代)(再帰的に用いて)あなた自身を(に)/(再帰動詞の目的語に用いて)

‘O my dear lady,’ said Ferdinand, ‘I dare not. I must finish my task before I take my rest.’

O(間)(常に大文字で、直後にコンマまたは!は用いない)(呼び掛けの名の前に用いて)ああ!、おお!
lady(名)(呼び掛けに用いて)奥方、奥様、お嬢様
dare(助動)(否定・疑問・条件文に用いて)あえて~する、思い切って(恐れずに、生意気にも)~する
before(接)~より前に、(~する)に先だって、~しないうちに
take(他)(休息・休暇を)とる、楽しむ ・take a rest 休息する
rest(名)(ひと時の)休み、休憩、休息 ・take a rest 休む

‘If you will sit down,’ said Miranda, ‘I will carry your logs the while.’

will(助動)(意志未来を表わして)(条件文のif-clause中で主語(相手)の好意を期待して)~してくださる
down(副)座って ・sit down 座る
will(助動)(意志未来を表わして)(1人称の主語に伴い、発話時の話者の意志を表わし、約束・諾否・主張・選択などを示して)~するつもりである、~しようと思う
your(代)あなた(たち)の、君(ら)の
the while(副詞句として)その間

But this Ferdinand would by no means agree to.

this(代)(指示代名詞)(すぐ前に言われたことをさして)こう、こういう、このこと
would(助動)(過去の意志・主張・拒絶を表わして)(どうしても)~しようとした
by no means 決して~しない(でない)

Instead of a help, Miranda became a hindrance, for they began a long conversation, so that the business of log-carrying went on very slowly.

instead of ~(前置詞的に)~の代わりに
help(名)援助、手伝い
become(自)(~に)なる(+補)
hindrance(名)じゃまな人(もの)、足手まとい、妨害物、故障
for(接)(通例コンマ、セミコロンを前に置いて、前文の付加的説明・理由として)という訳は~だから(=as、since)
long(形)(時間・過程・行為など)長い、長期にわかる
conversation(名)会話、談話、対話、座談、会談
so that(結果の副詞節を導いて)それで、そのため
business(名)(やるべき)仕事、職務、務め、本分
go on(仕事などが)(うまく)進む
slowly(副)ゆっくり、遅く

Prospero, who had enjoined Ferdinand this task merely as a trial of his love, was not at his books, as his daughter supposed, but was standing by them invisible, to overhear what they said.

who(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)そしてその人は
enjoin(他)(~を)申しつける、押しつける、強いる
this(形)(指示形容詞)この(⇔that)/(対話者同士がすでに知っているもの(人)をさして)
merely(副)単に(~にすぎない)
as(前)~として
trial(名)(良否・性能などの)試み、試験、ためし
of(前)(目的格関係を表わして)(しばしば動作名詞または動名詞に伴って)~を、~の
at one's books 勉強中で
as(接)(様態・状態を表わして)~のように
suppose(他)(知っていることから)推測する、思う、考える(+that)
but(接)(等位接続詞)(前の否定語・句・文と照応して)(~ではなく)て(not A but Bで「AではなくBである」の意を表わす表現)
stand(自)(~の状態で)立つ(+補)
by(前)(場所・位置を表わして)~のそばに(で)、のかたわらに(の)、の手元に
invisible(形)目に見えない
overhear(他)(気づかれずに)ふと耳にする
what(代)(関係代名詞)(~する)もの(こと)(which、who、thatなどと異なり、意味上先行詞を含む関係代名詞で名詞節を導く)・What I say is true. 私の言うことは本当です。

Ferdinand inquired her name, which she told, saying it was against her father's express command she did so.

inquire(他)(~を)尋ねる、問う ・I will inquire his name. あの人の名前を尋ねてみよう。
which(代)(関係代名詞)(非制限的用法で/通例前にコンマが置かれる)(主格・目的格の場合)そしてそれは(を)
against(前)~にそむいて、~に反して
express(形)明示された(⇔implied)・an express command 明示された命令
command(名)(権威をもった)命令、言いつけ
do(他)(代動詞としてbe以外の動詞の反復を避けるのに用いて)
so(副)(代名詞的に)(代動詞doの目的語として)そう、そのように

Prospero only smiled at this first instance of his daughter's disobedience, for having by his magic art caused his daughter to fall in love so suddenly, he was not angry that she showed her love by forgetting to obey his commands.

only(副)ただ~だけ、~にすぎない
at(前)(方向・目標・目的を表わして)~を(ねらって)、~に(向かって)
instance(名)例、実例、事例、実証(of)
disobedience(名)不服従、反抗
for(前)(原因・理由)~の理由で、~のため(=because of)(+doing)
by(前)(手段・媒介を表わして)~で
magic(形)魔法の、魔法のような、不思議な ・the magic arts 魔法
art(名)(専門の)技術、(特殊な)技芸
cause(他)(人・ものに)(~)させる(+目+to do)
fall in love ほれる、恋する
angry(形)(~に)怒って、腹を立てて
that(接)(副詞節を導いて)(原因・理由を表わして)~だから、~ゆえに
show(他)(感情・態度・気配などを)表わす、(好意・感謝などを)示す
by(前)(手段・方法・原因・媒介を表わして)(doingを目的語にして)(~すること)によって
forget(他)忘れて(~)しない、(~)し忘れる(+to do)
obey(他)(命令を)遵奉する(⇔disobey)
command(名)(権威をもった)命令、言いつけ

And he listened well pleased to a long speech of Ferdinand's, in which he professed to love her above all the ladies he ever saw.

well(副)(able、aware、worthなどの叙述形容詞の前に置いて)かなり、十分に
pleased(形)喜んで、満足して(=happy/⇔displeased)
speech(名)話すこと、発言
in(前)(範囲を表わして)~において、~内で
profess(他)(~だと)公言する、明言する
love(他)(人などを)愛する、かわいがる、大事にする
above(前)(基準・数量など)~を超える(て)
all(形)(複数名詞の前に置いて)あらゆる、すべての、みな
ever(副)(比較級の前後・最上級の後でそれらを強めて)これまで、今まで、ますます
see(他)(人に)会う、面会する

In answer to his praises of her beauty, which he said exceeded all the women in the world, she replied, ‘I do not remember the face of any woman, nor have I seen any more men than you, my good friend, and my dear father. How features are abroad, I know not; but believe me, sir, I would not wish any companion in the world but you, nor can my imagination form any shape but yours that I could like. But, sir, I fear I talk to you too freely, and my father's precepts I forget.’

in answer to ~ ~に答えて
praise(名)称賛、ほめる(られる)こと(of)
exceed(他)(~より)勝る
in the world(最上級を強めて)世界中で
reply(他)(~と)答える(目的語には答える内容がくるので、人称代名詞やletterなどの名詞は用いられない)(+引用)
any(形)(否定文で名詞の前に用いて)(可算の名詞の単数形につけて)何か一つの(~もない)、だれか一人の(~もない)(a(n)の代用であるが、やや強調的)
nor(接)(否定の節・文の後に用いて)~もまた~ない(「nor+助動詞+主語」の倒置が起きる)
any(形)(否定文で名詞の前に用いて)(可算の名詞の複数形または不可算の名詞につけて)少しも(~ない)、何も(~ない)、だれも(~ない)
more(形)(many、muchの比較級)余分の、まだほかにある
than(接)(other、otherwise、elseなどを伴って)~よりほかの、~よりほかには
good(形)仲の良い、親しい、親密な ・a good friend 親友、仲よし
how(副)(疑問詞)(状態を尋ねて)どんな状態(具合)で
sir(名)(男性への呼び掛け)あなた、先生、閣下、お客さん、だんな(見知らぬ人に、召し使いから主人に、生徒から先生に、店員から客に、目下から目上に、または議会で議長に対する敬称/日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い)
would(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(1人称の主語に伴い、話し手の意見・感情を婉曲に表現して)~したいと思う、~させてもらいたい
wish(他)(人が)(~を)望む
companion(名)仲間、友
but(前)(no one、nobody、none、nothing、anythingやall、every one、またwhoなどの疑問詞などのあとに用いて)~のほかに(の)、~を除いて(た)(=except)
imagination(名)想像、想像力、構造力
form(他)(ものを)形づくる、形成する
shape(名)(またa ~)姿、様子、なり
yours(代)あなた(たち)のもの
that(代)(関係代名詞)(人・ものを表わす先行詞を受けて通例制限用法で)(~する(である))ところの/(他動詞・前置詞の目的語として)
could(助動)(仮定法(叙想法)で用いて)(条件節の内容を言外に含めた主節だけの文で/婉曲的に)~できるだろうに、~したいくらいだ
like(他)(~を)好む、(~が)好きである
fear(他)(よくない事態を気づかって)(~ではないかと)思う、気づかう、恐れる(+that)
talk(自)(人と)話をする、話し(語り)合う(to)
too(副)(形容詞・副詞の前に置いて)~すぎる
freely(副)遠慮なく、腹蔵する
precept(名)(道徳・思想上の)原則、おきて、戒律、教訓、訓示、勧告(=principle)
【参考文献】
Tales from Shakespeare (Penguin Classics) (English Edition)』Charles and Mary Lamb・著
シェイクスピア物語 上 (岩波文庫)』安藤貞雄・訳
新英和中辞典 [第7版] 並装』(研究社)
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]』(研究社)
リーダーズ・プラス』(研究社)
新英和大辞典 第六版 ― 並装』(研究社)
中学基本英単語1200』赤尾好夫・編(旺文社)
英語基本単語集』赤尾好夫・編(旺文社)
試験にでる英単語―実証データで重大箇所ズバリ公開 (青春新書)森一郎・著(青春出版社

『我等の仲間』

お盆休みは、ブルーレイで『我等の仲間』を再見した。

1936年のフランス映画。
監督は、フランス古典映画の巨匠ジュリアン・デュヴィヴィエ
音楽は、『北ホテル』のモーリス・ジョベール。
主演は、『フレンチ・カンカン』『シシリアン』の大スター、ジャン・ギャバン
共演は、『泥棒成金』のシャルル・ヴァネル
モノクロ、スタンダード。
このブルーレイに収録されているのは、2015年に復元されたオリジナル・バージョン。
画質は良い。
明るいテーマ曲。
造花を作っている女達。
その一人ユゲットの婚約者マリオがやって来る。
警察がマリオの周囲を嗅ぎ回っているという。
だから、マリオは自分の部屋には戻れないと。
安宿「イギリス王」にはマリオの仲間ジャン(ジャン・ギャバン)が暮らしている。
失業中で宿代が払えない。
家主は「追い出してやる!」と息巻くが、彼らは他に行く宛てもないので、頑なに出て行かない。
そこへ、マリオが「かくまってくれ」と言ってやって来るが、当然ムリ。
近くのカフェにマリオが行くと、女房と別れたシャルルがいる。
マリオの状況を知って、シャルルは「かくまってやろう」と言う。
マリオは、ユゲットにコンパクトをプレゼントしたいが、カネがない。
タンタンは、店のUFOキャッチャー(!)でコンパクトを取る。
こんな時代のフランスにUFOキャッチャーがあったとは!
更に、店主がいないスキに、台を傾け、インチキをして、UFOキャッチャーで時計やら何やらを取りまくる。
そこへ、マリオと待ち合わせたユゲットがやって来る。
男達から彼女にプレゼントが渡される(どれもUFOキャッチャーの景品だが)。
マリオからは、彼女が欲しがっていたコンパクト(もちろん、UFOキャッチャーの景品)をプレゼントする。
マリオは寝る場所もないが、ジャンが「心配するな、オレの部屋に泊めてやる。」
そして、連中は「イギリス王」へ。
ロウソクの灯かりでトランプをする。
タンタンの声がデカイので、宿中に響き渡る。
そこへ、行商に出ていたジャックが帰って来る。
タンタンと買った宝くじが当たったという。
10万フラン!
まあ、この時代の10万フランというのが、現在の日本円に換算すると幾らくらいなのか分からないが。
この後、レストランを改築出来るくらいだから、何百万円ではないよな。
1億円くらいか。
で、この朗報を聞いて、大家もゴキゲン。
皆はジャンの部屋でワインで乾杯する。
賑やかなタンタンは、宿中の人達に声を掛けて、ジャンの部屋はさながらパーティー状態になる。
中には子連れで酒を飲む親も。
今の日本なら大問題になるだろう。
大らかな時代だ。
翌日、5人はくじを現金に引き換える。
彼らは、まずボロい靴を買い換える。
それから、スーツも新調。
5人は10万フランを一人2万フランずつ山分けする。
それぞれ、自分の夢を実現するのに使おうとあれこれ思いを巡らすが、結局、5人で組んで家を買おうということになる。
5人とユゲットは川をボートを漕いでさかのぼり、家事に遭って放置されていた山荘の廃墟を見付ける。
「ここを買って、レストランを作ろう!」
最初は、誰が誰かという人間関係が分かり難かったが、いつの間にかハッキリした。
登場人物それぞれのキャラクターがしっかりと描き分けられていて、物語に溶け込んでいる。
5人で協力して、ボロ家の改築を開始する。
ユゲットが彼らの食事を作る。
レストランの名前は、ユゲットが提案した「我らの家」に皆が賛同して決まった。
なお、原文では「chez nous」と言っている。
英語に直すと「at us」、つまり、「我々のところで」になる。
ちなみに、本作の原題「La belle equipe」は、英語に直すと「The nice team」、つまり「すばらしき仲間」くらいの意味だろう。
タンタンは給仕を担当。
マスターは全員。
「ここでは市民が大統領だ!」とジャン。
まるで、山本太郎みたいだな。
昨今、国民や都民よりもオリンピックの方が大事なガースーや小池のような政治家が多いが、是非このセリフを聞いて欲しい。
山本太郎を過激派呼ばわりするネトウヨも多いが、彼の言っていることは間違っていない。
むしろ、これまでの永田町の政治家の論理が間違っていたのだ。
ただ、彼には政治力がない。
野党の中でも孤立しているから、現実の政治の世界で活躍するのは難しいだろう。
話しが逸れてしまった。
さて、5人が一生懸命レストランを改築しているところへ、シャルルの別れた妻ジーナが訪ねて来る。
要するに、「分け前が欲しい」と。
この女は、男に色目を使う性悪女なのだが。
一方、ジャックはユゲットに気がある。
しかし、ユゲットはマリオの婚約者だ。
ジャンは、横恋慕は「全てが水の泡になる」とジャックを諭す。
家を完成させるのが第一だと。
ところが、皮肉なことに、結局はジャンも横恋慕で破滅することになるのだが。
その夜、大嵐がやって来る。
ガラス屋根は割れ、瓦は吹き飛ばされる。
全員で屋根に上がって、雨風が吹き付ける中、瓦が飛ばないように押さえる。
もちろん、皆ずぶ濡れだ。
この辺、全員の団結がよく描かれていて良い。
翌朝、ユゲットがやって来ると、ジャックの置き手紙があった。
彼は、ジャンの言葉で自分が身を引こうと決意し、旅に出ることにしたのだ。
嵐で壊れた屋根を修復しなければならない。
非常用に取って置いた貯金があるはずだ。
だが、2000フラン足りない。
何と、シャルルがジーナにせがまれて、渡してしまったのだと白状した。
ジャンは激怒し、「家を直すのに必要な金だ! 取り戻して来い!」と命じる。
シャルルは手切れ金のつもりで渡したので、「オレは行かない」という。
そこで、ジャンがジーナの部屋を訪ねる。
彼女はセクシーなモデルの仕事をしている。
「目当ては私でしょ」とジャンを誘惑するジーナ。
「その前に金を出せ。」
ジャンはジーナから金を取り戻して来たが、それでも未だ足りない。
そこへ、憲兵がマリオを捜しにやって来る。
仲間達は「知らない」と言い張る。
タイミングの悪いことに、ユゲットが大声でマリオの名を呼びながらやって来た。
仕方がないので、隠れていたマリオは顔を出した。
憲兵は、48時間以内の国外退去を命じる。
レストランの完成には間に合わない。
なお、マリオが何の罪を犯したのかは、作中では明らかにされない。
さあ、これからどうなる?
後半、仲間達は一人また一人と欠けて行く。
そして、ジャンとシャルルのジーナを巡る争いが起こる。
宝くじが当たって、貧困のどん底だった5人が共通の夢を見出し、物語は明るいトーンで進んでいたのだが。
最後は、全く予想外の結末を迎える。
結局、あぶくゼニは身に付かないということだろうか。
改めて見たが、なかなかスゴイ映画だ。
ちなみに、本作の中では、タンタンがジャワ語を喋れるという設定が出て来る。
ジャワ語って何だ?
僕は寡聞にして知らなかったが、調べてみると、インドネシアの地方語で、話者数は7500万人もいるらしい(なお、公用語インドネシア語)。
東京外大にも、インドネシア語学科はあるけど、ジャワ語学科はない。
しかし、母語話者数が世界13位だって。
日本語が9位、ドイツ語が10位、フランス語が11位だから、相当多いな。
世界には、僕なんかの聞いたこともない言語がまだまだたくさんあるということか。
アマゾンで調べたら、大学書林の『ジャワ語の基礎』という参考書は6000円もするんだな!
それにしても、大学書林の守備範囲の広さは恐るべしだ。

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『トップ・ハット』

連休中は、ブルーレイで『トップ・ハット』を見た。

1935年のアメリカ映画。
監督はマーク・サンドリッチ
音楽は、『イースター・パレード』のアーヴィング・バーリンと、『キング・コング(1933)』『風と共に去りぬ』『カサブランカ』『三つ数えろ』『キー・ラーゴ』の巨匠マックス・スタイナー
主演は、『イースター・パレード』『バンド・ワゴン』『パリの恋人』『タワーリング・インフェルノ』の大スター、フレッド・アステア
我が家は、ミュージカルの有名作品は比較的見た方だと思うが、戦前の作品は多分初めてだと思う。
モノクロの作品はないから。
古くは、中学生くらいの時に、カトリーヌ・ドヌーブ主演の『シェルブールの雨傘』を、京都の映画館でリバイバル上映していたので、観に行った記憶がある。
しかし、『ダンスウィズミー』の三吉彩花ではないが、そもそもミュージカル映画が好きな訳ではない。
登場人物が突然歌い出すのには違和感があるが、もう慣れた。
本作の主演のフレッド・アステアは、僕は『タワーリング・インフェルノ』の老ペテン師の印象が強い。
タワーリング・インフェルノ』は何度も見ているが、最初は、彼がそんな大スターだとは知らなかった。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
画質はやや甘い。
軽やかな音楽から始まる。
「ロンドン 小説家クラブ 創立1864年」という看板。
なお、原文では「小説家」は「Thackeray」となっているが、「サッカレー」では何のことか分からない人もいるだろうから、「小説家」という訳にしたんだろう。
シェイクスピアならともかく、サッカレーなんて英文科でイギリス文学史をかじった学生でもないと、日本では普通は知らないだろう。
僕は、大好きな映画『バリー・リンドン』の原作者として知っていたが。
で、このクラブでは「静かに!」という看板。
なお、この原文は「Silence!」であるが、これは今、僕が読んでいる『シェイクスピア物語』にも出て来る。
「クラブ内 規律厳守」。
爺さんばかりのサロンの中で、みんな黙って新聞を読んでいる。
その中に、ブロードウェイ・ダンサーのジェリー・トラヴァース(フレッド・アステア)がいる。
若い!
ジェリーが新聞をめくる音だけで、周りの爺さん達は過敏に反応する。
そこへ、舞台監督のホレース・ハードウィックがジェリーを迎えに来る。
ジェリーはハードウィックの公演に出るために、ロンドンに来たのであった。
その場で、ジェリーは突然、タップダンスを踊り出す。
新聞の音だけで過剰反応していた爺さん達は、心臓が飛び出さんばかりに驚く。
うまい伏線だったな。
トラヴァースはジェリーをホテルの自分の部屋に宿泊させる。
ジェリーは、部屋の中で歌いながらタップダンスを踊る。
下の部屋に泊まっていたモデルのデイル・トレモント(ジンジャー・ロジャース)がビックリする。
僕も大昔から、いつでも歌うクセがあって、今でも夜中に酔っ払うと、オフコースやらアルフィーやらを原曲のキーで歌い出すので、細君から「何時だと思っているの!」としょっちゅう怒られるのだが。
ウチのマンションは防音がしっかりしているのか、16年住んでいるが、クレームが来たことは一度もない。
しかし、デイルは怒ってハードウィックの部屋に押し掛けて来る。
応対したジェリーは、若くて美人のデイルを気に入って、口説こうとするのだが、彼女は全くつれない。
クレームを受けたジェリーは、防音のため、床に砂をまいてタップダンスを踊る。
翌朝、ジェリーはホテルの花屋で花を注文し、デイルの部屋に送らせる。
「会計はハードウィックに」。
外出しようとするデイルにジェリーが挨拶するも、つれない彼女。
彼女はホテルの前に馬車を待たせている。
当時のロンドンは、既にあの有名な2階建てバスも走っている車社会であったが、乗馬をするデイルは、わざわざ馬車に乗るのである。
いつの間にか、ジェリーが馬車に乗って、馬を操っている。
ロンドンの街中を走る馬車。
ジェリーは手綱を握りながらステップを踏む。
彼は馬車の停め方が分からない。
デイルは乗馬が趣味で、稽古に来たのであった。
そこへ、突然の雷雨。
雨宿りをしているデイルのもとへ、ジェリーが馬車で迎えに来る。
デイルは雷が怖い。
ジェリーは、「愛の火花が雷だ」とか、うまいこと言って、彼女の気を引く。
歌い出すジェリー。
そして、二人は一緒に踊る。
デイルは、デザイナーのアルベルト・ベディーニとイタリアへ行く予定だったのをキャンセルする。
秘かにデイルに好意を抱いていたベディーニは落胆する。
デイルは、「私達の関係はビジネスよ」と言う。
そして、彼女はホテルの滞在を伸ばす。
ところが、彼女はジェリーの名前すらも聞いていなかった。
ひょんなことから、彼女はジェリーとハードウィックの名前を逆だと勘違いしてしまう。
友人のマージの夫がハードウィックだと知ったデイルは、(奥さんがいるのに私に手を出したと思って)ジェリーを公衆の面前でビンタする。
「男なんて大嫌いよ!」
ホテルの支配人が、下の部屋の女性(デイル)が怒っているとハードウィックに伝えに来る。
部屋にジェリーを泊めていることを知られたくなかったハードウィックは、ジェリーに「隠れろ」と告げる。
代わりに、付き人のベイツ(エリック・ブロア)に「全て私の責任です」と言わせる。
ハードウィックはベイツに「下の部屋の女性のことを調べろ」と命じる。
本作の脚本で取り入れられている「勘違い」は、文章で書いても、ちっとも面白さが伝わらない。
映画で見ると、非常にテンポ良く、うまく出来ている。
翌朝、デイルは車で出発する。
ジェリーが送った花は、部屋に捨てられていた。
ベイツがデイルの後を追い掛ける。
ジェリーは公演の開幕まで、あと1時間しかない。
で、ジェリーの公演が始まる。
第1幕は素晴らしく、観劇に来ていた小説家クラブの連中も拍手喝采
祝電も届く。
そこへ、マージ(ハードウィックの妻)から電報が届く。
「友人のデイル・トレモントと一緒にイタリアにいる」と。
それを知ったジェリーは、ハードウィックに「イタリアへ行こう! チャーター機を飛ばせばすぐだ!」と提案。
公演が終わり、万雷の拍手の中、心ここにあらずのジェリーは、ハードウィックと共にイタリアへ向かう。
とは言っても、イギリスからイタリアまで、当時のプロペラ機じゃあ、そんなにすぐには着かんだろう。
それに、相当高かったのではないか。
戦後に発表された松本清張の『点と線』ですら、飛行機に乗ることがトリックになるくらいだから、庶民には縁遠い乗り物だったに違いない。
で、当時は今のようにFacebookもインスタグラムもないから、相手の顔と名前を確認出来ないということもあったんだろうな。
現在では成立し難い設定だ。
イタリアでは、デイルがマージと会っている。
このイタリアが、屋内のつもりなのだろうが、あまりにセット然としていて、どこかの邸宅の庭くらいにしか見えない。
まあ、ヨーロッパでロケをするのも大変だっただろうからな。
デイルは、ジェリーにされたことをマージに話す。
「花を贈られた。」
「追い回された。」
しかし、お互い、名前を取り違えているため、マージはこれを自分の夫のハードウィックがしたことと理解する。
浮気に寛大なマージは、自分の中年の夫が、未だ若い女性に熱を上げるほど元気で、しかも、彼女から「魅力的だ」と言われて、喜ぶ。
「男なんてそんなもんよ。」
この感覚は僕には理解出来ない。
我が家なら即離婚だろう。
その頃、ジェリーとハードウィックはイタリアへ向かうチャーター機の中。
ハードウィックはジェリーに、自分の妻(マージ)のことを「謎めいた女性」と言う。
そして、過去の女性遍歴を語る。
まあ、これが後々、余計に話しをこじれさせるのだが。
さあ、これからどうなる?
ストーリー自体は予想通りの展開だが、こういう話しはこれでいい。
音楽とダンスが素晴らしい。
それから、華やかな社交界が舞台なだけあって、衣装がとても豪華である。
マーク・サンドリッチ監督、フレッド・アステアジンジャー・ロジャース主演のミュージカルは何本もあるから、他の作品も見てみよう。

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