『荒鷲の要塞』

この週末は、ブルーレイで『荒鷲の要塞』を見た。

荒鷲の要塞(Blu-ray Disc)

荒鷲の要塞(Blu-ray Disc)

1968年のイギリス・アメリカ合作映画。
監督はブライアン・G・ハットン
主演はリチャード・バートンクリント・イーストウッド
リチャード・バートンは、エリザベス・テイラーの元夫として有名だな。
クレオパトラ』とか『じゃじゃ馬ならし』で共演していた。
他の出演作は『史上最大の作戦』等。
天下の駄作『エクソシスト2』にも出ていたな。
クリント・イーストウッドは、出演作多数のため省略。
本作の舞台は第二次大戦中のヨーロッパ。
寒そうな山々の合間を飛んで来る戦闘機から始まる。
戦闘機には、逆卍が描かれているが、これは偽装で、実際はイギリス軍機である。
イギリス軍のスミス少佐(リチャード・バートン)やアメリカ軍のシェイファー中尉(クリント・イーストウッド)らが乗っている。
ヨーロッパ大陸反攻作戦を担当するアメリカ陸軍の将軍が、飛行機事故によりドイツ軍の捕虜となった。
連合国の最重要機密の漏えいを防ぐため、イギリス軍情報部は救出作戦を立案。
それが彼らの任務であった。
上空からパラシュート降下。
とにかく寒そうである。
八甲田山みたいだ。
この降下で、死者が1名出た(しかし、実はドイツ軍に殺されたことが後に判明する)。
彼らは山小屋を拠点にする。
将軍が捕らわれているのは、断崖絶壁に建てられた、野生の鷲しか降りられないという「荒鷲の要塞」と呼ばれる城。
作戦は不可能に近い。
どうでもいいが、ドイツ軍は皆、英語を話している。
スミスやシェイファーは、変装して敵地に入る。
設定では、彼らは「ドイツ語を話せる」ということになっている。
しかし、イントネーションで判らないのだろうか。
中国人や韓国人だって、日本語を話せば、すぐに日本人ではないと判る。
スミスは女たらしである。
女スパイを何人も囲っている。
その内の一人を、お手伝いとして敵の城へ潜り込ませることにした。
実は、不時着したイギリスの将軍は替え玉であった。
スミスとシェイファーは、ドイツ軍人の集まる酒場で情報収集。
そこへ、部隊が脱走兵を検挙しに来た。
身元がバレて面倒になる前に、スミス達は自ら脱走兵として名乗り出、連行される。
けれども、車の中で発砲して脱出。
既に、敵にはバレているようだ。
スミスは、上官から「危険だから撤退しろ」と言われる。
しかしながら、「バカを言え」と、命令を無視して潜入作戦を決行する。
他のメンバーは敵に捕らえられ、残っているのはスミスとシェイファーだけだった。
彼らは小屋を爆破し、その混乱に乗じて敵陣へ。
ここから、多数のダイナマイトを仕掛け、爆破し放題になる。
こんなにたくさんのダイナマイトを、一体どうやって持ち運んでいるのだろうか。
二人は、断崖絶壁を渡るロープウェーの屋根に乗って城に潜入する。
影技術的には難もあるが、決死の潜入である。
高所恐怖症の人なら、めまいを起こして転落しそうだが、何とか成功。
ロケ、セット、合成等を巧みに組み合わせている。
二人は、将軍の尋問が行われている部屋に忍び込んだ。
そして、ここで急展開が起こる。
正に、大ドンデン返しである。
さあ、これからどうなるのか?
本作は、あまり戦争映画っぽくはない。
まるでスパイ映画のようである。
ダーティハリー』よりも派手な撃ち合いだ。
両手に銃を持って片っ端から撃ちまくるイーストウッドは、殺人マシンのよう。
ターミネーターかと思った。
敵が投げて来た手榴弾を向こうに投げ返すなんて、まるでドリフのコントである。
見せ場は多数あるが、リアリティはない。
こんなのは、生身の人間には無理である。
これは、要するにアクション映画だ。
話しが出来過ぎである。
まさか、実話ではないだろう。
まあ、こんな寒そうな所で、大量の爆薬を使って、撮影は大変そうだが。
音楽は勇ましい。
1969年洋画興行収入4位(ちなみに、1位は『ブリット』)。