『ザ・ディープ』

この週末は、ブルーレイで『ザ・ディープ』を見た。

1977年のアメリカ・イギリス合作映画。
原作は『ジョーズ』のピーター・ベンチリー
監督は『ブリット』のピーター・イェーツ
主演はロバート・ショウ
『空軍大戦略』『スティング』『ジョーズ』等の渋い脇役である。
共演はジャクリーン・ビセット
大空港』や『オリエント急行殺人事件』に出ていた。
それから、ニック・ノルティ
彼の主演作『ロレンツォのオイル/命の詩』は映画館で観た。
あと、ルイス・ゴセット・ジュニア。
彼の出演した『ジョーズ3』も昔、映画館で観たな。
更に、イーライ・ウォラックは『荒野の七人』や『ゴッドファーザーPARTⅢ』に出ていた。
音楽はジョン・バリー
ジェーン・バーキンの最初の夫である。
『007』シリーズや『真夜中のカーボーイ』等が有名。
本作は海洋サスペンスという触れ込みである。
ジョーズ』なんかに当て込んだんだろう。
それなりにヒットはしたようである。
本編はバミューダの青い海から始まる。
全編に渡る海中の映像は、撮るのが大変だっただろう。
潜っている男女。
ネムーンに来ているデヴィッド(ニック・ノルティ)とゲイル(ジャクリーン・ビセット)である。
彼らは沈没船のような物を見付けた。
突然、何者かに引っ張られるゲイル。
海上のボートへ急浮上。
沈没船の中で、デヴィッドはメダルのような物、ゲイルは何かのアンプルを拾って持ち帰った。
サスペンス・タッチにしようとしているが、話の展開は分かりにくい。
彼らが図書館でメダルについて調べると、1714年に掘られた物だと判った。
大昔のたかがメダルに、そんなに都合良く文献があるだろうか。
本作には、突っ込みたくなる箇所は多々あるので、一々気にせず進める。
二人が食事をしていると、デュポンと名乗る黒人男(ルイス・ゴセット・ジュニア)が彼らの見付けたアンプルを買い取りたいと言って来た。
しかし、デヴィッドは「そんな物は知らない」と言う。
翌日、二人は海洋のプロであるトリース(ロバート・ショウ)を訪ねる。
が、彼は「メダルを調べる必要はない」と言う。
と言いつつも、こっそりアンプルの方は隠し持った。
トリースの家を後にして、デヴィッドとゲイルがバイクで走っていると、トラックが追って来た。
そして、タクシーに拉致される二人。
案の定、例の怪しい黒人が「アンプルを渡せ」と迫る。
彼の正体は麻薬を扱う暗黒街のボス・クローシュであった。
だが、アンプルは既に二人の手元にはない。
彼らは「この件は忘れろ」と言われ、追い返される。
二人は憤慨して再びトリースを訪ねる。
トリースは二人を連れて港へ行き、そこで働く老水夫コフィン(イーライ・ウォラック)に引き合わせる。
コフィンは例のアンプルを見ると激しく動揺した。
アンプルは第二次大戦中に難破した貨物船・ゴライアス号の積み荷で、中身の黄色い液体はモルヒネであった。
ゴライアス号は火薬と医薬品を積んだ船だった。
で、コフィンはゴライアス号唯一の生き残りらしい。
トリースは二人に「政府には届けるな」と言う。
麻薬を憎むトリースは大量のモルヒネをクローシュ一味に渡さないために、ゴライアス号を爆破しようとしていたのである。
ゴライアスが爆破されてしまっては、そこに眠っているかも知れない財宝探しも諦めなくてはならなくなる。
そこで、デヴィッドは爆薬を仕掛けるために潜るトリースと一緒に、今夜、海に潜ることになった。
トリースとデヴィッドが沈没船の周りを探すと、多数の爆薬と共に大量のアンプルを発見した。
どうでもいいが、何十年も昔のモルヒネなんて、使い物になるのだろうか。
更に、スペイン王の財宝の鍵となる物も発見する。
そこへ巨大なウツボが出現。
フラッシュの光に驚いて逃げた。
彼らは、その日の爆破は取り止める。
一方、海岸のホテルは電気が消えており、ゲイルが謎の男達に襲われた。
鶏の脚を使って彼女の身体に血を塗る変な儀式が執り行われる。
気持ち悪いねえ。
デヴィッドとトリースも、ホテルへ戻る途中、黒人達に襲われる。
トリースは二人に「今夜は俺の家へ来い」と言う。
あそこには王の財宝が沈んでいるかも知れない。
トリースはクローシュ一味の目をくらますために、モルヒネの取り引きをすることにした。
翌日、クローシュと話すトリース。
彼には100万ドルでモルヒネを渡すことで話が着く。
まあ、そんなにモルヒネが欲しけりゃ、自分で潜って拾ってくればいいと思うのだが、何で100万ドルも敵に払って拾ってもらうのかが分からん。
色んな事がよく分からないので、ドラマは淡々と進み、一向に盛り上がらない。
何度も見せ場を作ろうとしているが、空回りしている。
撮影はしたもののカットしたシーンも幾つかあるので、余計に舌足らずになっている。
さて、トリース、デヴィッド、ゲイルは沈没船にまで潜り、ホースで砂を吸い、モルヒネのアンプルを回収する。
その時、誤って手榴弾を吸ってしまい、爆発が起こる。
だが、デヴィッドはお宝を発見した。
トリースは回収した大量のモルヒネ・アンプルを自宅の灯台に隠し、爆薬を仕掛ける。
一味の目をそこに釘付けにしておいて、3人は財宝探しに没頭する。
クローシュはモルヒネ以外にも何かがあるのではないかと感付き、のけ者にされて不貞腐れているコフィンに接近する。
コフィンはクローシュに寝返った。
トリース達のの運命や如何に?
であるが、どうにもハラハラ、ドキドキ感がない。
正直、あまり面白くない映画だと思うが、前述のように、ヒットはした。
1977年の洋画興行収入6位。
ちなみに、1位『キングコング』、2位『遠すぎた橋』、3位『カサンドラ・クロス』、4位『ロッキー』、5位『サスぺリア』。
スゴイ時代である。
ついでに、邦画の1位は『八甲田山』、2位『人間の証明』、3位『八つ墓村』。