『戦略大作戦』

この週末は、ブルーレイで『戦略大作戦』を見た。

戦略大作戦(Blu-ray Disc)

戦略大作戦(Blu-ray Disc)

1970年のアメリカ映画。
監督はブライアン・G・ハットン
主演はクリント・イーストウッド
あと、『マッシュ』のドナルド・サザーランドが、かなりインパクトの強い役で出ている。
音楽は、『暴力脱獄』『ダーティハリー』『シノ―ラ』『燃えよドラゴン』のラロ・シフリン
舞台は、第二次大戦末期のヨーロッパ戦線。
アメリカ陸軍のビッグジョー曹長率いる小隊は、いつも肝心なところで後退を命じられ、未だに手柄を立てられずにいた。
味方を誤爆して降格された元中尉のケリー二等兵クリント・イーストウッド)は、ビッグジョー曹長と共に、ドイツ軍の大佐を捕虜として捕まえる。
夜、雨の中、突然走りだすジープから始まる。
この中に、ビッグジョー、ケリー、ドイツ軍の大佐が乗っている。
大佐はドイツ語訛りの英語を話す。
雨の中の強行軍、味方の砲弾もくらう。
ビッグジョーは女好き。
街の中のホテルばかり探している。
上官はヨットの点検をしている。
これは、戦争映画のように見せかけて、コメディーなのであった。
大佐の手荷物を調べると、金の延べ棒が出て来た。
ケリーはダンコーフに強い酒を飲ませ、40キロ先の小さな街・クレアモントの銀行に、大量の金塊が保管されていることを聞き出す。
大佐は可哀想に、米軍に撃たれてしまったが、ケリーは金塊を探しに行く決意をする。
壊滅した戦車隊を率いていたオッドボール軍曹(ドナルド・サザーランド)も加わる。
彼は、シャーマン戦車を3台持っていた。
それにしても、うさん臭いヤツだ。
ケリーから話しを聞いた小隊の兵士達は、クレアモントの金塊をくすねるべく、次々とこの作戦に参加する。
運良く、上官はヨットを運んで休暇に入った。
さあ、みんな出発だ。
敵の前線を、砲弾の雨の中、通過する。
橋は全部、味方の空爆で落とされている。
残っているのは鉄道橋のみ。
ケリー達は、休んでいるところを味方に空爆される。
「また味方か!」
これは自虐的なネタだ。
空爆のおかげで車が全て破壊され、残り30キロを歩くハメになる。
一方、オッドボール達は、鉄道のトンネルを戦車で抜けて、敵を撃つ。
派手な爆破シーンである。
更に、唯一残っていた橋を目の前で味方に空爆される。
一々、ブラックな笑いを大仕掛けで取る映画だ。
今度は、ケリー達の小隊で、地雷による死者が出る。
これは、たまらないだろう。
戦争の悲惨さも描いている。
そして、敵のパトロールと遭遇し、銃撃戦になる。
まるでゲームのように、ドイツ兵は皆殺しにされる。
これは、ドイツ人が見たら気分が悪いだろうな。
様々な困難の末、ケリー達とオッドボール達は合流する。
オッドボールは、味方を多数(ただし、軍楽隊ばかりだが)引き連れて来た。
続いて、橋で敵の猛攻撃を受け、戦車が2台やられる。
常に楽観的だったオッドボールも、ちょっと参っている。
で、彼らのハチャメチャな無線のやり取りを、好戦的な司令官が傍受し、「何と素晴らしい兵士達だ!勲章をやる!」と、勝手に興奮して乗り出して来る。
これが、後の皮肉な笑いへとつながる。
さて、ケリー達は、ようやく銀行の近くまで来たが、ドイツ軍のタイガー戦車が守っている。
タイガー戦車というのは、僕も昔、プラモデルで作った記憶があるけれども、ドイツ軍の名戦車として恐れられた。
さあ、これから彼らはどうする?
戦闘シーンの臨場感はスゴイ。
いつも同じことを言うが、昨今のCGとは違い、本物の迫力である。
本作は、編集のテンポ、カメラ・ワークが良い。
なかなか痛快なコメディである。
やはり、昔の映画は味がある。
ちょっと、マカロニ・ウエスタンのパロディー風なシーンもある。
最後に、イーストウッドが、ドイツ軍の戦車隊長に向かって、「Auf wiedersehen.」と言うのが印象的だった。