『踊る大紐育』

この週末は、ブルーレイで『踊る大紐育』を見た。

1949年のアメリカ映画。
監督はジーン・ケリースタンリー・ドーネン
製作は、『巴里のアメリカ人』のアーサー・フリード
音楽は、『波止場』のレナード・バーンスタイン
編集は、『クォ・ヴァディス』のラルフ・E・ウィンタース。
主演は、『巴里のアメリカ人』のジーン・ケリー、『地上より永遠に』のフランク・シナトラ等。
MGMのライオンがカラーになっている。
ケバケバしい色のオープニング・タイトル。
華やかな音楽が流れる。
本作はテクニ・カラーだ。
舞台はニューヨーク。
早朝、港で朗々と歌う労働者。
海軍の艦船から、3人の水兵が降りて来る。
ゲイビー(ジーン・ケリー)、チップ(フランク・シナトラ)、オジー(ジュールス・マンシン)だ。
彼らは24時間の休暇をもらった。
ニューヨークのあちこちを見物して回る。
とは言え、24時間しかない。
時間は、あっと言う間に過ぎる。
田舎者の彼らは、初めて地下鉄に乗る。
隣の人に経路を尋ねても、地下鉄の騒音で聞こえない。
地下鉄の車内で女性のポスターを貼っているのに目が止まる。
聞けば、「ミス地下鉄」だという。
昔、営団地下鉄のパンフレットに、月替りで沿線巡りをする女性が載っていたが、それと同じようなものだろう。
3人は、ポスターを剥がして逃げる。
すると、件のポスターの女性が撮影をしているところに、バッタリと出くわす。
一緒に記念撮影をしてもらう彼ら。
ゲイビーは、この女性アイヴィ・スミス(ヴェラ・エレン)に恋をしてしまう。
地下鉄に乗ってしまった彼女を追いかけるため、3人は急いで地上に上がり、タクシーに飛び乗る。
タクシーの運転手はブランヒルド(ベティ・ギャレット)という女性だった。
彼女は何故か、チップを気に入る。
隣の駅を探したものの、ちょうどアイヴィとは入れ違いになってしまった。
そこで、3人は引き続きブランヒルドのタクシーでアイヴィを探すことにする。
「ミス地下鉄」のポスターに、「好きな場所は博物館」とあったので、彼らは博物館へ向かう。
ジーは、緑の服を着た女性学者クレア(アン・ミラー)を見掛けて、一目惚れ。
彼女は、現代人よりも原始人を好むのであった。
ピテカントロプスに外見がソックリのオジーを、彼女も大変気に入る。
で、本作はミュージカルなので、歌と踊りがテンコ盛り。
ところが、困ったことに、オジーが恐竜のヒザの骨をちょっと触ると、化石全体がバラバラと崩れてしまった。
彼らは急いでその場から逃げるが、後に、これが警官やら学者やらを巻き込んで、大騒動になる。
ゲイビーには悪いが、他の二組のカップルは、それぞれ自分達の時間を欲しがった。
そこで、「別れて探した方が効率がいい」という口実の下、3組はバラバラになる。
ブランヒルドは強引にチップを自分の家に連れて来る。
風邪を引いている不細工なルームメイトがいたが、ブランヒルドはそんなことに動じない。
ルームメイトを追い出す。
ルームメイトの捨てゼリフが「Goodbye, Mr. Chips!」
一方、アイヴィはシンフォニー・ホールで踊りの練習中だった。
ゲイビーは、ついに彼女を見付ける。
そして、一生懸命口説く。
実は、ゲイビーとアイヴィは、生まれ故郷も出身高校も同じなのだった。
しかし、ゲイビーはアイヴィを偶像化し、ミス地下鉄は都会の高嶺の花だと信じ込んでいる。
アイヴィは、それを感じて、本当のことを打ち明けられない。
実は、彼女は鳴かず飛ばずのしがない踊り子に過ぎないのであった。
二人は、夜8時半にエンパイア・ステート・ビルの展望台で待ち合わせの約束をする。
当たり前だが、この時代のアメリカには既に、超高層ビルがあったのだなあ。
夜になり、アイヴィ以外の5人が、屋上に集結した。
そこへ、警官達が恐竜壊しの犯人を探しに来る。
ジーを隠すために、彼を宙吊りにするゲイビーとチップ。
セットとは分かっていても、100階建てのビルの屋上で宙吊りとは、恐ろしい。
何とかごまかし終えたところへ、やっとアイヴィが現れる。
だが、彼女はこの後、踊り子の仕事へ行かなければならないのであった。
二人の恋の行方や如何に?
ストーリーは単純だが、歌と踊りが盛り沢山で、楽しめる映画である。
アカデミー賞ミュージカル音楽賞受賞。